昨日10/19付けで弥生は太田直樹さんと林千晶さんを社外取締役として迎えました。現在の弥生の株主はオリックス(と超マイナーですが私)であり、会社の所有と経営は完全に分離されています。取締役会のうち3名は社外取締役として株主から迎えており、経営者の暴走を防げるガバナンス体制になっています。しかし、オリックス傘下になってからほぼ5年となり、いい意味でも悪い意味でも居心地のいい取締役会になっています。今後も弥生が健全に継続的に発展していくために、社外の有識者の目が必要だと考えていました。
今回社外取締役に就任いただいた太田さんと林さんは、二人とも従前からの私の知人です。ただ、言い方はなかなか微妙ですが、友人と言えるほど親しいわけではありません(笑)。あまりにも親しい間柄であれば、社内取締役と社外取締役とのいい意味での緊張関係を築けませんからね。それだけに、社外取締役への就任を打診する際にはドキドキしながらでしたが、幸いなことにお二人ともご快諾いただくことができました。
太田さんは私と同様BCG(ボストン コンサルティング グループ)出身。もっとも滞在期間が短かった私と比べ、太田さんはパートナーまで務められていますので、比較になりませんが。私のBCG在籍中は残念ながらプロジェクトをご一緒する機会はありませんでしたが、BCG卒業後にはBCGのアラムナイパーティなどでたまにお話しする機会がありました。今年6月には、弥生は他4社と共同で、確定申告や年末調整などの社会的システムをデジタルを前提として再構築することを提言しましたが、これを提言で終わらせるのではなく、現実のものとするために、太田さんの民間と行政の両面にわたる経験が活きるものと思っています。
太田さんと私は共通項が多めなのですが(改めて経歴を拝見すると、大学卒業の年もビジネススクール修了の年も一緒でした!)、いい意味で私と大きく異なるのが林さんです。やや安直な例えですが、私が左脳派だとすると林さんは右脳派。社外取締役就任にあたって「『弥生』という社名は、社内公募で決まったと聞きました。旧暦の三月は、まだ寒さが残るけれど、一歩ずつ確実に春へと向かっていく。そんな未来に対する希望が想像される、いい社名だと思います」というメッセージをいただきました。こんなところにも、林さんらしさが詰まっています。一足先に社内イベントで登壇いただいたのですが、これまでの経営陣との違いを皆実感したのではないかと思います。そんな林さんですが、クリエイティブ・カンパニーであるロフトワークさんの共同創業者であり、起業家、経営者という弥生のお客さまを象徴する存在です(実際にロフトワークさんは長年の弥生ユーザーだそうです)。
太田さん、林さんという新たな応援団兼監督を迎え、弥生が今後どのような価値をお客さまに提供していくのか、それによってどのように成長していくのか、徹底的に議論し、実行していけることを楽しみにしています。