ある程度予想されていたことですが、本格的な寒さの到来とともに、新型コロナウイルス感染症の新規検査陽性者数が増加してきました。特に北海道では、弥生が判断基準としている人口10万人あたりの過去7日間の新規検査陽性者数が15以上を上回ったため、昨日から、弥生の札幌カスタマーセンターにおける対応レベルを再びレベル3としました。足元ではお客さまからのお問合せが極端に多い時期ではありませんので、これによってただちにお問合せ対応のサービスレベルが下がることはないと考えています。
お客さまからのお問合せには明確な季節性があります。このスライドでは、四半期ごとのお問合せ件数を過去3年間(FY18/FY19/FY20)の推移として表しています。四半期ごとのお問合せ件数としては、一般的にQ2(1~3月)>Q1(10~12月)>Q3(4~6月)≒Q4(7~9月)という傾向があります。Q2はやはり2月から3月の確定申告に関連するお問合せが、そしてQ1は12月の年末調整のお問合せが集中します。
このグラフから見て取れる通り、お問合せ件数は基本的に年々右肩上がりです。これはお陰さまで弥生のお客さまが順調に増えているため。Q1でのFY18<FY19<FY20の件数の伸びは、基本的にはお客さま数の伸びと呼応しています。もっとも、お客さまからすれば、お問合せせずとも業務を完結できることがベストですから、弥生としてお問合せ件数が伸びること自体を良しとはしていません。より重視しているのは、お客さまあたりの平均お問合せ件数(コール係数と呼んでいます)であり、これは基本的に漸減傾向です。ただ、その漸減傾向をお客さま数の伸びが上回るため、お問合せ件数としても伸びる傾向にあります。Q2についても、やはりFY18<FY19<FY20の順で伸びています。上でお話しした通り、申告期限延長により3月は例年と比べお問合せが明確に減少しましたが、お客さま数の伸びもあり、四半期単位ではプラスとなっています。
特徴的なのはQ3ですね。Q3は見ての通り例年はお問合せが少ない時期です。ましてや今年は緊急事態宣言下ということもあり、減りそうなものですが、実際にはお問合せが増えました。考えてみれば当たり前で、緊急事態宣言下においても、お客さまの業務は続いていた訳です。特に今年は確定申告期限が延長されたこともあり、確定申告に関するお問合せの波が全体として3月から4月にシフトしました。さらに5月に入ると、持続化給付金に関するお問合せが増えました。弥生では、持続化給付金に関する特別窓口を用意して、お客さまのお問合せに対応しました。当然のことながらこれは例年は存在しないお問合せです。
Q4になって、ようやく前年対比で減少。これは前年が消費税率の引上げ/軽減税率の導入を目前にしてお問合せが増えたことからの反動であり、前々年と比べると増えていることが見て取れるかと思います。
ちなみに弥生にいただくお問合せのうち9割以上はお電話でのお問合せです。メールはもちろん、チャットでのお問合せもここ数年で増えてきましたが、ボリュームゾーンは電話。やはりその場で確実に解を得たいということなのかと思います。
足元ではお客さまからのお問合せが極端に多い時期ではありませんと書きましたが、11月も後半になると年末調整のお問合せが増加し、12月には爆発的に増えます。特に今年は年末調整の制度自体が複雑化し(これについては近々お話ししたいと思います)、お問合せが例年より増加することが予想されます。そんな中で対応レベル3への移行は正直しんどいところ。ただ、お客さまの業務が継続する中で、弥生としても足元だけではなく、年末も年始も、もちろん来年春もしっかりとお客さまのお問合せに対応し続けなければなりません。リスクをゼロにはできませんが、できるだけ低減できるよう対策を講じなければならないと考えています。対策の一つとして、スタッフが在宅でお電話に対応できるよう準備も進めています。本日時点では全ての課題を解消できておらず本格運用はできていませんが、年末調整のお問合せが本格化するまでに、必要に応じ在宅での受電ができるよう体制を整備したいと考えています。