2021年02月15日

総額表示の復活

いよいよ明日から確定申告が始まります。本ブログでも今年変わった点、気を付けるべき点を中心に集中的にお話ししたいと思いますが、その前に確定申告とは無関係ですが、実は影響が大きい法令改正についてお話ししておきたいと思います。

それは消費税の総額表示義務の復活。消費税導入の当初は、消費者に対する価格表示について、税抜とするのか、税込とするのか、決まりはありませんでした。しかし、税抜で表示しているお店と税込で表示しているお店での価格の比較が難しい、また、買う際に実際問題いくら払うかがわかりにくい(100円玉を握りしめた子どもがレジで110円といわれて呆然ということもありますよね)という問題意識から、2004年から、消費者に対する価格表示を消費税額を含めた総額での表示とすることが義務付けられました。

一方で、2013年10月からは、一定の条件付きですが、総額表示を義務付けないとする特例が認められました。2013年10月というと、2014年4月の半年前。そう、消費税率が5%から8%に、実に17年ぶりに引上げられようとするタイミングです。この特例が認められた背景としては、税率が引上げとなる前後で、総額表示を一気に切り替えるのが難しいということです。例えば、1,050円(税込)、2,100円(税込)、3,150円(税込)といった商品があるとして、2014/3/31から2014/4/1の一晩で、1,080円、2,160円、3,240円と価格表示を切り替えるのは現実的ではありません。そこで一定期間は、1,000円+消費税、2,000円(税抜)、3,000円(本体価格)といったような税抜価格での表示を特例として認めることになりました。

この特例措置はもともと2018年9月末までと定められていましたが、その後、消費税率の10%への引上げが2回に渡って延期されたことを受け、特例措置の終了も延長されていました。延長後の期限が2021年3月31日。そうです、この3月末です。消費税率10%への引上げが2019年10月に実施され、その先さらなる消費税率の見直しは今のところ予定されていないことから、特例措置を終了し、本来の総額表示に戻すわけです。

2021021501.png

総額表示ということで、2021年4月以降は、

10,780円
10,780円(税込)
10,780円(税抜価格9,800円)
10,780円(うち消費税額等980円)
10,780円(税抜価格9,800円、消費税額等980円)

といったような価格表示とする必要があります。

なお、総額表示の義務は、「消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合」、つまりいわゆる小売取引が対象です。ですから、事業者間でやり取りする見積書や契約書などにはこの義務は課されません。また、小売取引において、不特定かつ多数の者に対する値札や店内掲示、チラシあるいは商品カタログにおいて、「あらかじめ」価格を表示する場合を対象に求められるものですから、そもそも価格表示がされていない場合や、口頭での価格の表示も対象外となります。

ちなみにこの総額表示義務は消費税法上の罰則はないそうです。新型コロナウイルス禍の影響もあり、4月からいきなり義務違反と指摘されることもないのだと思いますが、それでも法令上定められた義務ですから、しっかり対応はしておきたいところです。こちらの国税庁のページ財務省が用意したよくある質問も参考にしてください。
posted by 岡本浩一郎 at 17:40 | TrackBack(0) | 税金・法令
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