2021年03月09日

新型コロナ禍と経費/控除

前回は、持続化給付金など事業者に対する給付金は課税対象となること、一方で、個人に対して支給された特別定額給付金は非課税であることをお話ししました。この他収入面で注意が必要なのは、GoToキャンペーンの扱いでしょうか。GoToトラベルやGoToイートなどのGoToキャンペーンによる割引額は一時所得の対象となります。ただし、一時所得には50万円の特別控除額がありますので、50万円を超えなければ一時所得は発生しません。とは言え、ふるさと納税の返礼品も一時所得になりますし、昨年から今年にかけて実施されているマイナポイントも一時所得。あくまでもレアケースだと思いますが、これらが合計で50万円を超えるようであれば、一時所得として申告が必要です。

逆に支出面では、今や必需品となったマスクや消毒液などはどうでしょうか。これらは基本的には(前回お話しした)「事業者」としてのお財布ではなくて、「個人」としてのお財布から出たものとなります。つまり基本的には事業上の経費にはなりません。ただし、例えばイベントなどで参加者用のマスクや消毒液を用意したなど、明らかに事業上の用途と説明できるものであれば、経費になります。

PCR検査を自費で受けたという方もいらっしゃるかもしれませんが、これも基本的には「事業者」のお財布ではなく、「個人」としてのお財布になります。ただ、ビジネス上の会議に参加する際にPCR検査を求められたといったような明らかな事業上の必要性があったのであれば、経費になりえるでしょう(最終的には個別判断です)。

一般的な医療費は、「個人」のお財布から出たことになりますが、確定申告時には、医療費控除の対象となります。では、マスクやPCR検査は医療費控除の対象になるのでしょうか。まずマスクは、残念ながら、医療費控除の対象にはなりません。これはマスクは病気の治療のためでなく、病気の感染予防のためだからです。薬局で買った風邪薬は治療のためですから医療費控除の対象になりますが、健康維持を目的とするビタミン剤は医療費控除の対象にならないのと同じ理屈ですね。

自分の判断で受けたPCR検査についても基本的には医療費控除の対象にはなりません。ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるため、その場合の検査費用については、医療費控除の対象となります。これは基本的に控除対象とならないが、検診の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、対象となるという人間ドックと同じ考え方です。

こちら国税庁のFAQスモビバの記事も参考にしてくださいね。
posted by 岡本浩一郎 at 19:17 | TrackBack(0) | 税金・法令
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188473634
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック