2021年03月23日

国民健康保険料の減免

延長後の確定申告期間も中間地点を過ぎ、そろそろ確定申告を終えた方も増えてきているのではないかと思います。申告を終えてホッとしているところだと思いますが、一点だけ3月中に確認しておいていただきたい点があります。それは、国民健康保険料の減免措置を受けられるかどうか。

日本では国民全員が何らかの健康保険に加入が義務付けられていますが、個人事業主の方は、原則として地方自治体が運営する国民健康保険に加入することになります(個人事業主となる前に企業で勤めていた場合には、一定期間企業で加入していた健康保険を任意継続することができるなど、例外もあります)。個人事業主にとって、国民健康保険料の負担はバカになりません。所得の金額(および居住している地方自治体)によりますが、所得税や住民税よりも負担が大きいということも珍しくありません。

その国民健康保険料について、新型コロナウイルス禍の影響で事業に大きな影響を受けた場合には、減免措置を受けられる可能性があります。

減免措置を受けるには、2020年(令和2年)分の事業収入等が2019年(令和1年)分と比べて30%以上減少することが見込まれることが基本的な条件となります。ただし2019年(令和1年)分の合計所得金額が1,000万円以下、かつ、減少することが見込まれる事業収入等以外の所得の合計額が400万円以下であることという条件もあります。

ご注意いただきたいのは、減少の判定対象は事業「収入」であること。税金の世界では「収入」と「所得」は全く別物です。ここでいう事業収入は基本的に売上です。例えば、売上は前年比70%(=30%減)、ただし経費の削減努力をしたので、所得(=利益)は前年比90%(=10%減)という場合、国民健康保険料の減免判定対象はあくまでも収入ですから、減免の対象になりうるということになります(一方で、上記の「ただし」以降の合計所得金額が1,000万円以下、かつ…というのは「所得」が判定対象となっています。紛らわしいですが)。

もう一点注意が必要なのは、減少の判定対象である事業収入において、「新型コロナウイルス感染症の影響により、国や都道府県等から支給される各種給付金は収入に含みません」ということ。以前、持続化給付金は雑収入として所得税の課税対象となるとお話ししました。しかし、例えば、昨年新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年対比で50%以下となる月があり、100万円の持続化給付金を受け取った。年間での売上が前年比70%、ただ持続化給付金を加えると前年比90%となるという場合には、国民健康保険料の減免判定は持続化給付金を除いて判断しますから、減免の対象となりうるということです。

国民健康保険料の減免措置については、各地方自治体で情報を発信しています(例えばこちらは大阪市)。ただ、情報は発信しているものの、減免は自動的に行われる訳ではなく自分から申請が必要です。この申請期間がこの3月末で終了します。一度減免対象と判断されれば、2020年(令和2年)2月相当分からこの3月相当分までの保険料が減免対象となり、既に納付した分は減免決定後に還付されます。

今回確定申告が終わったということは、2020年分の事業収入額は既に確定しているということ。2020年分の事業収入(上でお話しした通り、持続化給付金等の各種給付金の金額は除く)と2019年分の額を比較していただき、30%以上のマイナスとなっている場合には、お住まいの地方自治体(国民健康保険の担当窓口)に減免について問い合わせてみることをお勧めします。
posted by 岡本浩一郎 at 21:26 | TrackBack(0) | 税金・法令
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