前回は法人でもインターネットバンキング(IB)とスマート取引取込を活用し、記帳の自動化を実現しましょうとお話ししました。これは逆に言えば、法人ではIBがまだまだ活用されていないということでもあります。法人でIBの利用が進まない理由として、法人向けのIBには一般的に利用料がかかることが影響しているのではないかとお話ししました(ですが、最近は利用料がかからない銀行もありますよ)。
ただ、実際のところ一番大きい理由は、これまでの業務のやり方に満足しているからなのではないかと思います。インターネットバンキングを使わなくてもこれまでも成り立っていた。記帳にせよ、振込にせよ、何かのついでに銀行の支店に立ち寄ればいい。運動の第一法則ならぬ、業務の第一法則「慣性の法則」、すなわち、多少面倒であっても、これまでのやり方がなんだかんだラク。
弥生としては、この慣性の法則にチャレンジしていますし、今後もチャレンジを続けていきますが、同時に、もう一つのアプローチも必要だと思っています。それは、業務が慣性となる前に手を打つこと。
弥生は、3月末に、起業時に必要な手続きやモノ・サービス、情報をWeb上で得ることができる起業支援ポータルサービス「起業・開業ナビ」を開始しました。弥生はこれまでも起業を応援しようということで10年前から「弥生の開業応援プロジェクト」、5年前には「弥生の起業家応援プロジェクト」を推進してきました。この一環として、事業計画を作成するための「開業計画NAVI」、また実際に開業するにあたり、法人を設立するための「弥生のかんたん会社設立」といったサービスも提供してきました。余談ですが、2012年には当時のイメージキャラクターをフィーチャーした「みんなの起業診断所」といった面白企画もありました(笑)。
今回の起業・開業ナビはこれまでの取組みを踏まえつつ、より具体的な起業・開業の支援を行うものです(しかし、弥生の開業応援プロジェクトが2011年、弥生の起業家応援プロジェクトが2016年と、この種の取組みがちょうど5年刻みになっているのは…単なる偶然です、笑)。
起業・開業ナビは、1. 弥生のかんたん会社設立、2. 起業・開業応援パック、3. 事業計画書作成サポートツール、4. 会計事務所紹介サービス、5. 起業・開業あんしんガイドという5つのサービスで構成されています。
このうち起業直後に必要になるモノやサービスが特典付きで使用できる起業支援パッケージをご紹介する起業・開業応援パックでは、法人口座開設・インターネットバンキングについてもご紹介しています。要は起業の際からインターネットバンキングを利用しましょうということですね。起業時にインターネットバンキングとスマート取引取込を利用すれば、これまでの業務のやり方に満足してしまうという慣性の法則にはまることはありません。
起業・開業ナビは、全てが新規のサービスという訳ではなく、これまでも存在していたサービス、これまでも存在していたものを完全にリニューアルしたサービス、そして新規のサービスで構成されています。今後も「起業・開業ナビ」のサービス拡充や協業パートナーの拡大を通じて、起業される方のさまざまな悩みに応えていきたいと思います。