2021年06月03日

デジタル化による年末調整の新しいあり方に向けた提言

本日、社会的システム・デジタル化研究会として二つ目の提言となる「デジタル化による年末調整の新しいあり方に向けた提言」を6社共同で発表しました

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ITが急速に発展している一方で、確定申告や年末調整、社会保険などの日本における現状の社会的システムの多くは、戦後に紙での処理を前提として構築されたものの一部の電子化(Digitization)に留まっています。改めて、デジタルを前提として業務プロセスの根底から見直すデジタル化(Digitalization)を進めることによって、社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図ろうということで、2019年12月に5社で発足したのが、社会的システム・デジタル化研究会(通称Born Digital研究会)。本ブログではこの記念すべき一回目の会合についてもお話ししています。

社会的システム・デジタル化研究会では、昨年6月に一つ目となる「社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言」を発表しました。この提言を踏まえ、昨年7月には電子インボイス推進協議会を立上げ、昨年末には電子インボイスの日本標準仕様のベースとしてPeppol(ペポル)と呼ばれる国際規格をベースとすべきという提言を平井卓也デジタル改革担当大臣に行い、賛同を得ることができました。

一方で、社会的システム・デジタル化研究会では、実は並行して次なるテーマについて議論を進めてきました。今回のテーマは年末調整。以前にもお話ししましたが、実は個人的には2018年の年末調整こそが、社会的システム・デジタル化研究会に向けた動きの原点となっています。配偶者(特別)控除の仕組みがあまりにも複雑化してしまい、一般の事業者の方が正確に理解し、正しく対応することが、ソフトウェアの助けをもってしても難しくなってしまった。もはや制度そのものを見直さない限りは限界だと感じたからです。

昨年後半から年末調整に関する議論を続けてきて、ようやく今回提言としてまとめることができました(提言本文提言別紙資料)。じっくりと議論しただけあって、なかなか良い提言となったと思っています(自画自賛)。ただ、これは提言だけで終わっては意味がありません。そのために、つい先ほどなのですが、今回の提言について平井卓也デジタル改革担当大臣に直接提言を行いました。その結果ははたしていかに。(続く)
posted by 岡本浩一郎 at 19:18 | TrackBack(0) | 弥生
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