2022年01月17日

シンプルな解法

私はトライアスロンのトレーニングも兼ねて、週に1〜2回スポーツクラブに通っているのですが、最近、ハッと気が付く出来事がありました。

私が通っているスポーツクラブでは、プラスチックカードの会員証があり、これを提示して入館します。その後、ロッカーにこの会員証を差し込んで利用するようになっています。会員証を差し込まないとロックできないようになっているのです(ちなみにロックの際には物理的な鍵に加えて、暗証番号も設定できるようになっています)。

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この仕組みがこの正月に変わりました。もうロッカーに会員証を差し込まなくてもよくなったのです。これは会員証をプラスチックカードではなく、入館の都度スマホの画面で表示するようにする、という変更を行うことになり、プラスチックカードがなくなっていく以上、ロッカーの仕組みを変えなければならないということのようです。

ロッカーの仕組みの変更の告知自体は昨年12月からあり、お正月で切り替わるとのことでした。これを見た私は、年末年始で数日間休館日があるにせよ、短期間で全てのロッカー(男女合計で400個ぐらい?)の仕様変更をするのは大変だな、と感じていました。大規模システムに携わってきた経験から、年末年始こそ大きなリリースのチャンスということはわかっているのですが、年末年始返上での対応の大変さもまだわかっています。

しかし私の思い込みは、年が明けて、今年の初泳ぎの際に見事なまでにひっくり返されました。どうなっていたかわかりますか?

ロッカーは見た目何も変わっていません。何ら工事があったようにも見えません。ロッカーを開けてみると…、既に会員証らしきものがロッカーに差し込まれています。そうです、ロッカーに会員証の差し込みを不要とするという仕様変更は、何ら工事を伴わず、全てのロッカーに予め会員証と同じものを差し込んでおくことによって実現されていたのです。

お恥ずかしながら、これには衝撃を受けました。そうか、こんな解法があるのかと。私はあまり考えることなく、それなりに大掛かりな工事が必要だと思い込んでいたのですが、こんなシンプルな解法があったのです。

ちなみに完璧な解法とはいかず、既に差し込まれている会員証(と同じもの)を自分の会員証と間違えて持って帰ってしまうケースが(おそらく)頻発したようです。それに対する解法としては、先週末行った際には、差込口をテープでふさぎ、抜くことができないようにするという物理的な対応がなされていました(笑)。

今、弥生としても私個人としても、スモールビジネスの業務であり、もっと言えば社会全体のデジタル化に取り組んでいます。その際には、ついつい大掛かりな仕組みの変更を考えがちです。しかし、実のところ、物事にはもっとシンプルな解法があるのではないか、常にその観点を忘れてはならない、そう思わされた出来事でした。
posted by 岡本浩一郎 at 19:04 | TrackBack(0) | デジタル化
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