いよいよ今週から確定申告の期間が始まるということで、毎年恒例にはなりますが、本ブログでも確定申告について熱く語ってみたいと思います。ということで、まずはこちらをご覧ください。今回の確定申告(令和3年分)の確定申告書の様式です。正確には確定申告書には申告書Bという標準版と申告書Aという簡易版がありますが、これは申告書Bの第一表(=1ページ目)になります。
一方でこちらは令和2年分の様式。どこが違うでしょうか。
昨年の令和2年分は、その前年の令和1年分と比べて、10年に一度のレベルの大幅変更でした。逆に今年は、昨年が大幅変更だっただけに、変更量としては小さめです。昨年がメジャーバージョンアップであれば、今年はマイナーバージョンアップと言ってよいかと思います。例年、様式が公表され次第、どこがどう変わっているかを徹底的に精査するのが、毎年の確定申告機能提供の第一歩となるのですが、今年は変更量が小さく安心しました。
とはいえ、ボリュームとして小さいとはいえども、変更は変更です。どこが変わっているかわかりますか?
パッと目に付くのは右上で、不自然な空白がありますね。そう、氏名の横です。そうです、ここは昨年までは押印欄でした。まだ記憶に新しいところですが、菅政権において意味のない押印をなくそうという動きがみられました。これはもちろん歓迎すべきことですし、実際に、一昨年12月には「提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととする」という方針も示されました。その一方で、おそらく作成のタイミングの問題だと思いますが、昨年の確定申告書については、まだ押印欄が残ったままでした。結局、昨年の確定申告書については、押印しなければならないのか、しなくてもいいのか宙ぶらりんな状態でした。
今回の確定申告書については、晴れて押印欄がなくなり、押印が必要ないことが明確になりました。それでも、いかにも押印欄のスペースがぽっかり空いているのにはちょっと違和感がありますね。
押印欄はわかりやすいところですが、他にもよく見てみると区分という入力欄(例えば、収入金額欄で「事業」「営業等」という行に「区分」という入力欄が追加されています)が増えているのがわかるかと思います。区分という入力欄は、かつてはほとんど使われていなかったのですが、ここ数年、税制が複雑化する & 求められる情報量が増える中で、格段に増えてきています。この区分については、次回もう少しお話ししたいと思います。