2022年02月22日

禍福は糾える縄の如し

この二年間は、とにかく我慢が続いています。皆に会えない。たまにはお酒を交えてワイワイと息抜きをすることもできない。仕事自体はリモートで続いても、やはり皆さんと同じ場で、同じ空気を共有したいなあと思います。でも同じ空気を共有することこそが避けるべきこととされている訳ですから、新型コロナウイルスというのは本当に厄介なものです。そんな中で今日は2022/2/2、2が続くということで、「スーパー猫の日」だそうです(ちなみに本記事の投稿時間にも注目)。ということで、今日は猫に関する話を。

我慢が続いていると書きましたが、実際には悪いことばかりではありません。実は昨年頭から猫を飼い始めました。名前は「ペロ」です。よく舌をしまい忘れて(?)、舌をペロリとしているので、ペロ。ペロとは近所の公園で出会いました。

私はこれまでペットを飼ったことはなかったのですが、いつかは飼ってみたいと思っていました。犬派か猫派か、というと断然猫(犬派の皆さん、失礼)。娘が大きくなり、娘がペットを飼いたいと言い出すと、話はだいぶ具体的になってきました。保護猫/犬のサイトでこの子はどうだろうと見てみたり。やはり子猫だよなあ、と成猫は眼中にありませんでした。気になる子がいて、今度の週末に見に行こうかという話はたまに出ましたが、結果的には行動に移すことはありませんでした。選択肢が多すぎて選べなかったということもありますが、振り返ってみれば、機が熟してなかったんでしょうね。

さて、一昨年の春、緊急事態宣言が発出され、私もずっと自宅にこもることになりました。ただ、こもってばかりではストレスが溜まりますし、何よりも運動不足。ということで、一日に一時間程度、家族で近所の公園に散歩に行って、私は縄跳びをすることが日課になりました。近所の公園は、速足で徒歩10分ぐらい。往復+縄跳びでちょうどいい運動になります。

通うようになって初めて気が付いたのですが、この公園には猫が住み着いているようでした。しかも何匹も。どうも毎日餌をあげる人もおり、いわば地域猫として面倒を見られているようです。そのせいもあってか、結構人懐こい。性格もあるので、人懐こくすぐによしよしさせてくれる子もいれば、警戒心が強い子もいますが、どの子も人には慣れているようです。

猫と会えるということもあって、この公園通いが家族の欠かせない日課になりました。なかでもいちばん人懐こかったのが今我が家にいるペロです。猫のいるエリアに近付いて「ペロ〜」と呼ぶと、尻尾をピンとさせてトテトテと歩いてきてくれる。子猫でなくても、可愛いものだな、というのは発見でした。


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公園時代のペロ

緊急事態宣言が明けてからは毎日とはいきませんが、暇を見つけて公園通いは続きました。家族全員で行くことは減りましたが、毎日家族の誰かは行っているという感じでしょうか。その後時間が経ち、春の間は気持ちよさそうにしていた猫たちでしたが、夏も盛りになると、暑さに辛そうにしています。この頃から、我が家で保護できないだろうか、という話になりました。

ほぼ毎日餌をあげているおじいさんに相談すると、いいんじゃないの、と。ペロはこの公園で生まれたとのことですが、おそらくもう6歳は過ぎています。齢をとってくると外は辛いから、保護してあげられるのであればいいのではないかと。

その後熟慮を重ねて夏の終わりに保護を試みたのですが、うまく行きませんでした。だてに6年以上生きておらず、簡単には捕まえられてくれません。人懐こい一方で、とても警戒心が強いということがわかりました。困ったことに、我が家が保護しようとしたことが引き金になり、公園のいつもの場所に寄り付かなくなってしまいました。たまに公園に来ても、私の姿を見るとすたこらと逃げていってしまいます。

それから数ヶ月間は暇を見つけて公園に通い、関係性の修復に努めました。猫によっては、すぐに忘れるようなのですが、ペロの場合は、記憶力がよく(?)、再び撫でられるようになるのに3ヶ月近くかかりました。保護したいという想いはありつつも、また公園に来なくなったら困るし、保護は無理なのかなあという諦めもありました。

そして年が明け、昨年のお正月。お正月早々、久し振りに家族で公園に行ってみると、別の人がペロを保護しようとしているよと周りが教えてくれました。もうずっと公園に通っているので、周りは皆顔馴染ですし、我が家がペロを保護しようとしていたことを覚えています。急遽、保護しようとしていた方とお話しし、昨年保護しようとしたがうまくいかなかったこと、いつかは保護したいと思っていることをお話しすると、そういったことであれば是非保護してあげてください、と。

再度保護に失敗するのではないかという恐怖心はありましたが、これもご縁だろうと考え、よく公園に来ている方に協力を要請。翌日に保護を実行することにしました。翌日、もうドキドキですし、これで保護できなかったらやはりご縁がなかったということなんだろうと思いつつ、保護にチャレンジ。やはり警戒心が強く、苦戦はしましたが、今回はようやく保護に成功しました。すぐに動物病院に。なにぶんお正月(1/2)ということで、診ていただける動物病院を探すのに苦労しました。

家に連れて帰ってしばらくはずっと怯えており、ケージにこもって心ここにあらず、という感じでしたが、数日間で少しだけ慣れたのかケージの外に出てきました。それでも最初は風呂釜の裏に隠れてしまったりと、ペロもこちらも慣れないが故の苦労はありました。


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家に来たばかり、まだ怯えています

今はすっかり我が家に慣れ、マイペースで暮らすようになりました。もう大人の猫なので、おとなしいものです。家の中がぐちゃぐちゃになったらどうしようという懸念は全くの杞憂でした。もう一年が経って、完全に家族の一員となっていますし、かなりの甘えんぼさんです。


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すっかり馴染んでのびのび

「禍福(かふく)は糾える(あざなえる)縄の如し」という故事成語があります。もとは史記にあった言葉のようですが、幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくるという意味です。新型コロナウイルス禍はまさに「禍」(わざわい)。ですが、よく見てみれば決して禍だけではなく、その裏には福もまた存在しているのだと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:22 | TrackBack(0) | パーソナル
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