2022年03月23日

他山の石

3/15(火)の申告期限日が過ぎ、弥生カスタマーセンターへのお問合せ件数も目に見えて減っています。正確に言えば、最終日である3/15(火)のお問い合わせもそこまで多くありませんでした。さすがに最終日まではもつれこまないように、最後の週末である3/12, 13とその翌日の3/14で終えた方が多かったのかと思います(もう一つの要因としては、今回は新型コロナウイルスの影響により個別申請での延長も認められていますので、最初から3/15を期限ととらえていない方も一定数いらっしゃったものと思います)。

期限日前日である3/14(月)からe-Taxの接続障害が発生しましたが、弥生カスタマーセンターへのお問合せがそこまで増えなかったのは、もう申告のピークが過ぎつつあったということだったのでしょうね(とはいえ、弥生側で確認できる送信エラー件数は相当な数であり、かなり多くの方に影響はあったことは事実です)。

既にご存じの方も多いと思いますが、3/18(金)に国税庁から障害に関する情報が更新されています。申告期限を越えても、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨を記載した上でe-Taxで送信することによって、申告期限内の取り扱いとなる、ということはこれまでにもお話してきましたが、この取り扱いの期限が4/15(金)までということが明確化されました。

また、期限内に同様の注記をして書面で提出するという方法も国税庁から示されていましたが、この場合、電子申告時の青色申告特別控除の優遇(65万円控除)が認められるかわからない状態でした。これについては、書面申告でも期限内に65万円控除の申告書を提出していればのままでも65万円控除が認められる、一方で、書面申告の際に55万円控除の申告書としていた場合には、4/15(金)までに、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨を記載した上で、改めてe-Taxで送信することによって、65万円控除が認められるということが明らかになりました

上記の特記事項への記載方法、また、e-Taxが正しく送信されたかどうかをメッセージボックスで確認する方法については、こちらでご案内していますので、ご確認ください。

どんなシステムでも、障害を100%避けることはできません。それは残念ながら弥生自身が痛感していることです。ですから、今回のe-Taxの接続障害を一方的に糾弾する気持ちにはなれません。むしろ国税庁(および担当ベンダー)担当者の心境を思うと同情しかありません。正直に言って、弥生自身も申告期限前は本当にひやひやしています。過去には、申告期限最終日にクラウド・プラットフォームで障害が発生し(プラットフォームの問題なので、弥生自身はどうしようもない)、肝を冷やしたこともありました(この時は数時間で障害が回復し、なんとかお客さまの申告を終えられる状態になりました)。

また、これは有難いことではあるのですがユーザー数が年々増えているため、結果的に処理性能が一時的に需要に追い付かないという事象も発生しています。基本的には先手先手で処理能力を増強するようにはしているのですが、需要の急増に追い付かず、一定時間、パフォーマンスが落ちてしまったという事象も発生しています。

もっとも、障害を避けることはできない、だけで片付けられる話ではありません。現実問題としてお客さまにご迷惑がかかるわけですから。仮に障害が発生したとしても、極力速やかに回復させる。その間も、お客さまに状況を正確にお伝えする、善後策を提示する。そういった観点では、今回の国税庁からの情報発信には大きな問題があったと思います(もちろん、内部的に障害を回復させるために全力で取り組んでいたということも重々承知はしています)。

今回の障害は弥生にとって他山の石です。同時に、システム安定稼働に向けた弥生(やその他業務ソフトベンダー)の日々の失敗や苦闘も国税庁にとっての他山の石になるのではないかと思います。国税庁も含め、業界として今回の障害から学ぶいいきっかけにしたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:07 | TrackBack(0) | 弥生
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189417310
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック