2022年05月17日

米国キャッシュレス事情

2年以上振りに国外脱出を果たし、アメリカに行ってきた感想としては、とにかく何でも高かったとお話ししました。一方で、高いと思いつつ、意外にも(?)あまり実感がなかったのが正直なところ。

もちろん負担感は確実にあるのですが、99%の支払いがキャッシュレスなので、ピンとこないというのが正直な感想です。お札で払えば物理的にお札が減ることを実感しますが、キャッシュレスの場合、良くも悪くもレジやレシートに表示された数字に過ぎません。まあ、それが実際に口座から引き落とされて、激しく実感することになるわけですが(苦笑)。

改めて感じたのが、ますますキャッシュレスが進んだな、ということ。もともとアメリカはクレジットカードおよびデビットカードの利用が一般的であり、ほとんどの場所で使えますが、それがさらに進んだように思います。なおかつ、今回はほとんどの場合、タッチ決済(アメリカの表現ではTap)ができるようになっていました。日本でも一部のクレジットカード&一部のお店でタッチ決済ができるようになってきていますが、今回アメリカではかなりの確率でタッチ決済で済ませることができました。タッチ決済は端末に触れる必要もありませんから、新型コロナウイルス禍において、普及が進んだということもあるのでしょうね。

タッチ決済は便利なので、日本でも広がってほしいと思いますが、暗証番号を求められないので、万が一カードを落とした場合がちょっと心配です。落としたとわかった瞬間にカードを止めないと、被害が大きくなりかねない。特にデビットカードは銀行口座から直接引き落とされますから。ただ、その分、デビットカードの方がセキュリティのチェックは厳しいようで、特にネットの決済では支払いが通らないことも。そういった時のために、カードは複数持っていないと困るケースもあるように思います。

意外かもしれませんが、アメリカではいわゆるQRコード決済はほぼ存在していません。中国はQRコード決済大国になりましたが、アメリカにおいては、もともとクレジットカード/デビットカードが浸透しているので、QRコード決済ならではのメリットを示せないのではないかなと思います。アメリカの場合、クレジットカードはリボルビング払いが基本で、カード発行会社にとって高い金利収入が見込める分、多少低い信用力でもクレジットカードが発行されやすいとか、そもそもデビットカードであれば支払いの銀行口座の残高の範囲内でしか使えない(要は所持金以上に使うことができる信用力供与=クレジットが提供されていない)ので、入手が容易、といった事情もあるのでしょうか。

キャッシュレスが進んで困るのは、現金の入手が難しくなっていること。現金の用途は限られており、今回の旅行でもせいぜい数十ドルしか使っていませんが、必要な時は必要。用途としては、基本的にはチップです。レストラン等はカードで支払う際にチップの金額を上乗せすればいいのですが、荷物を運んでもらった時、預けていたクルマを出してもらった時、ハウスキーピング(毎朝)には現金でのチップが必要です。ホテルにチェックインする際に、小額紙幣に崩しておかないと、チップが払えないと慌てることになるので、注意が必要です(なおかつ$100紙幣はあまり一般的に使われていないので、ホテルですら両替を断られることがあるので注意が必要です。万能なのは$20紙幣ですね)。

基本的にはキャッシュレス先進国ですが、現金でのチップもあり(そういった意味では小切手も今でも現役ですし)。そういったまだら模様がアメリカらしいと言えばアメリカらしいように思います。ただ、最近ではVenmoZelleなどの個人間送金アプリでチップを払うということもあるようですし、逆にお店がservice feeやresort feeを請求することで、個々のチップを不要にするという動きもあり、現金でチップというのもいずれはなくなっていくのかもしれません。
posted by 岡本浩一郎 at 22:50 | TrackBack(0) | ビジネス
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