2022年06月08日

米国の空港にて

新型コロナウイルス禍の中で2年半以上日本を脱出できておりませんでしたが、日本の水際対策が緩和されたことを受け、4月から5月にかけて2回(1回目: Los Angeles、2回目: Arkansas)もアメリカに行ってきたとお話ししました。緩和されたとは言え、(米国/日本それぞれの)水際対策は厳然と存在しており、日本出国前のPCR検査、日本帰国前のPCR検査、日本帰国時の抗原検査と結構な手間(+PCR検査は自己負担なのでコストも)でした。それでも、全ての検査が陰性となり、またそれ以外の大きなトラブル等もなく、2回とも無事に行って帰ってこれてホッとしています。

大きなトラブル等はないと言いましたが、実はArkansas(アーカンソー)に行った際、かなりヒヤッとした出来事がありました。ただこれは日本人的感覚からはトラブルかもしれませんが、米国人的感覚からはよくあることかもしれません。

それはArkansasでの全ての予定を終え、目的地(Fayetteville)最寄りのNorthwest Arkansas Regional Airport(XNA)に辿り着いた時のことでした。今回は娘の部活が世界大会に参加する際の引率役だったわけですが、座席の確保の関係で予約は団体(生徒+私以外の保護者)と私とで別々になっていました。まずはただでさえ時間がかかる団体のチェックインから。色々とバタバタしながらも無事にチェックインが完了。これで皆、日本に帰れる。

いや、まだ私自身のチェックインが終わっていないということで、団体を先にゲートに向かわせた上でチェックインの列に再度並びましたが、なかなか進まない。どうやら何らかの理由で飛行機に乗れなかった老夫婦が、善後策を相談しているようで、処理が全く進みません。それでもまだ時間の余裕があると高を括っていたのですが、列はなかなか進みません。フライトの時間が迫りさすがに焦ってきます。

ようやく自分の番になったのですが、係員の方が少し手続きを進めたところで、荷物の受付時間が過ぎたので、もう乗れない、ついてはこの番号(コールセンター)に電話して次のフライトを予約しろと言い出しました。おいおい、私以外は既にチェックインを済ませており、引率係である私が乗れないというのでは困ります。それにそもそも、列で延々と待たされたからこそ時間が迫っているわけです。

さて、ここでどうするか、ですが、引き下がってはいけません。自分には日本への乗継ぎのフライトがある、だからこのフライトに乗らないといけない、そもそも待たされたのが問題だろうと反論し、結果的には何とか無事にチェックインすることができました。ゲートまで走ってギリギリでの搭乗。その後Dallas Fort Worthでの乗り継ぎも色々とありつつも無事に済ませ、何とか日本に皆で無事に帰りついて引率役の使命を果たすことができました(ちなみに、受付時間が過ぎたと言われた荷物も無事に日本で出てきました)。

予定していた飛行機に乗れないといったことはアメリカの空港ではよくあることです。向こうではそもそもキャパシティ以上の予約を取るオーバーブッキングは当たり前。その際には、適当な理由をつけて、もう乗れないと言われることはよくあります。今回が実際にオーバーブッキングだったのかどうかは定かではありませんが、何らかの理由で乗れなかった人が出る → カウンターで揉める → 待ちの列が進まない → 乗れない人がさらに出る → 揉める、という悪いループに入っているのは確かでした。

こういった時は諦めたら終わり。交渉あるのみです。そもそもこちらに非はなく、先方もこれで諦めてくれたらラッキーぐらいの感覚なので、交渉の余地は十分にあります(交渉が必ずしも実るとも限りませんが)。結果的に待っている人をさらに待たせてしまうのはとても心苦しいのですが、諦めてカウンターを離れたらその瞬間に終わりです。実際に今回は、現場責任者に対応してもらい、少し強く主張したところ、無事にチェックインすることができました(となると逆に荷物の受付時間云々は何だったんだという感じですが)。

もっとも、実はむしろさっさとコールセンターに電話すべきというケースもあります。それはフライトがキャンセルされた場合(これもアメリカでは結構あります)。この場合は、そもそも乗るフライトがなくなったわけですから、交渉の余地はありません。なおかつ、キャンセルになったフライトの次の便には皆が殺到しますから、新たな予約は早い者勝ち。この時、早く対応できるのはコールセンターです。

日本でも現実問題としてオーバーブッキングは存在しますが、自分で電話して何とかしろという突き放された対応を求められることはありません。ただまあ、これも少し前にお話しした期待値の違いですね。アメリカでは、搭乗する人数が少なければ急遽フライトがキャンセルになったり、逆に多すぎればオーバーブッキングで乗れなかったり。良くも悪くも合理的です。郷に入っては郷に従えということで、カウンターでしっかり交渉するなり、さっさと電話で次のフライトを確保するなり、こちらも合理的に判断して対応することが必要です。
posted by 岡本浩一郎 at 22:52 | TrackBack(0) | ビジネス
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