2022年09月08日

事業のライフサイクル

前回は8月末にスタートした「弥生のあんしんM&A」についてお話ししました。弥生のあんしんM&A事業承継ナビの一部をなすサービスで、会社や事業を売りたいという人と、買いたいという人が、M&Aの相手を探すことのできる登録無料のマッチングプラットフォームです。

事業承継のためのM&Aマッチングの仕組みは、世の中に複数存在していますが、弥生のあんしんM&Aの最大の特徴はスモールビジネスに特化しているという点です。実際に弥生のあんしんM&Aのサイトを見ていただくと、(本日時点で)約40件の事業売却案件が登録されていることが確認いただけるかと思います。案件は当初は匿名化されているので、具体的にどの会社かということはわかりません(情報は所定の手続きを経て開示されます)。また、譲渡希望価格についても、要相談となっているケースの方が多いのですが、一部では金額が(あくまでも参考情報の位置づけですが)明示されている案件も存在します。中には譲渡希望価格が1,000万円や1,500万円という案件もあることがわかります。

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これは一般的なマッチングの仕組みではなかなか採算があわない(それがゆえに積極的に取り組めない)金額ですが、弥生のあんしんM&Aではこういった金額帯の案件こそお手伝いしたいと考えています。

その一つの理由は、弥生として、事業の譲受(買収)を起業・開業の一つのオプションとして確立したいと思っているからです。これまでにもお話ししている通り、弥生は起業・開業を支援しています。ただ、ここでいう起業・開業というのは必ずしも0からのスタートである必要はないと考えています。既に事業として確立しており、一定程度顧客基盤が確立した事業を受け継ぎ、それを発展させていくというのも、起業・開業の一つのオプションになり得るはずです。例えばですが、パン屋さんを開業したいという方にとっては、設備を0から揃え、お客さまの獲得も0からスタートするだけではなく、既に街に定着したパン屋さんを受け継ぐというのも有効なオプションなのではないでしょうか。

一方で、豊富な資金とともに起業・開業される方は僅かです。事業承継が一つのオプションと言っても、ポンと1億円を出して事業を買収できる人はごくごく限られるでしょう。それでも、例えば1,000万円だったらどうか。今はもうありませんが、かつては株式会社の最低資本金は1,000万円でしたから、起業・開業に向けて1,000万円を蓄えようというのは決して無理な要求ではないと思います。弥生は弥生のあんしんM&Aで、これから起業・開業される方にとっても選択肢となりうる規模の事業承継をサポートしていきたいと思っています。

さらに野望(笑)を言えば、起業・開業される方が事業を買収し承継する際に、金融機関から融資を受けることのお手伝いまでできればと思っています。もちろん起業・開業に向けて自己資金をしっかりと蓄え、準備することは必要です。ただ例えば、頑張って1,000万円を蓄えた、しかしそれを全額事業買収に使ったのでは、手元資金不足から事業の承継早々資金繰りに窮することになりかねません。このため、例えば1,000万円で事業を買収するとしても、自己資金は300万円、残りの700万円は金融機関からの借り入れで賄うという選択肢を提供できればと考えています。自己資金の一部は事業の資金繰りのためにしっかり確保しておくということですね。金融機関の観点でも、全く0ベースでスタートする事業よりも、既に存在している事業が裏付けとなっている方がより安心して融資ができるのではないかと思います。

夢を抱いての起業から、事業を継続し、成長させ、そしていつかは事業の廃業もしくは承継がやってくる。事業のライフサイクルが廃業で終わるのではなく、新たな起業家にバトンが渡ることによって、新たなライフサイクルにつながっていくよう、支援していきたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:19 | TrackBack(0) | 弥生
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