10/28に開催したデジタルインボイス推進協議会(EIPA)による発表会について熱くお話ししてきましたが、その翌週にはこれはこれで大事な発表会がありました。それは弥生のメディア向けの事業概況説明会。弥生自身に関する発表会なので、これはこれで大事と言っていてはいけませんね(苦笑)。しかし、10月からPAPカンファレンスやら、外部イベントやら、EIPAイベントやらの準備で結構てんてこまいで、事業概況説明会の資料が完成したのは説明会の前日、ちゃんとしたリハーサルも前日一回のみ。結果的にはしっかりとした説明はできたとは思いますが、次回以降はもう少し余裕のある準備を心がけたいところです。
さて、この事業概況説明会、かつてはデスクトップアプリケーション「弥生 XX シリーズ」(最新は10/21に一斉発売となった弥生 23 シリーズ)の新製品発表会として開催していたものです。昔は、新シリーズの発売開始は一年に一度の大イベントでした。もちろん今でも重要なイベントではありますが、今ではクラウドサービスの比重も大きくなっていますし、起業・開業ナビや資金調達ナビ、事業承継ナビなど、弥生が提供する価値の幅も広がっている中で、一年に一度の大イベントというよりは、一年に何回もある大イベントの一つというところです。そういった中で、新製品にフォーカスするのではなく、弥生の活動の全容をお伝えすると同時に、その背景にある弥生の想いであり、方向性をお伝えする場として事業概況説明会という形で開催するようになっています。
今回の事業概況説明会での一番のトピックは時節柄やはりインボイス制度対応です。弥生シリーズでどのようにインボイス制度(+改正電帳法)に対応するか。これは本ブログでもまた改めてお話ししたいのですが、弥生がこの冬に提供する「スマート証憑管理」というサービスがこの役割を担います。これは既に提供している証憑管理サービス(ベータ版)を進化させ、正式なサービスとして提供するものです。
もっとも、今回の説明会では、このスマート証憑管理についてご説明するだけではなく、その背景にある弥生の想いであり、方向性についてもしっかりとお伝えしました。
弥生の取組みには大きく二つの領域が存在します。一つは業務支援サービス。お客さまの業務を成立させ、効率化するお手伝いをしています。いわゆる業務ソフトである「弥生シリーズ」は業務支援サービスに位置付けられますし、今回の一番のトピックであるスマート証憑管理もこの領域に属します。もう一つの取組み領域は事業支援サービス。業務にとどまらず、事業者の事業の立上げと発展の過程で生まれる様々な事業上の課題の解決を支援するサービスです。例えば、直近で立ち上げた事業承継ナビはこの領域に属します。
業務支援サービスにおいて弥生がこだわっているのは、単なる法令改正対応に終わらないということ。もちろんお客さまが法令改正に対応でき業務を継続できるということは弥生として最低限達成しなければいけないことです。しかし、お客さまが法令改正は何とか対応できたけれども、業務としては複雑化した、大変になった、では弥生として十分な価値を提供できていないと考えています。法令改正対応は当たり前であり、より重要なのは、いかに業務を効率化するか。そのためにスマート証憑管理ではAI-OCR(AIを活用した文字認識の仕組み)を活用し、手入力を最小化できるようになっています。さらに抜本的な効率化を実現するためには、業務のあり方そのものを変えていく必要があります。そのために進めるべきなのが、Born Digital。最初からデジタルという考え方であり、弥生がデジタルインボイス推進協議会を通じて普及を図っているデジタルインボイスもこの取組みの一環です。
一方で弥生が事業支援サービスに取り組む原動力になっているのは、事業者であるお客さまにとって大事なのは業務ではなく、事業そのものであるということ。お客さまがやりたいことは事業を通じてお客さまのお客さまに価値を提供すること。その過程で生まれるのが業務。つまり業務は手段であり、目的は事業です。その観点から、弥生は業務のお手伝いをして満足するのではなく、お客さまの事業そのもののお手伝いをしたいと思っています。事業の立上げを支援する起業・開業ナビから、事業のバトンを渡す支援をする事業承継ナビまで、弥生が過去2年間、事業を支援するサービスを急速に立ち上げている背景にはこういった想いがあります。
色々と本ブログで取り上げたいトピックが多いのですが、今回の事業概況説明会でお伝えした弥生の想いであり方向性について、今後もう少し深掘りしてお話ししたいと思います。