という訳で先週はSingaporeに出張でしたが、振り返ってみるとSingaporeは実に25年以上振りでした。最初に訪れたのが社会人になって2年目の1993年。2回目がビジネススクールに留学中の1996年。それ以降、訪れる機会がぱったりと無くなってしまいました。1996年はビジネススクールの夏休みを使って、LA - Australia - Indonesia - Singapore - Malysia - Thailand - Hong Kong - China - Japan - LAという太平洋をグルっと回る旅の途中で訪れました。遊んで終わりではなく、Quarterdeckというパソコンソフトのメーカーでのインターンの一環として、Japan/Hong Kong/SingaporeのPCソフト市場の調査も兼ねた旅(もちろん思いっきり楽しんだのも事実ですが、笑)だったというのは以前本ブログでお話ししたことがあります。
ただ、実はこの際Singaporeで猛烈な食あたりにあい、丸二日間ぐらい全く動けなくなったという暗い過去があります。幸いにして無事に回復し、以降の日程を予定通りこなすことはできたのですが、滞在日数の割に印象が薄いのはこのせいかもしれません(笑)。以降、トラウマになって行く気がなくなったということではないのですが、なんとなく行く機会がありませんでした。
今回、25年以上振りに訪問しての印象はとにかく都会だな、ということ。今回は、有名なMerlionの近くのホテルに泊まったのですが、その周辺は超高層ビルがこれでもかとばかりに。Merlionに向かい合って一番目立つのはMarina Bay Sands。前回訪問時にどんな感じだったのかは正直全く覚えていないのですが、Merlionを見たことは覚えています。ただ、調べてみたらMerlionは2002年に移転しているのですね。どうりで全く見覚えがないわけです。
改めて調べてみると、前回訪問時(1996年)には日本の一人当たりGDPは$39,150、Singaporeは$26,234(出所: 世界銀行)。日本の方が経済先進国でした。しかし、直近の数字は全く異なります。2021年の数字ですが、日本は一人当たりGDPが$39,285、Singaporeは$72,794。USドル建てのため、為替の影響を大きく受けますが、日本は過去25年間ほぼ横ばい。それに対し、Singaporeは約3倍近くにまで成長しています。人口が違いますから、国全体のGDPとしてはもちろん日本の方が圧倒的に大きい(今でも世界第3位、Singaporeは36位)ですが、もはやSingaporeの方が経済的に豊かな国と言えるでしょう。
今回、初日の晩は屋台(Hawker center、と言っても昔と異なり、奇麗に整備されたフードコート的なもの)で軽くご飯を食べたのですが、手前がMie Goreng(焼きそば)でS$8、奥がSatay(焼き鳥)でS$10でした。今のS$はざっくり100円なので、800円と1,000円。日本と比較しても決して高くはないですね。むしろ気持ち安いぐらいかもしれません(ただし、Singaporeは政策的にお酒は高いです)。アメリカでは何でも高いと書きましたが、今海外旅行に行くのであればSingaporeの方がおススメです。
興味深いのは、Singaporeにおいて、普通のお店の時給がそこまで高いわけではないこと(だからこそ食事も高くはない)。たまたま見たあるお店では、アルバイトの時給がS$10となっていました。時給1,000円であれば日本と変わらない(日本の都市部と比較するとむしろやや低めかもしれません)。それでいて、一人当たりGDPが$72,794という事実があります。これはおそらく単価の低い労働力として外国人労働者を受け入れており、Singaporeanはより付加価値の高い仕事に集中しているということなのではないかと思います。そもそも国の規模が違いますし、Singaporeでやっていることが絶対的に正しいというつもりもありませんが、一つの国のあり方として参考になる部分はあるように思います。