2023年02月20日

間違い探し 2023

先週木曜日から確定申告期間が始まり、最初の週末が過ぎました。まだ時間は十分にありますが、かと言って放置ではなく、ひとまず書類の整理から始めたいところです。

さて、確定申告期間ということで、毎年マニアックな方から期待されている(?)確定申告書について熱く語ってみたいと思います。ということでまずはこちらをご覧ください。今回の確定申告(令和4年分)の確定申告書(第一表)の様式です。

(令和4年分) 2023022001.png

一方でこちらは令和3年分の様式。どこが違うでしょうか。

(令和3年分) 2023022002.png

一昨年の令和2年分は、その前年の令和1年分と比べて、10年に一度のレベルの大幅変更でした。逆に今年は、昨年に続き、変更量としては小さめです。一昨年がメジャーバージョンアップであれば、昨年と今年はマイナーバージョンアップと言ってよいかと思います。少なくともパッと見は。ただ、よーく見ると、実は結構変わっています。

まず、これは予告されてきたことですが、今回の申告書から申告書A/Bという区分がなくなりました。もともと確定申告書には申告書Bという標準版と申告書Aという簡易版が存在しましたが、今回から申告書Bをもとにしたものに統一されました(簡単に言えば、申告書Aがなくなりました)。上の令和3年分の様式のヘッダーには「申告書B」と記載されていますが、令和4年分ではシンプルに「申告書」となっています。もともと事業所得は申告書Bでないと申告できませんので、弥生をご利用いただいているお客さまには影響はありません。

もう一つ、書式がなくなるという観点では、修正申告をするための申告書第五表「修正申告書(別表)」がなくなりました。これまでは、申告で間違っていた場合(より具体的に言えば、税額を実際より少なく申告していた場合)には、正しい申告内容に改めた申告書B第一表と、修正前の申告内容を記す申告書第五表をあわせて提出する必要がありました。しかし、冷静に考えれば、修正前の申告内容は既に税務署に申告されているわけですから、改めて提出する必然性はありません。

そのため、今回の確定申告から、申告書第五表を廃し、その代わり修正申告にかかわる最小限の情報を通常の申告書第一表に盛り込むことになりました。上の令和4年分の様式の右側の真ん中より少し下に「修正申告」にかかわる二行が追加されています。

必然性のない書式をなくすことは大賛成。ただ、ソフトウェア開発という観点では、地味ながら結構な影響があります。何ぶん申告書はスペース的にキツキツなので、修正申告の2行を追加するだけでも結構な影響が生まれます。この2行(+公的受取口座に関する行)を追加した分、右側一番下の整理欄のスペースが不足し、整理欄4行のうち、1行だけが左側に移動しています。また、整理欄の下にあった税理士の署名欄が消滅し、これは実は第二表(2ページ目)に移動しています。

整理欄のうち1行が左側に移動した分のスペースはどこで生み出されているかというと…。これは本当に間違い探しのレベルですが、わかりますか?

正解は収入金額等の欄で「利子」という行がなくなりました。もともと利子所得については、国内で発生する分は基本的に源泉徴収されて完結するため、確定申告書上で利子所得を記載するのは海外で発生した利子がある場合など、限定的です。また、利子所得の場合、収入金額 = 所得金額となるため、収入金額の行は不要とされた訳です。とはいえ、これまでの確定申告書は、収入の欄と所得の欄で呼応するようになっていましたので、スペースが足りない中での苦肉の策と見えなくもありません。利子の行がなくなったことによって、収入金額等の欄の各行に付与されている項番(ア)〜(シ)も、(エ)以降一つずつずれています。

細かい説明は避けますが、先ほどお話ししたように第一表から税理士の署名欄が押し出され、第二表に移動した関係で、今度は第二表でスペースを捻出するための細かい調整が入っています。

ということで、おわかりいただけたでしょうか。令和4年分の確定申告書として、中身としてはそこまで大きな変更が入った訳ではないのですが、様式としては実はメジャーバージョンアップ級に近い変更です。もちろんお客さまが支障なく申告できるようにすることが弥生の仕事ですから、キチンと対応済みですが。

行がずれたということでそれなりな開発量が発生するのは、紙の申告書だから。当面は難しいことは認識しつつも、いっそのこと全てがe-Taxになってくれればいいのにと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:38 | TrackBack(0) | 税金・法令
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190189032
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック