2010年03月03日

弥生がWindows 2000を卒業する理由(その1)

弥生は新製品"10 シリーズ"で、Windows 2000を動作環境としてサポートしないことにしました。Twitter上でも色々ご意見を頂いているので、今回は、何故Windows 2000をサポートしないという決断を下したのかお話しさせて頂きたいと思います。

正直、難しい決断でした。私が最初に使うようになったWindowsはNT 3.1でしたが、これはまだまだ発展途上のOS。今のWindows XP/Vista/7につながる、安心して誰でもが使える最初のOSがWindows 2000でした。私も数年前までは自宅でWindows 2000を使っていましたし、弥生のお客様でも、Windows 2000を利用されている方は少数、かつ年々減ってはきていますが、いらっしゃることはお客様調査でもわかっていました。

ビジネス的な観点(=採算性)からは、Windows 2000を利用されている方は圧倒的少数になってきているため、もっと早くに止めるという選択もありました。実際、私が自宅のWindows 2000をXPにしたのは、AdobeのPhotoshop Elementsが4.0で早々に(確か2005年末)Windows 2000サポートを止めたからでしたし、Windows 2000のオーナーであるMicrosoftさえ、Office 2007ではWindows 2000をサポートしなくなりました。PCを使う上での必須ソフトであるウイルス対策ソフトでは、二大勢力であるトレンドマイクロ(VirusBuster)、シマンテック(Norton)ともに新製品ではWindows 2000をサポートしていません。

ただ、お客様の業務を支えるベンダーとして、弥生の場合は単純に採算性だけでサポート終了を決めるわけにはいきません。

そんな中で今回弥生がWindows 2000のサポートを止めた直接的な理由は、Microsoftによるサポートが終了することです。ご承知のように、既に延長サポートに入っていたWindows 2000のサポートは、今年7月13日をもって、終了します。今後は、セキュリティリスク等が発見されたとしても、原則としてパッチ等は提供されないことになります。つまり"10 シリーズ"の発売期間中に、土台となるOSのセキュリティが担保されない状態になるわけです。お客様の業務を支えるベンダーだからこそ、それを看過することはできません。正直それは余計なお世話ではないか、どのようなリスクを取るもお客様のご判断だ、という内部での意見もありましたが、弥生としては、Windows 2000から移行することをお客様に積極的に発信しようという決断をしました。
 
100%のお客様にご納得頂けるかどうかは自信はありませんが、弥生としてキチンとした議論を経て、強い意志で下された決断ということはご理解頂けたらと願っております。
posted by 岡本浩一郎 at 16:26 | TrackBack(0) | 弥生
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