2010年06月03日

弥生会計と管理会計

昨日は、弥生会計の最大のメリットは自分の事業の現況をタイムリーに把握できること、とお話ししました。現況を把握するという意味では、事業全体ではなく、もっと細かい単位で把握することも有効です。例えば、商品やサービスが複数ある場合に、どれがより利益を生んでいるか、あるいは、取引先が複数ある中で、どの取引先がより利益に貢献して頂いているのか、などなど。いわゆる「管理会計」です。

弥生会計では、さすがに一式何億円もする会計システムのようなバリバリの管理会計には対応していませんが、うまく使いこなせば、簡易的な管理会計を実現することができます。その柱となるのは、勘定科目(補助科目)の設定と部門管理。(ものすごく乱暴に言えば)管理会計は事業全体だけでなく、個々の事業ラインや製品、取引先などで収益状況を把握できるようにするということですから、取引に分別のための「ラベル」を貼る必要があります。そのラベルとなるのが、勘定科目(補助科目)であったり、部門だったりするということです。取引にラベルを貼った上で、その情報を弥生会計内で分析、もしくは、Excelにエキスポートします。Excelにエキスポートすれば、かなり凝った分析も可能です。具体的には、やはりプロの方の説明の方が分かりやすいと思いますので、税理士の松波先生の「会計ソフトで管理会計を行うための注意点とは?」という記事をご参照下さい。
注: 部門管理は、弥生会計でもプロフェッショナルとネットワークのみで利用することができます。

ただ、管理会計で難しいのは、どこまで精緻に管理をするか。例えば、営業マン一人一人の収益性を分析しようと思えば、営業マン一人一人の費用、交通費から通信費から、極端な話、家賃まで、全て分別して(それぞれ別々のラベルを貼って)入力する必要があります。あるいは、取引先ごとの収益性を分析する際には、同じ交通費でも、これは取引先A向け、取引先B向け、といったような形で分別する必要があります。あまりに細かく管理しようとすると、実際の入力が大変過ぎて、途中でギブアップというケースもあるようです。ですから、管理をしたいレベルと、運用として耐えうるレベルをうまくバランスをとることが非常に重要です。

そういった観点では、先程ご紹介した松波先生の別の記事「自社に利益をもたらしているのは、どの得意先かを知るには?」も参考になります。これは、ギチギチとラベル貼りをするのではなく、結果として得られた数値を元に回帰分析によって大まかな傾向をつかもうとするもの。一円一銭まで正確というわけではありませんが、経営として判断するための材料としては十分使えるのではないかと思います。

松波先生のこのシリーズ記事は、「中小企業経営に科学を」という松波先生らしい良記事ですね。
posted by 岡本浩一郎 at 13:20 | TrackBack(0) | 弥生
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/38733318
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック