2010年07月01日

『有価証券の引受け等に関する規則』等の一部改正に対する意見

日本証券業協会総務部御中、

『有価証券の引受け等に関する規則』等の一部改正に対する意見

@ 岡本 浩一郎
A
xxxx@yayoi-kk.co.jp, 03-xxxx-xxxx
B 弥生株式会社
C 「有価証券の引受け等に関する規則」第3条の2
D 本改正に反対します。
E
本改正は、あくまで貴協会の会員に対する規則であり、いわゆる自主規制の改正という位置付けではありますが、日本において上場(株式公開)するためには、必ず貴協会の会員による引受けを得る必要があることから、実質的に、上場前に個人投資家から出資を受けた未公開企業の、日本における上場を禁止する効果があるものと理解しております。これは、日本経済が低迷を続ける中で、その経済活性化のためには、起業を奨励し、いわゆるベンチャー企業を支援しようという日本国としての国家戦略に反しかねないと考えております。


もちろん、未公開株詐欺事件の社会的影響を軽視するものではありませんが、当該事件を防ぐために、本来推奨すべき起業家への投資の道を事実上閉じることはあまりに乱暴な規制であると考えます。本改正がそのまま成立すれば、まさに悪貨が良貨を駆逐しかねない危機であると考えます。ベンチャー企業にとっては、起業家自身やその家族だけでなく、友人やその他個人投資家(いわゆるエンジェル投資家)も欠かすことのできない事業資金の源です。この観点で言えば、個人投資家による未公開企業への投資は、推奨すべきものでありこそすれ、禁止すべきではありません。

すなわち、上場前の個人投資家から出資を原則として禁止し、例外を認めるのではなく、原則は認め、問題となりうるケースを明示的に禁止すべきだと考えております。あくまでも例えばにはなりますが、「引受会員は、上場発行者以外の発行者が新規公開『予定日から遡って6ヶ月以内』に」といった表現とすることによって、原則は認められるが、公開前6ヶ月以内に関してのみ禁止とすることが可能だと思慮致します。また、このような表記は、「未公開会社が上場『直前』に不適切な自己募集を行うことがないことを制度的に担保する」という未公開株式の投資勧誘による被害防止対応連絡協議会による「未公開株式の投資勧誘による被害防止に向けた具体的な方策について」報告書にまさしく合致するものであると思慮致します。

また、仮に本改正がそのまま成立しても、改正の趣旨である未公開株詐欺事件の防止には実効性が極めて低いことも申し添えさせて頂きます。改めて申し上げる必要もないと思いますが、未公開株詐欺事件の関係者の目的は上場ではありません。すなわち、もとより上場を目指していない事件関係者にとっては、上場禁止が何ら影響を与えることはありません。本改正を広く一般に周知することで、そもそも上場を目指している企業が上場前に出資を募ることはありえないという認識を醸成するということを意図されているのであると拝察致しますが、それであれば、本改正に頼らずとも、こういった詐欺事件に注意すべきということを周知し、詐欺もありうるという認識を醸成することで十分に代替が可能です。

なお、上場前に個人投資家から出資を受けた未公開企業の、日本における上場を禁止する効果があるという懸念は、「有価証券の引受け等に関する規則」に関する細則の一部改正、具体的には、第2条4「その他本協会が第1号から第3号に準ずると認めたとき」によって排除されるという見方もあるかと理解致しますが、本条項は極めて曖昧であり、解釈の一意性が確保されません。貴協会の判断によって日本全国多数の未公開会社の運命が左右されるというのは、貴協会にとっても重すぎる責務ではないかと思慮致します。
posted by 岡本浩一郎 at 10:56 | TrackBack(0) | 起業
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