2010年10月28日

シャープ、パソコン事業から撤退

先週、シャープがパソコン事業から撤退することが一斉に報じられました。実際には昨年末には生産は打ち切っていたとのこと。昨年末に生産を打ち切ったものが、今頃ニュースになるわけですから、やはりほとんど売れていなかったということなのでしょう。記事中にあるように、BCNによると2009年のシャープのシェアはわずか0.3%だったとのこと。

以前ascii.jpの記事でも書きましたが、私の初めてのコンピュータがシャープのポケコンPC-1251。そして初めてのパソコンがやはりシャープのX1turbo。私のコンピュータ人生はシャープで始まったわけですので、今回のニュースにはやはり寂しさを感じます。ただ、Mebiusにしろ、Windows時代になってからのシャープのPCは一度も大ヒットを出すことはできていませんでしたので、やむを得ないのでしょう。

寂しさは感じるものの、経営者としては(大変におこがましいですが)非常に正しい判断だと思います。日本の会社は採算性を度外視して事業を継続することが多いですが、海外ではシェアトップ3に入れないのであれば撤退は当たり前。短期的に考えると、採算性を度外視しても事業を継続することは、その事業に従事している従業員にとって優しい判断のように思えます。ただ、中長期的に考えても従業員に優しい、従業員にとって良いことなのでしょうか? 結果が出なければ、なかなか研究開発や先行投資をすることもできません。業界のリーダーがドンドン先を行く中で、時代遅れの製品のお守りをしていては、中長期的なキャリアを築くことがむしろ難しくなります。厳しい言葉で言えば、撤退すべきところを撤退しないのは、経営者の怠慢だと考えています。

最近のシャープと言えば、まずは液晶テレビですよね。手元にあるBCNランキングマガジン(2010/11号)によると、液晶テレビでのシャープのシェアは40V型未満で40.8%、40V型以上では実に58.5%! これだけ競争が激しい液晶テレビでこれだけ高いシェアを維持しているのは凄いことです。これも選択と集中の成果。選択と集中というと、単純に絞り込むだけと思われがちですが、シャープは液晶テレビの強みを活かして、従来は弱者だったレコーダーマーケットで37.0%(BDレコーダー)のシェアでトップをとることにも成功しています。

今回のパソコン事業撤退の代わりに、先般発表のあったGALAPAGOSでのハード+コンテンツ事業に力を入れるとのこと。これ自体がうまく行くかどうかはわかりません(競争は厳しいでしょうね)が、こうやって、戦うべきところで徹底的に戦い、引くべきところで引く経営ができていることには純粋に尊敬の念を覚えます。これって言うほど簡単ではないですからね。

PS. ちなみに弥生については、既に選択と集中済みですので、ご安心ください。
posted by 岡本浩一郎 at 15:24 | TrackBack(0) | ビジネス
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