東日本大震災の被災者等の負担の軽減を図るため、税金について、様々な特例処置が設けられるようです(国会での決議はこれから)。法律案要綱が公開されていますが、一般の人にはなかなか読解が難しいですね。そこで「元フリーターの不敵な税理士」後藤先生が取り急ぎポイントをまとめて下さいましたので、ここで共有させて頂きます。
被災者の負担の軽減を図るという趣旨ですので、特例の対象となるのは、基本的に被災された方(個人、個人事業主、法人)となります。
[雑損控除]住宅や家財等に係る雑損控除は22年(昨年)分の所得で適用できる。今年以降の繰越可能期間を現行の3年から5年にする。
[事業者の被災]事業者は被災事業用資産の損失を22年の必要経費にできる。青色申告者はさらに21年に遡ることもできる。今年以降の繰越可能期間を現行3年から5年にする。
[ローン控除]住宅ローン控除は、対象の住宅が焼失等していても継続適用。
[被災した法人]23/03/11〜24/03/10に終了する事業年度につき、震災損失がある法人はその損失額を2年遡って繰り戻し還付ができる。
[被災した資産の代替]28/03/31までに被災資産の代替として取得する資産については特別償却(割増償却)可能。被災した資産の建替え、再建造再取得は登録免許税を免税、これらの請負契約書等の印紙税を非課税に。
[相続税贈与税]震災後に申告期限がくる相続税、贈与税は期限を延長し、震災後の財産評価を基にして計算が可能。
[消費税]消費税の各種届出の遅延を認める。
一方で、被災された方以外に対しても影響が生じます。本ブログでも色々と取り上げた寄附金に関する税制ですね。
[寄付金控除]23、24、25年の所得税で寄付金控除の上限を現行の総所得の40%から80%に拡大。
上記の法律案要綱では、認定特定非営利活動法人及び共同募金会連合会に対して支出した震災関連寄附金に関する扱いに関しての記述もあるのですが、もう少し調べた上で改めて共有させて頂きます。寄附金については、既に運用ベースで扱いが変わってきており(赤十字向けもふるさと納税と同様の扱いが認められるなど、基本的に税金が下がる方向で)、3月にアップした内容の更新も必要になっています。
蛇足ですが、今週二つのインタビュー記事が掲載されましたので、お時間がある時にでも是非ご覧下さい!
「復興への活力--元気を出せる企業がなすべきこと」(ITmedia)
「SaaSは成長を加速する柱の一つ 弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏」(ITpro)