2011年09月12日

オープンな弥生

先日発表した「弥生スマートフォンアプリコンテスト」ですが、かなりの反響を頂いています。コンテスト応募を考えられている方とのラウンドテーブルも、2回開催予定のうち、第1回目は早くも満員となってしまいました(9/28の第2回目は引き続き受付を行っております)。

さて、このコンテストについてお話しするとよく聞かれるのが「弥生自身でスマホアプリ開発をしないのか」ということ。もちろんこれは社内でもかなりの議論になりました。しかし、一口にスマートフォンと言っても、プラットフォームはiOS(iPhone)、Android、Windows Phoneに分かれますし、さらにスマートフォンアプリといっても、実に様々なアプリの可能性があります。それに対し、弥生だけでは、多くの方の多様なニーズを満たすことはできないと考えています。もちろん、将来的に弥生自身によるアプリの可能性を否定するものではないのですが、弥生以外の方が弥生ユーザーに向けて素晴らしいスマートフォンアプリを開発して欲しいと思っていますし、このコンテストを通じ、その後押しをしようとしているのです。

IT企業の経営戦略として、大きく「オープン路線」か、「クローズド路線」に分けることができると思います。クローズドの場合、お客さまに付加価値を提供し得るのは原則としてその企業自身ということになります。一方で、オープン路線の場合、お客さまに付加価値を提供し得るのはその企業に限りません。

少し前までの弥生は、明らかにクローズド路線でした。すなわち、弥生のお客さまに付加価値を提供するのは弥生のみ。この路線のままであれば、弥生謹製のスマートフォンアプリしか認めないということになります。しかし、テクノロジーがこれまでにないスピードで進化を続け、しかもその裾野が広がっている中で、弥生製のものしか認めないのでは、お客さまの選択肢を不当に狭めてしまいます。

もちろん、オープン路線ならではの課題もあります。典型的な課題が、責任分解点。クローズドであれば、責任の所在は明確ですが、オープンの場合、例えば、お客さまが第三者のスマートフォンアプリと弥生製品を利用した場合、何か問題が発生した場合に誰が責任を負うのか。

解決しなければならない課題はあります。それでも弥生は今、オープンな弥生という道を歩もうとしています。それが最終的にお客さまのためになると信じて。
posted by 岡本浩一郎 at 15:35 | TrackBack(0) | 弥生
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