弥生のウェブサイトでは既に8月からお知らせしていますが、この10月の給与から、厚生年金保険の料率が再び上がります。正確には、再びというよりも、毎年恒例。昨年9月に解説していますが、平成16年の年金制度改正によって、平成29年まで、毎年じわじわと上がっていくことが決まっています。
今回の料率改定は、16.058%から、16.412%への0.354%の引き上げです。料率ではわかりにくいですが、例として、給料(正確には標準報酬月額)が300,000円の方ですと、9月までが、300,000円×16.058% = 48,174円。これを会社(事業主)と従業員(被保険者)で半分ずつ負担しますので、従業員の負担額は半分の24,087円です。これが、10月の給与では300,000円×16.412% = 49,236円。従業員の負担額は半分の24,618円となります。その差、531円。一年間で、6,372円の負担増ということになります。
昨年お話しした通り、平成16年の改正前と平成29年の改正完了時点での保険料の増加は無視できないレベル(標準報酬月額が300,000円の人で、従業員負担分が年間で84,960円増加)ですが、そこはうまくできていて、毎年の負担増としては、まあなんとか耐えられるレベルです。実際問題、給与明細を見ておらず、気が付かない人も多いかもしれませんね。
既に決まっていることですし、厚生年金制度を健全に維持するためであればやむを得ないとは思いますが、最近は別の方面で気になる動きが出てきました。それは、厚生年金の支給開始年齢のさらなる引き上げです。実は、料率だけではなく、年金の支給開始年齢も段階的に引き上げられてきており、2030年までには男性も女性も支給開始年齢が65歳になります。この65歳への引き上げがもっと早まり(2021年?)、なおかつ支給開始年齢はさらに68歳〜70歳にまで引き上げられるという案(厚生労働省案, pdf)が検討されています。
今のところすぐにこの案が成立するということではないようですが、年金財政が悪化する中で、料率の引き上げだけでは将来の目処がたたないということでしょう。しかし、料率(=保険料)が上がる一方で、実際に支給される年齢が上がるのではふんだりけったりですね。私は今42歳ですので、年金の支給は早くても23年後。今は、68歳〜70歳への引き上げの検討ですが、そのうち75歳、いやいや80歳への引き上げが検討されたりすると、果たして本当に年金を受け取ることができるのかどうか。