2012年04月27日

Windows RT

前回の記事ではこれから登場するWindows 8のエディションの一つとしてWindows RTがあると書きました。これはマイクロソフト自身の公式見解です。

ただ、名称はあくまでも「Windows RT」であって、「Windows 8 RT」ではないというのがミソです。 ソフトを開発する立場からすると、正直なところ、Windows RTはWindows 8であってWindows 8でないと感じています。さらに、実際に登場してみないと確実には言えませんが、ユーザーの観点からも別物という認識になるのではないかと思います。

確かにWindows RTはその他のWindows 8と見た目は一緒です。Metroと呼ばれるタイル形式のアイコンが並んだインターフェイスです。また、Windows RTではお馴染みのマイクロソフトOfficeが動きます。ただし、動くのはこれから登場するOffice 15と呼ばれるバージョンのみで、Office全てではなく、Word/Excel/Powerpoint/OneNoteのみ(例えばAccessはなし)です。

逆に類似点はそれだけ、とも言えます。弥生会計をはじめとして、Windows 7で動くWindowsアプリはWindows RTでは動きません。Windows RTで動くアプリを作るためにはWinRTという新しいAPI(Application Program Interface、アプリケーションからOSの機能を利用するための入口)を利用し、さらにタッチパネル前提で使い勝手を全て見直さなければなりません(どこまで強制力があるのかはまだわかりませんが、ガイドラインが定められるようです)。このWinRTを利用して作られたアプリケーションはWindows RTはもちろん、(Windows RT以外の)Windows 8でも動きます。ただ一方で、Windows XP/Vista/7では動きません。いわゆる後方互換性がないということです。

弥生のようなアプリケーション・ベンダーの立場からすると、既存の製品をWindows RTで動くようにするには、相当の労力をかけて大幅に書き直す必要があり、これは容易なことではありません。労力をかけてWindows 8/RTの両方で動くようになっても、Windows 7以下では動きません。これはかなりのジレンマです… もちろん、Windows RT対応は一旦置いておいて、(Windows RTではない)Windows 8対応をすることは容易です。ただ、将来をにらむとWinRTをずっと避けて通るわけにもいきません。どのような形でWinRTへの対応を進めるか、思案中です。

ところでWindows RTのRTって、何かと思われる方もいらっしゃるかと思います。決してツイッターのRTではありませんよ。リアルタイムでもありません。中には陰謀説(?)もあり、曰くWindows 8の開発責任者Steven Sinofsky氏のイニシャル"SS"を、一文字繰り上げるとRに、一文字繰り下げるとTになるというものです。この種の話ではかつてのWindows NTがVMS(ミニコン用のOS)の3文字を一文字ずつずらしたもの(V→W, M→N, S→T, あわせてWNT、すなわち、Windows NT!)という説が有名ですね。話がそれましたが、正解はRunTimeで、これは、上で出てきたWinRTから来ているんだそうです。正直「??」という命名ではありますね…
posted by 岡本浩一郎 at 11:15 | TrackBack(0) | テクノロジー
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