2012年05月18日

言葉力

一ヶ月ほど前に、コマツ会長の坂根さんのお話を聞く機会がありました。UCバークレー(UCB)日本同窓会主催の「知の広場」というイベントです。私自身はUCLA卒業ですが、同じUC(Unversity of California)ということもあり、UCLA同窓会とUCB同窓会はイベントの相互乗り入れを頻繁に行っています(ちなみに、一般的にこの種のイベントは閉鎖的ではなく、関心がある方であれば誰でも参加可能ということが普通です)。

当日は東洋経済の本社ビルにある経済倶楽部という(ちょっとクラシックな感じの)会場でしたが、多くの方が参加されていました。それもそのはずで、坂根さんは最近の経済界きっての論客と言われており、講演会はあっという間に満席になるそうです。

とても楽しみにして参加したイベントでしたが、期待以上でした。内容としては、坂根さんの著書「言葉力が人を動かす」と多分にオーバーラップしているのですが、話のわかりやすさ、着眼点の鋭さ、ロジックの明解さ、どれをとってもさすがに一流の経営者は違うと感じさせられました。まさに坂根さんの仰る「言葉力」を実感します。

坂根さんは言葉力を「話術のことではない」、「リーダーの言葉によって多くの人を本当に大事な問題に気づかせ、そちらに向かせ、そして彼らに汗と知恵を出してもらう力のこと」と定義しています。ここから、坂根さんは言葉力を「見る」力、「語る」力、そして「実行する」力に分解しています。「見る」力、「語る」力、そして「実行する」力の三つを大切にするというのは、日頃から私自身が意識をしていることであり、そういった意味で非常に勇気づけられました。誤解のないように言えば、これまで「見る」力、「語る」力、そして「実行する」力とはっきりと整理できていたわけではありません。日頃自分が考えていたこと、意識していたことがすっきりと整理され目の前に見えた、「ああ、そうなんだよ、やりたかったのは、こういうことなんだよ」と膝を打つ感じと言えばいいでしょうか。

意識はしていたとはいえ、私自身の「見る」力、「語る」力、そして「実行する」力を振り返ると、正直まだまだだと感じさせられます。実際に、坂根さんの講演は話術としても素晴らしかったのですが、私がそれ以上に感銘したのは坂根さんの着眼点の鋭さでした。見る力ですね。日本国内だけではなくグローバルの視点でというのは今や当たり前になりつつありますが、単純に今見えている現象だけでなく、その裏にある大きな流れに着目し、そこからこの先何が起こりうるのかを考えていく。時には地球が生まれてからの46億年のという時間軸の中で今とこれからを考える。

この三つの力の中で言えば、比較的自信があるのは、実行する力でしょうか。坂根さんの著書でMBAホルダーを若干揶揄している部分がありますが、それは的外れではなく、単純にビジネススクールで学んだだけでは、表層的な「見る」と「語る」だけに終わりかねない危険性を持っています。「見る」「語る」をもっと深められるかと同時に、キチンと自分のこととして率先して動けるかどうか。私自身がMBAホルダーだけに、逆にここの部分を特に意識してやろうと心がけています。

ただ、まだまだ圧倒的に修練が足りません。それでも、自分が目指している方向が間違っていないこと、そして自分の今を振り返れただけでも本当によい機会となりました。坂根さん、そしてUCB日本同窓会の皆さま、有難うございました。
posted by 岡本浩一郎 at 14:31 | TrackBack(0) | ビジネス
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