ちょっと前の話になりますが、9/20に東京モード学園の生徒向けに「アントレプレナー特別講義 〜独立・起業に必要なお金の知識〜」という講義を行いました。そう、あのイケてるコマーシャルとイケてるビルで有名な東京モード学園です。同校では、将来ファッション、メイク・デザイン業界で独立や起業を目指す学生たちのためにアントレプレナー(起業家)制度を設けており、その一環としての特別講義です。
当日は、東京モード学園と同系列になるHAL東京あわせて280名弱の生徒向けの講義。これまで学校での講義は何回かやってきていますが、今回は最大規模。ちょっとは緊張するかと思いましたが、そうでもなく(笑)、楽しむことができました。
講義の内容は独立・起業に必要なお金の知識ということで、まずは起業に関してのよくある誤解と実態をお話ししました。例えば、起業は特別なことと思われがちですが、意外に普通なことだというお話をしました。年間に起業するのは20万人〜30万人と言われていますが、一方で一年に生まれる赤ちゃんの数が100万人ちょっとですから、無理やりな比較をすれば5人に1人は起業してもおかしくないことになります(より正確に言えば、いま起業されるのはやはり20歳以上が大半ですから、かつての出生数150万人前後と比較すべきですが、起業を30万人とするとやはり5人に1人という割合になります)。
後半はお金の管理について。会計と聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本はお小遣い帳と変わらないという話です。ただ、事業では売掛のように売上と現金の増加にずれが発生することもあり、最悪の場合黒字倒産することもあります、といった話をクイズ形式でできるだけ簡単にお話ししました。昨年出版した拙著「会計ソフトだけではダメ!本当の会計の話」をギュっと濃縮した内容です。
会計については、以前法政大学などでもお話ししたのですが、その際に何の気なしに「月末締めの翌月末回収」ですとか、「粗利は…」という表現を使ってしまい、後になって、うーん、十分に伝わらなかったかなという反省もありました。その反省を活かし、今回は用語も含め、とにかくシンプルに、かつ少しずつ進めるようにしました。理解して頂きたいのは、用語そのものではなく、何のために会計が必要なのかということですし。
結果的には話した本人としても手ごたえを感じる出来でした。東京モード学園というとファッションということで、興味を持ってもらえるか心配でしたが、皆さん熱心に聞いていましたし、徐々に難易度が上がるクイズにもちゃんと答えてくれました。後日受講レポートを送って頂いたのですが、「考え方が変わった」「起業は意外と身近な選択肢なんだと思った」など、お伝えしたかったメッセージがちゃんと伝わったようで、ホッとしました。
皆さん若いので、今すぐに役立つことはないかもしれません。ただ、この先どこかで起業を考えることがあった際に、そう言えば昔こんな話を聞いたな―、と思い返してもらえたら嬉しいですね。