2013年09月09日

東京オリンピック

2020年の東京でのオリンピック開催が決まりました。今の日本にとって、とても素晴らしいニュースだと思いますし、個人的にも早くもワクワクしています。

正直に言えば、前回(16年大会)の招致活動の際にはかなり醒めた目で見ていました。日本で開催するよりも、国の発展過程において大きなステップとしてオリンピックを活用できる国の方がいいのではないかと。前回の東京オリンピック(1964年)は、敗戦からの急速な復興を成し遂げた日本にとって、さらなる発展への大きなステップになりました。最近で言えば、2008年の北京(中国)がいい例ですし、前回決まったリオデジャネイロもブラジルにとって大きなステップとなるでしょう。その観点で言えば、今回はイスタンブールが妥当だったように思います。

ただ、前回とは違い、今回は、是非東京で開催したいと思うようになりました。何故か、と改めて考えてみると、2011年の東日本大震災が大きなきっかけになっているような気がします。東日本大震災は、甚大な被害をもたらしましたし、まだそこからの復興の途上にあります。ただ、同時に、東日本大震災は(誤解を恐れずに言えば)日本という国の素晴らしさを私たち自身はもちろん、国際的にも再認識するきっかけになりました。

あれだけの災害から、社会的な混乱を招くことなく、立ち直った日本(被災地の復興はまだまだこれからですし、原発の問題もありますが、日本全体として言えば)。それは私たちが想いを一つにしたからこそできたことです。そういった意味で、東日本大震災は、私たちにもまだまだできるんだ、ということを思い起こさせてくれたような気がします。

東京開催決定を受けて、安倍総理が、「15年間続いたデフレや縮み志向の経済を五輪開催を起爆剤に払拭していきたい」と仰られましたが、確かに私たちは「縮み志向」に囚われていたような気がします。所詮日本は峠を越えた国、これから発展する国に道を譲って…

東京オリンピックによって、日本が再び10%の高成長軌道に乗ることはないでしょう。ただ、成熟した国の一つのあり方を世界に示すことはできるのではないかと思います。経済一辺倒ではなく、国民の幸せ、国際社会への貢献、そして何よりも地球環境との融和をバランスさせた皆が住んでみたいと思う国(そういう意味では原発問題が明らかに最大の課題です)。2020年、日本がどのような国になっているかが本当に楽しみですし、それが少しでも良いものになっているように個人的にも努力したいと思います。2020年、東京でのオリンピックは本当に素晴らしかったと全世界の人に思ってもらえるように。

PS. 今回譲ってもらったというわけではないのですが、2024年は、やはりイスタンブールで初のイスラム圏での開催となるといいなと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:20 | TrackBack(0) | その他
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