2013年09月24日

オプション(続き)

前回は航空券の買い方を例に、オプションという価値を買うことの意味についてお話ししました。ただ、色々な人とお話しすると意外にこれを実践している人は少ないようです。キャンセル料は、必要な際に割安に乗れるというオプションの対価ですが、何となく、キャンセル料 = 何も価値を得ていないのに払わなければいけないコスト = 損というイメージがあり、損をしたくないという心理が働いているような気がします。

ある意味似ているのは、保険かもしれませんね。特に掛け捨ての保険の場合、無事故で終われば、保険料は(見た目上)何も生まずに「掛け捨て」となります。これも万が一の際の価値を買っているということになりますから、決して捨てているわけではないのですが、何となく掛け捨てよりも何かが残る貯蓄型を選ぶ方も多いようです。もっとも昨今はこれまでよりも色々と考えて保険に入る方も増えていますから、従来よりも掛け捨ての割合が増えているのではないでしょうか。ちなみに私は、保険は必要最小限のリスクヘッジと割り切っているので、基本は掛け捨てです。

キャンセル料を払うのを避ける理由でもう一つありそうなのは、「航空会社に悪い」という感覚。キャンセル料を払ったとしても予約していたものをキャンセルするのは悪いと感じてしまう。

この点に関して言えば、航空会社の方が一枚も二枚も上手なので、気にする必要はないというのが私の考えです。航空会社にとっては、一定の確率でキャンセルが発生するのは織り込み済みですし、そのため、通常は(需要さえあれば)座席数以上に航空券を発売しています。最近は航空券も需要に応じた値付けが定着しており、残りの座席数が少なくなれば、割安の運賃も早々になくなるようになっています。割安の運賃をキャンセルされても、乗りたい人がいるのであれば、今度は普通運賃でうまるわけですから、航空会社から見ると、キャンセル料 + 普通運賃を得られることになり、むしろ有難いと言えます。逆に乗りたい人がいないのであれば、もとより空席になってもしょうがないわけで、少なくともキャンセル料が得られるだけマシという考え方ができます。

もっとも、キャンセルすることがわかった段階で早目に連絡する、ということはやはり必要ですね。早目にわかればそれだけ航空会社として調整も容易になりますので。

この間知ったのですが、ユナイテッド航空ではFarelockというサービスがあります。これは、「フェアロックをご利用いただくと、予約した運賃を保留し、後日お支払いいただけます。ご購入までの間、旅行代金の値上がりやフライトが満席になることを心配する必要がなく、ご安心いただけます」という仕組み。一定の費用を払えば、一定期間、席が確保され、運賃も保証されるわけですから、これはまさしく、オプションを買っているということです。航空会社にとっても、ビジネスとして意味があるからこそ積極的にオプションを売っているわけです。
posted by 岡本浩一郎 at 20:01 | TrackBack(0) | ビジネス
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