2013年09月27日

思い込み

前々回前回と航空券の買い方を題材にオプションの価値についてお話しをしてきました。一方で、キャンセル料 = 何も価値を得ていないのに払わなければいけないコスト = 損というイメージが強い、とも。これはある種の「思い込み」と言えます。多くの人が割と自然に受け入れてしまう「常識」であっても、よくよく考えてみると実は正しいとは限らない(あるいは常に正しいとは限らない)。

ピーター・センゲによって提唱された「学習する組織」という組織論がありますが、学習する組織に必要な5つの要素のうちの一つが「メンタルモデル」です。メンタルモデルとは、私たちが物事を理解する際に自然に適用されるフィルターと言えます。私たちは多くの場合、意識せずにこのフィルターを通じて世界を見ています。

このフィルターは、人が生きていく上でとても役に立つ存在です。例えば、ボールを空に投げれば、それはやがて落ちてくることを私たちは知っています。だからこそ毎回毎回ボールの軌道を計算しなくても、空に投げたボールを自然とキャッチすることができる。メンタルモデルというフィルターがあるからこそ、多くのことを無意識で行うことができます。

そういった意味でメンタルモデルは必ずしも否定されるものではありません。ただ、時に、実は正しいと限らない(あるいは合理的でない)「思い込み」になってしまうことがあり、注意が必要です。確かに偶発的に発生したキャンセル料は価値は生まない(風邪をひいてしまい、旅行をキャンセルした)。一方でこれまでにお話ししてきたように、オプションという価値を生む、だからこそ戦略的に活用すべきキャンセル料も存在します。

重要なのは、そこにメンタルモデル(フィルター)があることを認識し、それが自分の判断や行動にどのような影響を与えているのかをキチンと理解することかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 17:59 | TrackBack(0) | ビジネス
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/76734734
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック