2013年11月26日

クラウドは目的? 手段?

先週記者発表を行った「やよいの白色申告 オンライン」、いよいよ今回から本ブログでも発表会を開催したいと思います。ということで、「やよいの白色申告 オンラインは…」、と説明に入っていきたいところですが、まずは弥生のクラウドへの取り組みからご説明したいと思います。

最近はクラウドという言葉を耳にしない日はありません。一般の雑誌や新聞でもよく目にしますし、もはやクラウドとは、という説明は不要でしょう。ただ、クラウド、クラウドとよく言われるようになったものの、お客さまにとって、クラウドとは「目的」でしょうか、それとも「手段」でしょうか。

目的とすれば、とにかくクラウドであることに意味がある(もっと極端に言えば、名前にクラウドと付けることに意味がある、笑)ということになります。一方で、手段とすれば、何らかの明確なメリットを実現する手段としてクラウドが存在することになります。

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弥生が考えるクラウドは、もちろん、後者、すなわち手段です。お客さまに明確なメリットを提供する「手段」としてクラウドが必要であると考えています。逆に言えば、クラウド自体が目的化すべきものではないと考えています。もっとも、残念ながら、世の中的には、クラウドが目的化してしまっているケースも多いのが現実です。とりあえずクラウドと言っておけ、のような。あるいは、技術的にはクラウドであるとしても、それによってもたらされる価値が明確になっていないケースも存在します。

この夏にガートナーが出した"Hype Cycle for Emerging Technologies 2013"では、クラウド(Cloud Computing)は「幻滅期」(Trough of Disillusionment)にあると評しましたが、これはクラウドが必ずしも中身を伴わないブームの時期を過ぎたということを意味しています。ちなみに、同レポートでブームの真っただ中(Peak of Inflated Expectations, 「過度な期待」のピーク期)にあるとされているのが、Big Dataです(笑)。クラウドであろうが、なかろうが、新たな技術は、明確なメリットを提供できなければ定着はしません。しかしクラウドが今幻滅期にあるのは、決してクラウドが一過性のブームであるということではなく、むしろ、これから本当のメリットを提供することによって徐々に定着をしていく過程にあると考えるべきです(ガートナーは、クラウドは、今後2年から5年で"Pleateau of Productivity"(生産性の安定期)に到達し、定着すると見ています)。

さて、弥生が考えるクラウドは、お客さまに明確なメリットを提供する手段。すなわち、その自体がゴールでもありませんし、出発点でもありません。出発点はあくまでもお客さまのニーズ(顕在化している、していないを問わず)。お客さまのニーズを具現化し、それによってお客さまにメリットを提供する。そのための手段です。

弥生はこれまで多くのお客さま/パートナーとお話ししてきましたが、確かに、クラウドに対する(漠然とした)期待感はあり、それは高まりつつあります。ただ、何をしたいのか、というニーズを整理していくと、実は一様ではありません。より正確に言えば、多くのお客さまに共通のニーズもある一方で、全く異なる(場合によって相反する)ニーズも存在します。

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具体的に言えば、データに対するニーズは多くのお客さまで比較的共通しています。どこ(どの端末)からでも、同じデータで業務を行いたい、もしもに備え、データの保全を行いたい、社内/外とのデータ共有を行いたい、など。

一方で、機能や使い勝手に対するニーズは、これまで業務ソフトを利用されてきた方か、そうでないかで明確にニーズが分かれます。これまで業務ソフトを利用されてきた方にとっては、これまでと同レベルの機能や使い勝手を維持することは必須。クラウド化によって、機能が欠けてしまったり、あるいはこれまでよりも使い勝手が下がるのでは本末転倒です。

反面、これまで業務ソフトを利用されていない方にとっては、そもそも機能や使い勝手に関するベンチマークが存在しません。場合によっては、機能が限られていることが「シンプルで使いやすい」という評価にもなり得ます。また、業務ソフトを利用されていない方でもウェブ・ブラウザは利用されていますから、使い勝手という観点でも、通常のウェブ・ブラウザを通じた使い勝手であれば、まあ、こんなものか、と思って頂けるでしょう。

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このように、お客さまのニーズを出発点とすると、共通点もあれば、異なる(相反する)点もあるのが現状です。そういった中で、弥生は2つのアプローチで、クラウドならではの明確なメリットを提供しようと考えています。すなわち、一つはデータのクラウド化、そしてもう一つは、クラウドアプリケーションの新規開発です。

次回は、この2つのアプローチについて、もう少しお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 23:06 | TrackBack(0) | 弥生
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