2013年12月04日

白色申告と青色申告

11月21日に記者発表を行った「やよいの白色申告 オンライン」のブログ上での発表会、第4回目です。前回までに、弥生のクラウドへの取り組みとして、2つのアプローチ、すなわち、デスクトップアプリケーションでのデータのクラウド化、そして、クラウドアプリケーションの新規開発について、ロードマップの観点からお話しさせて頂きました。今回は、「やよいの白色申告 オンライン」が生まれた背景についてお話したいと思います。

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ご存知の方がほとんどだと思いますが、個人で事業をされている個人事業主は原則として毎年冬(2月中旬〜3月中旬)に確定申告を行う必要があります。会社員であればほとんどの場合、年末調整によって税金計算が完了するのですが、個人事業主には年末調整という仕組みが存在せず、確定申告が必要となります。

個人事業主が確定申告をする際には、白色申告と青色申告という二つの選択肢があります。このうち、明らかにメリットがあるのは青色申告。最高65万円の「青色申告特別控除」(使っていないでも認められるみなし経費のようなもの)が認められる、家族に払った給与・賞与が全額経費として認められる(青色事業専従者給与)、赤字の年と黒字の年で所得を相殺できる(純損失の繰越控除)という三大メリットがあり、いずれも税金を下げる効果があります。なおかつ、意外に知られていないことですが、青色申告はあくまでも所得税上の制度であるものの、所得税が下がると、連動して住民税や国民健康保険料も下がるのです。

このため、弥生ではこれまでも(もちろんこれからも)青色申告を強く推奨し、「やよいの青色申告」を通じて数多くのお客さまの青色申告を支援してきました。

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ただ、これまでは白色申告にも一定のメリットはありました。それはずばり、手間が最小限で済むということ。これまでは、所得金額(売上から経費を引いた、いわば利益)が300万円以下の場合、記帳をする必要がなかったからです。すなわち、確定申告に際し、売上が合計いくらだった、経費が旅費交通費、通信費などざっくりとした項目ごとにいくらだったという計算をする必要はあるものの、その裏付けを帳簿としてこまめに付ける必要はなかったのです。その代わり、税金上のメリットは一切なし。現実問題として、帳簿付けが必要ない、イコール、売上や経費をごまかしやすいということもあり、本来納めるべき税金を納めていないケースもあるようです。だからこそ、税金上のメリットはないというわけです。

一方で、青色申告は上でお話ししたように、税金が減るという大きなメリットがあります。しかも、所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料も下がるため、所得金額が300万円の場合、ざっくり言って15万円程度は節税ができるのです。税金が減るということは、その分手取りが増えるわけですが、手取りで15万円って結構大きいですよね。ただし、その分、一定の手間がかかるのも事実です(やよいの青色申告によって大幅な効率化ができるにせよ)。というのも、青色申告(65万円控除)の場合は、複式簿記での記帳が義務となっているからです。複式簿記を多少なりともかじった方はおわかりだと思いますが、複式簿記は資金の出し手と使い手をセットで記録しますから、売上や経費をごまかしにくい(下手にごまかしても、どこかに矛盾が出てしまう)。要は税金を下げることによって、ちゃんと(ごまかしのない)帳簿を付けるインセンティブを提供していることになります。

確かに青色申告はメリットが大きい。ロジカルに考えれば青色申告を選ぶべきです(記帳の手間をかけたくないのであれば、会計事務所に全てお願いするということも一つの手です)。だからこそ、弥生はこれまでも、そしてもちろんこれからも青色申告を推奨します。

ただ、これまでは、「一定の手間はかかるが、税金上のメリットが大きい」青色申告に対し、「税金上のメリットはないが、手間は最小限」の白色申告という、トレードオフの関係にあったこともあり、実際問題としてかなりの数の方が白色申告を選ばれていました。その数約170万人。青色申告の方が約210万人(いずれも、平成24年度の国税庁統計より、事業所得者の数)。つまり、青色申告の方が多いものの、それでも半分弱は白色申告なのです。

もっとも、これまでは成立していたトレードオフが来年1月から成立しなくなります。それは、来年1月から、これまでは対象外だった方も含め、全ての白色申告事業者に記帳が義務化されるからです。

(続く)

posted by 岡本浩一郎 at 22:42 | TrackBack(0) | 弥生
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