2014年02月07日

家事按分(その1)

個人事業主の確定申告で、できる限り節税するために重要なのは、やはり経費を漏れなく計上する(=利益を圧縮する)こと。そのために、家事按分(かじあんぶん)は、必ず知っておくべきキーワードです。例えば、自宅兼仕事場を借りている場合、賃料もそれなりな金額になるでしょうから、経費として計上できれば、大きな節税につながります。ただし、賃料を全て事業上の経費とできるかというと、これはNG。自宅として事業以外でも使用している訳ですから、その全額を経費とすることは認められません。

では、一切経費として認められないのかというと… 諦める必要はありません。一定の条件を満たせば、一部が経費として認められるのです。その条件とは、簡単に言えば、事業用とそれ以外(家事用)の割合を客観的に示すことができること。このように、一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)について、事業用とそれ以外(家事用)にその割合に応じて分解することを家事按分と言います。

家事按分の対象となる典型的な経費は、上で挙げた自宅兼仕事場の賃料、電気代、ISP代など。一方で、同じ水道光熱費でも、例えば水道代はほぼ家事専用(事業で使うことはない)なので、家事按分は認められにくいそうです(もちろん、染め物など、事業で水をバンバン使うのであれば、その限りではないでしょうね)。

昨日ご紹介した個人事業主の確定申告に関する調査では、みなさんがどの程度家事按分を活用しているのか、そしてどのような基準で按分しているのかを聞いてみました。詳細はレポートをご覧頂きたいのですが、そもそも仕事場を兼用していないという方が約2割。逆に言えば、この調査では約8割の方は、自宅と仕事場を兼用しているという結果でした。

この約8割の中で、家事按分をしている方は約6割弱。では何を基準に按分しているかというと、使用面積という方が一番多い結果でした。つまり使用面積という客観的な数字によって、事業用とそれ以外の割合を算出しているわけです。ただ、一方で、基準はなく、何となくという方も約1割ほど。これは本当はマズいやり方です。昨日もお話しした税務調査が入れば、指摘される可能性が大。

ちなみに、自宅と仕事場を兼用している約8割の中で、家事按分をしていないという方は約2割強。特に白色申告の方では、兼用だけれど家事按分をしていないという方が多い傾向でした。これは費用として計上し得るものをしていないわけですから、節税という意味では勿体ないことですが、税務調査で突っ込まれるリスクはないとも言えますね。

本当は綺麗さっぱり、これはOK、これはNGというルールがあれば話は簡単なのですが、基本的なルールはあるものの、最終的には個別判断というのが難しいところです。ただ、経費として計上し得るものですから、本来はやはり是非活用したいところです。これはあくまでも個人的な見解にはなりますが、自分でこれは事業のための経費であると胸を張って言える、そしてそれをある程度客観的に示せるのであれば、積極的に経費として計上した方がいいと考えています。逆に胸に手を当てて、ちょっとこれはマズいよなあ、と思うものはやめておきましょう(笑)。

ただ、最近この家事按分についてちょっと気になる動きがありましたので、次回お話ししたいと思います。(続く)
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 税金・法令
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