2014年03月26日

駆け込み購入?

3月も残り一週間を切りました。4月1日の消費税率引き上げを目前にして、買えるものを買っておこうという駆け込み購入もまさにピーク。この週末はスーパーやデパート、家電量販店、どこも大混雑が予想されますね。

ただ、意外に正確には理解されていないことが多いのですが、消費者と違い、事業をしている方(法人/個人事業主)にとっては、駆け込み購入は意味がないことも多いので、注意が必要です。より具体的には、消費税の課税業者であり、かつ本則課税の方(法人/個人事業主)の場合、実は、慌てて駆け込み購入をしても意味がありません。

というのも、消費税というのは、売上にかかる消費税から、仕入れにかかる消費税を差し引いて、その差額を納める仕組みになっていますので、仕入れにかかる消費税を駆け込み購入で節約したところで、その分納める消費税が多くなるだけで、駆け込み購入による「節約」が手元に残ることはないからです。

ただし、上記の条件(消費税の課税業者であり、かつ本則課税)に該当しない場合は、確かに駆け込み購入が意味を持つ場合もあります。例えば、免税業者の場合は、売上に対する消費税を納付することはなく、いわば仕入れにかかる消費税の持ち出しになっていますので、駆け込み購入で持ち出しを抑えることができます。また、簡易課税の場合は、仕入れにかかる消費税は簡易的な式(売上の何%)で計算されますので、実際に仕入れにかかった消費税を抑えることによって、いわゆる差益を生むことができます。

ここらへんの仕組みについては、税理士の吉澤先生が書かれたブログ記事がわかりやすいと思います。

駆け込み購入に一定の意味はあるとしても、本当にベストな選択なのかは今一度考えてみましょう。これは消費者という立場でも同じですが、まず大前提として、そもそも本当に必要なモノなのか。また、実際問題として、4月以降に実勢価格が下がるケースも多々あるでしょう(経済学的に言えば、価格は需要と供給によって決まりますから、4月以降需要が減れば価格が下がるはず)。消費税率引き上げ分の3%を節約できても、結果的に高い本体価格で購入しているのであれば、駆け込みの意味がありませんね。

ビジネスという意味では、キャッシュフローもキチンと考えたいところです。当座使わないものをいずれ必要になるからと買ってしまうのは、現金(キャッシュ)を固定化することになりますから、キャッシュフローという観点ではおススメできることではありません。これは所得税や法人税などもそうですが、「節税」が目的になると、ビジネスの存続や成功のためにはマイナスになることも大いにありうるので、冷静に判断したいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 19:35 | TrackBack(0) | 税金・法令
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