前回は、帝国データバンクの「全国社長分析」調査から、日本の社長の平均年齢が58.9歳というデータをご紹介しました。なかなか世代交代や新陳代謝が進まず、平均年齢は年々上昇中。このままいくと、2020年ぐらいには60歳の大台に到達しそうです。
私も社長をやっていて痛感しますが、社長の引き際はなかなか難しいですね。私自身は自分で起業した会社で8年間、そして弥生で先達から受け継いで社長を務めて6年ですから、合計14年。社長業としては、初心者は卒業したと思いますが、社長の平均在任期間が27年という前回の試算からすると、ようやく中堅層というところでしょうか。
さて、先日、日経新聞で面白い記事がありました。大元はFinancial Timesの記事ですが、企業トップの在任期間、10年超なら弊害も、というタイトルです。「米ゼネラル・エレクトリック(GE)の取締役会が秘密会議を開き、同社の最高経営責任者(CEO)にとって20年の任期が適切かどうかを議論している」とのこと。曰く「CEOの座に長居しすぎる危険は明確だ。かつて有効だったがすでに時代遅れの戦略を継続してしまうし、自ら社内で引き立てた少数のイエスマンに相談する。顧客や取引業者との交流も減ってしまう」。ただ一方で、「長すぎるのと反対に、企業トップがめまぐるしく変わるのもよくない。就任の際に5年未満の期間を想定していると、長期的な視点で成長軌道を描こうとするより、目立つ成果を上げたいとの誘惑にかられる」。
日本の取締役の任期は一般に2年が多いかと思います。もちろん、継続(重任)もありますが、私の実感としても、社長の在任期間として2年はあまりに短過ぎると考えています。色々なことを変え、色々なことを始めても、結果が出るにはやはり時間がかかります。私の場合、成果が出始めたという確実な手応えを得たのはちょうど2年経過したあたり。2年で終わりでは、これからというところで終了になってしまいます。
今の私は、弥生の社長に就任してからこの4月でちょうど丸6年。この6年間で、大きく言って2つのステージを経てきたと感じています。最初の3年間が立て直し期。それまでの急成長の反動にリーマンショックという外的要因が加わった中で、原点に立ち帰り、足元を固めた時期。そして次の3年間が成長期。立て直しを終えて、順調に成長した時期。この3年間の入り口であるFY11に過去最高の売上を達成し、その後FY12/FY13と記録を更新し続けています。そして今期(FY14)は、消費税率の引き上げやWindows XPのサポート終了などの外的要因もあり、記録を大幅に更新することが確実です。
先ほどご紹介した記事によると、世界の上位2,500企業のCEOの平均在任期間は約6年半だそうです。弥生の企業規模的には上位2,500には到底及びませんが、私も今期末(2014/9)まで務めれば、ちょうど6年半。過去最高記録を大幅に更新して有終の美を飾り…
…と言いそうになりますが、まだここで辞めるわけにはいきません。立て直し期、成長期を経て、これから先の3年間は進化期。この先3年間で、弥生のあり方を大幅に進化させたいと考えています。今はまだその途上ですが、3年以内に、お客さまから認められ、何でも相談して頂ける事業コンシェルジュへ。いい会社からすごい会社への進化も遂げなければなりません。
むろん、今から準備を始めていては間に合いません。既に、様々な準備/仕込みはしてあります。これまでの準備/仕込みが実を結ぶのがこれから先の3年間ということになります。まさにワクワクする3年間。