2013年03月06日

あと9日間…

今年の確定申告も終了まであと9日間(今日を入れて10日間)になりました。もう申告を終えてホッとした方も着々と増えていますが、さすがにやばいと焦っている方も多いようです。まだ週末も一回ありますし、キチンと向き合えばまだまだ間に合うタイミングですが、逆に言えば、さすがにもう現実逃避している余裕はありませんね。

確定申告書を準備する上で少しでも参考になればということで、先週は生命保険料控除についてお話ししました。生命保険料控除はこれまではさほど難しい仕組みではなかったのですが、今回から認められる控除額の上限は上がったものの、制度としては少々複雑な仕組みになりました。

より多くの控除が認められるようになったものの、制度として複雑になったというのは、ここ数年の寄附金控除も同様です。ただし、前回から今回では基本的に変更はありません(ただし、申告書上の様式がわずかに変わっていますので、要注意です)。寄附金控除については、昨年記事にしていますので、是非参考にして下さい。

2012/02/24 寄附金控除
2012/02/28 寄附金控除の震災特例
2012/03/02 寄附金控除の実例
(よく見てみると、「寄附金」と「寄付金」で表記が揺らいでいますね。今後は基本的に「寄附金」に統一したいと思いますが、過去分はご容赦ください)

結果として多くの控除が認められるようになっているので、文句は言えませんが、寄附金控除も前回お話しした建て直しではなく建て増しをしていることによる弊害は否定できませんね…。
posted by 岡本浩一郎 at 19:28 | TrackBack(0) | 税金・法令

2013年03月04日

建て増しと建て直し

前回は生命保険料控除について書きました。これまで(一般的な)生命保険料による控除が最大5万円、個人年金保険料による控除が最大5万円の合計最大10万円の控除だったのですが、今回から新たに介護医療保険料という区分が設けられ、(一般)生命保険料で4万円、個人年金保険料で4万円、介護医療保険料で4万円の合計12万円まで生命保険料控除が認められるようになりました。

前回の記事を書いていて「あれ?」と思って確認したのですが、今回の変更を受け、今ある保険をいったん解約して、再度契約しなおすことによって節税ができるケースがあります。というのも、前回の例として出したライフネット生命の「就業不能保険」は旧契約(平成23年12月31日までに契約されたもの)としては一般契約になるものの、新契約(平成24年以降に契約されたもの)としては介護医療保険として区分されるからです。

新契約として介護医療保険として区分されるようになれば、これまでの一般契約での最大5万円の控除に加え(もともと一般の区分で控除の上限に達している契約が別途あるという前提)、新たに最大4万円の控除を受けることができます。実際に試算してみましたが、一旦解約して再度契約することによって(契約時の年齢が上がるため)保険料が多少(年間6,000円程度)あがるものの、生命保険料控除が4万円増えれば、実効税率が20%以上であればペイします(40,000円×20%=8,000円 > 6,000円)。

ただ一方で、正直これはいかがなものかと思っています。保障内容が同じ保険なのに、いったん解約して再度契約するだけで、所得税上の扱いが変わる。今回の改正では、これまで生命保険料控除を受けていた人に(プラスにも、マイナスにも)影響がでないように、平成23年12月31日までの契約かどうかで扱いを変えています。もちろん、よかれと思ってなのでしょうが、結果的に、制度を複雑に、わかりにくくし、場合によって一度契約を解除して再契約することによって控除が増えるという一見不思議なことも起こります。

これまでとの連続性という視点ももちろん重要だと思うのですが、今回の税制改正で実現された(一般)生命保険料で4万円、個人年金保険料で4万円、介護医療保険料で4万円の合計12万円こそがあるべき姿なのであれば、いつまでの契約によりといった複雑な仕組みではなく、全面的に新たな区分にすべきなのではないでしょうか。これまでの仕組みの上にさらに新たな仕組みを無理やり建て増しするのではなく、再度シンプルで誰にでも理解できる仕組みとして再設計する。

複雑な仕組みの方が会計/申告のシステムとしては価値を提供しやすいというのも事実です。人にはなかなか理解できない、計算できないから、システムで。ただ、人にはなかなか理解できない仕組み自体が本当にいいものだとは思えません。今後も社会保障と税の一体改革の中で法令改正が多く続くものと思いますが、目先の波風を立てないために既存の仕組みを温存しつつ新たな仕組みを建て増すのではなく、「本当にあるべき仕組み」を目指して建て直すことも必要なのではないかと感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:50 | TrackBack(0) | 税金・法令

2013年03月01日

生命保険料控除の記入例

例年は2月上旬を目指していた自分の確定申告(還付申告のため、確定申告期間前でもok)ですが、今年はバタバタしている中でもう3月になってしまいました。ようやく準備が完了し、後は送るだけです。ギリギリでああどうしよう、とはならなくてホッとしています。

確定申告書は毎年何らかの変更が入るのですが(弥生会計/やよいの青色申告ではバージョンアップによってこういった変更に対応しています)、今年の変更として大きかったのが、生命保険料控除。去年(平成23年分)の記入欄はこちら。

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これに対し、今年(平成24年分)はこうなりました(生命保険料控除の箇所が明るくなっていますが、弥生会計/やよいの青色申告はこの「ライトボックス」という仕掛けにより、今どこに入力すべきかがはっきりわかるようになっています)。

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生命保険料控除が拡充されたために、記入する内容が増え、その関係で、地震保険料の記入欄が下に押し出されました。そうなると縦が足りなくなるので、社会保険料の記入欄が一行減っています。ちなみに、画像では見えませんが寄付金控除欄の「震災関連寄附金」の位置も微妙に変わっています。

さて、生命保険料控除は、これまで(一般的な)生命保険料による控除が最大5万円、個人年金保険料による控除が最大5万円の合計最大10万円の控除だったのですが、今回から新たに介護医療保険料という区分が設けられ、(一般)生命保険料で4万円、個人年金保険料で4万円、介護医療保険料で4万円の合計12万円まで認められるようになりました。ただし、平成23年12月31日までに契約した契約はこれまで通り2区分で、それぞれ5万円までというのも残したままなので、かなり複雑な仕組みになりました。

でも弥生ならご安心ください。先ほどの生命保険料控除のエリアをクリックするとこのような画面が表示され、この画面の案内に従って記入すれば、控除額を完全に自動で計算してくれます。この例は、旧契約と新契約が混在しており、それぞれでの控除額(5万円、4万円、4万円)の合計が上限である12万円を超えるため、控除額は上限の12万円という複雑な例になりますが、保険料さえ入力すれば、控除額は弥生が計算します。

2013030103_Input.jpg

自分の保険がどれに該当するのかは、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書に明記されています。この例では「適用制度」という欄に「旧制度(一般)」と書いてありますね(微妙にライフネット生命の宣伝をしてみたり…)。ちなみに間違えがちですが、確定申告で申告する際の保険料は【ご参考】として記載されている「本年末日までに12月分までの保険料をお払込いただいた時のご申告額」です(もちろん、12月まで継続して加入していた場合です)。

2013030104_Ins.jpg

青色申告ソフトと一口に言っても、そもそも確定申告書の作成機能を持たないソフト(作成できるのは青色申告決算書まで)もありますし、確定申告書は作成できるけれど、自分で控除額を計算して控除額を直接入力する、なおかつ、控除額の上限チェックも行わないというソフトも存在します。この場合、容易に間違ってしまう可能性がありますので、気を付けましょう。もちろん、弥生ならば、かんたん、やさしい、確実です(最後は弥生の宣伝で…)。
posted by 岡本浩一郎 at 20:07 | TrackBack(0) | 税金・法令

2013年02月08日

確定申告秒読み

今年の確定申告期間は2月18日(月)から。もうあと10日でスタートです。

Twitterでも、「ああまだ準備が全然できていない、どうしよう…」という方と「終わった―」という方が入り混じった状態です。申告期間前なのに終わったってどういうこと、と思われるかもしれませんが、税金が返ってくる還付申告に関しては申告期間前から受け付けてもらえるのです。また、e-taxの場合には、還付でなくても期間前から受け付てもらえるようです(国税庁のよくあるお問合わせでは還付申告についてしか記述されていませんが…)。

弥生会計/やよいの青色申告向けの平成24年分確定申告モジュールも1月22日からオンラインアップデートでの提供を開始しています。昨年中からコツコツと記帳していた方は、まずはモジュールを適用して頂いて、あとはちょっとした入力と確認で1〜2時間、長くても半日で終了するのではないかと思います。

一方で、まだ全く手を付けていないという方も諦める必要はありません。明日も午後3時から店頭イベントを開催しますが、このイベントでやよいの青色申告を買ってからでもまだまだ間に合います。明日の店頭イベントは午後3時から、ヨドバシカメラ マルチメディア梅田の地下2階、PCソフトコーナーで開催します。

ただ、毎週末イベントがあることもあり、私自身の確定申告が終わっておりません。私は事業所得ではなく給与所得が主なので、準備にそれほど時間はかかりません。還付申告なので、毎年だいたい申告期間前に終わらせるようにするのですが、今年はまだ目処が経っておらず…。紺屋の白袴にならないように来週こそ準備したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 18:10 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年12月25日

寄附について補足

前回の記事で「寄附をするなら今年のうちに」と書いたこともあり、先週末の連休に準備をして、今日全ての寄附を済ませました。今年もふるさと納税の仕組みを活用して被災地の3県(岩手県宮城県福島県)に寄附をしたのですが、その経験から少々補足を。一般に被災地の自治体向けの寄附には、「義援金」としての寄附と、「寄附金」としての寄附があります。義援金は、自治体に対する寄附の形をとりますが、その後、被災された方に配分されます。寄附金は、自治体が復興活動などを進める上で、自治体の判断で使えるお金となります。これらは明確に区別されており、必要となる手続きも異なります。

義援金については、かなり簡単な手続きで済みます。基本的には、指定されている口座に振り込むのみ。寄附金控除が認められるためには、一般的には寄附した自治体からの受領証が必要ですが、金融機関での振込の控えと義援金に関するウェブサイトページを印刷したもので代用することも可能です。なお、義援金に関しては、ある程度まとまった段階で配分委員会によって、被災者の方に配分される関係上(おそらく、少額でずっと続いても、配分が難しくなるからかと)、ある段階で受け付けを終了するようです。確認できた範囲では、宮城県と福島県で来年3月末までの受付となるようです。

一方で、寄附金については、一般的に寄附の申込書が必要となるようです。指定口座への振込だけでは完結せず、別途申込書の送付が必要になります。

私は今回は、義援金でも、(通常の)寄附金でもなく、東日本大震災による震災孤児等支援のために設立された寄附金への寄附を行いました。名称は県ごとに微妙に異なって、岩手県が「いわての学び希望基金事業」、宮城県が「東日本大震災みやぎこども育英募金」、福島県が「東日本大震災ふくしまこども寄附金」です。扱い的には、寄附金に近く、指定口座への振込だけでは完結せず、別途申込書の送付が必要になります。

名称も微妙に異なるのですが、手続きも異なります。宮城県と福島県はかなり似ており、寄附の申込書も非常に似通っているのですが、細かい差異ではあるものの、宮城県は寄附「申出」書で、福島県は寄附「申込」書と異なったり、氏名に振り仮名の欄があったりなかったり、メールアドレスの記入欄があったりなかったり。一方で、岩手県はかなり流れが異なります。宮城県と福島県は振込先の銀行口座が明記されており、先に振り込んでしまうことも可能ですが、岩手県では、まず申し込まない限り(ちなみにこちらも申出書ですが、様式がかなり異なります)、振込先がわかりません。その代わりというわけではありませんが、支払い方法が口座振込だけではなく、カード決済(Yahoo!公金支払い)もできます。今回は、岩手県については、折角ですので、Yahoo!公金支払いを利用してみました。ネットのヘビーユーザーとしては簡単でいいですね。

改めて思うのは、やはりどうしても自治体ごとの個別最適なのだな、ということ。もちろん、各自治体の担当者の方は、最大限の熱意で大変な努力をされているのだと思いますが、各自治体ごとに手続きが必要で、しかもそれが微妙に異なっているのを目の当りにすると、もっと効率化できる(それによって要らなくなった労力をもっと有意義に活用できる)と感じてしまいます。また、制度的に色々と制約はあるのだと思いますが、寄附の前に申込みが必要だというのも、正直何とかならないかと思います。これまで複数のNPOに寄附していますが、寄付の前に申込みが必要だったことなどありません。ふるさと納税が増えすぎると財政の管理が難しくなる(自治体にとっては税収の予測が難しくなりますし、国にとっても持ち出しが増える)ので、ふるさと納税という仕組み自体は用意しながらも、あまり積極的に活用されないようにしたいのでは、とも勘繰りたくなってしまいます。

ちょっと厳しい意見になってしまいましたが、とても有意義な制度だけに、もっと気軽に利用されるようになって欲しいと願っています。

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話題ははずれますが、折角なので、今日しかできないネタを少々。今年は初めて生木のクリスマスツリーを飾ってみました。水遣りはするものの、既に切られた木(なおかつ、室内のように暖かいのが苦手らしい)なので、結構葉が落ちるとは聞いていたのですが、何とか本番まで持ちました。ただ、葉っぱがかなり茶色になってしまい、緑のツリーというよりは、茶緑のツリーです。ただ、やはり生木らしく、とても良い香りがするのがいいですね。このツリーはIKEAで購入したのですが、年明けにIKEAに持って帰るとちゃんとリサイクルされるそうです。皆さま、メリークリスマス。
posted by 岡本浩一郎 at 22:41 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年12月21日

寄附をするなら今年のうちに

バタバタとしていたら、もうあっという間に年末ですね。残す営業日は来週の4日間のみ。昨日で年内最終の出張が終わり、後はオフィスでじっくりと書類整理と来年に向けた計画… と言いたいところですが、来週も普通に打合せが入っていますし、年賀状もまだまだ、さらにやはり年末にはオフィスの掃除をしないと、と考えると結局最後までバタバタしそうです。

さて、年内に終えなければいけない仕事もありますが、他にも年内にやっておいた方がいいことがあります。それは寄附。一定の条件に該当する寄附をすると、寄附金控除によって、所得税や住民税が軽減されますが、今年の所得から寄附金控除を受けるためには、寄附も今年中に行う必要があります。

東日本大震災もあり、昨年から今年にかけては、本ブログでも寄附金控除について色々と書いてきました。震災に対し、寄附金を通じて皆で支えあうというのはとても素晴らしいことなのですが、結果として寄附金控除の仕組みも複雑になっています。主な記事をピックアップしましたので、宜しければ是非参考にしてみてください。

2012/2/24 寄附金控除
2012/2/28 寄附金控除の震災特例
2012/3/2 寄附金控除の実例

posted by 岡本浩一郎 at 23:17 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年07月12日

そもそも申告しない?

前々回に白色申告で記帳が義務化されること、これにともなって、これまで以上に青色申告の優位性が高まるというお話をしました。ただ、一方でこんな疑問もあるかもしれません。そもそも申告しなければいけないの、と。実際問題として、個人で事業をしているけれど、これまで申告をしたことがないという人はいらっしゃるようです。お店を構えている方はさすがに目立ち過ぎですが、フリーランスで主に自宅で仕事をされているという方で、忙しい、あるいは、やり方がわからない等の理由で最初の年に申告をし損ない、そのままずっと無申告というケースもあるようです。

ただ、これは下手をすれば脱税。ばれた暁にはかなり痛い思いをすることになります。その体験談(?)的なブログがありましたので、ご紹介させて頂きます。

申告していない個人事業のフリーランスへ、あなたの売り上げに税務署が目を付ける理由

このケースでは、取引先に税務調査が入ったことが無申告が判明するきっかけになっています。取引先が経費として計上しており(これは当然ですね)、税務署がその裏を取ったところ、支払いの事実はあったが、支払先(=自分)が申告していないことがばれてしまったということです。一方、税務調査によらなくても、税務署には一定の支払いを把握する手段があります。支払調書というものです。

フリーランスの方が、例えば原稿を書いて原稿料を受け取った場合、この原稿料には源泉徴収義務が発生します。取引先が原則として10%を源泉徴収し、残りを支払います。この10%は、決して取引先が懐に入れてしまうのではなく、フリーランスの方に代わって、取引先が税務署に納付します(原則として翌月10日までに)。なおかつ、納付して終わりではなく、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を作成し、翌年1月31日までに税務署長に提出しなければなりません(ただし、同一人に年間5万円以下は支払調書が必要ないとされています)。

つまり、この支払調書によって、税務署は原稿料が払われたという事実を把握できるのです。それなのに、申告をしていなかったら… バレバレですね。

なかには、源泉徴収されているから、税金はそれで済みなんではないの、と誤解されている方もいらっしゃるようですが、この源泉徴収はあくまで仮納付の位置付け(これに対し、例えば預金の利息に対する源泉徴収は、それで全て完結しますので、位置付けが大きく異なりますね)。報酬等の源泉徴収は、あくまでも確定申告で確定、本納付となりますので、お間違えのないよう。
posted by 岡本浩一郎 at 18:00 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年07月05日

白色申告の記帳義務化

前回、最大65万円の青色申告特別控除は、キチンと帳簿を付けたことに対するご褒美でもあると書きました。しかし、実は、この前提条件が変わろうとしています。青色申告の有利さは変わらないので、既に青色申告をされている方、あるいは、今度こそは青色申告と考えられている方はご安心ください。

では何が変わるのかというと、白色申告でも、必ず帳簿を付けることが必要となるのです。現在は、所得が300万円以下の場合は帳簿を付ける義務がありません。売上ではなく所得(売上から経費を引いたあと)で300万円以下ですから、帳簿を付けないで済んでいる方はかなりの数になると思われます。さすがにこれは適切な申告が確保できないということで、平成26年1月からは、全員(事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方)に帳簿作成とその保存の義務が課されるようになります

こうなると話が変わりますね。「帳簿付けが必要だけど様々に優遇される青色申告 vs. 帳簿付けが必要ないかわりに優遇もない白色申告」という構図から、両方帳簿付けが必要だが、青色申告のみ優遇される、ということになります。

ただし、白色申告の場合、帳簿は簡易な方法で記載してもよいとされています。簡易な方法というのは、言いかえると複式簿記でなくてよいということです。例えば費用を計上する際に、青色申告で必要とされる複式簿記の場合は、「1,000円の書籍を購入し、それを現金から支出した」(新聞図書費 1,000/現金 1,000)という形で帳簿を記載しますが、簡易な方法の場合、「1,000円の書籍を購入した」とだけ記載すればいいのです。つまり、「キチンとした帳簿付けが必要だけど様々に優遇される青色申告 vs. 優遇はないが、簡易的な帳簿付けで済む白色申告」という構図になるわけです。

これで全ての方が白色申告から青色申告になるということは(少なくとも短期的には)ないと思いますが、折角帳簿を付けるのであれば、キチンと付けて、その分青色申告のメリットを享受することをお勧めしたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:21 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年07月03日

白色申告と比べると

前回は、青色申告で得られる最高65万円の青色申告特別控除が所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料などでも有利に働くことが、ちょっと不公平なのではと問題提起(?)をしました。結論としては、給与所得者(会社員)に認められている給与所得控除(最低で65万円、現時点では上限はないが、来年からは最高で245万円)と比較すると、決して不公平とは言えないとお話ししました。

給与所得控除も住民税や国民健康保険料などに反映されますし、さらに帳簿等は何もなくても自動的に認められますから、青色申告特別控除以上に有利といえば有利ですね。一方で、給与所得者はその所得が(支払う側の会社側が報告しますので)ガラス張りですし、源泉徴収で強制的に税金を徴収されますので、トータルで見て、ある程度バランスがとられているということなんでしょうね。

一方で、青色申告と同様に個人事業主の申告である白色申告と比較するとどうでしょうか。白色申告では、当然のごとく青色申告特別控除は認められませんので、その分所得税が高くなります(単純に言えば、最高65万円×所得税率)。さらに、所得税に連動して、住民税や国民健康保険料なども高くなりますし、場合によって、青色申告だと児童手当の所得制限にひっかからないものが、白色申告だと制限に該当してしまうということもありえます。

これは、不公平…にも見えます。ただ、白色申告は所得が300万円以下の場合は帳簿を付ける義務がないというのが大きなポイントになります。これは手間が減るという面ももちろんありますが、(本ブログを読んで頂いている方は、意図的にそうする方はいらっしゃらないものと思いますが)税金を納める側からすると、数字をごまかしやすいということでもあります。税金を徴収する側からすると、売上を実態上に低く見せたり、費用を大きく見せても、それを捕捉することが難しいということですね。もちろん、それは脱税ですし、悪いことをしたら、必ずそのつけを払うことになると小さい頃に言われましたよね(笑)。

そういった意味で青色申告特別控除には、キチンと帳簿を付けた(=100%とは言えないが、脱税がしにくい)ことに対するご褒美ともとれます(これはある意味給与所得控除も同様ですね)。そう考えると、これまでに見てきた利点があっても妥当と言えるのではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 21:46 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月29日

青色申告ってずるい?

これまで、青色申告をすることによって、所得税が低くなるだけではなく、住民税や国民健康保険料も低くなるというお話を度々してきました。さらには、ちょっと前にかなり議論になった児童手当(旧子ども手当)の所得制限や、自治体独自の制度(例えば、幼稚園の就園奨励補助金など)にも影響し、基本的には全てのケースで青色申告の方が「おトク」になるということをお話ししました。

ひょっとしたら、そこまでおトクになるなんて、ちょっとずるい(不公平?)じゃないのと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。そもそも意図された所得税はともかく、住民税や国民健康保険まで安くなり、逆に手当や補助金は多くもらえるとは。でも、そういった観点で比較すれば、もっとおトクなのは給与所得控除です。会社員の方(いわゆる給与所得者)は毎月は源泉徴収、年末には年末調整でだいたい完結してしまうので、適用されていながら認識していない方も多いのですが、会社員は必ずこの給与所得控除の恩恵を受けています。

給与所得控除は最低で65万円認められています。奇しくも青色申告特別控除の65万円(複式簿記の場合)と同じですね。そして、個人事業主にとっての青色申告特別控除と同様に、給与所得控除は、その分所得がなかったものにしてあげます(その分税金が安くなります)という仕組みです。そして給与所得控除は、所得税だけでなく、住民税、国民健康保険料、児童手当(の所得制限)などにも反映されます。

ある意味、給与所得控除は青色申告特別控除以上におトクです。青色申告特別控除が最大で65万円(複式簿記で帳簿を付ける場合、簡易的な帳簿の場合は10万円になります)であるのに対し、給与所得控除は最小で65万円です。給与所得控除は、給与収入(いわゆる額面)が増えるに連動して増え、給与収入が1,000万円を超えると、「収入金額 × 5% + 1,700,000円」となります。ですから、給与収入が2,000万円であれば、給与所得控除は実に270万円となります。

給与所得控除は、主に会社員にも一定の経費を認めるためと言われています。例えば、職場に着ていくスーツ代とか、自己研鑽のための書籍代、職場の仲間との飲み代(交際費?)など。ただ、実際に給与収入2,000万円の方で、こういった経費が270万円に達する方はそれほど多くないのではないでしょうか。実際問題として、給与所得控除が「収入金額 × 5% + 1,700,000円」で青天井(例えば、給与収入が1億円だと給与所得控除が670万円!)になるのはおかしいとも言われており、平成24年度の税制改正で、給与収入が1,500万円を超える場合は、給与所得控除が245万円で打ち止めとなります(適用は来年分の所得に対する所得税から)。

ちょっと話がそれてしまいましたが、青色申告特別控除も給与所得控除も、明確な経費として裏付けはないものの、一定のルールのもとで収入からの控除が認められる、そしてそれが所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料などに反映されるという意味では似た仕組みです。ですから、青色申告特別控除がちょっとずるい制度などと思う必要はありません。せっかく認められている制度なのですから、存分に活用すべきではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 17:29 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月27日

裏付け取れました

先日お話しした児童手当と青色申告の関係について、地元である横浜市で確認をとることができました。まずは児童手当の担当部署に問い合わせたのですが、市民税を担当している部署から流れてくる数字で機械的に判断しているということで、青色申告特別控除がどのように扱われているかわからないということでした。

ということで、住民税(市民税)を担当している部署に問い合わせをしたところ、青色申告特別控除は反映される(控除された後の数字で判断される)ということでした。住民税の計算の元になっているのは、確定申告書上の「所得金額の合計」であり、青色申告特別控除を足し戻すようなことはしていない。そして、住民税を計算する際の所得の金額を他部署に渡しており、他部署でもそのまま利用しているはずだ、ということでした。

条文での確認も行いましたし、今回、横浜市での裏付けもとれましたので、青色申告であれば、児童手当の所得制限上有利になりますということは明言できそうです。ただ、念には念を入れて、ということで、児童手当の大元締めである厚生労働省にも確認はしてみようと思っています。

この間ご紹介したように、幼稚園の就園奨励補助金なども青色申告特別控除が反映されます。今回、横浜市の方とお話しした内容を踏まえると、自治体が所得を基に判断や計算するものは、基本的に青色申告特別控除が反映される(=青色申告特別控除の分、所得が少なくなる)のではないかと考えています。例外は事業税ですね。これだけは、事業税は青色申告特別控除を足し戻すことが明らかになっています。
posted by 岡本浩一郎 at 12:52 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月18日

児童手当と青色申告

前回お話しした児童手当(旧子ども手当)の所得制限ですが、さらに調べてみたところ、根拠法は「児童手当法」というもので、この第5条で規定されています。ただ、実際には、第2項で「前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める」となっているため、今度は「児童手当法施行令」というものを見てみると、その第3条で、「法第5条第1項に規定する所得の額は、その所得が生じた年の翌年の4月1日の属する年度分の市町村民税に係る地方税法第313条第1項に規定する総所得金額…」となっています。

ということで、今度は地方税法に。地方税法第313条第1項は住民税の所得割の課税基準を定めています。つまり、住民税と同じ基準ということですね。これまでにもお話ししたように、住民税は青色申告特別控除が反映された所得額で計算されますから、児童手当の所得制限も、青色申告特別控除が反映された額で判定されるということになります。つまり白色申告だと所得制限にひっかかるが、青色申告だと制限にかからないというケースもありうるわけです。

一応これで調査はokのはずなのですが、何せこの法律というのは複雑怪奇ですし、私も法律の専門家ではないので、もう少し裏はとってみようと思います。ただ、横浜市の児童手当専用ダイヤルに確認しても「わからない」とのこと(現況届の書き方をアドバイスするためのコールセンターのようで、児童手当の仕組み自体は把握していないようです)…

ちなみに児童手当(旧子ども手当)は非課税所得です。このため、確定申告で収入や所得に含める必要はありません。さらにちなみに、(本来は家計に使用する銀行口座と事業で利用している銀行口座は分けるべきですが、)事業でも使用している銀行口座に児童手当が振り込まれた場合は、普通預金/事業主借として事業主から借りた資金という処理をします。
posted by 岡本浩一郎 at 21:06 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月15日

こんなところでも?!

前々回は住民税、前回は国民健康保険料について青色申告特別控除が反映され、お安くなります、と書きました。青色申告はもともと所得税上の仕組みですが、結果的に住民税や国民健康保険にも反映され、その結果(安くなっている!)がこの時期通知されます、という話でした。

ここから先は私もまだリサーチが十分でない領域なのですが、青色申告のメリットはまだあるんです。今私の手元には、「平成24年度 児童手当・特例給付 現況届のご案内」、「平成24年度 横浜市 私立幼稚園児の保護者の皆さまへ 〜 就園奨励補助金のお知らせ 〜」という二通の書類があります。前者は、ちょっと前までは「子ども手当」と言われていたものですね。紆余曲折の結果、以前の「児童手当」という名前に戻り、今年6月分から、いわゆる所得制限が行われるようになりました。

具体的な所得制限限度額は扶養親族の数によって異なり、例えば扶養親族が2人であれば、限度額は698万円となります。その限度額の対象になる所得額は、事業所得者の場合、「申告した所得額」が基本となるということです。申告した所得額ということは、青色申告特別控除が反映された額ということですね。簡単に言えば、利益が全く同じ個人事業主でも、青色申告か白色申告かで、制限にかかるかどうかがわかれる可能性があるということです。

もう一つの就園奨励補助金は、横浜市の制度で、「私立幼稚園児の保護者の経済的な負担を軽減するため、入園料・保育料について、園児の世帯の市民税額に応じて幼稚園が一定額を減免する場合、その額を補助金として幼稚園に交付します」とあります。形態としては、幼稚園に交付するとありますが、実質上は保護者への補助金ですね。この補助金は、所得や兄弟の有無で、最大305,000円、最小で48,000円となっていますが、所得については平成24年度の市民税所得割で判断することになっています。

前々回お話したように、市民税(住民税)には青色申告特別控除が反映されますから、結果として、この就園奨励補助金にも影響する可能性があります。この制度は私が住んでいる横浜市のケースですが、おそらく各自治体で同様な制度があるのではないかと思います。

こういった手当や補助金については、正直私のリサーチも十分ではないので、もう少し調べてみたいと思っています。皆さんで何かご存知でしたら、是非教えてください。
posted by 岡本浩一郎 at 18:08 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月14日

国民健康保険料はおいくら?

前回は、住民税についてお話ししましたが、国民健康保険料の通知もそろそろお手元に届くのではないかと思います。以前も書いたことがありますが、国民健康保険料も立派な税金で、国民健康保険税と呼ばれることもあります。個人事業主は原則として国民健康保険に加入することになりますが、その保険料は、確定申告で申告された前年の所得を元に決定され、ちょうどこの時期に納付書が送られてきます。

昨年(平成23年)の所得を今年2月〜3月に(所得税の)確定申告し、そこで申告された前年の所得を元に決まった税額をこの先一年間で払うという仕組みは、住民税とほぼ同じですね。ただ、住民税の場合は、通常年4回での納付が一般的(普通徴収、これとは別に、サラリーマン対象に毎月給与から天引きする仕組みは特別徴収といいます)ですが、国民健康保険の場合は、6月から翌年の3月にかけて、10回に分けて納付することが多いようです。

国民健康保険も、所得税上の所得をベース(もしくは住民税をベースに)計算されますので、青色申告をすることによって、青色申告特別控除が適用され、結果的に保険料が安くなります。ただ、これも以前から書いている通り、国民健康保険は各自治体によって運営されているため、青色申告特別控除が適用されないケースがないとは言い切れません。正確に言えば、これまでに私自身で東京23区や、横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市などは全て青色申告特別控除が適用されることを確認している一方で、青色申告特別控除が適用されない自治体は一つも確認できていません。悩むのは、ネットを検索すると、まれに「国民健康保険料の算定にあたっては、青色申告特別控除が反映されない」と書いてあることがあるのです。どれも自治体などの公式ページではないので、正確性のほどは定かでないのですが。

ちょっと思い当たる節があるのは、おそらく自治体の職員の方でも、青色申告特別控除についてあまり理解されていないのは、ということ。私が問合せをした際も、「国民健康保険料の算定にあたっては、青色申告特別控除が反映されますか」という質問に対してすぐに答えを得られることはあまりなく、所得税の確定申告書上のどの数値を元に国民健康保険料が計算されるかという聞き方をする必要がありました。

お手元に国民健康保険料の納付書があるという方、おそらく納付書には保険料算出の元となった所得金額も記載されていると思います(これも、自治体によって様式が様々なので断言できないのですが…)。もしできれば、今年の確定申告書と見比べて頂いて、青色申告特別控除がキチンと反映されているかどうか確認してみてください。さらにさらに、もしできれば、その結果をTwitterで私に教えて頂けるととても嬉しいです。
posted by 岡本浩一郎 at 18:42 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年06月12日

住民税はおいくら?

個人で事業をされている方は、そろそろ手元に住民税(市民税・県民税など)の納税通知書が届いているころではないでしょうか。住民税だけに自治体ごとに処理をしますので、届くタイミングは微妙にずれるのですが、だいたい5月中(遅くて6月初旬)には届くようです。

今年の確定申告で、はじめて青色申告をされた方は、おっ、だいぶ住民税が少なくなっていると感じられるかもしれませんね。実際に、Twitterでもそういった感想をちらほら拝見しました。以前本ブログでもご紹介しましたが、青色申告による最高65万円の青色申告特別控除は、本来所得税の仕組みなのですが、結果的に、住民税を下げる効果もあるのです。

えっ、本当に変わっているの、という方は、納税通知書上の課税明細書(様式や呼び方は自治体によって微妙に異なるようです)で、営業等の所得の金額を確認してみてください。確定申告をした際の控えで確認して頂ければ、確定申告書上の事業所得(営業等)と一致していることがお分かり頂けるかと思います。以前もご紹介したように、この金額は売上からいわゆる原価や経費だけでなく、最高65万円の青色申告特別控除を引いた後の金額になっています。

青色申告特別控除は反映されているのに、住民税が上がっているという方、おめでとうございます。それは単純にそれだけ所得が増えた(青色申告特別控除で減る分以上に)ということ。商売繁盛ということですね。

ちなみに、会社から給与を受け取っている方は、今月の給与明細とともに、特別徴収税額通知書という書類を受け取るのが一般的です。会社から給与を受け取っている方は、特別徴収といって、6月以降の給与から毎月天引きされる仕組みになっています(2011年の所得に対する住民税を2012年6月から2013年5月まで天引きで納付)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:19 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年04月23日

所得税の納付は済みましたか?

今年の確定申告の期限(所得税は3月15日)から一ヶ月が経ち、Twitterなどでも確定申告や青色申告に関する話題がめっきり減ってきました。ただ、最近は還付(源泉徴収などで予め納めた税金が最終的に計算された所得税を上回っていたため、差額が戻ってくるケース)に関する話題が目立ちますね。フリーランスで原稿料などで源泉徴収がされている場合には、還付という方も少なくないと思います。

還付で申告した場合、いつまでに還付されるという明確な期限はない(国税庁のウェブサイトでは「ある程度の期間(1か月から1か月半程度)を要する」とされています)のですが、ネット上の話題や自分の身の回りを見ても、申告に問題がなければ、もうそろそろ還付がされるのではないでしょうか。

還付は明確な期限がない一方で、納付(還付とは逆に、最終的に計算された所得税が多いため、追加で納税が必要なケース)の場合は明確に期限が定められています。所得税の場合は、納付期限は申告期限と同日の3月15日(木)です。税務署や金融機関などで納付する場合には、この日までに納付を済ませないと、延滞税が課せられます。ただし、振替納税(いわゆる口座引き落とし)の手続きをしている場合には、自動的にこの期限が振替の日付 - 今年の場合は4月20日(金) - となります。一度振替納税の手続きをすれば翌年以降も継続されますし、何よりも納付のタイミングが遅くなりますので(ビジネス上は支払いは遅いが勝ちです)、通常は振替納税がおススメです。

ただ、4月20日(金)といえば…、そう先週の金曜日です。本当はこの記事を先週中にアップして、口座残高は大丈夫ですか、と呼びかけるつもりだったのですが、私の不注意で翌週となってしまいました。大丈夫だとは思いますが、振替納税だった方は、是非口座の取引履歴を確認してみて下さい。万が一残高不足で引き落としができていなかった場合、一日単位で延滞税がかかります(なおかつ2ヶ月を超えると延滞税の計算率が高くなります)。意図はしなかったとしても延滞になってしまった方は、すぐに納付の手続きをされることをおススメします。
posted by 岡本浩一郎 at 15:41 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年03月15日

まだ間に合う!

いよいよ今日、3月15日が平成23年分所得税確定申告の締め切り日です。前回お話ししたように、期限を一日でも過ぎると青色申告特別控除65万円の適用を受けられなくなり、結果として払わなくて済んだ余計な税金を払う羽目になります。また、これも前回お話ししたように、来年から青色申告とお考えの方にとっても、今日が青色申告承認申請書を提出する期限となります。どちらの場合も、今日中に確実に提出しましょう。

確定申告書の提出は、持参、郵送、e-taxと3つの方法があります(青色申告承認申請書は持参もしくは郵送)。税務署の開庁時間は午後5時まで。ただ、午後5時以降も時間外収受箱というものがあり、こちらに投函することができます。原理原則で言えば、今日の夜中の12時までに時間外収受箱に投函すればokということになりますが、現実は翌日の開庁時間(午前8時半)前に投函されたものはセーフのようです(ただしこれは保証はできません)。

郵送の場合は、今日(3/15)の日付印があればokです。逆に言えば、必ず今日の日付印(消印)が押されるようにして下さいね。既に当日の収集が終わったポストに投函してしまうと、結果的に間に合わない可能性がありますので、要注意です。時間が遅くなった場合には、夜間窓口のある大きめの郵便局に行くとよいでしょう。

e-taxについては、真夜中の24時が締切となります。厳密に言えば「送信した申告等データは、即時通知及び受信通知に表示される「受付日時」に到達したものとみなされ」るそうですから、ギリギリにならないよう気を付けて下さい。ちなみに、弥生会計/やよいの青色申告ではe-taxに対応しており、e-tax用のデータ(xtxファイル)を作成できますが、このデータはe-taxソフトに取り込むことになります。名称が混乱しており、非常にわかりにくいのですが、確定申告書作成コーナーではありませんので、注意が必要です。

でも、そもそも申告書の作成自体が間に合わない、という方もいらっしゃるかも知れませんね。例えば、領収書1枚が行方不明で数字が確定しない、といったような。この場合は、その領収書なしで、一旦数字を確定させ、とりあえず提出することをお勧めします。特に青色申告の場合は、提出が遅れることのデメリットが大きいですから、完全完璧でなくても、まず出す方が賢明です。後で領収書が見つかったら、申告を再度行うことも可能ですから(結果的に税金が少なくなるものが更生の請求、税金が増えるものが修正申告)。ただ、言うまでもないことですが、そもそもどう見てもできていないもの(金額等が一切なしで、住所氏名だけとか)を提出してもダメです。

後は… これは以前にも書きましたが、青色申告決算書や確定申告書は税務署から送られてきた用紙を使わなくても全く問題ありません。弥生会計/やよいの青色申告では、これらの書類を白紙に直接印刷し、それをそのまま提出することができます。この際はカラーでなくても、白黒でもok。ただ、用紙の四隅(正確には三隅)にある四角いマークが印刷されるように必要であれば印刷位置の調整を行って下さい(税務署でOCR読み取りをする際に、この四角いマークが必要なのです)。

ちなみに、提出する際には、控えも同時に提出し、収受印を押してもらっておくと、いつ提出したかの証拠がはっきり残りますので確実です。時間外収受箱や郵送の場合は、控えとともに、返送用の封筒(宛名を書いて切手を貼っておく)を同封しておけば、収受印を押した上で返送してもらます。控えは、提出用をコピーし、<控>と書いておけばokですが、弥生会計/やよいの青色申告 12では、控え用の印刷も可能になっています。

さあ、あともう少し。頑張って下さい!
posted by 岡本浩一郎 at 13:30 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年03月14日

青色申告で節税 (その5)

前回と前々回で、実際問題として青色申告によっていくらぐらいの節税になるのかを検証しました。一般的には、青色申告特別控除の65万円によって、ざっくり、所得税が5%、住民税が10%、国民健康保険料(税)が8.09%(東京23区の場合)、あわせて少なくとも23.09%分の節税効果が生まれます。

青色申告特別控除65万円の23.09%ですから、金額にして15万円です。なおかつ、とても重要なのは、この15万円は税金もかからなければ、社会保険の対象にもならないということ。課税された結果15万円余計に残るということなので、当たり前といえば、当たり前ですね。要は、この15万円、100%手取りになります。15万円まるまるって大きいですよね。青色申告をするためには帳簿の作成が必要ですし、それが手間だとして敬遠される方も多いようです。ただ、それによって15万円手取りが増えるとしたら、どうでしょう。

平成23年分の所得税確定申告はいよいよ明日まで。もうダメ…、という方もいらっしゃるかも知れませんが、目指すは15万円、もうひと踏ん張りです。お話ししてきた通り、青色申告は非常にメリットが大きいのですが、そのメリットを享受するためには、申告期限内にちゃんと申告しなければなりません。その2で、「青色申告特別控除額を控除して所得金額とすることは、租税特別措置法という法律(第25条の2)で、定められています」と書きましたが、実はこの条文中に「当該確定申告書をその提出期限までに提出した場合に限り、適用する」と書かれており、一日でも遅れたら、65万円控除がパーです。

もう一つとても重要なポイントは、青色申告には事前の申請が必要だということ。今が期限内の平成23年分の所得税の確定申告で青色申告するためには、昨年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出していなければなりません(ただし、1月16日以降に開業した場合には、開業日から2ヶ月以内がこの申請の期限となります)。これが何を意味しているかというと、今回のシリーズ記事を読んで頂き、「やっぱり青色申告はメリットが大きいんだな、今年はまだ白色申告だけど、来年からは青色申告にしよう」、という方は、来年の申告のために、明日までにこの申請書を出しておく必要があるということです。ちなみに、控除が65万円となるのは複式簿記を選んだ場合ですから、お間違えなく(簡易簿記の場合控除が10万円となってしまい、トータルでの節税効果には天と地ほどの差が生まれますので、ご注意)!

この申請書を書こうとして、「屋号」って考えてないよー、どうしよう、という方も多いようですが、屋号は必ずしも必要ではありません。屋号というのは、事業をする上での別名のようなものに過ぎません。また、申請というと、下手をすると申請が却下されるのでは、と思われるかもしれませんが、この申請は特段の問題がなければ自動的に承認されますので、申請というよりは、ほぼ届け出と考えて問題ありません。
posted by 岡本浩一郎 at 16:33 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年03月13日

青色申告で節税 (その4)

平成23年分の所得税確定申告はいよいよ明後日木曜日、15日が期限です。いよいよ最終コーナーを抜けて最後の直線といったところですね。Twitter上でも終わった〜という方が増えてきています。私個人の確定申告は既に終わっていたはずなのですが、実は先週末新たに医療費の領収書が発見され、これを追加で申告するかプチ悩み中です。ちなみに、既に提出した人でも、申告期限内であれば、基本的には最後に提出した申告が有効になりますので、出し直しもokということになります(期限を超えれば、修正申告や更生の請求ということになります)。

前回は、青色申告で実際どれだけ節税できるのか、まずは所得税と住民税について見てみました。青色申告特別控除の65万円に対し、所得税で最低5%、住民税で一律10%の節税効果が生まれるわけですから、単純計算で65万円×15%の9.75万円の節税効果が生まれます。もともとの所得が少ないために、青色申告特別控除の65万円を控除しきれない(例えば、青色申告特別控除前の事業所得が20万円であれば、20万円しか控除できません)場合を除けば、最低でもこの10万円弱は誰でも節税できることになります。所得が大きい方であれば、最高で所得税で40%、住民税で10%の節税効果が生まれますから、この場合は実に32.5万円の節税を実現できることになります。

次は、国民健康保険料(税)。実は、この国民健康保険料はかなりやっかいです。というのも、国民健康保険は各自治体によって運営されており、保険料の算定式が自治体によって異なり、その結果として青色申告による節税効果も自治体によって異なるのです。国民健康保険料については、色々と思うところもあり、また改めて記事にしたいと思いますが、今回はずばりどれぐらい節税になるかに絞ってお話しをします。想定としては、東京23区の単身者、40歳未満で試算をしますと、所得(=売上-経費)が300万円の方で白色申告の場合の国民健康保険料が25.6万円、これが青色申告になると20.3万円となり、その差5.3万円分の節税ができることになります。

この差5.3万円がどうやって生まれるのかですが、こちらの国民健康保険料の計算方法(東京都千代田区)を見て頂くと所得に連動する率(いわゆる所得割の率)が、医療分で6.13%、後期高齢者支援金分で1.96%ということがわかります(この他に40歳から64歳が対象となる介護分もありますが、今回は40歳未満ということで計算しています)。この率を足し合わせると8.09%。青色申告特別控除によって総所得金額が65万円減ると、それにこの率8.09%を掛けた5.3万円の保険料が減るということです。ちなみにこの保険料も住民税と同じように、確定申告を済ませた後に保険料が計算されるため、実際に保険料が減るタイミングがずれます(東京都23区の場合、今年の6月から減った保険料での納付が始まります)。

厳密に言えば、上でお話しした通り、国民健康保険料(税)の計算方法は自治体によって異なり、よって青色申告特別控除による節税額も異なります(自治体によって様々ですが、東京23区は料率が低い方、すなわち、節税額がやや低めです)。また、これは私自身では確認できていませんが、例外的に保険料の計算に際し、青色申告特別控除が反映されない自治体もあるかもしれません(その場合は是非教えて下さい!)。また、上記の計算は、今回の確定申告とそれによって計算される住民税/国民健康保険料を試算していますが、次回の確定申告では、国民健康保険料が減ったことによって社会保険料控除が減り、所得税や住民税が(若干ですが)増えます。

ということで厳密に言えば色々と考えるべきポイントは増えますが、ここではあえて一般論としてまとめます。青色申告特別控除65万円によってどれだけ節税ができるか。その答えは、所得税が5%、住民税が10%、国民健康保険料(税)が8.09%(東京23区の場合)であわせて、少なくとも23.09%分の節税効果が生まれるということになります。つまり金額にすると15万円! 15万円って、結構大きいですよね。この話をすると驚かれる方がほとんどです。
posted by 岡本浩一郎 at 19:21 | TrackBack(0) | 税金・法令

2012年03月12日

青色申告で節税 (その3)

前回は、青色申告で所得税だけではなく、住民税、さらにほとんどの場合、国民健康保険料(税)も節税できるという仕組みを青色申告決算書と確定申告書を通じて検証してみました。

さて、それでは、実際問題としてどの程度節税になるのでしょうか。最近はさすがに青色申告特別控除は65万円だから、65万円も税金が安くなるのでは、と誤解されている方は少なくなりました。ただ、実際どれぐらい税金が減るのかを正しく理解されている方は意外に少ないようです。所得税、住民税、国民健康保険料(税)で実際に税金が減るタイミングがずれることも理解を難しくしています。

まず所得税ですが、基本的には青色申告特別控除(65万円)×所得税率分だけ税金が減ります。所得税率はこちらをご覧頂きたいのですが、課税対象となる所得の金額が195万円までが5%、330万円までが10%といったように、所得が増えるにつれ、税率があがっていきます。ちなみに、ここでの所得は課税対象となる所得、すなわち前回お話しした総所得金額から、社会保険料控除や基礎控除などの所得控除を引いたものです。最低限言えることは、少なくとも青色申告特別控除(65万円)×5%の3.25万円は税金が減るということです(もともと赤字、もしくは、青色申告特別控除の65万円を控除しきれない場合を除き)。一方で、所得税の最高税率は40%ですから、これに該当する方(課税所得が1,800万円強)は、65万円×40%で、26万円の節税効果があります。

26万円はともかく、3万円ちょっとだと苦労してまで青色申告をする価値が見出せないな、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。でも、結論に飛びつくのはちょっと待って下さいね。本当の節税はこれからです。

次は住民税。住民税には所得に応じて課税される所得割だけではなく、定額で課税される均等割などがありますが、青色申告が効いてくるのは、所得割です。前回お話しした通り、住民税上の所得は所得税上の総所得金額に連動しており、青色申告特別控除によって、住民税の課税対象額が65万円減ることになります。所得割の税率は現在一律に10%となっていますから、単純に計算すれば、65万円×10%で、6.5万円税金が減るわけです。

つまり、青色申告特別控除の65万円に対し、所得税で最低5%、住民税で一律10%の節税効果が生まれるわけですから、単純計算で65万円×15%の9.75万円の節税効果があります。3万円ちょっとならともかく、10万円近く節税できるとなると、俄然やる気が出る人もいらっしゃるのではないかと思います。

ちょっとトリッキーなのは、タイミング。例えば、昨年の所得について今年3/15までに所得税の確定申告を行った場合、所得税の節税は確定申告のタイミングで実現します。一方で、住民税は、確定申告の情報がお住まいの自治体に回送され、それを受けて各自治体が住民税を計算します。そして、実際に節税後の金額で納税するのは、今年の6月から来年の5月にかけてということになります。このため、実際には住民税でも節税できているのに、それを実感できていない方も多いようです。

さて、今回はとりあえず所得税と住民税で、最低限10万円弱の節税とお話ししました。次回は、残る国民健康保険料(税)についてお話ししてみたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:50 | TrackBack(0) | 税金・法令