2023年01月30日

スマート証憑管理とPeppol

これまでお話ししてきたスマート証憑管理は、請求書や納品書、領収書など、事業者が受領する、そして発行する証憑を、画像データだけでなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理できる仕組みです。

スマート証憑管理の本当の価値は、証憑を管理して終わるのではなく、証憑から仕訳を自動生成し、記帳業務を圧倒的に効率化することにあります。これからは、手での仕訳入力から、スマート証憑管理での証憑の確認・自動仕訳に。しかし、紙やPDFで受領した証憑では、AI-OCRの精度が100%でない以上、人の目による確認は必要となります。これでは、記帳業務を効率化することはできても、「圧倒的」な効率化と言えるかどうかは微妙なところです。

記帳業務を圧倒的に効率化するためにはどうすればいいのか。その解になるのが、「ボーン・デジタル」、最初からデジタルという発想です。発生源で生まれたデジタルデータは、事業者内だけでなく、事業者間も含めた業務プロセス全体を通じて一貫してデジタルとして取り扱う。

最初からデジタルであれば、人の目による確認は不要となり、圧倒的な効率化が実現されます。インボイス制度において、これを実現するのが、Peppolです。インボイス制度で肝になるのは、何が適格請求書かを正確に判断すること。登録番号や取引年月日、税率など、必要とされる記載事項が満たされているかどうかを確認する必要があります。ただ、厄介なのは、例えば請求書上に登録番号の記載がなくても、例えば予め取引基本契約上で登録番号をやり取りしていれば、適格請求書として認められることもあるということです。また、日本では月締請求書が一般的であり、納品書に加えて、月締請求書がやり取りされますが、この際納品書上で税額の計算を行っており、月締請求書ではそれを列挙しているだけであれば、原則として納品書が適格請求書となります。一方で、納品書上では税額の計算は行っておらず、月締請求書で対象額を足し上げ、そこで初めて税額の計算を行っている場合(こちらが本来あるべき月締請求書です)は、原則として月締請求書が適格請求書になります。要は、ぱっと見では、どれが適格請求書となるか、判断がつかないことも多いということです。

2023013001.PNG

これに対し、デジタルインボイスであるPeppolにおいては、適格請求書と区分記載請求書は明確に区別され、混同することはありません。Peppolのメッセージでは、Invoice type codeという証憑の種別を示す情報がありますが、適格請求書のInvoice type codeは”380”と決まっています。一方で、今後区分記載請求書もPeppolでやり取りできるように仕様の検討が進められていますが、区分記載請求書のInvoice type codeは”380”以外となります。ですから、Invoice type codeさえ(機械が)見れば、その証憑が適格請求書かどうかは一瞬で、確実に判別できるようになっています。

いや、でも、よくわかっていない送信者が、適格請求書でないのにInvoice type codeに”380”を埋めた場合は? 実は、Peppolのメッセージ送信時には”Rules”に基づいたチェックがなされ、エラーがない状態でなければ送信できないようになっています。

例えば、aligned-ibr-jp-04というruleでは"An Invoice shall have the Seller tax identifier (ibt-031)."とされています。つまり、登録番号がない場合は、そもそも送信ができないということです。また、aligned-ibrp-045と046というruleでは、"Each tax breakdown (ibg-23) MUST have a tax category taxable amount (ibt-116)."、"Each tax breakdown (ibg-23) MUST have a tax category tax amount (ibt-117)."とされています。適格請求書で求められる記載事項の通り、税率ごとの対象額と税額がなければ、やはり送信することはできないのです。

また、aligned-ibrp-051-jpというruleでは、"Tax category tax amount (ibt-117) = tax category taxable amount (ibt-116) x (tax category rate (ibt-119) / 100), rounded to integer. The rounded result amount shall be between the floor and the ceiling."とされており、税率ごとに端数処理も考慮した上で、対象額×税率が税額となることが求められています。

Rulesの複雑化を避けるという観点から、ruleは必要最小限に絞り込まれており、(意識的にやれば)Peppolで不正な「適格請求書」を作成し、送信することが不可能という訳ではありません。それでも通常のケースでは、(機械が)適格請求書であることを自動で判別し、後続業務を自動処理できるようになっています。

アナログがある限り、人の目による確認は避けられず、効率化にも限界があります。それを乗り越え、機械による自動処理を実現し、圧倒的な効率化を実現するのが、「ボーン・デジタル」という考え方であり、デジタル・インボイスの仕組みであるPeppolです。

2023013002.PNG

昨年10月には、デジタル庁からいよいよPeppol BIS Standard Invoice JP PINT Version 1.0が公開され、日本におけるデジタルインボイス、Peppolはいよいよ実用化のステージに入りました。スマート証憑管理では、この春のPeppol対応、そしてそれによる圧倒的な効率化を実現していきます。
posted by 岡本浩一郎 at 23:10 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月27日

スマート証憑管理(その4)

これまでお話ししてきたスマート証憑管理は、請求書や納品書、領収書など、事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みです。一元管理といっても、画像データだけでなく、構造化されたデジタルデータを一元的に管理できることがポイントです。画像データは、画面に表示し目で確認することはできますが、そのままでは後続業務には活用できません。これに対し、スマート証憑管理では、構造化されたデジタルデータを活用し、後続業務をデジタルの力で効率化することができます。

具体的には、紙やPDFで受領した証憑から、AI-OCRという機能によって、証憑上の金額はもちろん、証憑番号、発行日、取引日、取引先名、登録番号、消費税率などの情報をデジタルデータとして抽出します。これらは、重要であり管理が必要な情報(いわばメタデータ)と位置付けられます。次に、このメタデータに基づいて、仕訳を自動生成します。この際、仕訳に必要な勘定科目については、弥生がこれまでにも提供してきているスマート取引取込のエンジンを活用し推論します。自動生成された仕訳は、弥生会計の仕訳日記帳などの画面で確認することが可能になります。また、自動生成された仕訳から証憑の画像を遡って確認することもできます。

2023012701.PNG

スマート証憑管理の本当の狙い。それは、証憑を管理して終わるのではなく、証憑から仕訳を自動生成し、記帳業務を圧倒的に効率化することにあります。これまでの会計ソフトのメインの画面は仕訳入力画面。仕訳をいかにサクサクと入力できるかが会計ソフトの評価を左右してきました。しかし、インボイス制度を機に、会計ソフトのメインとなる画面はこのスマート証憑管理になると考えていきます。手での仕訳入力から、スマート証憑管理での証憑の確認・自動仕訳に。

一方で、紙やPDFで受領した証憑では自ずと限界があります。なぜならば、AI-OCRによって、日付や金額等のメタデータを抽出する訳ですが、この精度は100%ではないからです。AI-OCRはAIを活用することによって、文字認識の精度を向上させているとお話ししましたが、それでも100%にはなりません。これまでお話ししたように、税率ごとの対価の額と税率ごとの消費税額の整合性などの検算も行うことによって、AI-OCRの読み取りエラーを検知し、可能な範囲で補正する仕組みも実装しています。それでも、100%ではない以上、人の目による確認は必要になります。

人の目による確認が必要になる以上、記帳業務を効率化することは可能ですが、それが「圧倒的」な効率化と言えるかどうかは微妙なところです。それでは、記帳業務を「圧倒的に」効率化するためにはどうすればいいのか。

2023012702.PNG

その解になるのが、「ボーン・デジタル」、最初からデジタルという発想です。「発生源で生まれたデジタルデータは、業務プロセス全体を通じて一貫してデジタルとして取り扱う。事業者内、さらに事業者間の業務プロセスにおいて、紙などのアナログを経ず、一貫してデジタルとして取り扱う」。これは社会的システム・デジタル化研究会が提言してきていることです。(さらに続く)
posted by 岡本浩一郎 at 16:23 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月25日

スマート証憑管理(その3)

これまでにもお話ししてきたように、弥生は、インボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応し、業務のデジタル化を促進する新サービス「スマート証憑管理」を1/5に正式リリースしました。

スマート証憑管理は、請求書や納品書、領収書など、事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みです。ただ、この際に、画像データではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理できることがポイントです。画像データは、画面に表示し目で確認することはできますが、そのままでは後続業務には活用できません。これに対し、スマート証憑管理では、構造化されたデジタルデータを活用し、後続業務をデジタルの力で効率化することができます。

このためには、紙やPDFで証憑を受領した際に、そこから重要であり管理が必要な情報(いわばメタデータ)を抽出する必要があります。スマート証憑管理ではAI-OCRによって、証憑上の金額はもちろん、証憑番号、発行日、取引日、取引先名、登録番号、消費税率など様々な情報をデジタルデータとして抽出することができます。

では、これらメタデータを何に活用するのか。わかりやすい部分では、検索が可能になります。画像データのままでは、「弥生商会」からの請求書を検索するといったことはできませんが、メタデータがあればそれをもとに検索が可能になります。ただ、それでは十分なメリットとは言えませんし、業務効率化というのもちょっと無理があります。確かに検索できるに越したことはありませんし、特に税務調査の際に税務署の方には重宝されるでしょう(実際問題として電子帳簿保存法でこういった検索性が求められているのはそのためです)。ただ、日頃会計業務を行っている側としては、そこまで嬉しい話ではありません。

一方で、これらメタデータを活用することで、仕訳を入力するという作業がなくなったらどうでしょう。それであれば今必要な作業がなくなる訳ですから、メリットを実感できますし、明らかな業務効率化が実現します。スマート証憑管理が実現するのは、仕訳入力を不要とすることによる業務効率化です。

具体的には、メタデータとして管理される日付や金額といった情報から、仕訳を自動生成します。でもちょっと待ってください。仕訳と言えば勘定科目。勘定科目はどのように特定するのでしょうか。実はこれは、弥生がこれまでにも提供してきているスマート取引取込の推論エンジンを活用します。スマート取引取込では銀行のインターネットバンキングの明細を取込み、これをもとに仕訳を自動生成します。この際には、明細上の摘要情報をもとに勘定科目を推論しますが、この仕組みをスマート証憑管理でも活用します。

この仕組みは2014年から提供していますが、2021年にはそれまでのベイズ推定による推論からニューラルネットワークによる新しい推論エンジンに大幅リニューアルしました(詳細はこちらをどうぞ)。前回、スマート証憑管理で採用したOCRエンジンはAI-OCRであり、AI(人工知能)を活用することによって、文字認識の精度を向上させたOCRエンジン、とお話ししましたが、画像からメタデータを抽出する際にも、そしてそのメタデータから仕訳を生成する際にも、AIが活用されているのです(当然それぞれ別個のAIエンジンになります)。

2023012501.PNG

自動生成された仕訳は、弥生会計の仕訳日記帳などの画面で確認することが可能です。またこの際、この仕訳のもととなっている取引の内容を確認したいという場合には、仕訳日記帳上の証憑ビューアーのボタンをクリックしていただければ、その証憑の画像イメージをその場で確認することが可能です。画像からメタデータを経由して仕訳が自動生成される訳ですが、同時に、自動生成された仕訳から遡って画像を確認することもできる訳です。仕訳からもとになった取引の証憑を確認できる機能は2021年に会計事務所向けにリリースした記帳代行支援サービスで提供を開始したものですが、とても好評です。

スマート証憑管理は、その名の通り、証憑を一元管理できる仕組み。ですが、その本当の狙いは、証憑から仕訳を自動生成し、記帳業務を圧倒的に効率化することにあります。
posted by 岡本浩一郎 at 18:10 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月23日

税制改正大綱セミナー

弥生では1週間後の1/30(月)に、会計事務所向けパートナープログラム「弥生PAP」の会員向けに、令和5年度税制改正大綱セミナーを開催します。この種のセミナーをこのタイミングで開催するのは弥生として初の試みです。

2023012301.png

そもそも税制改正大綱は、法令そのものではありません。税制に関する法令改正の方針を示すもの。現時点では令和5年度税制改正の大綱として昨年末に閣議決定されていますが、これをもとに財務省(国税)/総務省(地方税)が法案として国会に提出し、最終的には次期通常国会で審議・可決されてはじめて法令として成立することになります。そして法令として成立したものが、周知され、施行されることになります。

しかし今回の税制改正大綱には、この10月から施行される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の円滑な実施に向けた所要の措置が含まれています。今回の措置の内容も理解した上で、10月にはインボイス制度にしっかりと対応しなければならない。正直時間がありません。このため、一般事業者はともかく、事業者をアドバイスする立場の会計事務所には、税制改正大綱の段階からいち早く周知したいという財務省からの相談があり、今回のセミナーを開催することになりました。

今回のセミナーの特徴は、インボイス制度と電子帳簿保存法の両制度の財務省担当官より直接解説いただくこと。よくある質問などを踏まえた最新の情報を特別に解説いただきます。日程的には月末の30日と忙しいタイミングではありますが、Zoomでのライブ配信ですので、オフィスからの参加が可能です。既に700名近くのPAP会員にお申込みをいただいていますが、Zoomですから、まだまだキャパシティには余裕があります。

今後インボイス制度と電子帳簿保存法に確実に対応するためにも、是非本セミナーにご参加いただければと思います。プログラムのご案内とお申込みはこちらからどうぞ。
posted by 岡本浩一郎 at 22:06 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月19日

スマート証憑管理(その2)

前回は、弥生が1/5にリリースした、インボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応し、業務のデジタル化を促進する新サービス「スマート証憑管理」についてお話ししました。

前回お話ししたように、スマート証憑管理は、請求書や納品書、領収書など、事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みです。ただ、この際に、画像データではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理できることがポイントです。

画像データは、その証憑を画面に表示し目で確認することはできますが、そのままでは後続業務には活用できません。例えば、受け取った請求書から、買掛の仕訳を記帳することになりますが、画像データだけであれば、請求書の画像を人間が画面上で目で確認して、会計処理のために改めて手で仕訳を入力するという処理になります。それでは業務の効率化にはならないことは自明かと思います。

それに対し、後続業務をデジタルの力で効率化することこそがスマート証憑管理の目指すところです。このためには、紙やPDFで証憑を受領した際に、そこから重要であり管理が必要な情報(いわばメタデータ)を抽出する必要があります。それを実現するのが、スマート証憑管理に組み込まれているAI-OCRです。OCRとは、光学文字認識のこと。弥生では2016年からレシートをOCRで処理し、その情報から仕訳を生成するスキャンデータ取込という機能を提供してきました。しかし、この際に利用したOCRは今となっては旧世代のOCRエンジン。扱える証憑はレシートに限られていましたし、また、読み取り精度もそれなりです。これに対し、AI-OCRはAI(人工知能)を活用することによって、文字認識の精度を向上させたOCRエンジンです。読み取り精度は旧世代に対し大きく向上していますし、扱える証憑もレシートだけでなく、請求書や納品書にも対応します。

2023011901.PNG

実際、スマート証憑管理ではAI-OCRによって、金額だけでなく、証憑番号、発行日、取引日、取引先名、登録番号、消費税率など様々な情報を読み取るようになっています。お分かりの方も多いかと思いますが、対象となる証憑が適格請求書の要件を満たすかどうかの判定に必要な情報をデジタルデータとして抽出できるようになっています。

AI-OCRによって抽出されたデジタルデータは、例えば登録番号が実在するか、有効かという検証にも活用されますし、また、税率ごとの対価の額と税率ごとの消費税額の整合性などの検算も行われるようになっています。つまりAI-OCRとその後の検証/検算ロジックによって、そのままでは活用できない画像データをデジタルデータに変換、それを用いて後続業務の効率化を実現しています。
posted by 岡本浩一郎 at 14:37 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月16日

スマート証憑管理

弥生は1/5から、インボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応し、業務のデジタル化を促進する新サービス「スマート証憑管理(しょうひょうかんり)」を提供開始しました。このスマート証憑管理は、昨年からベータ版として提供していた「証憑管理サービス」を機能強化し、正式版として提供を開始したものです。

2023011601.PNG

まずはこのスマート証憑管理の位置付けですが、事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みとなります。事業者は仕入先から、納品書だったり、請求書だったり、あるいは領収書などの証憑を受領します。現在では紙やPDFで受領することがほとんどかと思いますが、今後はデジタルインボイスのようにデジタルデータとして受領することも増えていくでしょう。また事業者は得意先に対し、納品書だったり、請求書だったり、あるいは領収書を発行します。これも現在は紙やPDFが中心ですが、今後はデジタルデータとして発行することも増えていくでしょう。

スマート証憑管理は、これら事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みです。ただ、この際に、画像データではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理できることがポイントです。

約1年前に2022年1月から施行される改正電子帳簿保存法の課題についてお話ししたことがあります。PDFであったり、画面のスクリーンショットを保存しても、これらは構造化されたデータではない(画像のようなもの)ので、このデータを使って後続業務の自動化・効率化を実現することはできません。所詮紙の電子化に過ぎず、事業者にとってメリットがないとお話ししました。

スマート証憑管理は、画像データも保存はしますが、それだけではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理することができます。

2023011602.PNG

こちらがスマート証憑管理の画面イメージですが、画面右側に請求書の画像データが表示されていることがわかります。ただ同時に、画面中央部で証憑番号や取引日、取引先、登録番号なども表示されています。これは画像データである請求書に含まれる情報のうち、特に重要であり管理が必要な情報(いわばメタデータ)を構造化されたデジタルデータとして管理しているのです。

なぜこれらのメタデータを管理する必要があるのでしょうか。それはそれによって後続の業務が自動化することが可能になるからです。画像データのままであれば、それを人間が画面上で目で確認して、会計処理のために改めて手で仕訳を入力するという処理になります。それは明らかに効率が悪いですよね。それに対し、メタデータが管理されていれば、その情報をもとに、システムで自動で仕訳を生成することが可能になります。次回は、この点についてもう少しお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:28 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月06日

PAP12,000!

前回の新年のご挨拶でふれましたが、弥生の会計事務所向けパートナープログラム「弥生PAP(Professional Advisor Program)」の会員数が2022年11月末に12,019事務所となり、12,000事務所を突破しました。2019年12月末に10,000事務所を超え、2021年5月末には11,000事務所を超えましたから、引き続き約1年半で1,000事務所という安定したペースで会員数が増加しています。ある瞬間で言えばスピードが速まったり遅くなったりということはありますが、10年という時間軸で見れば、コンスタントに会員数が増加してきた、と書いたのが2021年6月のことですが、それが現在に至るまで続いているわけです。

2023010601.jpg

これまでにもお話ししていることですが、弥生PAP会員というのは弥生にとってのお客さまではなく弥生のパートナーの会員制度です。お客さまはあくまでも事業者の皆さん。お客さまの数は多いに越したことはありませんが、パートナーについては、数が増えることは嬉しいことではありますが、多ければ良いという訳でもありません。あくまでもパートナーとして、同じ想いを持ち、同じ方向を向き、行動できることこそが重要だと考えています。このことは弥生PAP会員向けに開催している弥生PAPカンファレンスでも毎回お話ししていることです(多分皆さん聞き飽きていると思います、笑)。だからこそ弥生PAPカンファレンスのように、弥生が何を考え、何を実現しようとしているかをお伝えする場が大事だと考えている訳です。

今年の10月にはインボイス制度がいよいよ始まりますが、これは弥生とパートナーである弥生PAP会員にとって大きな試金石になります。法令改正として渋々、最小限対応し、業務効率が悪化することを許容するのか、あるいは、法令改正として対応すると同時に、業務をデジタル化し、むしろ業務の効率化を実現する好機とするか。弥生はもちろん後者を目指していますし、弥生のパートナーである弥生PAP会員の皆さまもそうであって欲しいと思っています。ただそのためには、弥生が提供するソフトウェアを活用して、いかに業務効率化を実現できるのかを、まずは弥生から弥生PAP会員の皆さまにしっかりとお伝えしなければなりません。

昨日1/5に、弥生のインボイス制度対応(+改正電子帳簿保存法対応)の肝となるスマート証憑管理サービスをリリースすることができました。本ブログでも、このスマート証憑管理についてお話ししていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 17:27 | TrackBack(0) | 弥生

2023年01月04日

新年のご挨拶 2023

明けましておめでとうございます。

新春を迎え、皆さまにおかれましては健やかに新年を迎えられたことと、謹んでお慶び申し上げます。

2022年は不安定な世界情勢が続く中、日本においては急激な円安の進行など、社会全体が不安に包まれた一年であったかと思います。一方、足元を見た時、事業者にとっての大きなトピックの一つは2023年10月の開始まで1年を切ったインボイス制度が挙げられます。弥生は、デジタル庁が主導し、官民が連携して進めている、わが国のデジタルインボイスの標準仕様(JP PINT)の策定と普及に対して、当社が代表幹事法人を務めるデジタルインボイス推進協議会(略称 EIPA)の会員(203社・8名。2022年12月1日現在)各社とともに、民間の立場から支援と協力を行っています。

前述の取り組みに加え、弥生個社としてもインボイス制度対応を進めています。弥生は、インボイス制度と改正電帳法を、単なる法令改正ではなく、デジタル化による業務効率化の好機と捉えており、2023年1月5日に正式リリースする「スマート証憑管理」を起点にスモールビジネスの業務デジタル化を進め、圧倒的な業務効率化の実現を支援します。

弥生の2022年は近年稀にみる挑戦と変革の一年であったように思います。3月には株主が、これまでのオリックス株式会社から、コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー・エルピー(以下、「KKR」)に変更となりました。KKRの支援を受けることで、今後の更なる成長を見据えた大胆な挑戦もできるようになり、経営者としても新たなチャレンジを楽しんでいます。また、弥生にとっての事業年度が変わる10月には新たな社外取締役として、元日本マイクロソフト株式会社代表取締役社長の平野拓也氏を招聘しました

さまざまな変革がありながらも、かねてより掲げていた「事業コンシェルジュ」というビジョンであり、スモールビジネス事業者の皆さまのあらゆるフェーズを支える存在でありたいという想いは変わりません。これらは、2022年6月の「事業承継ナビ」、同年8月「弥生のあんしんM&A」という新サービスという形で結実させることができました。その他にも、クラウド確定申告ソフトにおける「Mac対応e-Tax機能」のリリースや「弥生の設立お任せサービス」の開始、そして「やよいの給与明細 オンライン」の大幅リニューアル版リリースなど、従来から提供してきたサービスにおいてもよりお客さまの利便性を向上させる大小さまざまな機能追加、リニューアルを積み重ねながら歩んできた1年でした。

これらの成果は弥生単独で成し遂げたものではなく、弥生を信頼し、ご利用いただいているお客さまと大切なパートナーの皆さまのご愛顧、ご支援の賜物と受け止め心より感謝しております。会計事務所向けパートナープログラムである弥生PAP会員は2022年11月に12,000事務所を突破し、国内最多の規模となっています。パートナーの皆さまと協力することで起業から事業承継まで、スモールビジネスの困りごとを全面的に支援する体制が整ったと自負しております。

2022年7月にテレビCMでお披露目することとなった「上を向いて歩くあなたと。」という新たなブランドメッセージには、業界のリーディングカンパニーとして、スモールビジネスの業務デジタル化を支援し、本業に集中できる環境をつくりたいという弥生の想いを込めています。

弥生は2023年も倦まず撓まず、スモールビジネスに寄り添い、時に国を含めたあらゆるステークホルダーを巻き込みながら挑戦を続けてまいります。

今年の干支(十二支) は「癸卯」です。「癸」は十干の最後の要素であり、雨や露など恵みの水の意を含むことから、生命が芽吹き成長していく状態を想起させます。また、「卯」はうさぎのように跳ねあがるということで株式相場でも縁起の良い年と言われています。2022年に蒔いた数々の種を大きく芽吹かせ、事業コンシェルジュとしてお客さまの跳躍を支える大樹のような存在であれるように、一層の挑戦と進化を続けてまいります。

末筆となりましたが、皆さまにとって本年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げるとともに、引き続き、弥生株式会社をご支援賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

弥生株式会社
代表取締役 社長執行役員
岡本 浩一郎
posted by 岡本浩一郎 at 10:19 | TrackBack(0) | 弥生

2022年12月28日

良いお年を 2022

弥生は今日で仕事納めです。一年が速く過ぎ去ると感じるのは毎年のことではありますが、実感としては時間の進みがますます速くなっており、まさにあっという間に過ぎ去った一年となりました。程度の差はあれ、今年も新型コロナウイルス禍の影響を受け続けたことが時間感覚を狂わせているのかもしれません(と思いたいだけで、単純に年をとったということなのかもしれません、苦笑)。

ただ、影響は受けつつも、やりたいことをできた一年でした。去年も同様なことを書きましたが、去年は果たせなかった海外渡航がついに実現しました。それもプライベートで3回、ビジネスで2回というなかなかのペースです。

プライベートのうち2回(LA, Hawai'i)は、もともと計画していたもの。残りの1回(Arkansas)はご縁があって急遽渡航することになったものです。いずれも帰国前のPCR検査もあり、気兼ねなく羽を伸ばすという訳にはいきませんでしたが、それでも久し振りに海外の空気を吸うことができたことは、待ち望んでいたことでした。真面目な面で言えば、急激な円安で日本の国力が失われていることを実感する機会にもなりました。

プライベートでは、今年の目標であったトライアスロンでのオリンピック・ディスタンスの完走を6月に果たし、その後10月にも再び完走することができました。また少し子どもっぽいので、あまり広くはお話ししていない趣味でも、目標を達成して今年を終えることができそうです。

ビジネスでの2回の海外渡航(Las Vegas, Singapore)は年の終わりに集中しましたが、これは帰国時の検疫の要件が緩和されたからこそ。どちらも非常に刺激になりましたし、内向きに閉じがちになっていた視野を再び広げる機会にもなりました。

海外だけではなく、国内の出張も支障なくできるようになりました。空港も一転混み合うようになってきましたね(特に福岡が大変なことになっているようです)。年2回、全国7会場で開催する弥生PAPカンファレンス(開催レポート#1, #2)の全参加を果たすこともできました。もっともあくまでも必要最小限といったところで、以前のように年間40回といったペースにはとても及びません。とはいえ、Zoomによって、離れたところでもより簡単にコミュニケーションをとれるようになっただけに、対面でお話しすることの価値も上がったように思います。

本ブログのネタとして書きやすいという大人の事情があり、ビジネスというと出張の話が多くなってしまうのですが、もちろん出張ばかりしているわけではありません。お客さまの事業を支援するという観点で、起業・開業ナビの機能強化を図ったり、新たに事業承継のお手伝いを始めたり。もちろん業務を支援するという観点でも、インボイス対応の核となる証憑管理サービスの提供を開始し、また、新たなクラウドプラットフォームを採用してやよいの給与明細 オンラインの完全リニューアルを果たしました。ここには到底書ききれませんが、この一年間でリリースした新サービスや新機能のボリュームは過去最高レベルです。

こうやって書いてみると、あっという間の一年と言いつつも、それなりに濃厚な一年だったということを実感できます。ただ、十分かというと全く十分とは言えません。この春には新しい株主を迎え、できることが圧倒的に広がっている中で、その機会を十分に活かしきれていないと感じています。もっともっと圧倒的なスピードで変化し、進化しなければなりません。

今年は、一向に終わりが見えないウクライナでの戦争を目の当たりにし、平和が当たり前のものではないことを実感しました。当たり前と思っていたことが当たり前でなくなる時代の中で、自分に何ができるのか、何をすべきなのか、そういったことも改めて考えなければならないと思っています。

では皆さま、良いお年をお迎えください。
posted by 岡本浩一郎 at 11:39 | TrackBack(0) | 弥生

2022年12月23日

Building a Roadmap to SaaS

前回お話ししたように、Las Vegasで開催されたAWSのre:Inventに参加したことは、テクノロジーの今とこれからについて改めて考える非常に良い機会になりました。ただ、実はre:Inventに参加する目的はこれだけではありませんでした。

本当の目的は、Executive Summitの1セッションにスピーカーとして参加すること。最初は、いわゆるプレゼンだと思って気軽に引き受けたのですが、実際には"Building a Roadmap to SaaS"というテーマのパネルディスカッションに、パネリストとして参加することになりました。私は英語に不自由しませんし、プレゼンであれば事前の準備ができるので、全く問題はありません。そんな私でも、パネルディスカッションは即興性が求められるだけに、英語ではなかなか気が重い(苦笑)のですが、ポジティブに考えれば、プレゼンと違い本格的な準備は不要です。実際問題として、出発直前までバタバタしており、準備の時間は全くありませんでした。

かなり準備不足で臨んだ本番ですが、最近は英語でコミュニケーションを取る機会が減っているにしては、まずまずの出来だったかと思います。まあ、とりあえずパネルディスカッションで大事なのは笑いを取るところなので(笑)、それはしっかりと(複数回!)笑わせることができました。笑いの部分は脇に置いていても、弥生のクラウドジャーニーの第三幕(第一幕は2012年から、第二幕は2014年から、そして第三幕は2022年から)に至るまでの過程、何を考えてきたのか、をしっかりと伝えることができたのかなと思います。

2022122301.jpg 笑いをとったど(1回目)
2022122302.jpg 笑いをとったど(2回目)
2022122303.jpg 最後に全員で記念撮影

他のパネリストはGitLabのCMO&CSO、PreciselyのCTO、ExasolのCTOという錚々たるメンバー。他のパネリストの皆さんの発言も非常に参考になりましたし(やはり課題意識は共通)、とても楽しかったというのが感想です。

実はもう一つの目的があり、それは今回re:Inventに参加した社員6名をおもてなしすること。色々とハプニングもあり、事前の想定通りにはいきませんでしたが、到着後のお昼にはIn-N-Out Burgerを食べ、翌日夜にはRuth's Chris Steak HouseでFilet/Sirloin/Ribeyeという三種類のステーキを食べ比べ(お勘定は相当な金額でした、苦笑)、その後は皆でBlue Man Groupを鑑賞し、まずまず楽しんでいただけたのではないかと思います。

ちなみに、現在進行形で進んでいる弥生 Advent Calendar 2022でもre:Invent訪問記が掲載されています(噂では3回シリーズものになるとか)。また、1/26に予定されているもくテクはAWS re:Invent 2022 参加報告会として開催するそうなので、ご関心がある方はこちらも是非。

あ、本当の目的としてLas Vegasだけにカジノを想定していた方にはごめんなさい。私は人生が最大のギャンブルだと思っているので、ちまちました賭け事には興味がないのです(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 19:41 | TrackBack(0) | 弥生

2022年12月14日

幸先詣

11月末から12月頭にかけてLas Vegas(あ、これまではどこには明言していませんでしたが)、そして先週はSingaporeと二週間連続での海外出張となりました。Las Vegasは気温1ケタ台の冬(イメージと違うかもしれませんが、砂漠なので冬は寒いのです)に対して、Singaporeは30度近くの常夏とかなり変化に富んだ二週間となりました。

そしてふと気が付いてみると師走のしかも中旬。最終週はゆっくりと来し方行く末を考えたいとなると、実質今週と来週で終わりです。年齢と共に一年が早くなり、新型コロナウイルス禍の中ではもはや時間がワープする感覚ですが、それにしても今年一年は早かったと思います。

ということで、今週/来週は少し落ち着いて仕事を片付け、良い形で新年を迎えられるようにしたいと思います(と言いつつ今週金曜日は年内最終の出張があったりしますが)。一方で、新年を良い形で迎えられるよう、今年のうちに先取りできることもある、ということで、実は今日、幸先詣で神田明神に行ってきました。

2022121401.jpg
写真撮影の時のみマスクを外しています。

幸先詣(さいさきもうで)というと耳馴染みはないと思いますが、新型コロナウイルス禍の中で、ソーシャルディスタンス確保のために、年越し前、つまり年内に早めに参拝をすることを社寺が推奨するものだそうです。2020年に福岡県内の神社がはじめて提唱し、福岡県神社庁が勧奨したということです。

実は、新型コロナウイルス禍真っただ中の2020年12月、先手必勝ということで、年内に参拝を済ませました。新年の神田明神の混み具合は、超過密。でも、例年、弥生のためでもありますが、それ以上に、弥生のお客さまのため、日本の中小事業者の皆さんの繁栄をお祈りしていますから、お参りしないわけにもいかない。ということで、まだ人の少ない年内に参拝しようということになりました。結果的に大正解だったのは本ブログでもお話しした通りです。これはいいということで、2021年も年内に参拝。そして今年も、となった訳です。

年内に参拝というのはまだまだ一般的でないかと思いますが、実はもう幸先詣という名前までついていることを初めて知りました。日本人は初詣は神社で、結婚式はキリスト教、亡くなったら仏教と宗教に対する拘りがないと言われます(あくまでも一般論です)。拘りがないというと否定的な言い方になってしまいますが、こういった形で時代に合った形でお参りの形も変わっていく、その融通が利くところは日本の良さでもあるのではないかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:22 | TrackBack(0) | 弥生

2022年12月02日

弥生PAPカンファレンス 2022秋 開催レポート

10/20から開催してきた会計事務所向けのカンファレンス、弥生PAPカンファレンス 2022 秋ですが、11/24のオンライン開催(3回目)で無事終了しました。全国7会場、オンライン開催3回を1ヶ月ちょいでやり遂げたということになります。正直大変ではありましたが、その大変さに見合うだけの成果は得られたと考えています。

6月に開催した前回のカンファレンス(これも全国7会場、オンライン3回)では、参加者(メディアや関係者等を除く)が2,000名を越えたとお話ししました。今回は、3,000名越えとまではいきませんでしたが、かなり3,000名に近いところにまでいきました。会場での参加も100名以上増えていますが、やはりインパクトが大きいのがオンラインでの参加です。今回もオンラインでは3回開催しましたが、うち1回目が1,000名弱、2回目が1,000名超となりました。オンライン開催は一般的に初回が一番参加者が多く、以降は参加者が減っていくのですが、今回は2回目が最多の参加者という結果になりました。

3,000名近くの方にご参加いただけた背景には、今回のメインテーマであるインボイス制度について、制度開始まで一年を切り、会計事務所の関心がより高まっており、なおかつ、その関心はより具体的な点にまで広がってきたことがあると感じています。今回のカンファレンスで弥生が目指したのは、インボイス制度において、インボイスの受領から記帳まで、どのようなオペレーションとなるのか、具体的な感触を持っていただくこと。参加した方にいただいたアンケート結果を見ても、この狙いは概ね達成できたのではないかと考えています。

もっとも、良くも悪くも今回のカンファレンスに参加いただけたのは、3,000名弱。弥生PAPの会員数は12,000弱ですから、1/4に過ぎません。カンファレンスという仕組み上、時間の制約はありますし、参加したかったけど都合がつかなかったという方もいらっしゃるのではないかと思います。また、事務所内で1名は参加したけれども、本当は事務所内の皆でしっかり理解したいということもあるかと思います。

2022120201.png

そのため、弥生ではカンファレンスの開催レポートを作成し、公開しています。今回の弥生PAPカンファレンス 2022秋の開催レポートについては、11/30に無事公開することができました(終了から一週間での公開ですから、結構頑張りました)。開催レポートは概要だけではなく、オンライン開催時のビデオそのものを見れるようになっています。しかも再生速度を1.0倍から2.0倍まで変えることができますし、チャプターも設定されているので、必要な部分だけを簡単に見ることもできます。

また、一連の開催でいただいたご質問とその回答もまとめて公開しています。特にオンライン開催の際には多くのご質問をいただいており、結果的に100問以上のQ&Aとなっています。

心配なのは、開催レポートでここまで丁寧にやると、これはもうPAPカンファレンスそのものには参加しなくてもいいのでは、とならないかということ(苦笑)。実際問題、再生速度の変更など、事後の方が便利な部分もありますから。ただ、会場開催の空気感的なものまでは伝えることはできませんし、また、開催前後や休憩中などに私やスタッフに直接いただいた質問などはカバーできていません。また、オンライン開催にご参加いただければその場で直接ご質問いただけますが、開催レポートでは既になされた質問への回答を確認することはできても、新たに質問をすることはできません。

カンファレンスを企画・開催する立場としては、やはり直接的な参加者を増やしたい。でも一番大事なのは、弥生としてのメッセージを多くの会計事務所パートナーにしっかり伝えるということ。ですから、開催レポートでも伝わるのであれば、それはそれでいいのだと思います。しっかり伝えるために、会場での参加、オンラインでの参加、開催レポートでの確認という選択肢を提供することが大事なのだと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 弥生

2022年11月30日

新しいクラウドプラットフォーム

前回は、先日リリースしたやよいの給与明細 オンラインについて、大幅リニューアルと表現しているものの、実態としては、ゼロから開発した全く新しいアプリケーションであるととお話ししました。さらっとお話ししましたが、実はこれは弥生としては非常に大きなターニングポイントです。

というのも、アプリケーションとしてゼロから開発したというだけではなく、実はプラットフォームが全く新しいものになっているから。単純にコードを書きなおしたというレベルではなく、全てを作り直しているということです。デスクトップアプリケーションであれば、これまでWindowsのアプリとして開発してきたものを、今回からMacintoshのアプリとしてゼロから開発した、というぐらい大きな変化です。

実際には、やよいの給与明細 オンラインはクラウドアプリケーションですから、WindowsでもMacintoshでも動きます。この場合変わったのは、クラウドのプラットフォーム。一般のお客さまからは全く見えない部分ではありますが、クラウドのプラットフォームが変われば、アーキテクチャーからデータベースからほぼ全てが変わりますから、全く新しい取組みとなります。もちろん技術的に汎用性がある部分も多いので、ゼロからの学習にはなりませんが、新たに学ばなければいけないことも多く、とてもチャレンジングな取組みです。

チャレンジングである一方で、最新の技術を取り入れることが可能になるため、これまでのクラウドアプリケーションとは一線を画した使い勝手を実現できます。実はこの春に提供を開始した証憑管理サービス(ベータ版、今後「スマート証憑管理」として正式版となる予定)が新プラットフォーム上のデビュー作でした。ただ、証憑管理サービス(ベータ版)はそれ単体での利用は想定されていませんし、なおかつベータ版です。単体で利用するアプリケーションの正式版としては、今回のやよいの給与明細 オンラインがデビュー作となります。

弥生として新プラットフォームを採用することを正式に決定したのは実はもう約2年近く前のこと。以降、水面下でコツコツと開発を進めてきましたが、こうして無事にリリースすることができました。まだまだ完成形とは言えず、今後も磨きこみは必要ですが、弥生の将来につながる大きな一歩だと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 17:01 | TrackBack(0) | 弥生

2022年11月28日

やよいの給与明細 オンラインリニューアル

11/17に弥生はクラウドアプリケーション、「やよいの給与明細 オンライン」をリニューアルし、提供を開始しました

やよいの給与明細 オンラインは、弥生が提供するクラウドアプリケーション、弥生オンラインのラインアップの一つです。従業員30名程度までの事業者に最適な、給与明細をかんたん、気軽に作成することのできる給与計算アプリケーションとして2017年1月にリリースしました。

今回のリリースは、大幅リニューアルと表現していますが、実態としては、ゼロから開発した全く新しいアプリケーションです。リニューアル版のやよいの給与明細 オンラインは、従来版のやよいの給与明細 オンラインの全機能を引き継いでいますが、それだけではありません。今回のリニューアルに際して強化を図ったのは、事業者と従業員とがデジタルでつながる機能。わかりやすいところでは、給与計算を行い、給与明細を作成したら、その給与明細をデジタルデータとして従業員に配信することができるようになりました。また、当面はパートナー向けの限定提供となりますが、年末調整に必要な情報を従業員からデジタルで収集することも可能です。

2022112801.png

つまり従業員からデジタルで情報を収集することもできると同時に、従業員にデジタルで情報を提供することもできる。デジタルで従業員とつながることによって、利便性を高めるだけでなく、業務の効率化を実現します。

前回、業務の抜本的な効率化を実現するためには、業務のあり方そのものを変えていく必要があるとお話ししました。そのために進めるべきなのが、Born Digital、最初からデジタル。情報は発生源でデジタル化し、以降は一貫してデジタルのまま処理する。今回のやよいの給与明細 オンラインで、事業者が従業員とデジタルでつながる機能を提供するのも、この取組みの一環です。
posted by 岡本浩一郎 at 12:50 | TrackBack(0) | 弥生

2022年11月24日

事業概況説明会

10/28に開催したデジタルインボイス推進協議会(EIPA)による発表会について熱くお話ししてきましたが、その翌週にはこれはこれで大事な発表会がありました。それは弥生のメディア向けの事業概況説明会。弥生自身に関する発表会なので、これはこれで大事と言っていてはいけませんね(苦笑)。しかし、10月からPAPカンファレンスやら、外部イベントやら、EIPAイベントやらの準備で結構てんてこまいで、事業概況説明会の資料が完成したのは説明会の前日、ちゃんとしたリハーサルも前日一回のみ。結果的にはしっかりとした説明はできたとは思いますが、次回以降はもう少し余裕のある準備を心がけたいところです。

2022112401.jpg

さて、この事業概況説明会、かつてはデスクトップアプリケーション「弥生 XX シリーズ」(最新は10/21に一斉発売となった弥生 23 シリーズ)の新製品発表会として開催していたものです。昔は、新シリーズの発売開始は一年に一度の大イベントでした。もちろん今でも重要なイベントではありますが、今ではクラウドサービスの比重も大きくなっていますし、起業・開業ナビ資金調達ナビ事業承継ナビなど、弥生が提供する価値の幅も広がっている中で、一年に一度の大イベントというよりは、一年に何回もある大イベントの一つというところです。そういった中で、新製品にフォーカスするのではなく、弥生の活動の全容をお伝えすると同時に、その背景にある弥生の想いであり、方向性をお伝えする場として事業概況説明会という形で開催するようになっています。

今回の事業概況説明会での一番のトピックは時節柄やはりインボイス制度対応です。弥生シリーズでどのようにインボイス制度(+改正電帳法)に対応するか。これは本ブログでもまた改めてお話ししたいのですが、弥生がこの冬に提供する「スマート証憑管理」というサービスがこの役割を担います。これは既に提供している証憑管理サービス(ベータ版)を進化させ、正式なサービスとして提供するものです。

もっとも、今回の説明会では、このスマート証憑管理についてご説明するだけではなく、その背景にある弥生の想いであり、方向性についてもしっかりとお伝えしました。

2022112402.PNG

弥生の取組みには大きく二つの領域が存在します。一つは業務支援サービス。お客さまの業務を成立させ、効率化するお手伝いをしています。いわゆる業務ソフトである「弥生シリーズ」は業務支援サービスに位置付けられますし、今回の一番のトピックであるスマート証憑管理もこの領域に属します。もう一つの取組み領域は事業支援サービス。業務にとどまらず、事業者の事業の立上げと発展の過程で生まれる様々な事業上の課題の解決を支援するサービスです。例えば、直近で立ち上げた事業承継ナビはこの領域に属します。

業務支援サービスにおいて弥生がこだわっているのは、単なる法令改正対応に終わらないということ。もちろんお客さまが法令改正に対応でき業務を継続できるということは弥生として最低限達成しなければいけないことです。しかし、お客さまが法令改正は何とか対応できたけれども、業務としては複雑化した、大変になった、では弥生として十分な価値を提供できていないと考えています。法令改正対応は当たり前であり、より重要なのは、いかに業務を効率化するか。そのためにスマート証憑管理ではAI-OCR(AIを活用した文字認識の仕組み)を活用し、手入力を最小化できるようになっています。さらに抜本的な効率化を実現するためには、業務のあり方そのものを変えていく必要があります。そのために進めるべきなのが、Born Digital。最初からデジタルという考え方であり、弥生がデジタルインボイス推進協議会を通じて普及を図っているデジタルインボイスもこの取組みの一環です。

一方で弥生が事業支援サービスに取り組む原動力になっているのは、事業者であるお客さまにとって大事なのは業務ではなく、事業そのものであるということ。お客さまがやりたいことは事業を通じてお客さまのお客さまに価値を提供すること。その過程で生まれるのが業務。つまり業務は手段であり、目的は事業です。その観点から、弥生は業務のお手伝いをして満足するのではなく、お客さまの事業そのもののお手伝いをしたいと思っています。事業の立上げを支援する起業・開業ナビから、事業のバトンを渡す支援をする事業承継ナビまで、弥生が過去2年間、事業を支援するサービスを急速に立ち上げている背景にはこういった想いがあります。

色々と本ブログで取り上げたいトピックが多いのですが、今回の事業概況説明会でお伝えした弥生の想いであり方向性について、今後もう少し深掘りしてお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:56 | TrackBack(0) | 弥生

2022年11月02日

前半戦終了 2022秋

先月10/20から会計事務所向けのカンファレンス、弥生PAPカンファレンス 2022 秋を開催しています。10月中は、仙台、札幌、名古屋の3会場とオンラインでの開催が1回。全体では7会場、オンライン開催3回なので、40%終了ということになります。

今回のカンファレンスのテーマはやはりインボイス制度。昨年秋も、今年の春もインボイス制度について取り上げてきていますので、さすがにやり過ぎのようにも思えますね。しかし実際には制度開始まで一年を切り、会計事務所の関心はより高まっており、なおかつ、その関心はより具体的な点にまで広がってきていると感じています。

今回のカンファレンスで弥生が目指しているのは、インボイス制度において、インボイスの受領から記帳まで、どのようなオペレーションとなるのか、具体的な感触を持っていただくこと。このため、カンファレンスのプレゼンにおいても、かなりの時間をかけて実際のオペレーションのデモを行っています。これまでのところこの狙いはズバリ的中しています。インボイス制度に向けて非常に不安に感じていたが、今回のカンファレンスで、何をどのようにすればいいのか理解できた。これであれば業務が成立するという感覚が得られた。こういったフィードバックをいただくことができています。

2022110201.jpg

今回とても特徴的なのは、休憩時間中やプレゼン終了後に実機でのデモコーナーに人だかりができること。実機でのデモコーナーはいつもご用意しているのですが、ここまで関心が高いのはこれまでにはないことです。プレゼンでデモも行っているわけですが、実機でもより細かいところを実際に見てみたい、質問もしたいという方が多いように感じています。どこから手をつけていいのかわからない、具体的に何をどうすればいいのかわからない、という状態から、具体的になイメージが描けるようになったということですから、大きな前進だと思います。

弥生PAPカンファレンスの後半戦は、来週月曜日の大阪会場からスタートです。既に大阪・東京海上については受付を終了していますが、オンライン開催(11/15 & 11/24)についてはまだお申込みが可能です。インボイス制度に向けて漠然とした不安を抱いている会計事務所の皆さん、是非ご参加ください。インボイス制度に向けて、何をどうすべきか、視界がすっきりクリアになることをお約束します。
posted by 岡本浩一郎 at 19:15 | TrackBack(0) | 弥生

2022年10月28日

平野さん、ようこそ弥生へ

前回お話しした通り、この10月から新年度(FY23)ということで、10/14(金)に社員総会を開催しました。私はビジネスセッションのトップバッターとして全社の経営概況の報告を行いましたが、ラストでのラップアップも行いました。

トップバッターとしての経営概況報告、そしてラストバッターとしてのラップアップ、それぞれで一つずつのサプライズ発表を行いました。経営概況報告でのサプライズ発表は、既にプレスリリースも行っていますが、平野 拓也さんの社外取締役就任。

2022102801.png

ご存じの方も多いと思いますが、平野さんと言えば、元 日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長。私も平野さんがマイクロソフトの社長時代に色々とお世話になりました。2017年には日本マイクロソフトのパートナー表彰制度、Microsoft Japan Partner of the Year 2017において、「Application Development アワード」を受賞し、一緒に記念撮影したこともいい思い出です。その後2019年に日本マイクロソフトの代表取締役社長を退任され、その後は米国Microsoftで活躍されていらっしゃいましたが、この秋に米国Microsoftも退任され、新しい一歩を踏み出すタイミングにご縁をいただき、この10月から弥生株式会社の社外取締役に就任いただくことになりました。

実は今日、平野さんが社外取締役に就任されてから初の弥生株式会社の取締役会を開催したのですが、世界を代表するIT企業の日本トップを経験した方ならでの視点で様々なアドバイスをいただくことができました。弥生の社外取締役としては、2020年に太田さんと林さんに就任いただき、お二人には今年株主が変わった以降も引き続き社外取締役を務めていただいています(ですので、今回の平野さんの就任で、株主以外の純粋な社外取締役としては合計3名ということになります)。

社外取締役に入っていただくことのメリットの一つは、取締役会の議論が圧倒的に深まるということです。太田さんも、林さんも、平野さんもそれぞれの経験と知見に基づいた鋭い発言で、社内取締役としても、取締役会に挑む真剣さが格段に変わりました。株主であるKKRの取締役も含め、本当に真剣な議論の場になっています。予定調和ではない分、着地点を見出すのは難しいところ(笑)ですが、そこは取締役会議長である私の腕の見せ所です。

ちなみにもう一つのサプライズは? それは秘密です(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 23:59 | TrackBack(0) | 弥生

2022年10月26日

社員総会 2022

弥生はこの10月から新年度(FY23)ということで、10/14(金)に社員総会を開催しました。弥生では例年新年度早々に社員総会を開催しており、例年はホテルの宴会場で、午後一杯はビジネスセッション、夜はビアバストを開催します。しかし、新型コロナウイルス禍の中で、2019年を最後にリアル会場では開催できていません。2020年からはビジネスセッション/ビアバストという構成は同じでも、Zoomでの開催となっています。

今年も残念ながらZoomでの開催。もっとも、少なくともビジネスセッションに関してはZoomの方がいいと感じる部分もあります。プレゼンターからすると皆の反応が見えないので、やりにくい部分はありますが、聞く立場からすると資料も見やすく、聞きやすいのではないかと思います。今後開催方法に制約がなくなったとしても、完全に従来のやり方に戻るというよりは、しっかり情報を共有するセッションと、皆で交流する/懇親を図るというセッションで開催方法は変わってくるのではないかと思います。

2022102601.jpg

ビジネスセッションはまずは私の経営概況報告から始まります。まず前年度(FY22)の振り返りをすると同時に、新年度(FY23)、さらにその先中期的に弥生として何を目指すのかを私からしっかりお話しします。本当は2時間でも3時間でも、話したいことは山ほどあるのですが、ぐっと我慢して(情報も取捨選択して)30分で一通りお話しします。もちろん私からの30分だけでは語りつくせないので、私のパートの後に、これから弥生として具体的に何をしていくのか、各本部からのプレゼンがあります。

2022102602.jpg
2022102603.jpg

この他、社内表彰制度である「弥生賞」の発表もありますし、ビジネスセッションの後半では「中から見た弥生」と「外から見た弥生」という2つの切り口でパネルディスカッションを行いました。かなり盛り沢山な5時間半になりましたが、弥生の現状と今後をしっかりと共有することのできる有意義な場になったと思います。その後の参加者アンケート結果でも(改善点はあれども)まずまずな評価でした。

その後はビアバスト。こちらは今後できればリアルで開催できればとは思いますが、オンライン開催はオンラインならではで色々と工夫された企画があり、大いに楽しむことができました。自宅から参加している方がほとんどなので、このパートは家族でも楽しむことができるというのはオンラインならではですね。実行委員の皆さま、お疲れ様でした & 有難うございました!
posted by 岡本浩一郎 at 18:38 | TrackBack(0) | 弥生

2022年10月21日

弥生 23 シリーズ一斉発売

本日、10/21(金)に弥生は、デスクトップアプリケーションの最新バージョン、弥生 23 シリーズを一斉発売しました。保守サポートご加入のお客さまやパートナー会計事務所向けには既に少し前から提供を開始していますが、家電量販店やネットショップ等では本日から発売開始となります。

2022102101.png

かつては、新シリーズの発売開始は一年に一度の大イベントでした。もちろん今でも重要なイベントではありますが、今ではクラウドサービスの比重も大きくなっていますし、起業・開業ナビ資金調達ナビ事業承継ナビなど、弥生が提供する価値の幅も広がっている中で、一年に一度の大イベントというよりは、一年に何回もある大イベントの一つというところです。

一方で、今回の弥生 23 シリーズは例年以上に非常に大きな役割を担っています。というのは、来年10月のインボイス制度開始を前に、事業者の皆さまのインボイス制度対応を支えていくのがこの弥生 23 シリーズだからです。デスクトップアプリケーションでも今や一年に一度のみのバージョンアップということはなく、必要なタイミングでオンラインアップデートを提供しており、インボイス制度対応の主要な機能は来年の春のオンラインアップデートでの提供を予定しています。ただ、そのベースになるのが今回の弥生 23 シリーズ。日本全国津々浦々の事業者の方がしっかりとインボイス対応できるよう、この弥生 23 シリーズを一人でも多くの事業者の方にお届けしたいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:59 | TrackBack(0) | 弥生

2022年10月12日

帳簿付けの価値

前回お話しした事業所得か雑所得かの判断基準に関するパブコメの結果ですが、個人的にはかなりの驚きでした。もともと多くの意見が寄せられており、また大半が改正反対の趣旨の内容であったという報道から、ある程度の見直しはされるものとは思っていましたが、ここまで大幅な見直しになるとは思っていませんでした。

しかし、実のところ、今回の見直しに通じる提言を本ブログで行っていました。既にパブコメの募集自体は締め切った後ですが、9/2の本ブログで「雑所得にも特別控除?」というタイトルで、ちょっとした提言を行いました。以下、引用です。

副業を推進しようという動きもある中で、収入金額が 300 万円を超えない場合(かつ有効な反証がない場合)に税金上のメリットがない雑所得になることに対する反対の声もあるようです(というか報道によれば、そういった声が大きいのかと思われます)が、それであれば、雑所得にも一定の税制上の優遇措置を設けるという方向もありえるのではないでしょうか。事業所得でなおかつ青色申告の場合、1) 青色申告特別控除、2) 損失の繰越、3) 損失の他の所得との通算というメリットがありますが、例えば、雑所得についても一定の条件の下で特別控除を認める(逆に3)は認めない)という考え方もあるのではないかと思います。

以前お話ししましたが、業務に係る雑所得について、今年(2022年分、令和4年分)分の所得税(=来年の確定申告)から求められることが格段に増えています。まず業務に係わる収入が300万円を超えた場合には、領収書等の保存が義務化されます(ただし、逆に言えば、300万以下であれば領収書の保存すら求められないわけですから、雑所得と、帳簿の作成と証憑の保存が求められる事業所得とは大きく性格が異なることがわかるかと思います)。また、業務に係わる収入が1,000万円を超えた場合には、確定申告書とともに収支内訳書を作成し、提出することが義務付けられます。

上記も踏まえ、収入に関わらず、業務に係わる雑所得について、収支内訳書を作成し提出した場合には、特別控除として一定額の控除を認めるというのはどうでしょうか。収支内訳書は、もともと事業所得の白色申告の際に作成するものです。事業所得の白色申告について、2014年分から帳簿付けが義務化されていますが、これと足並みをそろえ、事業所得の白色申告および業務に係わる雑所得ともに、帳簿付けをして収支内訳書を提出すれば特別控除が認められるとなれば、やる気もおきるのではないでしょうか。

この内容自体は、あくまでも雑所得に関する提言で、雑所得にも一定の特別控除を認めたらどうか、というものです。これは今回の見直しとは異なりますが、注目いただきたいのは、この際に想定していた条件です。そう「帳簿付けをして収支内訳書を提出すれば」としています。要は白色申告と同様な条件で、雑所得に特別控除をという提言だったわけですが、今回の見直しでは、これが雑所得ではなく、事業所得として認められ得る条件として明らかにされた訳です。私の提言が今回の見直しに何ら反映されている訳では(当然)ないのですが、帳簿付けの価値を認めているという意味では、通じる部分があるのではないかと思います。

私の提言では、最後に「立場的に我田引水と見えるかもしれませんが(笑)、正しく帳簿を付けて正しく申告する人がトクをする仕組みのお手伝いをしたいと思っています。」と書きました。正直、今回の見直しは我田引水というよりは、漁夫の利です。帳簿付けの価値が示された訳ですから。

ただ、漁夫の利と書きましたが、弥生の存在価値が示されたという意味での「利」はありますが、実際問題として、(少なくとも直接的には)「利」はありません。なぜならば、やよいの白色申告 オンラインのフリープランであれば、ずっと無料だからです。少々宣伝になりますが(笑)、やよいの白色申告 オンラインであれば、帳簿付けから確定申告まで全ての機能がずっと無料で使えます(実際にやよいの白色申告 オンラインをご利用の方のほとんどはフリープランを選ばれています)。

やよいの白色申告 オンラインは、もともと2014年1月に白色申告でも帳簿付けが義務化されるのにあわせ提供を開始しました。新たに多くの方が帳簿付けをしなければならない中で、その受け皿を提供したいという想いから生まれたサービスです。今回の見直しを受け、晴れて事業所得として認められるために、やっぱりちゃんと帳簿付けをしなければという方も増えるのではないかと思いますが(注)、やよいの白色申告 オンラインで、しっかり支えたいと思います。

弥生にとっての本当の漁夫の利という意味では、その先は、できれば事業規模を着実に伸ばしつつ、青色申告にチャレンジしていただければと願いつつ(笑)。

(注) ただし前回お話ししたように、「事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかにより判定する」という原則は変わりませんから、帳簿を作成し、保存していれば事業所得になり得ますが、だからといって必ず事業所得と認められるわけではありませんので注意が必要です。
posted by 岡本浩一郎 at 21:33 | TrackBack(0) | 弥生