2020年07月31日

リモートでも着々と

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前回お話しした電子インボイス普及に向けた取り組みである電子インボイス推進協議会ですが、翌日の日経朝刊1面(!!!)で取り上げられました(電子版はこちら)。以前弥生がオリックスグループに参画する時は、日経夕刊の1面デビューを果たしましたが、やはり朝刊1面は重みが違います。ちなみにこの記事自体は電子インボイス推進協議会だけを取り上げたものではありません。新型コロナウイルス禍の中で日本のデジタル化が遅れているという問題意識から、日経が従前から調査を進めていたところに、たまたま電子インボイス推進協議会の話がうまくはまったというのが実態です。電子インボイス推進協議会が設立された直後にイブニングスクープとして電子版に掲載され、翌朝に本紙に掲載となりましたので、あくまでも結果論ですが、タイミング的には完璧でした。

既にお話しした通り、電子インボイス推進協議会は、社会的システム・デジタル化研究会(Born Digital研究会、BD研究会)の提言に基づいて設立された組織です。BD研究会は、昨年の12月に初回の会合を開催し、以降5回の会合を経て提言を取りまとめました。初回の会合は当然のごとく物理的に集まって行われました(@ヤヨイヒロバ)し、2回目(1月下旬)もSAPのオフィスで開催されました。ここまでは順調でしたが、雲行きが怪しくなったのは、2月から。3月上旬に予定されていた3回目は一旦キャンセル。事例調査のために同じ週に予定していたシンガポール出張は見送りとし、ウェブ会議でのヒアリングとなりました。

ウェブ会議ベースに切り替える判断をして、改めて3回目を開催したのが、4月8日(緊急事態宣言発出の翌日)。この時点までには、各社ともウェブ会議に対応できるようになっており、民間参加者については、問題なくウェブ会議で参加することができました。ただ、行政のオブザーバーについては、ほとんどの方が環境的にウェブ会議参加が難しいということで、事前に事務局が電話でヒアリングを実施し、意見を集約する形で対応しました。以降4回目もウェブ会議で、そして緊急事態宣言が解除されてからの初開催となった5回目はウェブ会議を原則としつつも、どうしても対応が難しい方には弥生の会議室からウェブ会議に参加いただく形で開催し、なんとか提言の取りまとめにこぎつけることができました。

当初は戸惑いながらでしたが、ウェブ会議でも何とかなるな、というのがやってみての実感です。むしろ、各社のトップクラスにご参加いただくにあたって、移動の負担がなく、スケジュールの調整もしやすいというメリットもありました。ただ、1回目/2回目を会場開催しており、その中で関係性が確立された上だったからやりやすかったというのもあると思います。最初からウェブ会議、なおかつ皆初対面であれば、ハードルはより高かったでしょう。また、皆さんに事前に宿題をお願いし、論点をある程度明らかにした上で、会議に臨んだこと、また、言い出しっぺの責任として、私の方で積極的にファシリテートさせていただいたこともプラスに働いたと思います(もっともこれはオフラインでの会議でも同じことですね)。

こちらは社内の取り組みになりますが、メンバー全員がリモートワークの中で、調整を続けながら準備を進めてきたのが、弥生が本日公開した年末調整に関する特設サイト「年末調整あんしんガイド」。年末調整??? (関東は)まだ梅雨も明けていないのに、と思われるかもしれませんが、今年の年末調整は一言で言って(言葉を選べという感じですが)ヤバいんです。相当複雑になります。早めに変更点を理解していただき、備えを始めていただきたいという想いから、このタイミングでの公開となりました。

今年の年末調整はとにかくヤバいということで、昨年から準備を進めてきましたが、やはり春先からは皆が完全リモートの中で準備を進めることを強いられました。当初は不慣れもあったと思いますが、意外に(?)順調に準備は進められたとのこと。ようやく今日、公開の運びとなりました。なお、今年の年末調整のヤバさについては、本ブログでもまた改めてお話ししたいと思います(お話しすべきことが積み上がっています…)。

リモートワークによって、残念ながら制約を受けていることもそれはそれであり、開発スケジュールの見直しなども発生しています。しかし足元でも(緊急事態宣言を解除したことである程度想定されたことですが)検査陽性者数が増加している中で、今後もリモートワークをうまく活用し、それでもしっかりと成果を出せるようにしなければなりません。そういった意味で、この春、悩みながら、それでも着々と進めてきたことが、徐々にではありますが、形になってきたことを嬉しく思うと同時にホッとしています。
posted by 岡本浩一郎 at 17:30 | TrackBack(0) | 弥生

2020年07月02日

レベル2

7月に入りました。今年ももう折り返し地点を回ったことになります。前半は新型コロナウイルス禍の影響を受け、普段通りではなかったとはいえ、あまりにあっという間に過ぎ去ってしまいました。はや後半戦ということで焦りを感じます。

弥生では、この7月1日から、新型コロナウイルス感染症拡大に対する対応レベルを全社でレベル2へと引き下げました。緊急事態宣言の発出前、小池都知事がロックダウンの可能性を示唆した3月下旬にレベル3(その後、緊急事態宣言が発出された4月上旬にレベル4)に引上げて以来となりますので、3ヶ月間に渡ってレベル3/4の対応を継続してきました。

6月18日には、安倍総理が社会経済活動のレベルをもう一段引き上げることを発表し、これを受け、6月19日より、一部の大規模なイベントを除き休業要請は全面的に解除されました。また都道府県境をまたぐ移動の自粛要請についても全面解除され、待望の(?)プロ野球も、当初は無観客試合という特殊な環境ではありますが、ついに開幕しました。この時点で弥生としてすぐにレベル2に移行することも検討したのですが、何分2ヶ月以上継続してきた対応を変えるということで、準備など万全を期し、昨日7月1日から正式にレベル2へ移行しました。

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レベル2で目指すことは、リスクに応じた対策を取りつつ、通常の事業活動を継続すること。レベル3/レベル4では一定の制約はやむを得ない、結果的にお客さまから見たサービスレベルの低下もやむを得ないとしていましたが、レベル2ではお客さまから見て、通常通りの運営となります。弥生のカスタマーセンターでは、緊急事態宣言下となった4月でも、確定申告期限が延長されたこともあり、10万件超、申告期限が過ぎた5月でも8万件超の電話でのお問合せをいただきました。しかし、レベル3/レベル4では稼働人数を絞り込まざるを得ず、どうしてもお客さまにお待ちいただく時間が長くなってしまいました(それでも、リスク低減を図りつつも、お問合せに対応し続けられたことは胸を張れることだと思っていますし、それを可能にしてくれたスタッフの皆さんには本当に感謝しています)。

今回、レベル2となったことで、カスタマーセンターでは、(リスク低減策は徹底しつつも)ようやく概ね通常通りの稼働体制となりました。例年この時期はお問合せが比較的少ない時期ということもあり、お待ちいただく時間は目にみえて減らせるはずです。

東京本社(マーケティング/開発/管理)に関しては、レベル2では、アウトプットを出せる限りにおいては、出社でもリモートワークでもどちらも可としています。私は必要性があって7月1日は出社しましたが、出社している人の割合は、パッと見、30%ぐらいでしょうか。この4月に入社した新卒社員の現場配属日ということもあって出社される方も多かったようです。古い人間なのでしょうが、久し振りに皆に会えることが嬉しくてウキウキとしてしまいました。

弥生ではこの7月から9月は、新型コロナウイルスと共存しつつも、新しい働き方、New Normal(新常態)を見出す試行錯誤の期間と位置付けています。出社のメリット、リモートワークのメリット、最適な組み合わせは職務によって異なりますが、それぞれの最適解を見出していきたいと思います。

一方で、本日の東京での検査陽性者数は100名超。行動自粛を解いた段階で検査陽性者数がある程度増えることは想定の範囲内ではありますが、増減を続けながらも一定のレベルで収まるのか、はたまた再び感染拡大のフェーズに入るのか、状況を慎重に見極め、適切な対応を図らなければならないと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:26 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月30日

主な提言内容

先週木曜日に発表した「社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言」。実際の提言書を見ていただければわかりますが、かなりみっちりと中身が詰まっています。本ブログでも少しずつお話ししたいのですが、盛り沢山でどこからお話しすればいいのか悩むところ。

前回は、今回の提言に至った経緯として、1) これまで既に決まった制度であり、法令に対して粛々と対応してきたものの、そもそもお客さまである事業者にとって、また社会全体にとってどういった制度であるべきか能動的に働きかけることができていなかった、2) 一方で海外では、デジタルを活用して制度自体を合理的/効率的なものに見直しをしようとする動きが顕著になっている、という二点をお話ししました。

今回は、肝心の提言の中身についてお話ししたいのですが、一字一句に想いがつまっており、下手をすれば提言書そのものをここに書き出してしまいそうです(苦笑)。今日はまず、主な提言内容として4点お話ししたいと思います。

  • 情報通信技術が急速に発展している一方で、日本における現状の社会的システムの多くは、戦後に紙での処理を前提として構築されたものの一部の電子化(Digitization)に留まっている。改めて、デジタルを前提として業務プロセスの根底から見直すデジタル化(Digitalization)を進めることによって、社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図るべきである。
  • 社会的システムのデジタル化による再構築に際して、1. 発生源でのデジタル化、2. 原始データのリアルタイムでの収集、3. 一貫したデジタルデータとしての取り扱い、4. 必要に応じた処理の主体の見直し、の4つのポイントを踏まえるべきである。
  • 短期的には、2023年10月のインボイス義務化に向け、標準化された電子インボイスの仕組みの確立に取り組むべきである。商取引の主体は民間であることから、まずは何よりも民間がメリットを確実に享受できるものとして、民間が主導して標準化、および仕組み構築を進めるべきである。同時に、インセンティブ設計も含め、行政による一定の関与と強力な後押しは不可欠である。
  • 中長期的には、確定申告制度、年末調整制度、社会保険の各種制度等についても、業務プロセスを根底から見直すデジタル化を進めるべきである。主に行政の仕組みであることから、行政が主導すべきであるが、民間も、行政手続きへの対応を要求される立場として、全体最適が実現されるよう、積極的に提言を行い、仕組み構築に際し、その設計から関与するべきである。行政/民間双方での対応が必要とされることから、現実的かつ明確なロードマップを作成し、計画的に、かつ段階的に進めるべきである。

次回から、この4点を柱として深掘りをしていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:31 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月25日

社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言

本日6/25、弥生は、SAPジャパンオービックビジネスコンサルタントピー・シー・エーミロク情報サービスと共同で、「社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言」を発表しました

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提言書は13ページ、別紙資料集は42ページとなかなかなボリューム感です。実際の提言書はこちら(ZIPファイル、中身はPDF)をご覧ください。

ITが急速に発展している一方で、日本における現状の社会的システムの多くは、戦後に紙での処理を前提として構築されたものの一部の電子化(Digitization)に留まっています。改めて、デジタルを前提として業務プロセスの根底から見直すデジタル化(Digitalization)を進めることによって、社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図るべきであるというのが、今回の提言の骨子です。提言では、どのような時間軸でどのような領域に取り組むのべきかというところまで掘り込んでいます。

前回まで、「10年経った弥生」というお題で3回連続してお話ししました。色々とありつつも、新しいことに取り組んできた。結果として数値面でもまずまずといえる成長を遂げてきた。一方で、実際のところ、まだまだできていないこと、まだまだやるべきことは山ほどありますともお話ししました。

まだまだできていないことに対する一つの解が今回の提言書です。弥生はこれまで、既に決まった制度であり、法令に対し、お客さまが対応できるように、弥生として粛々と対応してきました。制度や法令は、既に決まったもの。Givenであり、弥生がどうこうできるものではない。

それではダメなのではないかと痛感したのが、一昨年の年末調整です。本ブログでもお話ししましたが、配偶者(特別)控除の仕組みがあまりにも複雑化してしまい、一般の事業者の方が正確に理解し、正しく対応することが、ソフトウェアの助けをもってしても難しくなってしまいました(ちなみに、今年末の年末調整はさらに複雑なものになることが既に決まっています、涙)。

本ブログでも、制度の建て増しではなく、よりシンプルな仕組みに抜本的に作り替えるべきだとお話ししてきましたが、では実際どうするのかという解を示すことができていませんでした。

もう一つきっかけになったのが、オーストラリアイタリアイギリスなどでの調査です。今回ようやく、単に遊びに行った訳ではないということが証明できました(笑)が、海外では、データを活用することによって仕組みを根本からシンプルに効率的にする取り組みが急速に広がってきています。もちろんすべてにおいてうまくいっている訳ではないのですが、そういった課題も含め、日本ではどうすべきなのか、非常に多くの学びを得ることができました。

昨年12月には、「電子化からデジタル化へ」という少し謎めいたブログ記事を書きましたが、実は、それこそが、今回の提言の母体である社会的システム・デジタル化研究会(通称Born Digital研究会)の第一回検討会でした。今回共同で提言を行った5社は、実際には対象とする顧客層、顧客規模が異なるため直接的な競合関係とは言えないものの、一定の競争関係にはあり、これまでは今回のような協調をすることはありませんでした。しかし、トップ同士で上記のような問題意識をお話ししたところ、賛同していただくことができ、議論を経て今回の共同提案につながりました。

Born Digital研究会には、税理士の先生方や内閣官房にもオブザーバーに入っていただき、また、財務省、国税庁、中小企業庁の有識者にもインプットをいただき、皆の知恵と熱い想いを集めただけに、良い提言にできたと思っています。

中身については、また追ってお話ししたいと思いますが。今回の提言書には、この先10年で弥生(+研究会参加各社)がどういった使命を果たすべきか、熱い想いが込められています。機会があれば、是非ご一読いただければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:05 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月23日

10年経った弥生(その3)

前回/前々回は、10年前に「10年後の弥生」という記事を書いたことから、この10年間の進化を振り返ってみました。前期(FY19)とその10年前(FY09)で比較すると、売上が2.2倍、利益が2.25倍。また、お客さまの数、パートナーの数、チームメンバーの数についても、売上の成長に見合い、かつバランスが取れた状態で健全な成長を遂げてきたことをお話ししました

これまでは主に数値面での10年間を振り返ってきましたが、数字以上に重要だと考えているのは、新しい取り組みを続けてきたということ。例えば、弥生ドライブ。弥生のお客さまは今でもデスクトップアプリをご利用の方が多いですが、弥生ドライブというクラウドストレージと組み合わせで利用されている方が多くなっています。新型コロナウイルス禍を受け、弥生製品を使ったリモートワークも一般化していますが、これが容易に実現できているのは、この弥生ドライブによってデータがクラウド化されているからです。ちなみにAIを活用して仕訳入力を自動化するスマート取引取込も2014年から。

少し前に弥生の提供する申告ソフトに関しては、既にフローベース(新規のお客さま)では、クラウドアプリを選ぶお客さまの数がデスクトップアプリを選ぶお客さまの数を超えていると書きましたが、クラウドアプリであるやよいの白色申告 オンラインがスタートしたのも2014年(やよいの青色申告 オンラインは2015年)です。

この10年間の中間地点である2014年にリリースが集中しているように見えますが、2014年前後だけ頑張ったという訳ではありません(苦笑)。弥生ドライブは、もともと2003年から存在するデータバックアップサービスをより汎用的な仕組みとして再構築したものです。スマート取引取込の原型は、銀行取引を仕訳データに自動的に変換する仕組み(MoneyLook for 弥生)として、2007年末から提供してきました。先行サービスを発展させ、スマート取引取込ではAIを活用するなど、新しい技術を採用することによって、今を支える新しいサービスが生まれています。

良くも悪くも試行錯誤もあります。弥生オンラインの第一号は、実は2012年にスタートしたやよいの店舗経営 オンラインですが、より汎用的なアプリケーションである弥生会計 オンラインを2015年にリリースしたことに伴い、2017年にサービスを終了しました。

自社でサービスを開発するのではなく、志を同じくする仲間と力を合わせることも経験しました。Misocaは2016年にグループ入り。この7月には正式に合併し、名実ともに一体となります。また、2014年末にオリックスグループ入りしたことを活かし、オリックスの金融の力を活かしたオンライン融資サービス、アルトアを立ち上げたのは2017年末。

こうやって振り返ってみると、色々あった10年間だったと実感します。ただ、ここに書いていないものも含め、全てがうまく行っている訳ではありません。それでも過去を受け継いで粛々と継続するのではなく、新しいことに取り組んでこれたことは大きな成果だと考えています。

全てがうまく行っている訳ではないと書きましたが、実際のところ、まだまだできていないこと、まだまだやるべきことは山ほどあります。それらを書き出すと…、終わらなそうなので止めておきます(笑)。この10年間は一定の成果を得ることはできたと思いますし、最低限の合格ラインはクリアできたと思っています(チーム弥生の皆に感謝)。ただ、弥生の進化であり、真価が問われるのは、むしろこれからの10年間だと感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:44 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月18日

10年経った弥生(その2)

前回は、10年前に「10年後の弥生」という記事を書いたことから、この10年間の進化を振り返ってみました。前期(FY19)とその10年前(FY09)で比較すると、売上が2.2倍、利益が2.25倍。華々しい成長とは言えませんが、弥生の考え方は、まず成長ありきではなく、まず価値ありき。お客さまにしっかりとした価値を提供し、それに見合った対価をいただく、それが健全な成長となり、健全な利益を生んできたと考えています。

そのお客さまですが、お蔭さまで着実にその数を増やすことができています。登録ユーザー数で言えば、先日200万を超えたということをお話ししましたが、FY19末とFY09末で比較すると2.5倍となります。売上の伸びが2.2倍でしたから、おおよそ同レベル。ただ、登録ユーザー数の伸びの方がやや大きいのは、特にやよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインというクラウドサービスを提供することによって、お客さまのすそ野を広げることができたからです。

また、同じユーザー数でも、有償で継続的なサービス提供(デスクトップアプリでいえばあんしん保守サポート、クラウドアプリは有償プラン)を行っているお客さまに関しては、実に4.2倍と大きく増加しています。一過性ではなく、継続的に価値を提供出来ているということ自体に大きな意義があると思っていますし、同時に弥生の経営という意味でも、10年前と比べて圧倒的な安定感をもたらしています。

このお客さまの数の増加は、パートナーである会計事務所(弥生PAP会員)の推奨なしには実現できていません。PAP会員数は先日1万を超えたとお話ししましたが、FY19末とFY09末で比較すると2.9倍となります。10年前はあまた存在する会計事務所の中で弥生PAP会員も一定の確率でいるという状態でしたが、現在では会員数が1万を超え、会計事務所向けのパートナープログラムとしては日本で最大規模となりました。

また、お客さまを支えるという意味では、当然のことながらチーム弥生、すなわち、従業員の数も重要です。従業員数はこの10年間で1.8倍。売上(2.2倍)や登録ユーザー数(2.5倍)の伸びと比較すると低めに見えるかもしれませんが、実はその構成が大きく変わっています。10年前は、(正直あまり好きな表現ではありませんが)いわゆる非正規雇用の割合が高かったのですが、この10年間で積極的に正社員化を進めています。正社員の数で言えば、3.0倍と、売上や登録ユーザー数の伸びを大きく超えています。

こうやってみると、お客さまの数、パートナーの数、チームメンバーの数がバランスが取れた状態で健全な成長を遂げてきたことが理解いただけるかと思います。 (続く)
posted by 岡本浩一郎 at 21:53 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月16日

10年経った弥生(その1)

新型コロナウイルス禍の影響でちょうどのタイミングで取り上げることはできませんでしたが、10年ちょっと前の2010年3月24日に、本ブログで「10年後の弥生」という記事を書きました。この3月で、その10年後を迎えたことになります。10年前といえば、随分昔のようにも思えますし、同時にこの10年間があっという間だったようにも感じます。

先週金曜日に「Back to the Future」(BTTF)が金曜ロードショーで放送され、久し振りにちょっとしたBTTFブーム(?)が巻き起こっているようです(我が家でも、笑)。BTTF2で描かれた「未来」が2015年だったということが5年前に話題になりましたが、私(親)から見れば、30年経っても現実の世界はあまり変わっていないように思える一方で、娘(子)からすると30年前が大正時代ほどに(!?)大昔に感じられるのかもしれません(笑)。時間は絶対的に流れますが、感じ方は相対的ですね。

さて、10年前には、「10年後の弥生は大きく変化を遂げているものと考えています」と書きましたが、どうでしょうか。個人的には合格点は出したいものの、到達していたい地点にはまだまだ達していない、と感じています。点数のイメージで言えば、65点ぐらいでしょうか。甘いか、辛いか、なかなか微妙なところです。

できるだけ客観的に、ということで、前期(FY19)とその10年前(FY09)で数字の比較をしてみたいと思います。まずは売上ですが、10年で2.2倍。10年間で2.2倍ということは、年間平均成長率(CAGR)でいえば8.2%。厳密に言えば、CAGRの始点のFY09はリーマンショックの影響があって売上が微減した年であり、一方で、CAGR終点のFY19は元号改正や軽減税率導入などの法令改正の追い風で高い成長となった年ということがあり、CAGR 8.2%はやや嵩上げされた数字です。実態としては6%ぐらいが、弥生の実力だと思います。IT企業と言えば、もっと高成長しないと、という気もしますが、創業直後でもなく、大型のM&Aも行っていない自然体での成長率としてはまあこんなものかな、と思います。

弥生にとって成長そのものは目的ではありません。まずはお客さまに価値を提供すること。もちろん、より多くのお客さまに価値を提供したい、だからこそ成長ももちろん大事なのですが、まず成長ありきではなく、まず価値ありきで、結果としての成長であるべきだと思っています。

利益面で言えば、10年間で2.25倍。売上の成長スピードより僅かに大きいですが、ほぼ同レベル。つまり、この10年間、売上と利益は対になって成長してきたということです。上では、弥生にとって成長そのものは目的ではないと書きましたが、利益そのものもまた目的ではありません。ただ、利益はある意味で成長より大事だと考えています。と書くと金儲け主義と言われそうですが、松下幸之助翁が言われたように、「事業を通じて社会に貢献するという使命を遂行し、その報酬として社会から与えられるのが『利益』」。弥生がお客さまであり、社会に提供した価値の表れが利益だと思っています。

採算度外視で、それこそ10万円をばら撒くことによって、5万円の売上を買うようなことをすれば、売上を伸ばすことは簡単です。でも、それは事業を通じて価値を提供し、社会に貢献したことにはならない。幸之助翁は、「利益を生み出せない経営は、社会に何らの貢献をしていないということであり、本来の使命を果たしていない姿である。『赤字は罪悪』といってよい」とも語られています。もちろん、事業が最初から黒字になることはなく、一定期間は赤字先行になって当然だと思います。ちなみにアルトアはまさにその真っ最中。弥生オンラインは、うーん、順調に成長はしていますが、数値的にはまだ赤字ですかね。ただ、ずっとそのままでは、社会の価値をむしろ破壊している「罪悪」ということになってしまうのかと思います。

お客さまにしっかりとした価値を提供し、それに見合った対価をいただく、それが健全な成長となり、健全な利益を生む。それを10年間継続できたことは、ひとまず最低限の合格ラインはクリアしたと言えるかなと思います。 (続く)
posted by 岡本浩一郎 at 21:45 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月12日

新体制

昨日、6/11に久し振りにオフィスに出社しました。前回オフィスに出社したのは、緊急事態宣言が発出された前日、4/6ですから、実に2ヶ月ちょっとぶりの出社になります。正直あまりに間が空きすぎて、もう電車に乗れないのではと心配していましたが(電車に乗るのも2ヶ月以上ぶり)、長年の習性の方が勝ったのか、何の違和感もなくオフィスにたどり着きました。少しだけ時間をずらしての出社としましたが、電車はまだ空いており、座ることができました。このままの状態だったら、通勤も悪くありません(笑)。

オフィスは何とも懐かしく感じます。緊急事態宣言後もリモートワーク推奨となっており、出社している人はごく僅か。それでも何人かと久し振りに会うことができ、心から嬉しく感じました。やっぱり人間は社会的な生き物なのだと実感します。

2ヶ月ぶりの出社の理由は、役員合宿のため。合宿の場所としては、星のや東京の1フロア貸切プランにグッと魅かれる(笑)ものがあったのですが、真面目過ぎる弥生としては、人も少ないオフィスでやろうということになりました。状況によってはZoom開催も選択肢ではあったのですが、やはり(この時代にはなかなか微妙な表現ですが)空気を共有してしっかり議論するためには集まった方がベター。広めの会議室に参加者5名であれば、ソーシャル・ディスタンスはしっかり確保できると判断しました。

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実は弥生ではこの4月に監督機関と業務執行機関を明確に分けるために、執行役員制度を導入しました。これにあわせて、役員の構成を見直し、従来は社内取締役が3名だったものを、執行役員5名(うち2名は取締役兼務)の新体制として発足しました。弥生には、開発本部、マーケティング本部、顧客サービス本部、管理本部の4本部が存在しますが、私以外の執行役員4名がそれぞれの本部長として管掌とするシンプルな形です。

執行役員のうち3名は、役員への新規登用、またそのうち1名は入社したばかり(といっても卒業生の出戻りなのですが)ということで、今回の合宿の第一のテーマは、執行役員同士の相互理解を深めること。最初は、私も含め自己紹介から。やや恥ずかしさもありますが、もう10年以上一緒に働いていても、へえ、そうなんだというエピソードもあり、この人の行動パターンにはこういった背景があるんだという発見もあり、非常に有意義でした。自己紹介の後には、相互のレビュー。私自身にとっても色々と耳の痛いご意見もありますが、それが今後の成長につながるのだと思います。

朝から夕方までじっくり議論しても、予定されていたアジェンダはだいぶ積み残してしました。ただ、今後この5名の新体制でチーム弥生を引っ張っていく訳ですから、時間はかかっても、じっくりと議論を深めるべきタイミングだと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:43 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月10日

PAPカンファレンスのあり方

例年であればこの時期は会計事務所向けのカンファレンス(弥生PAPカンファレンス)開催のために、全国を行脚しているはずでした。当初の予定では、今週は名古屋、仙台、札幌、来週は東京、広島、福岡、そして再来週に大阪で千秋楽となっていました。今年は、東京オリンピックの影響もあり、3週間で全国7会場とこれまでにない強行軍での開催予定でした(しかし改めてみると相当無茶なスケジュールですね、笑)。

ただ、現実には新型コロナウイルス禍の影響で、一旦すべてのカンファレンスの予定をキャンセルしています。3月頭の時点では、まあ6月には大丈夫だろう、と甘い予想をしていましたが、その後新型コロナウイルス禍が広がりを見せる一方、カンファレンスの集客はそれなりに早い段階から開始しなければならないため、4月に一旦見送りの判断を行いました。

正直に言って、非常に残念です。やはり全国様々な会計事務所の皆さんとお会いするチャンスですから。もちろん個別に会計事務所にお伺いすることもありますが(それもこの状況下ではできていませんが)、一日に多くの皆さんと同時にお会いする機会は基本年に2回開催のPAPカンファレンスに限られます。毎回欠かさずご来場いただく方も多く、こうやって書いている際にも、あああの方はお元気だろうか、とお顔が次々に思い浮かびます。もちろんPAPカンファレンスに合わせて拠点を訪問することも楽しみの一つ。ここ数年間、PAPカンファレンスの運営は若手中心になってきていますが、彼ら/彼女らの成長を実感するのも楽しみです。もちろん、各地で美味しいものを食べるのも隠れた(でもないか)お楽しみ(笑)。

特に今回は、昨年末にPAP会員数が10,000を超えたことのお祝いも兼ねる予定でしたし、また、会計事務所の皆さまから強いご要望をいただいてきた新しいサービスを正式に発表する予定にしていたため、残念さは二重三重という感じです(泣)。

ただ、愚痴を言っていても始まりません。時期はまだ正式には発表できませんが、今後改めて、今回開催できなかった分パワーアップして、より充実したPAPカンファレンスを開催したいと思っています。パワーアップといっても、時代が変わり、前提条件も変わる中で、物理的に一ヶ所に人を集めることに拘るつもりはありません。もちろん集まることの良さもあれば、オンラインでよりフレキシブルに参加いただけることの良さもあります。一回で理想形にたどり着くことはないでしょうが、新しい時代のPAPカンファレンスのあり方を模索したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:13 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月08日

クラウド型の利用率が20%超え

前回は、確定申告期限延長の影響についてお話ししました。期間が延びた分広告宣伝費がオーバーし、さらに緊急事態宣言下でのお問合せ対応に四苦八苦するも、新規ユーザーのサインアップという観点では、前年を大きく超える結果になりました。

ただ、これが市場全体としてどうなのか。弥生が前年を大きく超えたと喜んでいても、他社がそれ以上に伸びていれば意味がありません。これを測るために有効なのが、シェア調査。MM総研では毎年、確定申告期終了時点でのクラウド会計ソフトのシェアを調査、発表しています(この調査は確定申告をされた個人事業主が対象なので、弥生の定義的には、クラウド申告ソフトのシェアとして捉えています)。調査の母数も大きく、また継続的に実施されていることもあり、信頼できる調査として毎年その結果が発表されるのをドキドキしながら待っています(笑)。

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今回の結果は、この通り。弥生はダブルスコア以上と2位以下に大差をつけて、しっかりとNo.1をキープしています。ただし、前年は57.0%だったので、56.7%へとほんのごく僅かに減少。統計上の誤差の範囲ではありますが、シェアは安定しているものの、大きく伸ばすことはできていないという理解になるかと思います。今年は確定申告期間が延長され、ソフトウェアを提供する側にとっては誰にとっても厳しい年でしたから、皆よく頑張っての痛み分けと考えたいと思います(実は昨年までと今年では2位/3位が入れ替わっており、それなりに競争が激しいマーケットであることを物語っています)。

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メーカー間での切磋琢磨は、クラウド利用率の着実な増加にもつながっています。調査初年度である2016年にはクラウド型の利用率は9.2%に留まりましたが、毎年着実に増加し、今回の調査では21.3%と初めて20%を超えました。

弥生の提供する申告ソフトに関しては、既にフローベース(新規のお客さま)では、クラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)を選ぶお客さまの数がデスクトップアプリ(最新製品はやよいの青色申告 20)を選ぶお客さまの数を超えています。一方で、従来からデスクトップアプリを使われている方は、そのままデスクトップアプリを使い続ける方がほとんどです。結果的に、今回の調査のようにある時点での状況を調査すると、デスクトップアプリを使われている方がまだまだはるかに多いものの、クラウドアプリの割合も着実に増加するという構図になっています。今回の調査では、会計ソフトの利用率が前年の32.5%から33.9%に増加していますが、これは従前のデスクトップアプリの市場に加え、クラウドアプリを中心に新たな顧客層を開拓できているという一つの証左かと思います。

来年の確定申告からは、電子申告を行うかどうかで青色申告特別控除の金額が変わるようになります。申告ソフトをしっかり活用して電子申告し、最大限の税メリットを享受する。それが当たり前となるよう、来年に向けてしっかりと準備を進めていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:44 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月04日

延長戦の結果

延長された確定申告期限が到来し、緊急事態宣言も解除され、いつの間にか6月。喉元過ぎれば、とはよく言ったもので、確定申告のことがすっかり過去のことになっています(ひょっとしたら新型コロナウイルス禍の影響で申告が終わっていない方もいらっしゃるかもしれませんが、緊急事態宣言が解除された今となっては、急がないと)。完全に過去のことにしてしまう前に、少し振り返りを。

やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン(弥生オンライン)について、申告期限延長が発表になるまでは見込み通りのペースで新規ユーザーのサインアップが続いていたものの、申告期限延長が発表された瞬間にサインアップのペースがガクンと下がったということを書きました。同時に、一旦ペースは下がったものの、申告期間が長引いた分、3月下旬から4月に入っても新規ユーザーのサインアップが続いたとも。で、結局どうなったのか。

1月から2月にかけては、ほぼ見込み通りのペースで新規ユーザーのサインアップが続いていました。具体的に言えば、前年対比で+17.7%。クラウド申告ソフト市場は、ここ数年間安定的なペースで拡大しており、2月まではこの安定成長ペースに沿った形で、ほぼ見込み通りでした。しかし、申告期限延長が2/27に発表になったために、3月は急減速。前年対比で-29.1%と急ブレーキがかかった状態となりました。そして迎えた4月。例年であれば申告期間が終わっているということで、新規ユーザーのサインアップは3月に比べ大きく減るのですが、今年は全く異なる動きとなりました。

蓋を開けてみれば、4月のサインアップ数は3月を上回り、前年比では+522.6%(要は前年の6倍以上!)というすさまじい数字となりました。1月から4月通算で考えれば、前年比+26.4%。概ね安定的な成長ペースですが、申告期限延長がある程度のプラス要因になったと分析しています。

よくデスクトップアプリのユーザーがクラウドに移行しているのでは、と言われますが、実際はそうではありません。同じ期間(1月から4月)で、デスクトップアプリ(やよいの青色申告 20)も前年を大きく超えました。つまり、デスクトップアプリとクラウドアプリの両方で、前年を大きく超え、成長することができました。

この数だけ見れば、延長戦はプラスの効果があったと言えるかと思います。もっとも、申告期限が延長された間、広告宣伝も繁忙期のペースで継続せざるを得ませんでしたので、広告宣伝費は予算オーバー。また、もっとも辛かったのは、カスタマーセンターでのお問合せ対応です。申告期限延長が発表されてからしばらくは、お問合せはむしろ減少したのですが、4月に向けては再び増加。一方、4/7には緊急事態宣言が発出され、対象となった大阪カスタマーセンターの稼働率を下げるという対応をおこなったため、増える需要に対し、供給が減少し、お待ちいただく時間が長くなってしまいました。それでも確定申告期間の終了まで、メール、チャットはもちろん、お電話での対応も継続でき、お客さまに対する責任は何とか果たせたとホッとしています。

こうしてみると、延長戦はプラスの影響もあり、マイナスの影響もあり。ただ、トータルで言えば、弥生が価値を提供できたお客さまが着実に増加したということで、プラスだったとは言えるのではないかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:36 | TrackBack(0) | 弥生

2020年06月02日

名実ともにONE TEAM

いつの間にやら6月。6月ともなると、一年も半分近く過ぎたことになります。ついこの間までは、年明け気分で、よし2020年(こそ、笑)は頑張るぞ、と思っていたのに、時間が経つのが早いこと。もう3ヶ月間近く新型コロナウイルス禍の影響を受けており、時間感覚が歪んでいるということもありますが。

ただ、こんな状況の下でも将来に向けた仕込みは着々と進んでいます。先週に発表しましたが、来月7月1日に、会社としての弥生(弥生株式会社)とMisoca(株式会社Misoca)を合併することにしました。弥生が株式会社Misocaの全株式を買収し、弥生&Misocaというチームとなったのが、2016年2月のこと。もう4年以上前のことになります(そういった意味でも時が経つのは早い…)。

これまでは、同じチームでありながら、会社としては別法人として運営してきたわけですが、このタイミングで会社として統合することにしたのには大きく二つの理由があります。

一つ目は、2023年10月のインボイス義務化に向けて、開発のスピードを上げていくために、名実共にONE TEAMとして推進すべきと判断したということ。昨年10月に軽減税率が導入されたことはまだ記憶に新しいところですが、一連の消費税法の見直しの一環として、2023年10月から、インボイスの発行が義務化されることが決まっています。これは、売り手が買い手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるために、適格請求書という所定の様式の請求書等(これをインボイスという言い方をします)を発行することを義務付けるものです。インボイス義務化については、また改めてお話ししたいと思いますが、事業者の業務には大きな影響が見込まれます。

2023年10月というと、まだまだ先と思われるかもしれませんが、弥生&Misocaがチームとなってからの4年よりも短い期間、つまりなんだかんだあっという間です。お客さまの業務には大きな影響が見込まれるだけに、できるだけ早いタイミングから情報を提供し、お客さまでの準備を促さなければならないと考えています。また、お客さまに備えていただくためには、当然、インボイス義務化に対応するソフトウェアについても、2023年10月以前に提供を開始しなければなりません。

そしてインボイスは、電子インボイスとして、弥生&Misocaでチームを組む際からの目指す世界である、見積〜発注/受注〜納品/検収〜請求〜支払/入金という商流が一気通貫でデジタルで処理される世界への大きな一歩になるとも考えています。限られた時間でこの世界を実現するためには、リソースを一本化し、効率よく進めていかなければならない。弥生とMisocaのリソースを統合し、インボイス義務化、さらには商流のデジタル化に向けて準備を進める、これが一つ目の理由です。

二つ目の理由は、働き方の多様化。当初からMisocaはリモートワーク前提の働き方を実現していました。ある意味時代を先取りしていたとも言えるかもしれません。それに対し、弥生は、9:00-17:30のオフィスワーク。従来型の働き方でした。もちろん、それで良しとしていた訳ではないのですが、さすがに最初から無理に合わせようとすると、数の理論でこれまでの弥生スタイルである、従来型の働き方に寄せられてしまう可能性は否定できませんでした。ただ、それではMisocaの良い部分を、一部ではあっても潰してしまう可能性があります。

もっとも、弥生としても問題意識を持って、より多様な、より自由な働き方に向けた試行は行っており、リモートワークについても限定的にではありますが、試行していました。そういった中で、このタイミングであれば、Misoca的なリモートワークを中心とした働き方と、弥生的なオフィスワークを中心とした働き方をうまく組み合わせられるところまで来たと判断しました。具体的な制度設計はまだ固まってはいませんが、どちらかに寄せるというよりも、その人の仕事やスタイルに合わせ適した働き方を選べるようにしたいと考えています。

今回の発表のタイミングが、新型コロナウイルス禍の只中になったのは、偶然の産物なのですが、弥生でも強制的にリモートワークを実践することによって、弥生とMisocaの良いところを持ち寄って、新しい働き方を実現できるし、実現しなければならないと改めて感じています。

なお、クラウド見積・納品・請求管理サービスとしてのMisocaは既に以前より、弥生のクラウドサービス(弥生オンライン)のラインアップに統合されており、今回の合併はお客さまへの影響はありません。お客さまから見えないところでの動きではあるのですが、この先、お客さまからはっきり見える価値を生み出せるよう、Misocaと名実ともにONE TEAMとなった新しい「弥生」として努力していきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:16 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月25日

出口戦略

本日18時より安倍総理による記者会見が開催され、改正特別措置法に基づく緊急事態宣言を全国で解除することが説明されました。4/7に7都道府県を対象に発出されてから1ヶ月半ちょっと。ようやく日本全体として「今回の流行をほぼ収束させることができ」、緊急事態からは脱却したことになります。

緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスの脅威がゼロになるわけではありません。ただ、「これまでの社会、経済活動を厳しく制限したやり方では、私たちの生活は立ちゆかなくなる」。だからこそ、「感染リスクをコントロールしながら」「段階的に」「日常の社会経済活動を取り戻す」フェーズに入ってきたのだと思います。

弥生自身は、5/14にまず39県での緊急事態宣言が解除されたのを受け、翌5/15に、名古屋・福岡・広島・仙台での対応レベルをレベル3に移行し、また5/21の大阪府他2府1県での解除を受け、週明けとなる本日5/25には大阪での対応レベルもレベル3としました。今回の全面的な解除を受け、残る東京・札幌でも近日中にレベル3に移行することになります。

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レベル4では、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のない事業活動についてはリモートワークを徹底していましたが、レベル3でも、リモートワークが推奨ですので、これまでと極端に変わる訳ではありません。リモートワークで事足りるのであれば、もちろんリモートワークということになります。ただ、必要があれば出社しての業務が認められるようになります。訪問や来客なども、引き続き、Zoomなどを活用しますが、打合せの必要があるものの、他に選択肢がない、また先方の強いご要望があるといった条件が重なれば、リスク低減策を徹底した上で、訪問や来客も限定的に可能となります。つまり基本的にはレベル4と同様の対応とはなりますが、状況に応じて、取れる選択肢が増えるということです。

カスタマーセンターでのお客さま対応業務は、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響がある業務として、レベル4でも出社人数を限定しながら継続していました。レベル3でも、引き続きリスク低減策を取ることは必要ですから、いきなり全面稼働とはいきません。ブース間にアクリルの仕切り版を設置するなど、リスク低減策を改めて徹底しつつ、段階的に稼働率を上げていきます。リスク低減策という意味では、リモートで対応できる範囲を広げる努力も続けていきます。既にメールやチャットはリモートでの対応を行っていますが、一部の電話でのお問合せに関してもリモート対応を実験的に始めています。

緊急事態宣言の解除を踏まえ、レベル4からレベル3への移行判断は比較的容易ですが、難しいのはここから先ですね。どこでレベル2とするのか、その先レベル1とするのか。弥生のレベル3は「週末/夜間など範囲を限定して行動自粛が求められている」というのが一つの基準になっており、一方でレベル2はリスク低減策の徹底は求められても、基本的には行動自粛が求められていない状態となります。

大阪府では比較的早く出口戦略を公開しており、大阪府での緊急事態宣言の解除前となる5/16から「グリーンステージ1」として営業休業要請の解除を始め、現時点では5/29までにすべての施設の休業要請の解除を目指すとされています。一方、東京都でも休業要請緩和のステップが示されていますが、これは、今回の緊急事態宣言の解除を受けてから「ステップ1」に入り、その後目安として2週間ずつかけ、状況をモニターしながら、休業要請などの緩和を進めていくとされています。つまり大阪府の場合には、早ければ今月中に(当然リスク低減策は取りながら)全面的に開放するのに対し、東京都の場合には、これから数週間かけての段階的な緩和になるようです。

弥生としての次の段階はレベル2になりますが、何をもってレベル2とするのか、なかなか判断に迷うところです。一方で、感染が再び拡大すれば、逆にレベル3からレベル4という判断もありえます。出口に向けてはやる気持ちは抑え、まずはレベル3での安定的稼働を図りつつ、その先に向けては、しっかりとした情報収集と冷静な判断が必要だと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:08 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月21日

どうする通勤定期

今日はついに関西3府県で緊急事態宣言が解除されることが発表されました。残る、北海道、および関東4府県は週明けにも再度状況の評価を行うとのことです。

前回もお話ししたように、緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスがいなくなった訳でもありませんし、そのリスクがゼロになった訳でもありません。リモートワークなど、リスク低減策をしっかりとっていく必要があります。その制約の中で、どのように社会経済活動を継続していくのかが問われるフェーズになってきました。

私自身は緊急事態宣言が発出された4月7日以降ずっと自宅勤務ですが、私自身も緊急事態宣言後を考えるタイミングになってきました。では緊急事態宣言が解除されたら、従来と同じように、毎日朝9時に出社してとなるかというと…、そうではないと思っています。

一つ目の理由としては、上述のように、緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスの脅威がゼロになるわけではないから。二つ目の理由は、新しい働き方の可能性に気が付いたから。今回のリモートワークは、感染リスク低減という受け身な理由で始まったものですが、今回の経験を通じて、そのメリットが見えてきています。満員電車での通勤で朝から疲れることもない。オフィスより集中できる(環境が整えば等、一定の条件はありますが)。目的を情報共有に限定すればビデオ会議でも十分機能する。

ただ一方で、リモートワークの難しさも見えてきています。情報共有だけではなく、皆の目線を合わせる、さらには議論を通じてよりよい成果を求めようとすると、ひざ詰めでのディスカッションの方がいいケースもあるでしょう。また、既に関係性が確立した仲間でのリモート協業は比較的容易でも、新しく参加した方とのリモートでの協業は難しい。もっと言えば、単純に会いたいというのもありますね。私はチーム弥生の皆に会いたくてたまりません。

そういった意味で、おそらくはオフィスワークとリモートワークを組み合わせ、生産性と働きやすさの両立を(さらに当面はリスク低減も)図っていくのだと思います。ではオフィスとリモートがどのような組み合わせになるのか。正直、まだわかりませんし、最適なバランスは、職務や職責、その人の特性でも変わってくるのだと思います。私自身、試行錯誤を繰り返して、最適なバランスを見出していくことになるでしょう。

そこで少し悩むのが、いきなり現実的な話ですが、通勤定期をどうするのか。ほとんどオフィスワークで、たまにリモートワークであればこれまで通り通勤定期を買うのでしょうし、逆にほとんどリモートワークで、たまにオフィスであれば、オフィスに来るたびに切符を買う(というよりは今どきはSuicaだったり、PASMOだったり)方が経済的でしょう。

では、その中間はどうなのか。ちょっと調べてみました。私の通勤はJRのみで、Suicaでは片道561円。行って帰っての往復では1,122円です。この区間で通勤定期を買うと、1ヶ月で16,110円、最も割引が大きくなる6ヶ月では80,620円。これを往復1,122円で割って、さらに月単位とすると、1ヶ月 16,110円 = 14.4日/月、6ヶ月 80,620円 = 12.0日/月という採算ラインになります。年間の稼働日はざっくり240日(土日祝や夏休みなどを除く)なので、基本的に1ヶ月の稼働日は20日。つまり6ヶ月定期の場合、週3日の通勤であれば何とかトントンというところです。

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そういえば、と思ってみたところ、何と今の通勤定期は5月末まででした(4月以降全く使っていませんので、知らない間に切れるところでした、笑)。定期を買うかどうか、早々に判断しなければなりません。まあ、一旦は6ヶ月定期を買うのだと思いますが、中長期的にはどうなっていくのでしょうね。
posted by 岡本浩一郎 at 19:38 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月19日

焦らずに、でも一歩ずつ

緊急事態宣言が発出されて以降、弥生では対象地域の事業所の対応をレベル4としており、原則リモートワークとしています(なお、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響が大きいカスタマーセンターについては、出社人数を限定するなどリスク低減策を取った上で出勤しての対応を継続しています)。私自身もそれからずっと在宅勤務。良くも悪くも慣れてはきました。

この緊急事態宣言の間ずっと我慢していたのが、調髪(今どき、ヘアカットと言った方がいいのでしょうか)。前回美容室に行ったのが、確か春分の日の3月20日。通常は5週間の間隔で髪を切りに行っているので、通常のペースであればゴールデンウィーク前には切っておきたいところです。ただ、緊急事態宣言中ということを踏まえ、一旦は宣言が解除されるまで待とうとしていたのですが、宣言が延長され、なおかつさすがに煩わしくなってきました。粘りに粘ったものの、もう限界ということで、平日になりますが昨日、約8週間ぶりとなる美容室に行ってきました。

あえて平日にしたのは、週末よりは空いているだろうと思ったから。実際、他のお客さまもいらっしゃったものの、充分空間は確保された状態。窓も開け放たれ換気も意識されているようでした。美容師さんは当然マスク着用。私も当然マスクをして行ったのですが、どうするのかと思ったら、洗髪も含め全てマスクをしたままで済みました(クリップ? 輪ゴム?を使って、マスクを耳に掛けるのではなく、首の後ろにかかる状態にしていました)。これであればリスクはゼロにはならないものの、相当低減できるなと感じました。8週間ぶりに髪を切った感想は、サイコーです。すっきりしました。

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もう一つ我慢していたのがStarbucks。Starbucksは緊急事態宣言発出を受け、東京や大阪などの店舗では休業が続いていましたが、本日から一部店舗で営業を再開したとのこと。緊急事態宣言が続いている地域ではテイクアウトのみということですが、近所に5店舗ほどある中で、今日から営業再開した店舗が1店舗あることを確認し、早速行ってきました。久し振りのStarbucksは、やっぱりサイコーです。やっぱりこの味という感じ。

先週木曜日には、39県での緊急事態宣言が解除されました。弥生でも解除された地域にある、名古屋・福岡・広島・仙台の各営業所については、緊急事態宣言の解除を受け、今週月曜日から対応レベルを従来の4から、3に戻しました。対応レベル3でも、リモートワークが推奨ですので、4と極端に変わる訳ではありません。訪問や来客なども、極力Zoomなどを活用するということで、これも変わりません。ただ、打合せの必要があるものの、他に選択肢がない、また先方の強いご要望があるといった条件が重なれば、リスク低減策を徹底した上で、訪問や来客も限定的に可能としています。

緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスがいなくなった訳でもありませんし、そのリスクがゼロになった訳でもありません。リモートワークなど、リスク低減策をしっかりとっていく必要があります。ただ、その中で、どのように社会経済活動を継続していくのかが問われるフェーズになってきたと考えています。焦らずに、でも一歩ずつ。
posted by 岡本浩一郎 at 19:22 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月15日

API連携、急ピッチで進行中

2月ぐらいから断続的に発表しており、4月/5月にはかなりのハイペースで発表していますが、銀行とのAPI連携を急ピッチでリリースしています。現時点で約30行との契約が完了し、API連携がスタートしています。

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ご承知のように弥生のスマート取引取込では、インターネットバンキングのデータを自動で取り込み、AIで自動で仕訳データとして登録することができます。これまで、インターネットバンキングのデータの取り込みについては、スクレーピングという方式を利用していました。これはいわばお客さまになりすまして、インターネットバンキングにログインし、データを取り込む方式です(データを「掻き取る」という意味でスクレーピングと言われます)。この方式は、どんなウェブサービスにでも対応しやすいというメリットがある一方で、対象となるウェブサイトの構成が少しでも変わるとデータを取り込めなくなる可能性がある、万が一問題が発生した場合に責任の所在が曖昧であるという課題がありました。

このため、2018年に銀行法が改正され、銀行にデータを取得するためのAPI(Application Programming Interface)と呼ばれる接続口の提供の努力義務を課すと共に、弥生のようなFinTechサービス提供会社(電子決済等代行業者)は銀行と契約を締結した上でAPIで接続することが義務付けられました。弥生は2018年12月にこの電子決済等代行業者としての登録を済ませています。この銀行法の改正の中で、銀行とFinTechサービス提供会社の契約締結を2020年5月末までに済ませることが求められており、急ピッチで対応を進めてきている訳です。

契約締結にせよ、システム対応にせよ、数多くの銀行と同時並行で進めていかなければならないので、かなりチャレンジングなタスクです(契約という意味では、以前お話ししたオープンAPI推進研究会で策定した条文例が一助にはなっています)。また、契約締結にともなって各銀行に対しAPI使用料を支払うことになり、弥生の金銭的な負担は実のところ決して軽くありません。ただ、お客さまにとっては、安定性の観点でも、セキュリティの観点でも、スクレーピングよりAPIの方がベターなのは明らかであり、API連携を全力で進めています。

なお、本来は5月末までの期限だったのですが、新型コロナウイルス禍の影響により、つい最近、期限が9月末までに延長されました。少し時間が得られてホッとしていますが、9月までもおそらくあっという間。引き続き、着実に進めていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:10 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月13日

200万突破

3月以降、本ブログで書いている内容は、確定申告期限の延長や、弥生の対応、事業者への支援策、リモートワークなど、新型コロナウイルス禍に関連するトピックが中心でした。一方で4月半ば過ぎからは、新規の感染確認者の数は明確に減少トレンドに入り、緊急事態宣言は延長されたものの、一部地域を除いては5月中の緊急事態宣言の解除の方向性と報道されるようになりました。まだまだ油断できる状況ではありませんし(ですから私は、一日最低5,000歩を心がけながらも基本的にリモートワークを続けます)、緊急事態宣言が解除されたからと言って何も考えずに大手を振って出歩ける訳ではありませんが、それでも少なくともこの緊急フェーズからの出口は見えつつあると感じています。

ということで、本ブログでもより前向きな話も織り交ぜていきたいと思います。3月中旬とやや間の悪いタイミングでの発表になってしまいましたが、実は今年2月末で弥生シリーズの登録数が200万を突破しました。

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100万を突破した際にも本ブログでお話しした、と思いきや華麗にスルーしてしまったようです(笑)。2011年3月には「約85万」、2012年8月には「もう少しで100万」とお話ししたものの、次にお話しした2014年10月には「128万」と一気に100万を超えてしまいました。ここ数年間の推移は上のグラフの通り。コンスタントに数を伸ばし、遂に200万を突破したという訳です。

特にここ5年ほどは、クラウドアプリケーションとデスクトップアプリケーションの両輪でユーザーが増えているため、登録ユーザー数は非常に順調に伸びています。特に個人事業主の方を中心にクラウドアプリケーションの利用が増える一方で、法人ではまだデスクトップアプリケーションの利用が多く、クラウドとデスクトップでマーケットを食い合うというよりは、まさに両輪として機能しています。

1月末には、弥生の会計事務所向けパートナープログラム「弥生PAP(Professional Advisor Program)」の会員数が2019年12月末に10,000事務所を突破しましたとお話ししましたが、この際には、「弥生PAPは、あくまでもパートナー制度」であり、PAP会員数を無限に増やすつもりはないと書きました。

一方で、「お客さまであれば、もちろん数が多いのはいいこと」と書きました。今回の登録ユーザー数200万突破はその意味での通過点です。より多くの事業者の方に価値を提供できるよう、しっかりと歩み続けたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:32 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月07日

レベル4継続

5/4の国による緊急事態宣言の延長判断を受け、弥生は、これまでと同様、対応レベル4を当面の間継続します。すなわち、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のない事業活動については引き続きリモートワークを徹底します。一方で、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のある事業活動、特にカスタマーセンターでのお問合せ対応業務については、リスク低減のために出社人数を限定するなど稼働体制を見直した上で、業務を継続します。

今回の緊急事態宣言の延長は5/31(日)までとされており、これに従って現時点では5/31(日)まで対応レベル4を継続することを想定しています。一方で、この期間中も、一定のタイミング(現在報道されているところでは14日、21日)で地域ごとの状況の再評価を行い、場合によっては、都道府県単位での緊急事態宣言の解除もありうるとされています。弥生としては、原則として政府の判断に基づいて拠点ごとに対応レベルの見直しを行う予定です。

緊急事態宣言の延長の方向性自体は4月末から示されていましたし、驚きはありません。弥生としても、引き続き電話がつながりにくい状況が続くのは大変申し訳ないのですが(極力メールもしくはチャットでのお問合せをお願いします)、基本的にはこれまでの対応レベルを継続するということで、何とか乗り越えてはいける(いきたい)と考えています。

一方で、弥生のお客さまである事業者の皆さまが極めて厳しい状況になってきていることを実感しています。ゴールデンウィークに、テイクアウトという形で自分なりに協力を心がける中でお話をお伺いしたところ、やはり非常に厳しいとのこと。3月は何とかなったものの、やはり緊急事態宣言以降はお客さまが激減しているとのこと。もちろんサンプル数は少ないですし、業種による差もあると思いますが、こういった状況は決して例外ではないと感じています。

4/27に事業の持続化給付金の詳細が公開され、5/1には申請が開始されました。中小企業庁からの直接の協力要請もあり、弥生では、お客さまにプッシュする形で持続化給付金に関する情報提供を行っていますが、この情報提供ページには既に30万以上の事業者からのアクセスがありました。また、カスタマーセンターでも持続化給付金に関するお問合せが明確に増加しています。これは公的な支援に対する期待の表れでもありますし、同時に、事業者の皆さまが置かれている厳しい現実の表れでもあると感じています。

残念ながら事業者にとって厳しい環境が続きます。そんな中でも、弥生としてできることをしっかりと継続していきたいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:17 | TrackBack(0) | 弥生

2020年05月01日

データを活用する社会に

昨日4/30に2020年度の補正予算が成立し、これを受けて本日より特別定額給付金(一人10万円)や、事業者向けの持続化給付金(中小法人等は200万円、個人事業者等は100万円)の申請が始まりました。持続化給付金のオンラインでの申請はこちらから。午前中はアクセスが殺到し、ログインできない状況が続いたようですが、夕方以降は落ち着いてきているようです。

弥生では、申請に必要な書類等について、こちらのページでご案内しています。申請に際し、今年分の売上が減少した月に関して、対象月の事業収入額がわかる売上台帳等を提出する必要があるのですが、同ページで、帳簿(総勘定元帳など)を出力する方法をFAQとしてお知らせしています。

持続化給付金については、業種や地域を限定せずほとんどの事業者(一部例外はあります)が対象になる、また、いずれは返済を要する融資ではなく、返済を要しない給付であるということで、期待も大きいですし、同時に国としても、事業者が速やかに給付を受けられることを非常に重視しています。色々な声はあると思いますが、裏付けとなる補正予算が成立した翌日から申請受付が開始され、電子申請であれば通常2週間程度で入金がされるというのは関係者の努力の賜物だと思います。弥生としても、この制度をしっかり周知することを中心に協力をしていきます。

しかし同時に、残念だと思うのは、オンラインでの申請と言いつつ、申請はあくまでも紙(をスキャンもしくは撮影したもの)が前提になっていること。スキャン/撮影されているので、オンラインで申請することは可能ですが、その後の確認作業は手作業になっているのではないかと思います。おそらく多数の人手を用意し、それによって2週間程度での給付を実現するのだと思いますが、紙ベースではなく、データを活用するのであれば、人手もいりませんし、即日での給付も可能なはずです。

そう、会計データを活用すれば、昨年度の売上も今年の売上もデータとして把握することができますし、給付額を機械的に算出することができます。これはアルトアが会計データを活用し、融資の審査を実施し、最短即日での融資を実現している仕組みと本質的には変わりません(持続化給付金の方が審査としては圧倒的に単純だと思います)。

日本では、公的支援が遅れている、遅いと言われていますが、それはやはり紙ベースの処理になっているという要因が大きいと感じています。以前紹介した雇用調整助成金についても、殺到する申請に対して、審査/助成が追い付いていないと言われていますが、これも紙ベースということも多分に影響しているはずです(緩和されてはいますが、そもそも準備する書類が多すぎて、申請にも至らないとも聞きます)。そういった意味では、特別定額給付金については、マイナポータルでのオンライン申請、かつ、その後は基本的に機械的処理がなされるはずで、これは給付までのスピードを実現する上で非常に素晴らしいことだと思います(このような状況ではありますが、色々と言われているマイナンバーの有効性を示すことになって良かったと感じています)。

弥生が得意とする会計データをはじめとして、もっとデータを活用すれば、事業者の皆さんをもっと迅速に支援できるはず。それができていないことにもどかしさを感じています。データが持つ力を活用することができる社会にするために、弥生として重い宿題を課されたと感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:49 | TrackBack(0) | 弥生

2020年04月28日

再び月末

もう4月もあっという間に月末が見えてきました。東京都が呼びかける「STAY HOME週間」ということで、長めの連続休暇に入っている方もいらっしゃるとかと思います。弥生も業務に支障がない範囲で、この月曜日から来週いっぱいまでを有給休暇取得推奨期間としています。また、緊急事態宣言は現在のところ5/6(水)までとされており、ゴールデンウィーク中に今後の判断がなされる模様ですが、ゴールデンウィーク中に対応レベルを切り替えるのは混乱を招きかねないことから、少なくとも5/8(金)までは現在の対応レベル、レベル4を継続することとしています。

しかし、多くの事業者の方にとっては、まずはこの月末をどう乗り越えるかが課題です。3月末は何とか凌いだものの、4月末は厳しいという事業者も増えてきていると感じています。オンライン融資サービスを提供しているアルトアでは、4月に入ってから返済の一時猶予となる「リスケ」要請が明らかに増えています。正直これを書くこと自体で波紋も呼ぶように感じていますが、絶対件数としては少数でも、傾向として増えていることは紛れもない事実です。

一方で、新規の融資自体はこれまで通りの基準で継続しています。本人確認の手続きもオンライン化することにより(Androidも対応しました!)最短当日中の融資も可能になっていますので、今日これからお申込みいただいて、30日に融資を実行することもまだ可能です。アルトアはまだまだ小さい存在ですし、できることは限られていますが、一社でも多くの事業者のお手伝いをできればと考えています。

ただ、この状況下で融資を継続することは正直に言って怖いです。アルトアは会計データをAIで分析することによって、事業の収益性と継続性を評価しています。本来は一定の収益性が確保されており、継続性があるべき事業者の方でも、これだけの未曽有の状態の中で、今後どうなるかは極めて不透明な状況です。最大300万円、最長1年間というアルトアの融資では、一過性のつなぎとしてのお手伝いはできても、この先何ヶ月、あるいは何年かかるかもしれない新型コロナウイルス禍の期間を支え続けることは残念ながらできません。より中長期での資金繰り対策という観点では、公的支援を是非活用いただきたいと思います。既に弥生でもアルトアでも事業者が得られる公的支援について情報提供(弥生アルトア)を行っており、これは今後も継続していきます。

公的支援としては、「事業持続化給付金」の詳細が昨日公開されました。弥生でも既に速報として情報発信を始めています。既に様々な公的支援が打ち出されていますが、持続化給付金については、業種や地域を限定せずほとんどの事業者(一部例外はあります)が対象になる、また、いずれは返済を要する融資ではなく、返済を要しない給付であるということで、期待も大きいですし、同時に国としても、事業者が速やかに給付を受けられることを非常に重視しているようです。弥生としても、中小企業庁からの直接の協力要請を受けており、情報を正確にタイムリーにお伝えすることによって、多くの事業者が速やかに給付を受けられるよう、可能な限り協力をしていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 18:30 | TrackBack(0) | 弥生