2019年03月13日

番外編(やっぱり青色申告)

先月から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。準備編、記帳編、そして申告書作成編を終えました。確定申告期限は明後日の3/15(金)。Twitterを見ていても、


といったツイートが増えてきました(え、ステマになってますか、笑)。また、税理士の先生方ともFacebookでつながってる方が多いのですが、「終了」「もう少し」という投稿が目立つようになりました。

個人事業主で申告される方も、それを支える会計事務所の皆さまも、あともう少し。ラストスパート、頑張ってくださいね。

さて、今回の解説シリーズでは、基本的に「やよいの青色申告 19」や「やよいの青色申告 オンライン」を題材にお話ししてきました。つまり、青色申告されている方を念頭にお話をしてきました。一方で、弥生は白色申告のお手伝いも行っています。

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弥生は青色申告をされる方向けにはやよいの青色申告 オンラインを提供していますが、同時に、白色申告向けのやよいの白色申告 オンラインも提供しています。弥生としておススメなのはやはり青色申告ですが、実際には白色申告の方も多く、過去一年間の青色申告 オンラインと白色申告 オンラインの登録者数は拮抗、青色申告の方がやや多いかな、という状態です(デスクトップのやよいの青色申告も含めると、青色申告の方が圧倒的に多くはなりますが)。

青色申告 オンラインと白色申告 オンラインでは、両方とも1月から3月に登録(利用開始)が増えるのは共通なのですが、それ以外の月での登録(利用開始)が比較的多い青色申告に対し、繁忙期を過ぎると一気に減る白色申告という違いがあります。結果的に、2月/3月に限って言えば、青色申告より白色申告の方が多くなります。しっかりと備える青色申告派に対し、必要になったら行動する白色申告派という特性の違いがあるのかもしれません。

ただ、弥生としておススメしたいのは、やはり青色申告。それは、本ブログでもさんざんお話ししてきました(聞き飽きました?)が、明確な税金上のメリットがあるから。やよいの白色申告 オンラインをご利用の方には、青色申告のメリットを具体的に数字でお示しするようにしていますが、こちらのシミュレーターではどなたでも、節税効果を確認することができます。実際に見たら効果の大きさに驚くと思いますよ。

税金上は圧倒的に有利な青色申告ですが、誰でもが自由に選ぶことはできません。これまで白色申告をされていた方が青色申告に切り替えるためには、青色申告で申告をする一年前に、「青色申告承認申請書」を提出する必要があるのです。つまり、来年こそは青色申告という場合には、今年の申告期限中(つまり3/15(金))までに、青色申告承認申請書を提出する必要があります。ということで、今年は白色申告、でも来年からは、やるぞ、青色申告という方は今回の申告書とあわせて、青色申告承認申請書の提出もお忘れずに。青色申告承認申請書は単純な一枚物なので、10分程度で記入できるはずです。
posted by 岡本浩一郎 at 15:09 | TrackBack(0) | 弥生

2019年03月08日

申告書作成編(その2)

先々週から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。準備編、記帳編を終え、いよいよ申告書作成編です。前回は、デスクトップアプリケーションである「やよいの青色申告 19」を利用して申告書を作成しましたが、今日は、クラウドアプリケーションである「やよいの青色申告 オンライン」を利用して申告書を作成してみます。

デスクトップアプリとクラウドアプリという違いはありますし、それゆえのユーザーインターフェイスの違いはありますが、ソフトウェアの誘導に従っていただければ、税金に関する知識がなくても申告書を作成できてしまう、という点は全く一緒です。どちらも弥生ですからね。

やよいの青色申告 オンラインの確定申告の画面では、まず最初に確定申告の手順という画面が表示されます。基本的にこの画面の誘導に従っていただければ、ステップ・バイ・ステップで、青色申告決算書と確定申告書の作成ができてしまう、という仕組みになっています。

前回も話したように、所得税を(言うまでもなく合法的に)最小化するためには、控除をしっかりとゲットすることが大事ですが、弥生ではあれば、どの控除が該当するのか、迷うことはありません。

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所得控除の選択という画面で、どういった控除が存在するのかをしっかり理解しながら、「はい/いいえ」で答えるだけ。画面の案内に従うだけで、該当する控除を迷わず選ぶことができるだけでなく、実際に控除を得るために必要な入力を漏らすことなく済ませることができるようになっています。

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今回の申告での難関ポイントである配偶者控除/配偶者特別控除についても、青色申告決算書を作成する際の基本情報で家族の情報を登録しておけば、あとは必要な情報を入力するだけ。

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配偶者の所得が100万円(画面上には表示されていませんが、本人の所得が900万円以下を想定)ですと、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除となり、その金額は26万円となることが自動的に計算されます。

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扶養控除についても、結構間違えやすいのですが、基本情報を踏まえ、正しい申告書になるように誘導します。残念ながら、16歳未満の子どもは扶養控除の対象とならない(その代わりに児童手当が支給されるようになっています)のですが、基本情報の家族の生年月日を踏まえ、扶養控除が受けられない場合には、「扶養控除は受けられません」と明示するようになっています。一方で、住民税・事業税に関する事項の中で、16歳未満の扶養親族について記入する欄があるのですが、そちらに自動で記載するようになっています。

前回ご紹介したやよいの青色申告 19と同様に、やよいの青色申告 オンラインでも、やっかいな法令を理解する必要はなく、画面の誘導に従って情報を入力すれば、自然と正しい申告書が作成できるようになっています。これなら初めての青色申告でも安心ですよね。

さあ、いよいよ確定申告の期限前の最後の週末を迎えます。もうやらない/できない理由はないですよね。この週末に一気に済ませてしまいましょう。私も、この週末に仕上げます(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:55 | TrackBack(0) | 弥生

2019年03月07日

申告書作成編(その1)

先々週から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。準備編、記帳編を終え、いよいよ申告書作成編に入りたいと思います。今日は、デスクトップアプリケーションである「やよいの青色申告 19」を利用して申告書を作成します。

ここまで結構長々と説明してきただけに、申告書作成も長い説明が続くのか…、と思われるかもしれませんが、実は、申告書作成編はあっさりです。というのも、ここで長々と説明するよりも、ソフトウェアの誘導に従っていただくのが一番だからです。

やよいの青色申告 19の決算・所得税申告の画面では、左側に操作ナビが表示されます。基本的にこのナビの誘導に従っていただければ、ステップ・バイ・ステップで、青色申告決算書と確定申告書の作成ができてしまう、という仕組みになっています。

操作ナビでは、申告書全体の流れとして、

(1) 決算前に行う作業を確認しよう
(2) 青色申告決算書(一般用)を作成しよう
(3) 所得税確定申告書Bを作成しよう

という3つのステップが表示されており、それぞれのステップをクリックすることで、行うべき作業を確認したり、実際の作業を進めることができます。

ここでは例として、最後の山場である確定申告書の作成のステップをご紹介したいと思います。準備編で、「所得税を(言うまでもなく合法的に)最小化する上で、もう一つ重要なのが、控除をしっかりとゲットすること」と書きました。とはいえ、控除も色々あって、どれが該当するのか迷ってしまいますよね。

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でも、弥生なら大丈夫。操作ナビの中で、「所得控除で節税する」というステップが明確に示され、なおかつ「入力が必要な項目を診断する」ことが可能です。診断では、どういった控除が存在するのかをしっかり理解しながら、「はい/いいえ」で答えるだけ。画面の案内に従うだけで、該当する控除を迷わず選ぶことができるだけでなく、実際に控除を得るために必要な入力を漏らすことなく済ませることができるようになっています。

今回の申告から非常に複雑な制度になったのが、配偶者控除/配偶者特別控除。昨年末の年末調整時期にもお話ししましたが、本人の所得と配偶者の所得の掛け合わせで配偶者控除か、配偶者特別控除か、あるいは、いずれもなしか、また、配偶者特別控除の場合には控除額も決まるようになりました。

そもそもが複雑な制度なので、これを理解して、間違えずに入力するのは至難の業…、のようにも思えますが、ここでも弥生なら大丈夫。

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弥生であれば、配偶者の所得金額そのものを入力すれば、本人の所得金額も踏まえ、自動的に適用される控除、および控除額を計算してくれます。画面イメージのケースでは、配偶者の所得が100万円。この場合(画面上には表示されていませんが、本人の所得が900万円以下を想定)、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除となり、その金額は26万円となります。

つまりやっかいな法令を理解する必要はなく、やよいの青色申告 19の誘導に従って情報を入力すれば、自然と正しい申告書が作成できるようになっているわけです。

今回は、デスクトップアプリである「やよいの青色申告 19」での申告書作成についてご紹介しましたが、次回はクラウドアプリである「やよいの青色申告 オンライン」での申告書作成についてもご紹介したいと思います(だいたい言いたいことは想像がつくと思いますが、笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:48 | TrackBack(0) | 弥生

2019年03月04日

記帳編(その3)

3月に入って、確定申告期間も折り返し地点を過ぎました。申告期限までの週末は、もう今週末のみ。比較的のんびりしたペースで進めているこのシリーズですが、さすがに、そろそろ、焦るべきタイミングです。この週末には申告書の作成に集中できるよう、今週中に帳簿付けを済ませておきたいところです。

帳簿付けは、可能な限り自動で。手入力の場合には、同じような取引を続けて入力することによって、効率的に入力しましょう。

さて、今回は、帳簿付けする上で「あるある」な、これってどう帳簿に付けるの、にお答えしたいと思います。

もっともよくある質問は、これはどの勘定科目なの、というもの。例えばコピー用紙を買ったとして勘定科目は? 何となく該当しそうなのは、消耗品費か、事務用品費ぐらいでしょうか。あるいは資料として本を購入した際は、新聞図書費か、書籍費か、あるいは資料費か。思い切って雑費というのも万能な気がします。答えは、それらしければ、基本的にはどれでもいい、です。

大事なのは、一定のルールに従っていること。本を買った時に、ある時は「新聞図書費」だが、別の時は「書籍費」など、同種のモノに異なった勘定科目を使うことは避けるべきですが、逆に言えば、一定のルールに従えば、勘定科目はあまり厳密に拘る必要はありません。

あまり厳密に拘る必要がないという意味では、雑費もありといえばありです。ただ、何でもかんでも雑費としてしまうと、結局一切分別していないことになってしまうので、これだ、という勘定科目がない場合、あるいは、まれに発生する経費のみ雑費とすべきかと思います。一年に一回しか本を購入しないのであれば、わざわざ新聞図書費として分けて管理せず雑費で十分ですし、資料を大量に購入するのであれば、やはり新聞図書費として分別して管理した方が望ましいでしょう。

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個人事業主の場合、一つ参考になるのが、青色申告決算書(損益計算書)に最初から表示されている勘定科目。青色申告決算書上デフォルトで表示されているのは、以下の18の勘定科目です。

租税公課、荷造運賃、水道光熱費、旅費交通費、通信費、
広告宣伝費、接待交際費、損害保険料、修繕費、消耗品費、
減価償却費、福利厚生費、給料賃金、外注工賃、利子割引料、
地代家賃、貸倒金、雑費

ですから、迷ったらまずはこの18の中から選ぶでも良いと思います。なお、やよいの青色申告では、この18以外の勘定科目を利用した場合には、自動的に「その他経費」という科目に合算されて表示されるようになります。ただ、比較的よく発生する経費がある場合、例えば新聞図書費が多いという場合には、新聞図書費という勘定科目を独立して表示させるようにもできます(そのためにいくつか空白の行が用意されているのがわかるかと思います)。

デフォルトの18科目以外に、比較的よく使われる科目は、支払手数料、会議費、新聞図書費ぐらいかと思います。使用する勘定科目を、デフォルトの18+必要に応じてのαとし、それに該当しないものは全部雑費とすれば随分とすっきりしますね。

いちばん避けるべきは、勘定科目の選択に悩んで帳簿付けの手を止めてしまうこと。悩んだら雑費でも構わないので、まずは一通り帳簿付けを終えてしまいましょう。

なお、上記は基本的に経費の観点でお話をしていますが、PCなど10万円以上するものは通常は「固定資産」となり、一般的な経費とは異なる扱いが必要になります。ただし、青色申告の場合は、減価償却の特例により、事業で使う30万円未満の固定資産を一度に経費にすることが認められています。詳細はこちらをご覧いただければと思いますが、これも青色申告のメリットの一つです。
posted by 岡本浩一郎 at 19:01 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月28日

記帳編(その2)

いよいよ2月も今日で終わり、確定申告期間も折り返し地点です。時間に余裕がある(?)週末は、今週末と来週末のみ。今週/来週は粛々と帳簿付けを進めていき、来週末は申告書の作成に集中できるようにしておきたいところです。

前回お話ししたように、平成という時代も終わる今、帳簿付けはどんどん自動化を進めたいところです。取引は、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなど、取引履歴が電子データとして得られる手段にして、その履歴をスマート取引取込を使って自動で仕訳する。ただ、一般的に取引履歴を取得できる期間が限られるため、今からスマート取引取込を活用しても今回の申告では充分活用できないかもしれません(とは言え、来年のために、ここでスマート取引取込の設定をしてしまいましょう、というのは前回お話しした通り)。

今回自動での記帳ができないとしても、諦める必要はありません。手入力で記帳するといっても、コツをつかめば意外に早く終わらせることができます。

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特に初めて青色申告をされるという方にご活用いただきたいのが、「かんたん取引入力」。

かんたん取引入力では、いわゆる仕訳を知っている必要はありません。入力エリアの右側に「取引例を探す」というボタンがありますが、ここをクリックして、取引のキーワードを入力します。例えば、「携帯電話」。そうすると「携帯電話代の支払い」といった取引が表示されますので、それを選べば仕訳の「もと」となる情報がセットされますので、後は日付や金額といった情報を入力すればokです。仕訳というと、勘定科目やら借方・貸方やら途端に面倒臭く感じますが、かんたん取引入力では、行った取引を選べば結果的に仕訳を正しく入力できるようになっています。

ここまでは、「かんたんやさしい」弥生であれば当たり前の話。この「かんたん取引入力」で注目いただきたいのが、登録ボタンの左側にある「同じ取引を続けて登録する」というチェックボックス。このチェックボックスをチェックした上で登録すると、同様な取引をサクサクと入力することができます。

これは先週お話しした領収書の整理方法にもよるのですが、例えば携帯電話料金の明細を一年分揃えておきます。まずは1月分を登録し、その際に「同じ取引を続けて登録する」をチェックしておけば、その画面のまま、日付と金額(+丁寧にやるとすると摘要の「〇月分」)だけを変えて、2月分、3月分…と一気に入力することができます。これを次は電気代、次は家賃…と入力していけば、かなりのスピードで入力を進めることができます。家賃などの場合には、金額も変わらないでしょうから、日付を更新して登録し続けるだけですね。

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さきほどの画面は、クラウドサービスである「やよいの青色申告 オンライン」の画面ですが、デスクトップアプリである「やよいの青色申告 19」でもこのようにほぼ同様の画面となります。やはり、「同じ取引を続けて登録」がありますから、これを積極的に活用したいところです。

もう少し応用編としては、辞書機能をうまく活用したいところです。オンラインでは「よく使う取引」、デスクトップでは「取引辞書」という名称になりますが、その名の通り恒常的に発生する取引を登録しておけば、あとは選ぶだけ。

より高機能なデスクトップ版では、振替伝票というより複雑な仕訳を入力するための機能もありますが、やはり伝票辞書という辞書機能があり、これを活用すれば、複雑な仕訳(例えば従業員への給与の支払い & これにともなう源泉徴収など)もどんな仕訳だったっけ、と悩むことがなくなります。

一年に一度しかないような取引については、前年度の帳簿を参照し、そこから仕訳をコピーすることも可能です。具体的には、帳簿・伝票メニューで前年度仕訳日記帳を開き、目当ての仕訳を「行コピー」。それを今年度の仕訳日記帳で「行貼り付け」することが可能です。

領収書の山を前になかなか手がつかない、という方も多いかと思いますが、やり始めてしまえば、意外にサクサクと進むもの。ここで頑張って一気に片付けてしまいましょう。
posted by 岡本浩一郎 at 18:14 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月26日

記帳編(その1)

先週から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。申告期限に向けて、準備編、記帳編、申告書作成編、提出編と順を追って解説していきます。先週(末)で書類の準備が整ったということで、今週は帳簿付けを進めていきたいと思います。

帳簿付けをするといえば、まずは現金出納帳に手書きで記帳して、それを総勘定元帳に転記して、という昔ながらのイメージがあるかもしれません(腕にはもちろんインクが付くのを防ぐための黒い腕カバー、笑)。

これはもちろん過去の話。それこそ昭和の話です。平成の時代は会計ソフト。会計ソフトを利用すれば、現金出納帳でも、預金出納帳でも、仕訳日記帳でも、あるいは振替伝票でも、どの帳簿や伝票からでも入力が可能であり、入力した仕訳は自動的に総勘定元帳に転記されます。入力は一度だけで、その後は自動的に処理がされ、ボタン一つで残高試算表を作成することができます。そう、会計ソフトの中では、はるか昔からワンスオンリー(過去に提出/入力したデータを、再び提出/入力する必要のない仕組み)が実現されている訳です。

ただ、まもなく平成も終わる中で、記帳の常識も変わろうとしています。それは自動での記帳。預金出納帳がわかりやすいですが、預金出納帳を手で入力する際には、その基になっている情報、具体的に言えば通帳がある訳です。ただ、通帳もイマドキの時代、もちろん手書きなどではなく、銀行のシステムでデータとして管理され、出力されています。情報の二重入力をなくすためにはどうすればいいか。それは発生源でデジタル化し、最初から最後までデジタルで完結させること。つまり、銀行からデータとして受け取り、それを会計ソフトが自動で記帳することによって、情報の二重入力がなくなり、業務の圧倒的効率化が実現されます(会計ソフトの垣根を越えて、ワンスオンリーを実現するという表現もできるかと思います)。

弥生でこれを実現する仕組みがスマート取引取込。私の個人の会社でも2年前から活用していますが、一度活用すると、もうない世界には戻れません。以前お話ししたように私の会社は現在は事実上の休業状態ですから、取引の量は最小限。それでも一年分の取引がボタン一つでガッと仕訳として取り込まれるのは本当に便利です。一般的にはもっと取引量がある訳ですから、その効果は絶大です。

もっとも、実は法人で銀行口座の明細の自動取込を活用しているお客さまはまだまだ多いとは言えません。それは法人の場合、一般的にインターネットバンキングの利用に利用料がかかるからです。それに対し、個人(事業主)の場合は、基本的にインターネットバンキングの利用料はありませんから、活用しない理由がありません。

帳簿付けを容易にするためには、事業用の銀行口座、そして事業用のクレジットカードを用意したいもの。現金での取引は最小化し、一方で事業用の銀行口座/クレジットカードをスマート取引取込で自動で記帳されるようにしてしまえば、記帳は圧倒的にラクになるはずです。

ただし、インターネットバンキングからデータを取得する以上、仕訳として取り込めるのは、インターネットバンキングにデータが存在する期間に限定されます。インターネットバンキングにデータが存在する期間がどれだけかは、銀行によりますが、数ヶ月ということも珍しくありません。このため、残念ながら、今からスマート取引取込を使い始めても、昨年分の取引が対象となる今回の申告では活用できないケースも想定されます。とは言え、ここで何もしなければ、結局来年も同じことになりますから、来年に向けてスマート取引取込の設定は是非済ませたいところです。

今回は自動仕訳を活用できないとすると、やはり手入力による帳簿付けを行う必要があります。もっとも、事業をする上では、毎月支払う水道光熱費や賃料、あるいは、毎月請求を行って売上を計上など、発生する取引はかなりパターン化されます。このパターンをうまく活用すれば、手入力での帳簿付けも実は意外に簡単です。次回は、パターン化された取引を効率よく入力する方法を解説したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:13 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月08日

こんなサービスも

前回弥報Onlineは弥生ユーザーを応援する「いちばん身近なビジネス情報メディア」とお話ししました。広くスモールビジネスの方を対象としたスモビバに対し、弥報Onlineは弥生ユーザーを対象としています。

その違いがわかりやすいのは、こちらの記事。この「不要パソコン無償回収サービス」は弥生のあんしん保守サポートに加入している方向けのサービスです。不要になったパソコンを無償で引き取り、安全に廃棄してくれるサービス。

10年ぐらい前まではPCもそれなりに高かったので、買い替えた際には、データをキチンと抹消した上で(これ重要です)買取店に売却することも多かったのですが、最近はPCも安くなり(=中古価格も安くなり)、買取に出す手間を考えると、そのまま廃棄してしまった方が合理的というケースも増えてきました。

PCの廃棄に際しては、2003年から資源有効利用促進法により、メーカーによる回収・リサイクルが義務づけられています。家庭用として購入する(=一般に家電量販店で販売されている)PCにはリサイクルシールが貼られており、これがあればメーカーが無償で回収、廃棄してくれるという仕組みです。小規模事業者の場合、家電量販店で家庭用PCを購入していることも多いと思いますが、実は、事業者が利用しているPCの場合は、PCリサイクルマークの有無にかかわらず、原則として回収再資源化料金がかかります。

不要パソコン無償回収サービスは弥生ユーザーである事業者の方向けに無償で不要となったPCを回収するサービスです。本来はおカネを払って処分しなければならないものを、無償で引き取ってもらえる訳ですから、知っているとおトクなサービスです。なおかつ利用も簡単。お申込みいただくと、佐川急便が引き取りにお伺いします(もちろん、引き取り時の送料もかかりません)。

実は私もこのサービスを利用したことがあります。私が約20年前に起業した経営コンサルティング会社は、私が弥生の社長に就任して以来、事実上の休眠状態なのですが、法的には存続しており、毎年の申告はしています。もちろん、弥生会計を利用し、あんしん保守サポートにも加入しています。だいぶ前に使わなくなったPCが放置されていたのですが、一念発起して処分する際に、このサービスを利用しました。実際ほとんど手間いらずで、助かった記憶があります。

日々使うようなサービスではありませんが、必要な時にあると有難いサービス。弥報Onlineでは、この不要パソコン無償回収サービスをはじめ、知っていると嬉しい様々な情報を提供しています。是非チェックしてみてください。
posted by 岡本浩一郎 at 19:06 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月06日

弥報Online

昨年の12月に弥生が提供するオンラインメディア、「弥報Online」がスタートしました。「弥報」で「やっほー」と読みます。スタートとお話ししましたが、実は弥報Onlineは従前から運営してきた弥生ユーザー向け情報メディア「弥生マルシェ」をリニューアルしたものです。

既にピンと来ている方もいらっしゃるかと思いますが、弥生は長年「弥報」というユーザー向け会報誌を提供しています。これは、あんしん保守サポートのベーシックプラン/トータルプランご加入ユーザーに定期的に送付している会報誌で、日本で一番多く読まれているビジネス情報誌とも言われているとか、いないとか(笑、純粋に部数だけの話で、質に関してはまだまだだと思います)。

一方、弥生会計 オンラインなど、クラウドアプリをご利用のお客さまも増える中で、紙面だけの情報提供では量・タイムリーさという意味でも十分ではないという反省から、「弥生マルシェ」を発展的にリニューアルし、「弥報Online」とすることになりました。

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弥報Onlineは「弥生ユーザーを応援する『いちばん身近なビジネス情報メディア』」。これまでと同様に、中小企業の経営者や個人事業主、経理・総務を中心としたバックオフィス担当者など、弥生ユーザーの皆さまに役に立つ情報を、これまで以上に「今、本当に必要な情報」を「かんたん」に「わかりやすく」発信していきます。

弥生通の方は、あれ、スモビバとどう違うの、と思われるかもしれません。弥生では、「スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場」としてスモビバというサイトも運営しています。

一つの大きな違いは、弥報Onlineが弥生を既にお使いの弥生ユーザーを対象としているのに対し、スモビバは、弥生をお使いとお使いでないとにかかわらず、広くスモールビジネスの方を対象としています。このため、弥報Onlineはhttps://media.yayoi-kk.co.jp/と弥生のドメインの中にあるのに対し、スモビバはhttps://www.sumoviva.jp/と独立したサイトとして運営されています。

今お話ししたような立ち位置の違いはありますが、弥報Online/スモビバともに、なるほど、これは役に立つ、という情報を多く発信しています。是非一度ご覧になっていただければ幸いです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月23日

20年連続のその先

先週金曜日BCN AWARD 2019の表彰式があり、BCN AWARDが始まって以来の20年連続No.1ということで表彰いただいたとお話ししました

20年連続No.1の表彰を受けたのは弥生を含めて7社。弥生以外は、日本マイクロソフト、ジャストシステム、筆まめ、バッファロー、ワコム、クリエイティブメディアという錚錚たる皆さんです。余談ですが、10年前のBCN AWARD 2009では、10年連続No.1の表彰があったのですが、この際も同じ7社でした。

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今回の表彰式では20年連続No.1については特別な枠があり、BCN代表の奥田さんより直接トロフィーを授与いただき、また、BCNの名物アナリスト、道越さんのインタビューを受けました。そこで質問を受けたのは、今後どうしたいか、特にどういった製品を提供していきたいか、というもの。

今後どうしたいかといえば、やはり20年連続に満足するのではなく、これを30年連続、40年連続と続けていきたい思っています。ただ、そのためにどういった製品を提供するか、となると…、まだわかりません(笑)。もちろん、弥生会計の次のバージョンは、というとはっきりした計画がありますし、5年後もある程度想像はつきます。実際、社内ではこの先5年近くの製品ロードマップが既に存在しています。では、10年となると…。まあさすがに、わからないというのは言い過ぎですが、あまりイメージを固め過ぎない方がいいと思っています。

話は飛びますが、こちらで弥生のMission/Vision/Valueを公開しています。ご覧いただければわかりますが、弥生のMission(使命/理念)にもVision(弥生のありたい姿)にも、「業務ソフトウェア」という単語は入っていません。お客さまが達成したいのは、お客さまの業務を成立させたい/効率化したい、事業を継続したい/成長させたい、ということ。業務ソフトウェアは、そのための手段であって、決して目的ではありません。だからこそ、弥生は業務ソフトウェアを提供する自体を目的としませんし、業務ソフトウェアだけを提供すればよしとする気はありません。

もちろん弥生はテクノロジーカンパニーですし、ソフトウェアが弥生の提供するコアであることは揺るぎません。ただ、弥生が提供するものをソフトウェアに限定する必要はありませんし、ソフトウェアを提供して終わりでもありません。今後は、大きな法令改正が続き、事業者の業務が大きく変わっていくことが予想されます。大事なのは、お客さまを取り巻く環境が大きく変化する中で、弥生としても提供する価値を進化させ、お客さまをしっかり支えていくこと。その先には、結果的に30年連続No.1であり、40年連続No.1があると考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:25 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月21日

20年連続No.1

先週金曜日に、BCNによるBCN AWARD 2019の表彰式がありました。BCNでは、全国の家電量販店とPC専門店2,654店舗のPOSデータを収集、集計しています。そのデータをもとに年間(1月1日〜12月31日)販売台数累計第1位のメーカーを表彰する制度がBCN AWARD。今回のBCN AWARD 2019では、2018年のNo.1メーカーが表彰されます。

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お蔭さまで、弥生は業務ソフト部門と申告ソフト部門の2部門でNo.1として受賞することができました。有難いことに、毎年のこと、ではあるのですが、やはり毎年No.1を受賞し続けることは、弥生がお客さまに提供している価値を、データに基づいて認めていただき、表彰いただくということであり、特別な意味があると考えています。

なかでも今年は特別。というのは、2000年から始まったBCN AWARDは、今回がちょうど20回目になるのですが、弥生は業務ソフト部門において20年連続の受賞となったからです(申告ソフト部門は途中で部門が増設されたこともあり、15年連続の受賞です)。表彰対象となる部門は毎年少しずつ増え、BCN AWARD 2019においてはハードウェアで85部門、ソフトウェアが32部門で計117部門(受賞社は61社)でしたが、このうち20連続の受賞となったのはわずかに12部門/7社。弥生はこの栄えある7社のうちの1社となることができました。

以前、USJ立て直しの立役者となったグレン・ガンペル前社長と話した際に、日本人は5周年・10周年というキリのいい年が大好き、だからテーマパークもここぞとばかりに盛り上げる、と言われていたことが印象に残っていますが、実際、このキリのいい何周年とか、何年連続って特別ですよね。

私が初めてBCN AWARDの表彰式に参加したのがちょうど10年前となる2009年1月。この時点でBCN AWARDは10回目で、弥生は10年連続No.1を獲得しました。この時は先達が成し遂げてきたバトンを受け取ったからこその10年連続No.1、このバトンをしっかりと受け継がなければ、と強く思ったことを鮮明に覚えています。そこから10年が経って、20年連続No.1までしっかりとNo.1を維持できたこと、もっと言えばNo.1の地位をさらに強固にできていることを嬉しく思っています。

とはいえ、20年連続も通過点でしかありません。大事なのはこれからどうするのか。20年連続で満足することなく、さらなる将来に向かって、これからも一歩一歩歩み続けなければいけないと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月17日

またまた、あと一年

今から(約)一年後の2020年1月14日をもって、Windows 7のサポート期間が終了します。この日以降、セキュリティ更新プログラムなどが提供されなくなりますので、以降もWindows 7を利用し続けることは、「セキュリティ上、たいへん危険な状態」で利用することになります。

どこかで聞いたような話ですが…。そう、2014年4月にはWindows XPのサポート期間が終了しました。当時はまだまだWindows XPのPCが多く残っていましたので、ある意味社会問題となりました。以降、2017年4月にはWindows Vistaのサポート期間が終了しましたが、Windows Vistaは良くも悪くもあまり利用されていなかったこともあり、あまり大きな話題にはならなかったように記憶しています。今回は、Windows XPからの移行の受け皿となったWindows 7のサポート終了となりますので、再び大きな問題になりそうです。

それにしても、消費税率が変わるタイミングと被るのは偶然なのでしょうか。2014年4月は消費税率の8%への引上げ(1日)とWindows XPのサポート終了(9日)とが重なりました。今回は同じ月でこそないものの、2019年10月1日に消費税率の10%への引上げ(+軽減税率の導入)、そしてその約3ヶ月後の2020年1月14日にWindows 7のサポート終了とかなり近いタイミングです。

弥生の立場からすると、一つのトピックでもお客さまにお伝えし、そして実際に行動していただくのは大変なこと。改元まで含めると一年の間に3つも大きなトピックがあるというのは、かなりチャレンジングだな、というのが本音です。

ただ、お客さまからすると、PCの環境をリフレッシュするいいタイミングと言えるかもしれません。PCを入れ替えて、新元号にも対応を済ませ、新消費税にも備える。そういった意味では、弥生 19 シリーズは、新元号にも、新消費税にも対応していますから安心です(実際には、例えば新元号対応は、オンラインアップデートとして提供されます)。

いずれにせよ大事なのは、早めに対応を進めること。ソフトウェアはオンラインアップデートで最小の手間で済みます(オンライン版であれば、そもそも弥生側での対応で完了します)が、ハードウェアに関しては、やはり一定の手間が必要になります。この先一年間はお問合せが増えることは確実であり、当然弥生としても対応体制を強化しますが、やはり直前になるとお問合せが極端に集中しがち。まだまだ時間のある今から準備を進めておけば、新元号も、新消費税も、Windows 7終了も余裕をもって乗り切れるはずです。
posted by 岡本浩一郎 at 20:00 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月10日

ますます合理的な神様

弥生の新年の業務開始は正月三が日が明けた1月4日(金)。ただ、この日は有給取得推奨日としました。カスタマーセンターでお客さまのお問合せに対応する以上、全社でという訳にはいかないのですが、東京本社を中心に、業務上支障のない人はできるだけ有休を取得しましょう、というものです。ということで、本来は初日の大事な業務である神田明神への参拝も、週が明けての1月7日(月)の夕方となりました。

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やはり業務開始が1月7日からという会社も多かったようで、1月4日に一足早く参拝に行ったアルトアのメンバーによると1月4日はお正月とは思えないほどすいていたそうです。一方で、1月7日は例によって(例年以上の?)大混雑。

個人的に楽しみにしているのは、お正月という最繁忙期において、ご祈祷のオペレーションがどう変わっているか(笑)。神田明神でのご祈祷はかなり合理的な運営がなされていると以前も書いたことがありますが、今年もまた大きな変化がありました。

一つは代表者と一般社員を分離したこと。代表者は例年通り本殿に昇殿してご祈祷を受けるのですが、一般社員は昨年末に完成した「EDOCCO」というホールで、個別の社名等のない一般的なご祈祷を受けるようになりました。実際に参拝した社員の感想は、本殿の写真(静止画)を見ながらのご祈祷で、正直有難味が薄かった、とのことでした(苦笑)。

もう一つは、代表者が本殿に昇殿する際に、なんと土足のままとなったこと。これまでは昇殿前に靴を脱いで、だったのですが、今年は靴のまま。確かに、昇殿する人が全員靴を脱いで、それを袋に入れてというのが、少なからぬ時間を要していたので、合理的に割り切ったのでしょうね。ただ、個人的にはかなり抵抗感がありましたが…。その分、肝心のご祈祷に時間を避けるようになったのか、今回の祝詞は会社名と代表者名というパターン2でした。

以前も書きましたが、商売の神様としては、合理的でないと、と思いますし、この合理性は決して嫌いではありません。これだけの最繁忙期でも概ね予約した時間の通りにご祈祷を受けられるわけですから、オペレーションの観点では、実に素晴らしいと思います。

ただ、今回の対応はさすがにちょっと行き過ぎかな、と思わなくもありません。ただこれは、1月7日に集中してしまうということで、今年の特別対応なのかもしれません。来年がどうなっているのか、今から楽しみです。世の中の流行りに敏感な神田明神なので、ひょっとしたらこのブログも読んでもらえるかも(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 19:28 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月04日

新年のご挨拶 2019

新年明けましておめでとうございます。

新春を迎え、皆さまにおかれましては健やかに新年を迎えられたことと、謹んでお慶び申し上げます。

昨年は、「今年の漢字」でも取り上げられていたように、例年以上に豪雨や地震などの自然災害が多く発生した年でした。被災されました皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

弥生にとって昨年は、「弥生シリーズ」誕生30年の節目の年を超え、31年目の年として、着実に成長することができた年でした。クラウド製品・デスクトップ製品ともに、お客さまのご要望にお応えし、細やかな機能改善を行うとともに、弥生の会計事務所パートナー「弥生PAP」も全国で9,000会員を超え、お客さまの業務を一層しっかりとサポートできる体制が整いました。さらに、弥生が考えるこれからの業務、「業務 3.0」の実現に向けても、「スマート取引取込」機能において、自動仕訳の精度向上などの継続的な強化はもちろん、API連携に向けた障壁となっていた、金融機関とITベンダー間の契約の条文例策定に積極的に貢献するなど、一歩一歩進むことができた年でした。

また昨年は、弥生にとって初の、業務を超え事業そのものを支える「事業支援サービス」である、「アルトア オンライン融資サービス」の立上げに取り組んだ一年でした。弥生とオリックスが共同設立した「アルトア株式会社」を通じ、2017年12月にサービスを開始し、小規模事業者を中心に短期・小口ニーズに特化した融資を提供してきましたが、お申込みは着実に増加しており、市場の立ち上がりを実感できる年となりました。昨年末には、これまで法人のみであったサービス対象を個人事業主へも拡大しました。今年は、サービス立上げ当初からの予定である、金融機関との共同事業(LaaS事業:Lending as a Service)の実現も含め、事業としてもう一段階のステップアップを図る予定です。

さて、今年は、「新元号」と「消費税法改正」が大きなトピックスです。消費税法改正については、皆さまご承知のとおり2019年10月から消費税率が10%に引き上げられ、同時に軽減税率制度が開始される予定です。お客さまの業務に大きく影響を与える大規模な法令改正は、波となって今後も続いていきます。前述の「新元号」「消費税法改正」に加え、平成30年度税制改正により「個人所得課税の見直し」「税務手続の電子化推進」等が今後段階的に進んでいきます。弥生は、お客さまが支障なく業務を進められるように、ソフトウェアとサポートの両面から法令改正に着実に対応してまいります。同時に、業務効率改善の取組みもしっかりと継続していきます。お客さまの利便性向上のための機能強化はもちろん、業務 3.0が当たり前のものとなるよう、継続的に取り組んでまいります。

今年の干支「亥」は、「無病息災」の象徴と言われています。事業における無病息災はまさしく、安定した経営状態だと考えます。弥生は「事業コンシェルジュ」として挑戦・進化を続け、お客さまの安定した経営をサポートしてまいります。

末筆となりましたが、皆さまにとって本年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げるとともに、引き続き弥生株式会社をご支援賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

弥生株式会社
代表取締役社長
岡本 浩一郎
posted by 岡本浩一郎 at 17:19 | TrackBack(0) | 弥生

2018年12月28日

こちらも登録完了!

昨年の半ばに、アルトア(当時はALT)が貸金業者としての登録が完了したとお話ししましたが、先日12月20日に、今度は弥生の登録が完了しました。もっとも貸金業者ではなく、電子決済等代行業者として。

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電子決済等代行業者というと耳慣れませんが、今年改正された銀行法で新たに生まれたもの(解説PDF)です。簡単に言えば、お客さまのために、銀行と連携してサービスを提供する事業者です。例えば、預金口座の利用履歴等の情報を銀行から取得し自動的に帳簿を作成するサービスや、複数の振込先への銀行振込の依頼をワンクリックで行うことができるサービスを提供する事業者がこれに該当します。

前者は銀行の口座情報を参照してお客さまに提供するので、口座情報サービス提供者(AISP, Account Information Service Provider)、後者はお客さまにかわって銀行に資金移動などの指示を行うため、決済指図伝達サービス提供者(Payment Initiation Service Provider)という言い方をします。

これらのサービスはこれまでも存在していました。実際弥生は、10年以上前から、銀行の明細を取込み、仕訳を生成する機能を提供してきました(当時はMoneyLook for 弥生というツールを使用、現在はスマート取引取込機能によって)。こういった、いわゆるFinTechサービスがより一般的になっていく中で、より多くの方が安心してサービスを利用できるように、銀行法で電子決済等代行業者としての定義がなされ、なおかつ、財務局への登録を要することになりました。あくまでも登録ではありますが、実質的には審査に近い細かいやり取りがあり、ようやくこの度の登録となった訳です。

時を同じくして、過去一年以上に渡って銀行と議論してきた成果が、「銀行法に基づくAPI利用契約の条文例(初版)」として公開されました。電子決済等代行業者がAPIを通じて銀行と連携し、サービスを提供するためには、銀行とAPI利用契約の締結することが必要とされます。これはそれぞれの銀行と締結するものなのですが、下手をすると、銀行の数だけ交渉が必要になり、バラバラな契約を結ぶことになります。それでは社会的コストが高すぎるということで、可能な範囲でAPI利用契約の標準化を図ったものです。

標準化というのは、言うは易しく(総論では誰も反対しません)、行うは難い(各論ではそれぞれの思惑が顕在化しがち)。ということで、相当な時間はかかったのですが、完成形とは言えないまでも、議論の出発点として活用できる条文例にはできたのではないかと感じています。

晴れて電子決済等代行業者としての登録も済み、APIの利用を進めるための契約条文例も整いました。来年は、より多くの銀行との連携を進め、より安全かつ利便性の高いサービスを提供していきたいと思っています。

2018年も大変お世話になりました。皆さま、良いお年をお迎えください。
posted by 岡本浩一郎 at 16:34 | TrackBack(0) | 弥生

2018年12月20日

準備は始めていますか?

いよいよ年末が近付いてきました。今日は、毎月開催している弥生の取締役会。今期が始まってまもなく3ヶ月になりますが、今のところまずまずの滑り出し。そのため、あまり込み入った議論もなく、あっさりと終了しました。取締役会が終わったら福岡に移動。今日/明日と福岡/広島ですが、これで忘年会も一段落(もちろん仕事もしっかりしますよ)。

今年の秋は、例年開催の社員総会、製品発表会PAPカンファレンスに加えて、海外出張アルトアの新サービス開始とかなり慌ただしく、気がついたら12月。そして気が付いたら12月も下旬。まだ来週一週間ありますが、世間的にもだいぶ落ち着いてくると思いますし、弥生も、有休取得推奨週間ですので、一気に年末モードかと思います。もっとも、お問合せに対応しているカスタマーセンターは最後まで臨戦態勢ですし、アルトアも年末の資金需要にお応えするため、やはり最後まで臨戦態勢です。

私自身は来週はややペースを落として、諸々片付けつつ、来年に向けた仕込みに充てたいと思っています。私は少しバタバタすると書類を積み上げてしまう癖があるのですが、今や、いつ崩れるのかと皆に心配されるほど書類が積み上がっています(もちろん大事なものはちゃんと処理していますので、積み上がっているのは後で読もう的な書類です、笑)。これらの書類の山崩しをしつつ、来年やるべきことの優先順位付けは済ませてしまおうと目論んでいます。

来年は、弥生の歴史に残る一年になるだろうと思っています。春には改元、そして秋には消費税率の引上げと同時に軽減税率の導入。今日プレスリリースを行いましたが、事業者の皆さんの軽減税率への準備はまだまだこれから。弥生の調査では、軽減税率に向けた対応を進めている事業者の方は3%に過ぎません。残りの方は、まだこれからですし、そもそも何をしてよいかわからないという方も多くいらっしゃるのが現状です。

そういった中で、弥生が事業者の皆さまをしっかり支えることができるよう、早め早めで準備を進めていきたいと思います。そして弥生が早め早めに備えるためには、リーダーである私自身が早めに備えないと。ビジネスが少しスローダウンするこの時期に、しっかりとこれからに向けた準備をしておきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:29 | TrackBack(0) | 弥生

2018年12月07日

所得の見積額

前回まで、年末調整で必要となる3つの申告書についてざっと解説してきました。これまでお話ししてきたように、年末調整に必要な申告書が今年から大幅に複雑になりました。本ブログでの解説、また、弥生マルシェでの解説記事などを参考にして何とか乗り越えていただきたいと思っています。

ただ、無事に乗り越えるためには、一つのハードルをクリアする必要があります。それは、申告書上に記載が必要とされているのは、所得の額そのものではなく、「所得の見積額」であるということ。

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冷静に考えれば当たり前で、年末調整業務は一般的に12月の賞与や給与の計算業務と同時に進めることが多く、その前段となる従業員による申告書の記入は11月から12月中旬で行われます。つまり、今年の給与/賞与の支払いが終わっていないので、確定した所得額を記入することができません。その代わり、見積額を記入してね、ということです。

それでは、見積額とはどの程度正確な見積りを要求されているのでしょうか。1円単位まであっていないとダメ? でもそこまでの精度を求めるのであれば、そもそも見積りではないですよね。見積りは、あくまでも可能な範囲で、ということになるかと思います。

ここから先は、弥生としての公式見解ではなく、私個人の見解ということでお願いしたいのですが(そもそも本ブログ自体がそういう位置づけですが、苦笑)、いくつかの選択肢があるかと思います。

1) 支給済みの実績 + これから支給分の見積り
可能な範囲でのベストな見積りとしてはこのやり方になるのかと思います。11月までの給与は支給済み、12月の給与と賞与はまだということであれば、11月までの実績の金額に、12月の給与/賞与の見込額を足すことになります。とはいえ、12月の給与を残業代等も含め正確に見積ることは難しいでしょうから、完璧ということはなく、あくまでも可能な範囲で、ということになります。

2) 前年比で計算
これからの支給分の見積りが難しいということであれば、例えば昨年の11月までの実績と、今年の11月までの実績を比較して比率を計算し、それを昨年の通年実績にかけるという方法もあるかと思います。例えば、昨年11月までの実績が400万円、昨年通期での実績が500万円、そして今年11月までの実績が420万円であれば、
前年比 = 420万円 ÷ 400万円 = 1.05
今年の見積額 = 前年通年実績 × 前年比 = 500万円 × 1.05 = 525万円
となります。

3) 世間相場の前年比で計算
自分自身の前年比を計算しなくても、例えば、今年の世間的な賃上げ実績を前年比として採用するというやり方もあるかと思います。例えば、中小企業での今年の平均的な賃上げ率が1.89%(経団連集計によるもの)なので、前年が500万円だとすると、500万円 × 1.0189 = 509.45万円、ざっくりで510万円、というやり方もあるでしょう。

4) 前年通り
少々乱暴ですが、前年通りというやり方もあります。これであれば、昨年の源泉徴収票を確認して、その数字を転記すれば終わり。つまり、昨年が500万円であれば、今年も500万円とするということです。もちろん、多少の変動はあるのでしょうが、前年対比で50%になることや、逆に倍になることもなかなかないでしょうから、概算見積として前年と同じというのも、悪くはないと思います。

個人的なおススメとしては、2)が合理的だと思いますが、3)や4)でもまず問題ないのではないか、と考えています(繰り返しになりますが、あくまでも個人的な見解です)。

実際問題として、(配偶者控除や配偶者特別控除という意味で)所得の額が問題になるのは、本人の所得であれば、900万円〜1,000万円にかかる場合であって、逆に所得が400万円でも、500万円でも、600万円でも変わりません。結果が変わらないのに、見積りに労力をかけてもしょうがないですよね。そういった意味では、結果が変わりうる所得900万円〜1,000万円の近辺のゾーンの方(給与収入で言えば、1,120万円から1,220万円近辺の方)は可能な範囲で正確な見積りを行った方が望ましいですが、それ以外の方に関しては、前年通り、あるいはもっと言えば、ざっくりX00万円ぐらいのレベルでも問題はないはずです。

より難しいのは、配偶者の所得です。マル配の一番下を見ていただければわかりますが、配偶者の所得が5万円変わるごとに、配偶者特別控除の額が変わりますから。ただこれも、影響があるのは、配偶者の所得が38万円〜123万円の方(給与収入で言えば103万円〜201.6万円)ですから、この近辺のゾーンの方は可能な範囲で正確な見積りを行いましょう、一方でこのゾーンからそれなりに外れている方はざっくりでok、ということになるのかと思います。

では、見積りと実際が差が出た場合はどうなるのでしょうか。見積りである以上、当然差は出るもの。ただ、差が出たとしても実際の年末調整の結果に影響が出るとは限りません。そして仮に年末調整の結果に影響が出たとしても、ちゃんと辻褄を合うようにリカバリーする方法は用意されています。ということで次回に続きます。
posted by 岡本浩一郎 at 13:46 | TrackBack(0) | 弥生

2018年11月26日

キャッシュレス推進協議会

昨年からかかわっていた検討会で「キャッシュレス・ビジョン」を策定したということを、しばらく前にお話ししました。この検討会を母体に、キャッシュレス推進協議会という団体が設立されたのですが、先月、このキャッシュレス推進協議会の創立大会が開催されました。

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弥生も協議会の初期メンバーということで、創立大会に参加したのですが、実に大規模な大会で圧倒されました。昨年から検討会で議論している際には、もちろんキャッシュレスは進めるべきだけれど、色々と課題もあるし、時間はかかるよね、という雰囲気だった(あくまで一参加者としての私見です)ものが、短期間でこれだけ多くの企業を巻き込み、正式な団体として動くまでになったのは、経済産業省の強い意志を感じます(あとは今回事務局長に就任されたFさんの頑張りですね)。

経済産業省と書きましたが、来年10月の消費税率引き上げ時の景気対策として、キャッシュレス決済に対する優遇策が検討されているところを見ると、一省庁というよりも、政府としての強い意志を感じます。また、キャッシュレス決済を提供する側のサービス競争も目覚ましいものがあります。守る側の金融機関がQRコード決済の規格の統一と、加盟店手数料を1%台という攻勢に出れば、攻める側は消費者向けの大規模なプロモーション。期間限定とは言え、利用料金のうち20%を還元し、くじに当選した利用者にはその全額を還元するというソフトバンクのキャンペーン(予算は100億円!)は、そこまでやるか、という感じですね。ソフトバンクがADSLモデルをただで配りまくった時代を思い起こさせます。

弥生としては、キャッシュレス決済に直接関与する野望(笑)を持っている訳ではなく、キャッシュレスとともに推進すべき、ペーパーレスを着実に促していきたいと思います。7月にはJCBとのAPI連携を開始しましたが、今後もより多くのカード会社とのAPI連携を進めていきます。そのためにも、APIをある程度標準化していく必要があると考えています。さらに、そもそも物理的な領収書をなくすという観点から、電子レシートにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

キャッシュレス推進協議会では、複数のプロジェクトが同時に進むことになっていますが、弥生はAPIおよび電子レシートに関するプロジェクトに参画しています。ただ、これらのプロジェクトの具体的な動きはまだこれから(苦笑)。QRコード決済などが急速に盛り上がっている中で、ある意味決済の事後処理になるAPIや電子レシートが後回しになるのも理解はできるのですが、しっかりと前に進めていけるよう、粘り強く働きかけていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:48 | TrackBack(0) | 弥生

2018年11月22日

後半戦も終了

10月中旬から開催していた弥生PAPカンファレンス 2018秋ですが、11月に入って東京、札幌、福岡と開催し、昨日の仙台で無事に千秋楽となりました。

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東京での様子、300名近くの方にご参加頂きました

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こちらは福岡、よく見るとろくろを回しています

一ヶ月で全国7会場。スケジュールの面でも、体力の面でも(苦笑)、結構大変でした(その間にオーストラリア出張もありましたし)。ただ、弥生が主催するイベントですから、当然これはわかっていたこと。一方で、事例紹介として各会場二つの会計事務所にご登壇頂いたのですが、協力頂いた会計事務所の皆さんからすると、あくまでも他社のイベント。それでもお忙しい中スケジュールを調整し、地元の会場だけでなく、わざわざ出張してまで非・地元の会場でもご登壇いただいたことに感謝の気持ちで一杯です。特に、税理士法人ベリーベスト岸先生には実に6会場(!)でご登壇頂きました。

事例紹介でご登壇いただいた会計事務所は、皆、弥生のサービス(特にスマート取引取込)を活用し、業務の効率化を着実に進めています。今回、事例紹介を拝聴する中で、スマート取引取込の活用が着実に進んでいることを実感しました。スマート取引取込は、取引(例えば銀行明細)などを自動で取り込んで、自動で仕訳する仕組みですが、まだ万能とは言えません。わかりやすいところでは、スマート取引取込で一番効果を出しやすいのは、インターネットバンキングを利用している事業者ですが、残念ながら法人でのインターネットバンキングの利用率は決して高くありません。つまり、使えるところは使えるし、一方で使えないこともある、というのが現状。ですから、明日にも全ての仕訳が自動化されるわけではありません。

ただ、万能ではないから、当面は様子見という0か1かの判断ではなく、まずは使えるところから使っていくというのが、今回事例紹介いただいた会計事務所の共通点かと思います。使えるところから使っていき、その中で経験値を蓄積する。例えば、まずは顧問先にインターネットバンキングを使うことを働きかけるところから取り組んでいる会計事務所もあれば、レシートをOCRで取り込むところに特化して活用している会計事務所、顧問先にはExcelで簡単な帳簿をつけてもらい、それをスマートの機能を活用して取り込んでいる会計事務所など、それぞれに工夫して活用しています。

自動仕訳は一気に全ての問題が解決するような魔法の杖ではありません。ただ、それでも実際に活用し、成果につなげている会計事務所は着実に増えています。もちろん、弥生としても継続的に改善は行ってきていますし、今後も改善を続けていきます。使い手の工夫と作り手の改善が積み重なることによって、今後着実に普及するものと思いますし、数年後には完全に当たり前のものになると思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:07 | TrackBack(0) | 弥生

2018年11月20日

ボージョレ・ヌーヴォー 2018

先週の金曜日は福岡でのPAPカンファレンスだったのですが、前日に大阪入りし、金曜日の早朝に福岡に向かうことにしました。

目的は、大阪カスタマーセンターでのボージョレ・ヌーヴォー試飲会への参加。この試飲会はオリックスグループ入り後の2015年から続いており、もう4回目ということになります。オリックスグループ内で社内販売があり、イベント好きな私が折角であれば全社で試飲会をしようということで、まとめ買いしたのがきっかけです。

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全拠点で試飲会となると、結構な本数(今年は41本)となり、私のお財布に一定の負担にはなるのですが、意外に(?)盛り上がるため、今では恒例イベントになっています。これまでは東京で参加することが多かったのですが、昨年の試飲会で大阪に是非、というラブコール(?)があったため、今年は大阪での参加になった次第です。

この試飲会が面白いのは、各拠点それぞれの楽しみ方があること。各拠点をTV会議でつなぐのですが、それぞれの個性が出てなかなか面白いものです。福岡は翌日のカンファレンスに備えてスタッフが福岡入りしており、すっかり飲み会になっていました。大阪は、この試飲会のために企画を用意するほどの気合いの入れよう。今回は、親睦会の活動報告(+新メンバー勧誘)に、カスタマーセンターらしくセクションごとのユーザー対応の実演(寸劇?)と存分に楽しまさせていただきました。私が提供するのはワインだけなのですが、手作りの品を含め、おつまみの差し入れもあり、なかなか贅沢な試飲会でした。

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さあ、来年はどこで参加しましょうか。各拠点からのラブコールをお待ちしております(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 19:50 | TrackBack(0) | 弥生

2018年11月15日

お客さまの卒業

豊吉さんの卒業について書いたばかりですが、たまたま先週、「卒業」されたお客さまにお会いする機会がありました。毎回いい刺激を受ける経営者仲間と行ったお店でのことです(Nさんご馳走さまでした!)。

Nさんが「そういえばこのお店も確か弥生を使っていたはず」と言われるので、恐る恐る聞いてみると…。「ええ、弥生の社長さんですか!? もちろん使ってますよ」との嬉しいお言葉。ただ、よく聞いてみると、かつてやよいの青色申告を使っていた、ということのようです。

このお店は4年前にご主人が独立して、麻布十番に開業した割烹なのですが、今では屈指の人気店に。なかなか予約を取るのも難しいそうです。確かに一品一品が全て完璧なまでに美味しい。最初に出てきたセコガニが最高でしたし、お出汁も絶品でした。ああ、ヨダレが…。

本ブログには珍しく食べ歩き記事になってしまいそうですが、話を戻すと、開業当初はやよいの青色申告でご自身で帳簿を付けられていたのだそうです。では、今はどうしているのかというと、会計事務所にお任せしているとのこと。まあ、これだけの人気店になれば、それはそうですよね。

弥生としては、事業を立ち上げた直後こそ、おカネの流れをしっかりと可視化し体感できるように、ご自身で帳簿を付けることを推奨しています。ただ、事業が発展していく中で、いつまでもそれが正解だとは考えていません。おカネの流れを把握できるようになり、同時に、従業員も増えてくれば、帳簿付け自体は従業員に任せた方がいい(もちろん経営者として数字はしっかり見ていただきたいですが)。あるいは、今回のケースのように、事業がそれなりに安定してくれば、外部の専門家に任せてしまい、ある意味時間をおカネで買うという選択肢もありだと思います。

もっとも弥生側の観点で事業戦略を考えると、折角お客さまになって頂いたのに、卒業されるのは勿体ないという考えが一般的かと思います。初めてのクルマがカローラであれば、次にはコロナに乗っていただき、その次はマークII、そしていつかはクラウンという道筋を示すことによってお客さまの卒業を防ぐ(車名に時代を感じますね、笑)。この考え方には合理性がありますし、一般的には正しい戦略だと思います。

ただ、卒業を防ぐために商品ラインアップであり、(言い方を変えれば)戦線を広げていけば、会社としてのフォーカスが曖昧になりがちなのも事実です。カローラ(や軽自動車)を求めるお客さまとクラウン(やレクサス)を求めるお客さまでは、価値観も異なるし、車を選ぶ基準も異なる。トヨタほどの超大企業であれば、それら全てをうまく満たすことも可能でしょうが、弥生の規模では、どちらも中途半端になりかねません。

弥生は、起業されて初めて使う会計ソフトを提供することに拘りたいと思っています。だからこそ、弥生は初めての方でも「かんたん、あんしん、たよれる」に徹底的に拘っています。もちろん、使い勝手を評価いただき、結果的にもう何十年も弥生を使い続けていただいているお客さまも多くいらっしゃいますし、中には上場しても弥生を使い続けているお客さまもいらっしゃいます。一方で、卒業されるお客さまも一定の確率で発生します。

かなり前に一度お話ししたことがありますが、弥生は、お客さまが「卒業」されることをネガティブには捉えていません。事業のステージが変わる中で、自社で行っていた会計業務を完全に外部に委託することもあるでしょうし、あるいは、組織が大きくなる中で、例えばより厳格な内部統制を行うために会計ソフトを見直すこともあるでしょう。その場合、お客さまは弥生を「卒業」されることになります。弥生として寂しさを感じない、というと嘘になりますが、逆に弥生を活用して、そこまで事業を成長させることができた、ということに喜びと誇りを感じます。

今回のお店も、開業当初は今のような予約の取れないお店ではなかったとのこと。帳簿を付けながら、大丈夫かなあ、でも頑張ろうという日もひょっとしたらあったのかもしれません。それが今や予約の取れない繁盛店。そこまでの成長を支えることができた、ということは弥生にとって紛れもない喜びであり、誇りです。
posted by 岡本浩一郎 at 19:05 | TrackBack(0) | 弥生