2022年07月22日

弥生が事業承継を支援する意味

これまで、弥生が事業承継ナビを立ち上げた背景として、日本の事業者の約2/3は、「引退」の二文字が視野に入る年齢になりつつある一方で、その半数は引退 = 事業の廃業になりかねないということをお話ししました

一方で、2025年に中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人が全体の2/3になるという主張は、本当なんだろうか、という疑問があり、その検証を行ってきてきました(その1その2その3その4)。検証の結果は、2025年に中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人が全体の2/3になるというのは疑わしいと言わざるを得ないという結論になりました。

これはまずい事態です。2025年に中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人が全体の2/3になるという前提で事業承継ナビを立ち上げたのに、その前提が崩れた訳ですから(苦笑)。とはいえ、ご安心ください。前提がそれなりに変わったにしても、事業承継の支援は弥生として取り組むべきテーマだと考えています。

検証した際の穏当なシミュレーションの結果では、2025年に中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人は全体の約1/3。ただ、2015年には法人でも個人事業主でも20%弱だったものが30%強にまで増えていくわけですから、着実に高齢化は進んでいます。「2025年に」「全体の2/3」という極端なシナリオにはならないまでも、「引退」の二文字が視野に入る年齢の経営者が増えてきていることは紛れもない事実です。

少し古い数字ですが、中小企業白書(元データは経済センサス)によると、事業者(民間、非一次産業)の数は2016年で法人が160万、個人事業主が198万で合計358万。その1/3というと約120万。2025年に中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人が約120万人。なおかつその約半数で後継者が未定とすると、遠からず引退 = 廃業となる可能性が約60万事業者ということになります。これでも十分に大きな数ですし、これに対し手を打っていかないと日本の経済に大きな影響を与えうるということは変わりません。ということで、やはり事業承継は取り組むべき課題です。問題は弥生として取り組む必然性があるかどうか。

弥生は事業承継ナビを通じて特に小規模事業者の事業承継のお手伝いをしたいと考えています。もともと弥生のお客さまは小規模事業者が中心ですが、これまでもお話ししているように既存の事業承継ビジネスは小規模事業者を対象にしていません。一方で上記の約60万事業者の大部分は小規模事業者です。だからこそ、弥生がやる意味があると考えています。

弥生がやる意味という観点では、特に個人事業主の事業承継は何とかしなければならないと考えています。既存の事業承継ビジネスは、基本的に対象は法人(なおかつ一定の事業規模以上)ですが、上でもお話ししたように、事業者の半分以上は個人事業主です。法人の事業承継は、価値算定の方式はある程度確立されていますし、実際の承継の方法も基本的には株式の譲渡という形で確立しています。これに対し、個人事業主の場合は、事業と個人が密接につながっているため、その個人が事業に従事しなくなった際の事業の価値算定が難しく、また、承継の方法も株式の譲渡というシンプルな方法は存在しませんから、事業資産の承継なのか、営業権の承継なのか、それらの組合せなのか、ケースバイケースとなります。一般的な事業承継ビジネスの観点からすると、そもそも事業規模が小さいというだけで採算性が悪い。さらに個人事業主については、価値算定の観点でも、実際の承継の手続きの観点でも手間がかかるということになります。つまり一般的には積極的に取り組む意義は見出せません。だからこそ、弥生がやる意味があるということです。

もっとも、正直に言って現時点では弥生としても個人事業主の事業承継に対し、何ら切り札を持っているわけではありません。当初はやはり法人の事業承継のお手伝いが中心になるのではないかと思います。ただ、弥生自身としても事業承継に対する知見を深めながら、どのようにすれば個人事業主の事業承継も円滑に進めることができるのかを考えていきたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 17:59 | TrackBack(0) | 弥生

2022年07月04日

事業承継ナビ

弥生では先週6/29に「事業承継ナビ」という新しいサービスを立ち上げました。このサービスは、事業者がどこかで直面する事業承継という課題について、「わかりやすく」「あんしん」「かんたん」に理解するためのサービスです。

事業承継といってもなかなかピンとこないのが普通だと思いますが、実は、日本全体にとって大きな課題になりつつあります。2025年までに、日本の中小企業・小規模事業者の経営者のうち70歳を超える人が約245万人にのぼると言われています(pdf)。245万人といっても規模感がつかめませんが、日本の事業者数はざっくり380万ですから、実に全体の約2/3ということになります。そしてこの245万人のうち、約半数の127万は後継者が未定。つまり、日本の事業者の約2/3は、「引退」の二文字が視野に入る年齢になりつつある一方で、その半数は引退 = 事業の廃業になりかねないということです。

皆さんの周りでも、「長年続けてきましたが、この度閉店することに…」というお店が増えていませんか。私自身もそういったお店が増えてきたことを実感しています(足元ではコロナ禍の影響もあるとは思いますが)。

事業承継が日本全体の課題と捉えられる一方で、事業承継はビジネスとしても非常に大きな市場になってきています。ただ、事業承継をビジネスとして考えると、対象になるのは、中小企業と言っても、そこそこの事業規模に限られてきます。売上で数億円、毎年の利益もしっかり出ている事業。こういった事業には何千万円、何億円という値段で買い手が見つかり、事業は新たな株主の下で継続されていくことになります。

しかし、「長年続けてきましたが、この度閉店することに…」という事業者は、ほとんどの場合そのような事業規模ではありません。好きなことをやってお客さまに喜んでもらい、普通に食べていければよい。こういった事業規模の場合、やはりどうしても引退 = 廃業となりがちです。長年続けて街には定着しているけれども、惜しまれつつ閉店する。

弥生はその現状をパートナーである会計事務所と共に変えたいと思っています。引退 = 廃業ではなく、事業のバトンをしっかりと渡して引退する。例えば、街で愛されてきたパン屋さんが閉店する一方で、新たにパン屋を開業したいという人もいるはずです。

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今回、事業承継ナビは、まずは事業承継にあたってどのようなオプションがあるのかを知っていただくところからスタートします。さらに今後は、専門家である会計事務所を紹介し、事業承継の検討や実行を具体的に進められるよう支援していく予定です。

生んで大事に育ててきた事業を、安心して次の世代に渡すことができるように。取り組むべき課題に対し、正直スモールスタートだということは認識しています。ただ、スモールスタートでも一歩踏み出さない限り、何の問題も解決できません。2025年まで時間がないと危機感を持ちつつも、じっくりしっかりと進化させていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 22:19 | TrackBack(0) | 弥生

2022年06月29日

2,000名越え

6/3(金)の札幌開催を皮切りに、全国7会場およびオンラインで開催してきた弥生PAPカンファレンス 2022ですが、今週月曜日のオンライン開催3回目で無事に終えることができました。25日間で全国7会場、さらにオンラインでの開催が3回(合計10回)ですから、かなりの密度です。19日のトライアスロンを含め、今月はひたすら駆け回ったという感じです(笑)。

今回の弥生PAPカンファレンスでは、ご参加いただいたPAP会員の皆さまがついに2,000名を越えました。新型コロナウイルス禍以前は、リアル会場での開催でしたが、全会場あわせて参加者が1,000名いくかどうか、という感じでした。東京と大阪での参加者が300名前後と圧倒的に多く、名古屋と福岡が100名前後と続きます。

例年、弥生PAPカンファレンスは6月ごろに1回、10月から11月にかけて1回と年2回開催するのですが、新型コロナウイルス禍の中で、2020年6月の開催は見送らざるを得ませんでした。2020年秋には、オンラインで開催しましたが、この際には、2回のオンライン開催でそれまでの全国7会場を軽々と上回る参加者数となり、オンライン開催の力を実感しました。とはいえ、これまで何回もお話ししているようにリアル会場で実際にお会いできることには、代えがたい価値があります。昨年の6〜7月には、オンライン開催を基本としながらも状況が安定していた仙台札幌でリアル開催を再開することができました。昨年秋には、オンライン2回に加え、全国7会場での開催を再開することができました

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そして今回は全国7会場とオンライン3回のハイブリッド開催。ついに参加者(メディアや関係者等を除く)は2,000名を越えました。オンラインで気軽に多くの方に参加いただく、同時にリアル会場でしっかりとしたコミュニケーションを取るといういいとこどりができたように思います。

今回の弥生PAPカンファレンスについては、開催レポートと合わせ、録画を後日配信します。スケジュールの関係で今回の2,000名には入れなかったという方も是非ご覧いただければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:37 | TrackBack(0) | 弥生

2022年06月14日

折り返し地点

昨日は名古屋でのPAPカンファレンス開催でした。名古屋でのリアル開催は昨年の秋以来ですが、昨年の秋は、新型コロナウイルス禍が落ち着いてはきているものの、開催する弥生にしても、参加される方にしても、やや恐る恐るという感じがありました。弥生としても無理にリアル会場に誘導はせず、あくまでも参加されたい方に参加していただければいいと考えていました。

今回も、意識的なリアル会場への誘導は控え、あくまでも参加されたい方に参加していただければいいというスタンスは変わらないのですが、やはりリアルで参加したいという方が増えたように思います。特に名古屋会場は、満席につき早めにお申し込みを締め切ることになりました。実際の会場も、新型コロナウイルス対策で席間を広げ定員を減らしてではありますが、結構一杯という印象でした。

今回のPAPカンファレンスは、この間お話しした通り、メインテーマがインボイス制度。インボイス制度の概論については、もう充分語られていますから、今回は、具体的に弥生がどういったサービス・機能を提供するのか、それによって事業者および会計事務所の業務がどう成立するのか、さらにどう効率化されるのかについてお話しをしています。これまでの会場では、「ようやく何をすべきかイメージできるようになった」「大変ではあるものの、何とかなりそうだという感触を得られた」というフィードバックをいただいています。

インボイス制度だけでも語るべきことは多々あるのですが、今回のカンファレンスでは、弥生が今後立ち上げる「事業承継ナビ(弥生のあんしんM&A)」や、今後提供する給与・労務系の新しいアプリケーションについてもお話ししています。これらについては、本ブログでも追ってお話ししたいと思いますが、結構欲張りなプログラムです。名古屋会場でも「今回は特に充実していましたね」と言っていただき、かなり苦労して(第一回目の開催となった札幌会場の直前まで、苦笑)まとめた甲斐があるというものです。

一方で、欲張りすぎたこと(話したいことが多すぎる)もあって、回を重ねるごとに若干時間が伸びてしまっているのは反省点です。名古屋会場では終了予定から10分以上伸びてしまい、申し訳ありませんでした。今後については、タイムマネジメントをもっとしっかりしたいと思います。

名古屋会場が終了して、リアル会場は7会場中4会場終了。オンライン開催は3回中1回終了。あわせると10回中5回終了ということでちょうど折り返し地点ということになります。後半もこの欲張りなプログラムを、しっかりと時間内でお話ししていきます(後半のリアル会場については現時点では受付中ですが、どの会場も当初の定員を超えており、感染症対策で増席にも限界があるため、お早目のお申し込みをお願い致します)。

折り返し地点と言えば、木更津でのトライアスロン大会が今週末に迫りました。出張も多くなかなかトレーニングに時間が割けないのが辛いところですが、PAPカンファレンス(全10回)も、トライアスロン(全51.5km)も全力で駆け抜けたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:31 | TrackBack(0) | 弥生

2022年06月10日

カンファレンス序盤戦終了

先週から弥生PAPカンファレンスを開催しています。ちょうど一週間前の6/3(金)の札幌開催を皮切りに、今週火曜日に仙台、そして本日は東京での開催となりました。オンラインでの開催も3回予定していますが、昨日に1回目を開催しました。これで序盤戦が終了といったところでしょうか。

オンラインのメリットはご自身のオフィスやあるいは自宅からご参加いただけるということ。気軽に参加できるということもあって、昨日開催の1回目では1,000名近いお申込みをいただきました。会場開催の場合には、会計事務所を代表して1〜2名で参加されることが多いのですが、オンラインであれば、一人のお申込みでも、プロジェクターで投影すれば、多数の方が同時に視聴することも可能になっています。これを考えると、1,000名近くか、ひょっとしたら1,000名以上の方にご覧いただいているのではないかと思います。

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一方でリアル会場のメリットはやはり実際にお会いできること。今回の会場はここ数年間継続して利用している会場(@秋葉原)なのですが、新型コロナウイルス禍の中、座席は相当にゆとりをもって配置しています。以前は300名以上のキャパシティで開催していました(今から振り返ると相当な密ではありました)が、今回は残念ながら100名強というキャパシティに制限しています。そういった意味では、以前よりは少な目ではあるものの、それでもこれだけ多くの方にお集まりいただき、色々とお話しできるのは、「楽しい」の一言につきます。

余談ですが、久し振りにお会いしたらすっきりとスタイルがよくなった方が複数いらっしゃって驚きました(Mさんですとか、Sさんですとか、Tさんですとか)。私自身もそうですが、新型コロナウイルス禍の中で一念発起した方が結構多いのかもしれません(笑)。

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実は、今日私が一番嬉しかったのは、変な話ではあるのですが、弥生の社員と会えたこと。弥生は、東京本社を中心に、引き続きリモート勤務に軸足を置いています。このため、出社すればその度ごとに一部メンバーには会えるのですが、全員が一同に会するという機会はありません。今回は、東京での弥生PAPカンファレンスであり、あくまでも東京勤務のパートナー営業メンバー中心なのですが、それでもこんなに人数がいたんだ、とちょっと驚きました(笑)。過去2年間に入社された方も多いので、中には、リアルで私と会うのが初めて、というメンバーも(苦笑)。

今回のカンファレンスも序盤戦が終了。参加者の皆さまからは、とても有意義だったとフィードバックをいただいています。来週からは中盤戦。名古屋、オンライン2回目、大阪と続きます。皆さまとお話しさせていただけることを楽しみにしております。
posted by 岡本浩一郎 at 22:30 | TrackBack(0) | 弥生

2022年06月02日

弥生PAPカンファレンス 2022

またまた本ブログでの告知が遅いとお叱りを受けそうですが、実は明日6/3(金)の札幌開催を皮切りに弥生PAPカンファレンス 2022を全国7会場およびオンラインで開催します。

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今回のカンファレンスのテーマは何と言ってもインボイス制度。まだまだ先だと思っていたインボイス制度の導入は2023年10月。いよいよ1年とちょっとというところまで迫ってきました。今回のカンファレンスでは、もう聞き飽きたであろうインボイス制度の概論ではなく、具体的に弥生がどういったサービス・機能を提供するのか、それによって事業者および会計事務所の業務がどう成立するのか、さらにどう効率化されるのかについてお話しします。インボイス制度に向けて、会計事務所が、そして事業者がどんなタイミングでどのような準備を進めるべきかについてもお話しさせていただきます。

なお、前座担当の(笑)私からは、弥生の現況を共有するとともに、弥生が取り組んでいる社会的なシステムのデジタル化に向けた進捗もお話しさせていただきます。

今回のカンファレンスでは、インボイス対応+αについて、デモンストレーションも交えてじっくりとお伝えします。実は弥生では現在、これまでと異なる全く新しいテクノロジープラットフォームでの次世代サービス群の開発を進めています。今回のデモンストレーションは、この新しいプラットフォームのお披露目にもなりますので、お楽しみに。

冒頭でもお話ししましたが、今回のカンファレンスは、全国7会場(開催順に、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡と、北から南への巡業です)とオンラインで3回の開催です。リアル会場はコロナ対策で余裕を持たせているため、既に満席となっている会場もありますので、お申し込みはお早めにお願いいたします。もちろんオンラインであれば定員は1,000人規模ですから満席ということは基本的にありませんのでご安心ください。オンラインであれば、オフィスやご自宅からもご参加いただけます。もっとも個人的には、できるだけ多くの方とリアルでお会いできることを楽しみにしております。
posted by 岡本浩一郎 at 21:57 | TrackBack(0) | 弥生

2022年05月11日

25th reunion

前回お話ししたように、ゴールデンウィーク中、4/29(金、祝)から5/5(木、祝)まで2年以上振りとなる国外への脱出を果たしてきました。目的地はLos Angeles。ビジネススクール(UCLA Anderson School of Management)のReunion(同窓会)に出席することが主目的です。卒業後5年に一度大きなパーティが開催されるのですが、今回は私が卒業後25年目となります。

ただ、これも前回お話しした通り、本当に行くべきなのか、行ってよいのか、最後の最後まで迷いました。ワクチン接種を3回済ませていれば、米国を含むほとんどの国からの帰国時に隔離(自宅等待機)が必要ないこととなり、行くための最低限の条件は満たされました。

しかし悩ましいのは、今回の主目的がReunionであること。要はパーティです。ご存じの方も多いと思いますが、アメリカのパーティはハグして挨拶はもちろんのこと、騒がしい中で、相当顔を寄せ合って会話します。そしてアメリカはもうpost COVID-19状態。すなわち、マスクはしないことが当たり前。地元からの出席者はそれでも何も困ることはありません。仮に陽性になっても無症状か、あっても軽い症状で終わり。強制的な検査があるわけではありません。これに対しこちらは帰国のために強制的に検査を受けなければならず、仮に無症状であっても陽性になった瞬間に極端に行動を制限されます。

家でもさんざん議論し、やはりパーティはリスクが大きすぎるということで出発一週間前には一旦キャンセルするという話にまでなりました。

ただ、それでも諦めきれませんでした。Reunionは5年後にもありますし、その時は必ず行くと思いますが、その際に家族3人揃って行くことができるかどうか。我が娘は今、14歳。ということは5年後は19歳。LA行くぞ、と言ったら喜んで行くという歳でもありません。家族揃ってLAに行けるのも最後かもしれない。何とか行ける方法を考えたいと思いました。

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で、結論ですが、確かにLAに行きました。そしてReunionにも参加しました。皆あまり変わらないなあ、というのが感想です。お互いに歳はとりましたが、一瞬で25年前に戻ることができます。ただ、私が参加したのは冒頭の1時間のみ。最初の1時間がレセプションで、その後に着席してのディナーだったのですが、私はレセプションのみの参加としました。周りは一切マスクをしていませんが、私はマスクを二重に着用。当然、飲み物等は一切に口にしませんでした。ディナーで着席するタイミングで、皆に5年後にまた会おうと別れを告げ、会場を後にしました(そのタイミングで入念に手洗いし、マスクも付け替え)。

Reunionに参加した翌日以降は、もう一つの目的であるDisneyland Resortを楽しんだのですが、この際にも常にマスク着用です。ちなみに、LAの街中はマスクをしていないのが普通ですが、マスクをしている人も一定割合ではいるという状態。ざっくり1割ぐらいでしょうか、意外にマスクをしている人もいるんだな、というのが正直な感想です。マスクをするもしないも、そこは個人の自由。このため、懸念していた、マスクをしているから指をさされるといういったことは一切ありませんでした。一方で、お話しした通り、パーティの際にはマスクをしている人は皆無。まあ、ワイワイ楽しむ場ですからね(ただし、パーティ参加にあたって、ワクチン接種証明もしくは48時間以内の陰性証明が求められました)。ちなみにDisneylandは、屋内はマスク推奨ということにはなっていたのですが、実際にマスクをしている人はほぼ皆無。やはり楽しむための場であり、何よりも夢の国ということでしょうか

ReunionからDisneylandまでマスク着用。正直何だかなあという思いはあります。クラスメートたちと一緒にご飯を食べたかったし、5年前のように日が変わるまでワイワイやりたかったというのが正直なところです。ただ、この状況を鑑みると、結果的には最善の選択だったのかと思います。とにもかくにも、日本から脱出し、アメリカの空気を吸うことができた。そして何よりもクラスメートたちに短時間でも会うことができた。そして家族でDisneylandを堪能することができた。そして全ての検査をクリアし、無事に帰ってくることができ、行動を制約されることもなかった。

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でもやっぱり次回の30周年は、マスク着用といったことを気にすることなく、心置きなく楽しみたいですね。
posted by 岡本浩一郎 at 21:47 | TrackBack(0) | 弥生

2022年04月07日

同じ環境

これも春だから心機一転ということではないのですが、PCの入れ替えにあわせ、オフィスでのPC環境を全面的に見直しました。端的に言えば、自宅でのPC環境と全く一緒になるように揃えました。ディスプレイ、キーボード、マウス、Webカメラ、そしてスピーカー。

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特に変えたいと思っていたのが、ディスプレイです。自宅で利用しているディスプレイは新型コロナウイルス禍の初期に苦労しながら手に入れた27インチの4K(3840×2160)ディスプレイ。オフィスではもともと、WQHD(2560×1440)という比較的スペックの高いディスプレイを利用していたのですが、解像度が異なれば、文字の大きさやウィンドウの配置が大きく変わります。4Kという広い画面ではきれいに収まっていたウィンドウたちが、オフィスのディスプレイでは収まりません。オフィスに出勤した際の朝にまずはウィンドウの配置を見直す、というのがちょっとした手間ではあってもストレスになっていました。

今回、自宅とオフィスのディスプレイを全く同じものにすることによって、このストレスがなくなりました。自宅でもオフィスでも同じものが同じように表示される。ちょっとしたことですが、非常に快適になりました。

折角なので、キーボードやマウスなども全面的に見直しました。キーボードは多分20年弱は使っていたモノ。プラスチックが劣化し、痛々しい見た目だったのが、すっきりしました。世の中にはキーボードはこれでないとと徹底的にこだわる方もいらっしゃいますが、私はあまりこだわりはありません。静かでさえあれば、あとはモノにこだわるというよりは極力同じものを使いたいというタイプ。結果的に特別なものではないのですが、同じキーボードをずっと使い続けてきました。今回は、自宅とオフィスを統一することで、自宅でもオフィスでも全く同じキーピッチ、キータッチとなり、快適です。

写真ではディスプレイ下に写っているスピーカーですが、どこかで見たことがあるという方、するどい。実はこれは最初は自宅に導入したものです。ただ、全体として白基調の中で黒というのがちょっと気になっていたこと、そこに新たに同じスピーカーの白バージョンが追加で発売されたことから(あとはFacebook上で友人にそそのかされたというのもあるのですが、笑)、自宅には新たに白いスピーカーを導入し、黒いスピーカーはオフィスに持ってきました。以前オフィスに置いていたPCスピーカーは、アメリカで買ったものなので、実に30年弱使ってきたもの。私は新しモノ好きでもありますが、同時に物持ちはいい方です。意外かもしれませんが(笑)。

オフィスでもWeb会議が多いため、ちゃんとしたスピーカーがあると聞きやすくてラクです。Web会議用には、Webカメラも新調しました。これも自宅で利用しているものと同じです。ただ、既にお気付きかと思いますが、自宅は全て白で統一しており、これに対し、オフィスは全く同じデバイスですが、全て黒で統一しています。

「まん防」が明け、オフィスへの出勤の頻度も徐々に増えてきています。とはいえ、昔の働き方に戻ることはありません。ずっとオフィスではなく、自宅とオフィスの組み合わせが、最も効率がよいことがわかっています。自宅でもオフィスでも、効率よく働くためには、こうやって環境を揃えるというのも有効なのではないかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:40 | TrackBack(0) | 弥生

2022年04月05日

再びVAIO

春になって心機一転ということでもないのですが、先日会社のPCを入れ替えました。

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入れ替えたのはこちら。再びのVAIOです。以前お話ししたことがありますが、私は2000年からVAIOを愛用してきたVAIOファンです。VAIOがソニーから独立したという不安もあり、2013年からSurface Proに浮気(?)したものの、2019年の5月にVAIOに戻りました。

仕事用のPCはこれまで、だいたい2年半から3年ぐらいで入れ替えてきていますので、今回の3年弱というのも、いつものペースです。3年弱というと少し短いと思われるかもしれませんが、自分の生産性を直接的に左右する道具だけに、ここは惜しむべきではないと思っています(逆に自宅で利用しているMacはそこまでの生産性を求めていないので、いまだに2017年モデルです、笑)。

今回PCを入れ替える際に、新しいPCをどうしようか考えたのですが、これまで使っていたVAIO(VAIO SX, 法人向け型番はVAIO Pro PK)が、パフォーマンス、インターフェイス、持ち運びやすさという部分がちょうどいいバランスと感じていたため、今回もVAIO SX(VAIO Pro PK)です。

情報システム部のAさんからは気を遣って(?)、VAIOの最上位機種であるVAIO Z(法人向けはVAIO Pro Z)はどうですか、と言われたのですが、最上位機種だけあってかなり高め。上では惜しむべきではないと書いたものの、スペックと値段を比較し、今回もVAIO SX(VAIO Pro PK)ということになりました。

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その代わり一点だけ拘らせてもらった(数少ない社長の特権、笑)のが、今回もPCの色。前回もブラウンという珍しい色でしたが、今回は「勝色」(かちいろ)。写真ではわかりにくいと思いますが、濃い藍色です。VAIOのコーポレートカラーなのだそうですが、勝色という名前は、藍を濃く染みこませるために布を搗つ(かつ)ことが由来とされ、「勝ち」につながる縁起色として武具に多く用いられてきたのだそうです。コーポレートカラーではあるものの定番色ということではなく、昨年の秋から数量限定で発売された特別仕様です(ちなみに私が入手したモデルは既に売り切れた?模様)。実際に見ても深みのあるいい色です。日ごろから戦っている(何と!?)社長としては、「勝」という名前、そして弥生のコーポレートカラーは、色合いはだいぶ異なりますが、藍ならぬ青ということで、もうこれしかないでしょう、と選択しました。

PCはたかが道具ですが、されど自分の生産性を左右する大事な道具。この先3年ぐらいは、勝色PCで確実に「勝ち」と「価値」を追求していきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:13 | TrackBack(0) | 弥生

2022年04月01日

弥生へようこそ! 2022

いよいよ4月。4月ならではの楽しみなイベントとして、そう、今日は新卒新入社員の入社式を開催しました。

「まん防」は解除されましたが、出社する必然性がない限りはリモートワークということで、私自身2週間ぶりの出社となりました。今日は、入社式があり、また本日付で入社される中途入社の方も多く、各部署ともその受け入れのため、出社人数は多め。久しぶりに活気のあるオフィスです。

正直に言うと、2週間ぶりの出社ということで、出社前はやや気分が重かった(仕事というよりは、電車での通勤ですね)のですが、オフィスに来てみれば久しぶりに顔を合わせる人も多く、ウキウキです。特段何を話すのではなくても、顔を合わせて「お疲れさま!」というだけでも嬉しいものです。

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さて、今年の入社式では無事に6名の新卒新入社員を迎えることができました。引き続き一人ひとりにしっかり向き合える規模を目指しており、その結果少人数ではありますが、間違いなく少数精鋭です。今年も少人数ならではということで、入社辞令は「以下同文」ではなく、一人ひとりしっかり読み上げてお渡ししました。辞令の後の握手は今年も残念ながらできませんでしたが。

昨年もそうでしたが、新型コロナウイルス禍での就職活動、そして今回の入社式。少し前にはウクライナでの戦争も現実のものとなってしまい、社会全体としてますます混迷期にあるように思います。そういった環境で社会に出ることには大きな不安もあるものと思います。もっとも、社会が大きく変わるということは、大きなチャンスも意味しています。実際、新型コロナウイルス禍前にはあくまでも例外だったリモートワークが、今や当たり前になっています。良くも悪くも、これまでの当たり前が今後の当たり前ではありません。

チーム弥生として、今回入社した6名の皆さん(+もちろん中途入社の方も)がチーム弥生の一員としてしっかり活躍できるよう、そしてやがては弥生を通じて社会を変えていく存在になれるよう、しっかりサポートしていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 16:43 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月30日

経理の日 2022

明日3/31は経理の日です。期末&月末ということで、日本全国でビジネスの土台である会計や請求といった経理業務に携わっている方々に敬意を表する日。3&31ということで、3月の「弥生」と月末(晦日)の「Misoca」が一緒になったことを記念して2016年にできました(日本記念日協会によって、ちゃんと記念日として認定されています)。早くも今年で7回目の経理の日ということになります。

本ブログでもお話しした通り、一昨年7月に会社としての弥生(弥生株式会社)とMisoca(株式会社Misoca)は合併しており、今では弥生株式会社の下でのONE TEAMです。経理の日は、このONE TEAMの想いを表す日として大事な一日です。

かつての経理の日は、ヤヨイヒロバでお客さまにも参加いただくイベントを開催していましたが、新型コロナウイルス禍においてはそうもいきません。新型コロナウイルス禍初期の一昨年は、物理的なイベントを企画していたものの、急遽オンラインでできることだけに絞らざるを得ませんでした

昨年、そして今年はオンラインを前提として色々な企画を練っています。今年の特設サイトはこちら。見ていただければお分かりいただけるかと思いますが、経理LOVE/会計LOVEが溢れた特設サイトになっています。

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お金×ファンタジーの話題マンガ『女騎士、経理になる。』原作者のRootportさんの「会社を人間の身体に例えると、経理は自律神経のような存在でしょうか。対して社長は脳、営業は手足、財務部は心臓、お金の流れは血液といったところです。」という例えには思わずうんうんと頷いてしまいます。

スモールビジネスの経理担当者525人に聞いたアンケートで、「経理の仕事/経理として働くことは好きですか」という質問に対し、実に8割弱の方が「はい」と答えているのは、皆さんの会計や経理に対する愛を感じます。現役経理・財務担当者3名の座談会も「経理大好き!」満載です。「仕訳って本当にすばらしい」「会計のしくみには惚れ惚れします」というのは、会計や経理に携わるものとしては同感です。

期末&月末ということで、経理担当者の方もお忙しいと思いますが、息抜きがてらご覧いただければと思います。4/13(水)締め切りのプレゼント企画もありますので、ご応募をお待ちしております。

一点気になるのは、先ほどのアンケートで、「今の働き方に満足していますか」という質問に対し、満足している/やや満足しているという回答が53.5%とやや低かったことでしょうか。経理や会計の仕事は好き、でもリモートで完結できない、月末や月初は残業が増えがちといった問題意識があるのかと思います。弥生としては、経理や会計の仕事はもちろん好き、また、自分のペースで効率よく仕事ができ、働き方にも満足しているという方が大多数になるよう、もっと頑張らなければならないと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:04 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月23日

他山の石

3/15(火)の申告期限日が過ぎ、弥生カスタマーセンターへのお問合せ件数も目に見えて減っています。正確に言えば、最終日である3/15(火)のお問い合わせもそこまで多くありませんでした。さすがに最終日まではもつれこまないように、最後の週末である3/12, 13とその翌日の3/14で終えた方が多かったのかと思います(もう一つの要因としては、今回は新型コロナウイルスの影響により個別申請での延長も認められていますので、最初から3/15を期限ととらえていない方も一定数いらっしゃったものと思います)。

期限日前日である3/14(月)からe-Taxの接続障害が発生しましたが、弥生カスタマーセンターへのお問合せがそこまで増えなかったのは、もう申告のピークが過ぎつつあったということだったのでしょうね(とはいえ、弥生側で確認できる送信エラー件数は相当な数であり、かなり多くの方に影響はあったことは事実です)。

既にご存じの方も多いと思いますが、3/18(金)に国税庁から障害に関する情報が更新されています。申告期限を越えても、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨を記載した上でe-Taxで送信することによって、申告期限内の取り扱いとなる、ということはこれまでにもお話してきましたが、この取り扱いの期限が4/15(金)までということが明確化されました。

また、期限内に同様の注記をして書面で提出するという方法も国税庁から示されていましたが、この場合、電子申告時の青色申告特別控除の優遇(65万円控除)が認められるかわからない状態でした。これについては、書面申告でも期限内に65万円控除の申告書を提出していればのままでも65万円控除が認められる、一方で、書面申告の際に55万円控除の申告書としていた場合には、4/15(金)までに、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨を記載した上で、改めてe-Taxで送信することによって、65万円控除が認められるということが明らかになりました

上記の特記事項への記載方法、また、e-Taxが正しく送信されたかどうかをメッセージボックスで確認する方法については、こちらでご案内していますので、ご確認ください。

どんなシステムでも、障害を100%避けることはできません。それは残念ながら弥生自身が痛感していることです。ですから、今回のe-Taxの接続障害を一方的に糾弾する気持ちにはなれません。むしろ国税庁(および担当ベンダー)担当者の心境を思うと同情しかありません。正直に言って、弥生自身も申告期限前は本当にひやひやしています。過去には、申告期限最終日にクラウド・プラットフォームで障害が発生し(プラットフォームの問題なので、弥生自身はどうしようもない)、肝を冷やしたこともありました(この時は数時間で障害が回復し、なんとかお客さまの申告を終えられる状態になりました)。

また、これは有難いことではあるのですがユーザー数が年々増えているため、結果的に処理性能が一時的に需要に追い付かないという事象も発生しています。基本的には先手先手で処理能力を増強するようにはしているのですが、需要の急増に追い付かず、一定時間、パフォーマンスが落ちてしまったという事象も発生しています。

もっとも、障害を避けることはできない、だけで片付けられる話ではありません。現実問題としてお客さまにご迷惑がかかるわけですから。仮に障害が発生したとしても、極力速やかに回復させる。その間も、お客さまに状況を正確にお伝えする、善後策を提示する。そういった観点では、今回の国税庁からの情報発信には大きな問題があったと思います(もちろん、内部的に障害を回復させるために全力で取り組んでいたということも重々承知はしています)。

今回の障害は弥生にとって他山の石です。同時に、システム安定稼働に向けた弥生(やその他業務ソフトベンダー)の日々の失敗や苦闘も国税庁にとっての他山の石になるのではないかと思います。国税庁も含め、業界として今回の障害から学ぶいいきっかけにしたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:07 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月12日

どちらがお好み?(その5)

昨日書いていた記事なのですが、うっかりアップを忘れてしまったため、珍しく週末の更新です。

さてこれまで、確定申告に向けて弥生がお客さまに提供している選択肢についてお話しをしてきました。クラウドアプリか、デスクトップアプリか入力から始めるか、設定から始めるか手入力か、自動仕訳か。(ちょっとマニアックですが)、事業主勘定を使うか、「__(個人)」という取引手段を使うか。いずれも、弥生としては、お客さまがお好みの方を活用いただければいいと思っています。一方で、帳簿付けも確定申告もはじめてもしくは自信がないという方にはおススメがありますよ、とお話してきました。

確定申告期も終盤ということで、今回の「どちらがお好み?」シリーズもこれで最終回(の予定)ですが、最終回は、確定申告書の提出方法について。つまり紙で出力して提出するか、電子申告(e-Tax)で提出するか。もちろん弥生では両方ともサポートしていますし、お客さまがお好みの方でよいと思っています。一方で、この選択肢に関してもおススメはあって、それはe-Taxです。

その理由は単純で、昨年から紙での提出か、e-Taxかで税額に差が出るようになったからです。詳細は一年前のこの記事をご参照いただきたいのですが、紙での提出ではなく、e-Taxでの提出とした場合に、10万円多く控除が得られるようになります。ここでの控除はその額がそのまま税額から引かれるわけではないので、ピンとこないかもしれませんが、仮に所得税率を10%とすると(注: 所得税率は所得額によって変動します)、所得税は1万円下がることになります。手取りが1万円増えるわけですから、これは大きいですよね。また、これは本ブログでも度々お話ししていますが、青色申告特別控除は所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料を下げる効果もありますから、これはもうやらないと損と断言できるかと思います。

ただ、紙は印刷して送るだけに対し、e-Taxは面倒くさいよ、と思われるかもしれません。確かにかつてのe-Taxは簡単とは言い難いものでした。それを簡単にするために、一昨年、弥生では「確定申告e-Taxモジュール」を新規に開発し、提供を開始しました。これであれば、どなたでも確実にe-Taxを簡単に完了できるという自信作です。実際、このモジュールを提供以降、Twitter等でも弥生でe-Taxがめちゃめちゃ簡単になったといった感想を多くいただき、とても嬉しく思っています。

一方、この「確定申告e-Taxモジュール」はMacには対応できていませんでした。技術的には対応は不可能ではないものの、様々な優先順位の中で対応を見送らざるを得ませんでした。当然、そのままでいいとは思っていません。そこで、今年、弥生では「確定申告e-Taxオンライン」を提供開始し、Macでも弥生内でe-Taxを完結させることができるようになりました。あれ、「確定申告e-Taxモジュール」と「確定申告e-Taxオンライン」では名前に違いがあると気が付いた方。するどいですね。そうです、これらは別物です。もともとは「確定申告e-Taxモジュール」のMac対応ということで準備を進めていたのですが、技術面での検証を進める中で、もっとお客さまにとって利便性の高い方式が可能になったため、これまた新しい機能として「確定申告e-Taxオンライン」を開発することになりました。

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確定申告e-Taxオンライン」の特徴は、マイナンバーカード(ICカード)を読み取るためのICカードリーダーが不要になったということです。ICカードリーダーの代わりに、皆さんがお使いのスマホを利用します。スマホに弥生が提供する「弥生 電子署名」アプリをインストールし、そのアプリからマイナンバーカードの情報を読み込むことによって、電子申告のデータに必要な電子署名を付与することが可能になっています。

「確定申告e-Taxモジュール」もそうでしたが、「確定申告e-Taxオンライン」も使っていただければ、「うわ、こんなに簡単なの」と実感いただけるものと思います。是非ご活用いただければと思います。なお、今年に関しては、Windows向けは「確定申告e-Taxモジュール」、Mac向けには「確定申告e-Taxオンライン」という二つの方式をプラットフォームごとに提供していますが、今後は、「確定申告e-Taxオンライン」に集約していきたいと思っています。

ということで、紙で提出 or e-Taxという選択肢については、弥生であればe-Taxもかんたん、ということで、e-Taxをおススメします。

さて、確定申告期間の週末は今週末が最後になります。まだ申告が終わっていないという方は、頑張りましょう。弥生をお使いであれば、いざ始めてしまえば、あれ、思ったよりサクサクできるな、と感じていただけるものと思います。頑張ってください、応援しています!
posted by 岡本浩一郎 at 21:03 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月09日

どちらがお好み?(その4)

3/15(火)の確定申告期限まで一週間を切りました。これまでお話ししているように今年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。とはいえ、できれば早く終えてすっきりしたいものです。

あと一週間ないからもう間に合わない(泣)、と諦める必要はありません。今から一念発起して着手しても、まだまだ充分間に合います。余裕とは言いませんが、焦る必要はありません(今週日曜日の夜になったらさすがに焦りましょう、笑)。

さてこれまで、確定申告に向けて弥生がお客さまに提供している選択肢についてお話しをしてきました。お客さまに可能な限り選択肢を提供するのが弥生のポリシー。クラウドアプリでも、デスクトップアプリでも、お客さまの好きな方を使っていただきたいと考えています。もっとも、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がない方については、やよいの青色申告 オンラインの方がおススメとお話ししました。

やよいの青色申告 オンラインは、まず入力してみることも、まずは設定を済ませることも可能であるとお話ししました。また、入力については、手入力もあれば、自動仕訳もあるとお話ししました。これもお好きな方を、ではあるのですが、少なくともメインの銀行口座は自動仕訳した上でカバーしきれない部分を手入力でという組み合わせがおススメとお話ししました。

今回お話しする選択肢は、ちょっとマニアックな(?)選択肢です。それは事業主勘定を使うかどうか。個人事業主の帳簿付けで一般的に必要となるのが、事業主勘定。事業をする上で、事業専用の現金、銀行口座、クレジットカードなどで完結すれば必要はないのですが、例えば、書籍を普段使っている(事業用ではなく個人用の)クレジットカードで支払った場合には、事業が個人(事業主)からお金を借りたということになり、事業主借という勘定科目を使う必要があります。

新聞図書費 10,000 / 事業主借 10,000

また、個人事業主は基本的に事業で稼いだお金で生計を賄うわけですから、どこかでは事業で稼いだお金を家計に入れる必要があります。例えば、事業用の銀行口座から生活費として200,000円を引き出した場合には、今度は事業が個人にお金を貸したということになり、事業主貸という勘定科目を使う必要があります。

事業主貸 200,000 / 普通預金 200,000

これは個人事業主が確定申告を終えるためには通らなければならない関門なのですが(事業主勘定をより詳しく知りたいという方は、こちらのスモビバ!の記事をどうぞ)、ありがちな躓きポイントでもあります。特に事業主「貸」か、事業主「借」かはどっちがどっちか混乱しがちです。

実は、やよいの青色申告 オンラインでは、この事業主勘定を使わないで済ませる方法があります。それは、現金(個人)、普通預金(個人)、クレジットカード(個人)という取引手段を使うことです。例えば、書籍を普段使っているクレジットカードで支払った場合にはこうなります。

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新聞図書費 10,000 / クレジットカード(個人) 10,000

また、事業用の銀行口座から生活費として200,000円を引き出した場合にはこうなります。

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現金(個人) 200,000 / 普通預金 200,000

これだとすんなり理解できますよね。実は、(個人)という取引手段は、内部的には、事業主借/事業主貸の補助科目として機能しているのです。これは、残高試算表を表示していただくと、貸借対照表上の事業主貸/事業主借という勘定科目の下に現金/普通預金/クレジットカードという補助科目があることがわかります(表示オプションとして、補助科目を表示、残高0を表示とした場合)。

個人事業主として帳簿付けは慣れたものだよ、という方はもちろん事業主勘定を使っていただければ何の問題もありません。一方で、帳簿付けも確定申告もはじめてもしくは自信がないという方は、この(個人)という取引手段をうまく活用いただければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:53 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月07日

どちらがお好み?(その3)

前回は、やよいの青色申告 オンライン(やよいの白色申告 オンライン)を使い始めた際には、設定をスキップし、まず入力から始めることができるとお話ししました。まず入力してみれば、使い勝手も確認できますからね。一方で、もちろんのことながら、最初に設定を済ませてしまうことも可能ですし、必要とされる設定は最小限、かつ、わかりやすくなっているので、迷うことはありません、ともお話ししました。入力から始めるか、設定から始めるか、お客さまの好きなように進めていただければと思います。

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ところで、ここで入力というと、手入力でポチポチと打ち込むということを想像されるかもしれません。やよいの青色申告 オンラインには、かんたん取引入力という機能があり、これがメインの(手)入力機能です。借方/貸方や勘定科目といういわゆる仕訳の知識がなくても、実際に行った取引を入力すれば、その情報に基づいて適切な仕訳が生成されるようになっています。これ以外の(手)入力機能としては、仕訳の入力機能もあり、仕訳が得意だという方は、直接仕訳を入力することも可能です。とはいえ、特にこの種のソフトを初めて使う方が多いやよいの青色申告 オンラインでは、仕訳の入力を使う方はさほど多くありません(上級者向け機能と考えていただいて結構です)。

一方で、やよいの青色申告 オンラインではもう一つの入力機能として、スマート取引取込という機能があります。これは、インターネットバンキング等とやよいの青色申告 オンラインをSMARTという仕組みで連携させることにより、例えば銀行の明細を自動で取込み、その情報に基づいてAIが自動で仕訳を生成する機能です。手で一件一件入力するのではない、いわゆる自動仕訳機能/AI仕訳機能です。

これまでにもお話ししてきた通り、お客さまに選択肢を提供するのが弥生のポリシー。その観点では、かんたん取引入力(手入力)でも、スマート取引取込(自動仕訳)でもどちらでも好きな方をということになります。ただ、せっかくこれから始められるのであれば、やはり自動仕訳をご活用いただきたいと思います。

少なくともメインで利用されている銀行口座の明細を自動で取込むだけで、圧倒的な業務効率化につながります。法人の場合は、インターネットバンキングに手数料が必要となるケースも多いため、インターネットバンキング自体を利用していないという法人も珍しくないのですが、個人の場合は、一般的にインターネットバンキングは無料で利用できますから使わない手はありません。そしてインターネットバンキングを利用しているのであれば、それをやよいの青色申告 オンラインに是非連携していただければと思います(ただし、個人でも事業性の口座については、法人に準ずる口座を利用することを求める、また、その際にインターネットバンキングに手数料が必要となる金融機関も一部存在します)。

ただし、自動仕訳といっても、最初から完全に自動という訳ではありません。銀行口座の明細であれば、明細に付随する振替先などの情報をもとに勘定科目を推論します(わかりやすい例で言えば、XX電力だったら水道光熱費、など)。この推論は、最初は多くのユーザーが実際に利用している勘定科目が選ばれますが、特定のお客さまにとって正解とは限りません。そのため、特に当初(例えば最初の一ヶ月分)はしっかりチェックして、必要に応じて修正が必要です。そうやって学習が進めば修正量が徐々に減り、逆に自動で処理できる割合が高まっていきます。

このため、慣れた人ほど、今年分であれば期限も迫っているし、自分で手入力した方が早いと思われるかもしれません。ただ、今回学習が進めば、今年の申告だけでなく、今後の記帳であり、次回の申告も圧倒的に楽になります。今回いかに終えるかだけではなく、今後も効率的にしようと思えば、やはり自動仕訳を活用していただきたいところです。

ということで、手入力か自動仕訳か。基本はお好きな方をということになりますが、おススメとしては、少なくともメインの銀行口座は自動仕訳した上でカバーしきれない部分を手入力でという組み合わせです。
posted by 岡本浩一郎 at 21:41 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月04日

どちらがお好み?(その2)

前回は、青色申告ソフトとして、クラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)とデスクトップアプリ(やよいの青色申告 22)があるとお話ししました。白色申告の場合には、やよいの白色申告 オンライン一択(しかも永年無料!)ですが、青色申告に関しては、どちらでもお客様の好きな方を使っていただければいいと考えています。ただ、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がない方については、やよいの青色申告 オンラインの方がおススメとお話ししました。

ということで、やよいの青色申告 オンラインを選んだとします。やよいの青色申告 オンラインでは、ホーム画面でまず「今すぐ「やよいの青色申告 オンライン」を始めます」と表示されます。

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実はここで、再び選択肢があります。「まず入力する」か、「先に設定する」か。青色申告ソフトもそうですが、業務ソフトというと、一般的には使い始めるためにはまず、設定が必要です。ただ、この設定のプロセスで疲れてしまい、せっかくソフトを活用してと意気込んでいたものの、設定だけで挫折してしまったという方もゼロではありません。

そのため、やよいの青色申告 オンライン(やよいの白色申告 オンライン)では、面倒くさい設定の手順を後回しにして、まず入力するということも可能になっています。設定だけだとまったく進んだ感はありませんが、入力を始めて、例えば1月分だけでも入力が終われば、もう12分の1は終わったと実感できますからね。

また、お試しという意味でも、まず入力を試してみることには意味があります。苦労して設定を乗り越えて、いざ入力しようとしてみたら、使いにくくて即断念という可能性も否定できないからです。設定を済ませる前に入力できるということは、本格的に使い始める前に使い勝手を確認できるということです。もっとも、弥生の場合には、使いやすさには定評がありますから、入力で断念するという心配はご無用ではありますが(笑)。

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ということで、設定を一旦後回しにしていただくことが可能ですが、とはいえ申告を終えるまでには設定が必要になります。やよいの青色申告 オンラインの設定は、とにかく最小限、かつ、はっきりわかりやすくということにこだわっています。必要な設定はたった4種類。しかも消費税申告義務がない、あるいは、固定資産がないという場合には、それらの設定は不要です。ということで、弥生の場合には、設定で断念することもないはずです。ですので実は、設定から始めていただいても全く問題はありません。
posted by 岡本浩一郎 at 18:53 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月01日

新たな旅立ち

本日2022年3月1日(火)に弥生の株主はこれまでのオリックス株式会社からグローバルな投資ファンドであるKKRに変わりました。このタイミングで、オリックスからの役員は皆さん退任となります。2014年12月にオリックスグループ入りをしてから早7年ちょっと。2014年には、まだまだヨチヨチ歩きだった弥生オンライン(クラウドアプリ)は、弥生としての確かな事業の柱になりました。その弥生オンラインのラインアップ強化のために、Misocaをグループの一員として迎えることもできました。2017年にはオリックスの金融ノウハウを活かし、アルトアを立ち上げることもできました。またこの間には、東京の移転大阪の移転名古屋の移転広島の新設福岡の移転仙台の新設札幌の移転/営業所新設と、弥生の職場環境もすべて変わりました。弥生の成長をしっかりと、かつ温かく見守ってくれたオリックスの皆さんに心から感謝したいと思います。

一方で、株主は変わっても、事業としての弥生はこれまで通りです。弥生株式会社の新たな役員構成は、株主からの役員以外は、従前通りです。2020年にジョインしていただいた社外取締役の太田さん、林さん、社外監査役の鈴木さん、塚田さんも引き続き社外役員としてお力添えいただきます。オリックスからの役員とは入れ替わりで、新たな株主であるKKRから2名の社外取締役(谷田川さん、原田さん)、そして社外監査役(キャシーさん)が本日就任されました。今後、KKRの皆さんにも、弥生のさらなる成長をしっかりと、かつ温かく見守ってほしいと思っています。

ただ、弥生としては、温かく見守ってほしいと思っているわけですが、それは双方向の想いなのでしょうか。KKRとして、弥生には大いに問題あり、という認識であれば、そうも行かないでしょう。

以前お話ししましたが、新聞等で報道された譲渡価格を考えれば、KKRとして弥生を高く評価していることは間違いありません。もっとも、弥生が完璧だと思っているということでもありません。弥生にはもっとできること/やれることがある。主体はあくまでも弥生ですが、それを株主としてバックアップすることによって、今後の成長をより確実なものにしようと考えているはずです。それが株主としての投資ファンドの存在意義です。

これは弥生自身の認識ともずれはありません。私たち自身は、弥生のことをどう評価しているのか。これはあくまでも主観であり、絶対的なものではありませんが、私自身が今の弥生に点数を付けるとすると、65点から70点ぐらいではないかと考えています。落第点ではない、一方でとても高く評価できる状況ではないと思っています。

私たちがお客さまの業務を支えるために、やるべきことは確かにできています。一方で、もっとやるべきこと、やりたいことは山積みであり、それらを十分に実現できていません。足元での法令改正対応であり、今できる範囲での業務効率化も重要。一方で、将来に向けた、デジタルを前提としたあるべき姿の実現も重要。しかし、リソースの制約を踏まえると、私たちがやりたいことの全てを、やりたいと思うペースで進めることはできていません。

こう考えると、弥生もKKRも基本的には同じ理解であり、同じ方向を向いていることがわかります。弥生はしっかりとした結果を出している。しかし、もっとできることがあるはずだ。弥生がKKRというパートナーを得て、弥生の進化を加速させるために、何ができるのか、何をすべきなのか、をしっかりと議論していきたいと思っています。

今日は、弥生にとって、新しい旅立ちの日です。これから起こること、これからできることに、ワクワクしています。 
posted by 岡本浩一郎 at 19:29 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月28日

どちらがお好み?

いよいよ2月も終わり。3/15(火)の確定申告期限まで2週間ちょっととなりました。これまでお話ししているように今年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。とはいえ、問題を先送りするよりは、本来の期限である3/15(火)までに終えてすっきりとしたいものです。

本ブログを読んでいただいている方は、もうしばらく弥生を使っていただいている方が多いのではないかと思います(もしくは、弥生のパートナーの方や関係者なども多いかと思います)。既に弥生をお使いであれば、時期的には帳簿付けもある程度終わっており、確定申告書作成の目途も立っている方が多い…、と願っています(笑)。

一方、昨年に開業されたなど、今年が初めての確定申告という方、あるいは、これまでは手書きで何とかしていたけれど、今年こそはソフトを使ってラクをしたいという方もいらっしゃるかと思います。そういった方が最初に悩むのが、どのソフトを使うのかということ。これは悩むまでもなく、弥生で間違いありません。デスクトップでもクラウドでもNo.1ですからね。

もっとも弥生をご利用いただくとなると、少し悩むかもしれないのが、デスクトップアプリ(やよいの青色申告 22)を使うのか、あるいはクラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)を使うのか。お客さまに選択肢を提供するのが、弥生のポリシー。どちらでもお客さまがいいと思う方を使っていただければ。ただし、申告が青色申告ではなく、白色申告であれば、選択は自ずとクラウドアプリであるやよいの白色申告 オンラインになります。正確には、デスクトップのやよいの青色申告 22でも白色申告には対応しているのですが、やよいの青色申告 22にはお金がかかるのに対し、やよいの白色申告 オンラインは永年無料ですから、コスト的に比較になりません。ということで、白色申告であればクラウドアプリの一択。

青色申告の場合は、どちらでも、というのが弥生のスタンスになるのですが、おススメはどちらか。これはそれぞれの画面を見ていただくとわかりやすいと思います。

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まず、こちらはデスクトップアプリ、やよいの青色申告 22の確定申告書作成の画面です。画面上に確定申告書が見たままに再現されているのがわかりますね。このため、これまで手書きで確定申告書は書いてきた、どこに何を記入するかは大体わかっているという方に特におススメです。もちろん、ソフトが誘導します(そのためのナビゲーションが左手に表示されています)ので、確定申告は初めてという方も全く問題はありません。ただ、ある程度確定申告書はわかっているよという人ほど効率的に申告書作成を終えられるようになっています。

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これに対し、こちらはクラウドアプリ、やよいの青色申告 オンラインの確定申告書作成の画面です。デスクトップとは異なり、確定申告書のイメージは表示されていません。やよいの青色申告 オンラインは、最初から最後まで画面の誘導に従って申告書作成を進めます。

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上の画面(見えていませんが、画面下部)で、Step 3の「確定申告書の作成」の画面に進んでも、やはり確定申告書のイメージは表示されません。上部に1. 基本情報 > 2. 源泉徴収税 > 3. 所得…という流れが表示され、各画面で表示される質問に答えていけば、自動的に申告書が作成されます(ちなみに、右上には「プレビュー表示」というボタンがあり、このボタンで随時申告書のイメージを確認することは可能です)。

弥生がやよいの青色申告 オンラインのターゲットとして想定しているのは、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がないという方です。基本はソフトにお任せしたいという方にはやよいの青色申告 オンラインがおススメということです。一方、申告書は書き慣れているという方からすると、やよいの青色申告 オンラインはややまどろっこしいと感じられるかもしれません。その場合には、胸を張ってやよいの青色申告 22をおススメします。

いずれにしても、もう明日から3月。クラウドでもデスクトップでも、お客さまがこれと思う方を選択いただき、確定申告書作成を進めましょう。
posted by 岡本浩一郎 at 21:39 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月24日

確定申告の準備状況

確定申告期間が始まってから一週間。今年も新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。ただ、逆に言えば手続きをしない限りは期限は本来の3/15(火)のままです。これは、手続きなしに延長となった昨年や一昨年とは異なります。 

これがお客さまの確定申告の準備状況にどのような影響を与えるか。ソフトの販売状況、ご利用状況、そしてお客さまからのお問合せ状況を見る限り、多くのお客さまは本来の申告期限である3/15(火)に向けて準備を進めているようです。

事実としては最小限の手続きでの延長が発表になった2/3を境に一旦お問合せが減少しましたが、その後着実にお問合せが増えてきています。これまでの波形で見る限り、今年は無条件で延長となった2020年/2021年とは異なり、全体としては新型コロナウイルス禍以前の2019年に近いように見受けられます。

全体的に言えば、平常時の年に近い推移だけれども若干のアンダーといったところでしょう。例年は期限が終わるとお問合せがガクッと減少するのですが、今年はこれまでアンダーした分が3/15以降にシフトする分、本来の期限以降も例年よりは高めの状況が、延長時の期限である4/15まで続いていくと見ています。

会計事務所で申告業務を請け負っている場合には、4月以降は法人の決算業務が盛り上がってくることもあり、昨年/一昨年も延長にはなったものの、延長前の元々の期限で終わらすことを目指すという事務所がほとんどだった印象です。

今年は原則は通常通りの期限ということで、昨年にもまして本来の期限で終わらせるという意向の会計事務所が多いようです。ただ一方で、例年とは異なる事情として、1月末に事業復活支援金の申請が始まり、ここしばらくはそちらに集中せざるを得ないという状況もあるようです。

いずれにせよ、やはり基本は本来の期限を目指しつつ、心の安心として延長もありと考えるのがよいのではないかと思います。

そう言っている私も、ある程度の準備は済ませつつも、まだ申告書本体には取り掛かれていません。遅くとも今週末にはある程度目処を付けたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 23:13 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月09日

弥生会計の着実な進化(2/2)

昨年秋に提供を開始した弥生会計 22での着実な進化の一つは、前年度の仕訳の参照がラクになったこと。着実というよりは地味と言った方がいいかもしれませんが、特に会計事務所の方からは非常に評価の高い進化点です。

デスクトップアプリの弥生会計のデータファイルには3期分のデータが格納されています。このため、年度切替という機能を使うことにより前年度や前々年度の仕訳を参照し、必要があれば更新することができます(ただし、更新した場合には、その更新を次年度に反映するための次年度更新という処理が必要になります)。

もっとも、前々年度の仕訳を更新するというのは基本的にはないはずですし、前年度の仕訳を更新するのも特定の場合のみです。よくあるのは、例えば12月決算だとして、12月決算の処理が終わっていないけれども、新年度(1月)の仕訳を入力するというパターンですね。この場合は、新年度の仕訳入力と前年度の決算処理が同時並行で進むため、年度切替で行ったり来たりすることがあります。

一方で、前年度の仕訳を参照することは頻繁にあります。というのは、ある程度帳簿付けをしたことのある人であればおわかりのように、発生する仕訳はだいたいパターン化するからです。前年度発生した仕訳は今年度も発生する可能性が高いということですね。その中でも、一年に一回や数回のみ発生する仕訳については、あれ、これ前年度はどう仕訳したっけと確認したくなることがよくあります。典型的なのが、決算仕訳ですね。決算時にのみ発生する仕訳は、基本的に毎年同じ仕訳なのですが、年に一回だけに、覚えていないものです。

こうした時に便利なのが、これまでにもあった前年度仕訳日記帳という機能(帳簿・伝票メニューからアクセスできます)。この機能を使えば、年度切替をしなくても、即座に前年度仕訳日記帳を参照することができます。さらに前年度仕訳日記帳で、前年度の確認したかった仕訳をコピーして、当年度の仕訳日記帳に貼り付けすることもできます。

これに対し、今回の弥生会計 22からは、前年度仕訳日記帳に加え、前年度総勘定元帳/前年度補助元帳(帳簿・伝票メニュー)、そして前年度残高試算表(集計メニュー)という機能が追加されました。名前で想像できる通りですが、年度切替をしなくても、前年度の総勘定元帳や残高試算表をすぐに確認することができます。もちろん、前年度残高試算表を表示したら、そこから普通預金をドリルダウンして前年度総勘定元帳を表示するということも可能です。

また、行コピーして、行貼り付けという2ステップではなく、前年度仕訳日記帳(もしくは総勘定元帳)から「当年度の仕訳日記帳(総勘定元帳)へ登録」というサブメニュー(右クリック)を選択すると1ステップで該当の仕訳が当年度の仕訳日記帳(総勘定元帳)にコピーされるようになりました。

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前回お話ししたように、私の会社の決算では、まず入出金に使っている楽天銀行の明細をスマート取引取込で仕訳します。その後は、この「前年度」機能を使って前年度の仕訳をポチポチと当年度にコピー、その上で金額を調整すればあっという間に当年度の帳簿が完成するという訳です。実際に使ってみて、前年度からの仕訳のコピーがさらに簡単になったことを実感することができました。

地味な機能なので、お気付きでない方もいらっしゃるかと思いますが、是非一度試してみてください。会計事務所からの強い要望で追加した機能だけに、特に会計事務所の方からは、おお、これはいいね、と言っていただけるものと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:30 | TrackBack(0) | 弥生