2016年04月08日

新卒一括採用の是非

前回は、批判の声も聞こえる日本の新卒採用制度について、一定の合理性があると書きました。私は日本の新卒採用制度は、一定の条件の下でですが、いい制度だと思っています。

米国やヨーロッパ(国による違いはありますが、ここでは全体的な傾向としてお話しすると)の採用は即戦力志向。これは中途採用(転職)はもちろん、新卒についても同様です。新卒の場合、大学での成績に加え、インターンの経験などが重視されますが、これは専門職としてすぐに使い物になるかどうか、が重要な判断ポイントだからです。結果的に、最初の就職のハードルは日本とは比較にならないぐらい高い傾向にあります。むろん誰が見ても優秀な学生が就職に困ることはありませんが、平均的な学生にとっては即戦力として認められるというのは高いハードルです。他にも色々と要因がありますが、欧米で若年層ほど失業率が高いのは、採用する側の即戦力志向も一つの要因になっています。

これに対して、日本の新卒採用はポテンシャル重視。弥生でもお話ししていますし、同じような考えの会社も多いと思うのですが、即戦力として一年目からバリバリと結果を出すことは求めていません。一年目はまず着実に学ぶことが大事。焦ることはないよ、と。

つまり新卒の就職の難易度という意味では、日本の方が圧倒的にハードルが低いのです。実際、昨年3月に卒業した大学生の(昨年)4月1日時点での就職率は96.7%。9割以上の人が、卒業と同時に就職することができています。必ずしも希望通りの就職ではないにしても、とりあえず働くという入り口に立つことはできています。2年前に採用試験に受験料を徴収するとして話題になったドワンゴの川上会長(現カドカワ代表取締役社長)も言われている通り、新卒採用は「『新卒一括採用』というしくみは日本全体の大規模なインターンのようなもの」。まず入り口に立てる、チャンスを与えると意味で、本来は学生にとっては有利な仕組みのはずです。

ただし、新卒一括採用が唯一のチャンス、すなわち、新卒一括採用を逃してしまうと、入り口が一切閉じられてしまうとなってしまっては、途端にデメリットが大きくなります。海外留学で卒業のタイミングが異なる、大学を出てから就職する前にやっておきたいことがある、そういったケースでも入社のチャンスは与えられるべき。あるいは、一旦入社したものの、自分の目指す方向と会社の方向性が異なることがわかった、もう一度やり直したいというケースもあるでしょう。

弥生では、世間と同様のスケジュールで新卒の採用を行っていますが、弥生への入り口はそれだけではありません。他の会社で一定の経験を積んだ上で、さらなる活躍の場を求めての中途入社ももちろんあり。これまでのところ、新卒採用よりも中途採用の方が数が多いのが実態です。新卒入社で1〜2年程度経験は積んだものの、会社の方向性を踏まえ、別の道を選択する、いわゆる第二新卒もあり。これは実績としてはないのですが、留学などの理由で通常とは異なるスケジュールでの選考/入社となる新卒採用もありです。

小さいことですが、ある意味似た話として、就職活動時のいわゆる就活スタイル(就活スーツ)もそれはそれであり。とりあえず一着あればokですとか、一日に複数件まわれるというメリットはあるのでしょうから。一方で、いわゆる就活スタイルでないからダメということは一切ありません。もちろん、ビジネスの場としての清潔感は必要ですが、自分らしいスタイルはプラスになることはあっても、マイナスになることはありません。

大事なのは選択肢を提供すること。会社のビジョンに共感し、同じ方向に向かって歩むことは必要ですが、様々なバックグラウンドを持った多様な方が入社し、そして活躍できる場でありたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:43 | TrackBack(0) | 弥生

2016年04月05日

弥生へようこそ! 2016

タイミング的にどうしてもApril Foolネタと被ってしまい、結果的にご紹介が遅くなってしまうのが少々申し訳ないのですが、今年も4月1日(金)に、フレッシュな新卒社員が入社しました。今年の新卒新入社員は5名。2年前までは、ずっと4名(開発2名、マーケ2名)の採用が続いてきましたが、昨年は6名、そして今年は5名となりました。

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今年は男性が2名、女性が3名。男性2名がマーケティング本部、女性3名が開発本部です。これは本人の志望を踏まえ、結果的にそうなったというだけで、男性は問答無用でマーケティング本部という訳ではありません。男女×本部がうまくミックスされるのがいいようにも思いますが、これまでもお話ししてきているように、弥生では良い意味で男女の区別をしていません。あくまでも採用したい人で決定していますので、結果的に偏ることもありますし、それは結果オーライ(今どき聞かない表現ですね、苦笑)だと考えています。

今年入社した皆さんは採用スケジュールが大きく変わる中での就職活動となり、本当に大変だったろうなと思います。採用スケジュールの変更は、会社側にもかなりの混乱をもたらしましたが、それ以上にこれまでの経験則が通用しない中での活動を強いられた学生の皆さんの負担は相当だったようです。幸いにして、就職市場自体は上向き(求人が多い)だけに、最終的には高い内定率になったようです。そんな中で弥生を選び、そして無事に入社してくれたことには感謝しています。

一方で、来年に向けての採用スケジュールはまたまた変わるとのこと。弥生でも既に会社説明会を実施しています。弥生の採用情報ページもリニューアルされていますし、また今年は人事ブログも頑張ってまめに更新しているようですので、是非一度チェックしてみて下さい。しかし、毎年変わるスケジュールに合わせなければいけない学生も会社も大変です…。

そもそもこれだけ横並びに就職活動をしなければならないのか、については疑問ですね。むろんその方が学生にとっても会社にとっても効率がいいのは確かですし、全面否定する気はありません(一定の合理性はあると思っています)。ただ、もう少し自由や柔軟性があっても良いのではないでしょうか。あえて皆と同じ時期や格好では行動しない、それでも同じようなチャンスが与えられるべきだと思いますし、弥生としてはチャンスを与えたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:40 | TrackBack(0) | 弥生

2016年04月01日

新製品発売のお知らせ (April Fool!)

売上実績No.1の業務ソフトウェア「弥生シリーズ」を提供する弥生株式会社(本社: 東京都千代田区、代表者: 岡本 浩一郎、以下 弥生)は、本日4月1日、新製品として「どんぶり会計 XP」の発売を開始致しました。

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弥生が提供する「弥生会計」は、1987年の発売開始以来、30年近い歴史を有し、日本で最も多く利用されている会計ソフトです。また、弥生は2014年よりクラウド事業を本格展開しています。現在では、「弥生会計 オンライン」、「やよいの青色申告 オンライン」、「やよいの白色申告 オンライン」といった各種クラウド会計ソフトを提供しており、個人事業主の利用シェアNo.1を誇っています。

弥生はNo.1メーカーとして、より多くの事業者に会計ソフトをご活用頂き、市場を拡大する責務があると考えています。昨年来より市場調査を実施し、未だ会計ソフトを利用されていない事業者のニーズを調査したところ、「既存の会計ソフトは数字に細かすぎる」「もっとテキトーに利用できる会計ソフトが欲しい」といった声が一定数存在することがわかりました。

こういったニーズを踏まえ、弥生では、「ざくっと、アバウト、テキトー」をキャッチフレーズに、新製品「どんぶり会計 XP」を開発し、この度発売を開始致しました。

どんぶり会計 XPは、テキトーな会計を実現するために、売上に関しては1,000円未満切り捨て、経費に関しては1,000円未満切り上げで管理致します。また、どんぶり会計 XPにはファンクションキー【F8】一つで二つの帳簿を切り替える機能を有しています。どんぶり会計 XPは、弥生のアジア進出のための戦略製品としても位置付けられており、アジアの一部市場においては、二重帳簿が必須機能であるとの市場調査を踏まえた機能です。

なお、どんぶり会計 XPは、動作環境としてWindows XPに限定しています。これはマイクロソフト社によるサポートが終了し、セキュリティリスクが懸念されるWindows XPを意図的に利用することによって、万が一裏帳簿が発覚した際に、ハッキングによって勝手に作成された帳簿であるとの言い訳を可能にするためです。

どんぶり会計 XPは本日より日本市場で発売を開始し、順次アジア各国での発売を予定しています。

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posted by 岡本浩一郎 at 15:45 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月31日

経理の日

今日は3月31日。3月31日といえば、何の日でしょう。まあ、タイトルにもなっていますので、完全にネタバレしておりますが、今日3月31日は「経理の日」です。え、そんな日があったの?と思われるかもしれませんが、こちらでご確認頂けます。

以前お話しした通り、弥生とMisocaを結び付けた大きな要因の一つは、共通した想いでした。法人の決算だったり、個人事業主の確定申告が重なる三月(旧暦の弥生)にこそお客さまを全力でお手伝いしたいという想いからスタートした弥生。そして、月末(晦日)に請求業務が集中する事業者の方をお手伝いしたいという想いからスタートしたMisoca。

スモールビジネスの皆さんにとって、特に大変な時期である期末や月末。そんな時期にこそ、お客さまのお手伝いをしたい。業務効率化を実現することによって、お客さまがお客さまならではの価値のある仕事に集中できるようにしたい。そんな想いこそが弥生であり、Misocaでの共通した原点なのです。

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今日はまさに期末&月末が重なる日ということで、弥生とMisocaにとっては特別な日です。この特別な日を何らかの形にしたいと思っていたところ、この度、「経理の日」として一般社団法人 日本記念日協会に認定して頂くことができました。3月31日は弥生&Misocaの日、と同時に、経理の日。日本全国でビジネスの土台である会計や請求といった経理業務に携わっている方々に敬意を表する日です。

経理業務に携わっている皆さん、一年間お疲れ様でした。そして明日からもまた心機一転頑張りましょう! チーム弥生&Misocaも、これまで以上の多くのスモールビジネスに、これまで以上の価値を提供できるよう、これからも努力を続けていきます。

PS1. 弥生&Misocaの協業の小さな第一歩として、弥生IDでMisocaをご利用頂けるようになりました。この機会に是非試してみて下さい!
PS2. 経理の日認定記念で「331」Tシャツを作成し、先着331名にプレゼントするキャンペーンを行ったのですが、あっという間に331名に達してしまいました。ブログのアップが遅すぎました…。
posted by 岡本浩一郎 at 15:31 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月23日

大阪カウントダウン

昨年の東京本社引越に続き、大阪も引越をします、とお話ししたのが昨年の11月。その後12月には移転先が淀屋橋であること、ゴールデンウィーク中の引越を予定していることをお話ししました。東京本社引越のちょうど一年後に大阪も引越することになります。

12月の時点ではゴールデンウィークはまだまだ先と思っていましたが、いつの間ににやら3月も下旬。ゴールデンウィークまで1ヶ月ちょっとしかありません。引越の準備は進んでいるのかと心配になりますが、そこは大丈夫。既に賃借契約は既に開始しており、工事に着手したところです。

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12月の時点と少し変わったのは、賃借する面積を若干増やしたこと。12月の段階では1フロア+0.7フロアぐらいの賃借(合計540坪)を予定していましたが、今後の事業展開を考える上で、できる限り面積を確保しておきたいということで、2フロア丸ごと(合計610坪)にまで拡大することにしました。2フロア目は共用通路の関係で1フロア(317坪)×2の面積とはならないのですが、それでも、元々の大阪カスタマーセンターと大阪支店が合計434坪でしたから1.4倍にまで拡大することになります

旧大阪カスタマーセンターは長年同じオフィスだっただけにインフラの近代化が遅れている部分がありましたが、今回は全面的に見直します。これまでは、お客さまからの電話をお受けする回線がデジタル(いわゆるISDN回線)でしたが、これを全てIP化します。札幌は2007年のオープン当初からIPでしたから、今更という感もありますが、電話回線という枯れた技術だけにこれまであまり困ることはなかったというのが実情です。ただ、今回大阪/札幌共にフルIP化されることによって、サービスの柔軟性/拡張性が高まり、今後の事業展開が容易になると考えています。

大阪カスタマーセンター/大阪支店の拡大移転までもう少し。東京本社の「ヤヨイドオリ」のように特徴のあるレイアウトになっているということですが、晴れて移転した後にご紹介したいと思います。

東京、大阪と大物の引越が続きましたので、これでしばらくは打ち止めと言いたいところですが、実は今年中にもう一ヶ所の引越があるとか、ないとか。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月11日

あれから5年

東日本大震災からちょうど5年が経ちました。それなりに時間が経ったようにも思えますし、あっという間と言えばあっという間。あの時の記憶が薄れてきているという意味で時間は確かに経過しています。東京で暮らしている限り、良くも悪くも震災の影響を感じることもなくなりました。あの時の危機感はどこに行ったのでしょうか。一方で、もう5年も経ったのか、と思うのも事実。あっという間の5年間。

モノは溢れんばかりに豊富、街は安全。当たり前だと思っていた平穏が、実は当たり前ではないということを痛感した5年前。この5年間、平穏に暮らすことができたことの幸せを実感します。

当時は3歳だった娘ももう8歳。当時は幼稚園入園前だった娘が小学校に行くようになって、通学中に地震があったらどうするか、たまに話してはいますが、家族みなで今一度どうすべきか、話し合ってみたいと思います。また、危機感を持って買いそろえた備蓄品もモノによってはもう期限切れになっているでしょうから、再確認も必要ですね。

5年といえば、一区切りの時間に思えますが、被災地の本当の復興はまだまだこれから。微力ではありますが、弥生はこれまで復興のための支援活動を続けてきました。弥生のスモールビジネス応援プロジェクトブログでは、弥生のこれまでの取り組みを振返っています。正直、試行錯誤しながらの5年間でしたが、悩みながらでも続けることに意味があると思っています。今後も、もう必要ないと言われるまで、地道に、しっかりと続けていきたいと思っています。

最後になりましたが、お亡くなりになられた方々へ心より哀悼の意を表します。
posted by 岡本浩一郎 at 18:22 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月10日

あと6日

海外出張の間に、あっという間に3/15(火)が近付いてきました。そう、平成27年分所得税の確定申告の締切日です。今日を含めてもあと6日。さすがに時間がなくなってきました。今週末に一気に済ませようという方もいらっしゃるかと思いますので、是非知って頂きたい/ご活用頂きたい便利な新機能について、まとめておきたいと思います。

平成27年分確定申告書対応(オンライン/デスクトップ)
これは当たり前といえば当たり前ですね。確定申告書は法令改正にあわせて、毎年色々と様式が変わっています(法令改正によって、結構大きく変わる年もあれば、ちょっとした変更に留まる年もあります)。やよいの青色申告 オンラインとやよいの白色申告 オンライン(クラウドアプリケーション)、やよいの青色申告 16(デスクトップアプリケーション)は、いずれも平成27年分の確定申告書の様式に対応しています。印刷してそのまま申告書として提出頂けますし、e-Taxでの電子申告にも対応しています。

不動産所得対応(オンライン、デスクトップは従来から)
やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインで、不動産所得の取引入力および決算書(青色申告決算書/収支内訳書)の作成に対応しました。デスクトップ(やよいの青色申告 16)では、従来から対応していました。

消費税申告書対応(オンライン、デスクトップは従来から)
やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインで、消費税申告書の作成に対応しました。デスクトップ(やよいの青色申告 16)では、従来から対応していました。

スキャンデータ取込(オンライン/デスクトップ)
YAYOI SMART CONNECT(以下SMART)は、世の中のあらゆる取引を、会計データ(=仕訳データ)に自動的に変換する仕組みとして、約1年半前(2014年7月)にサービスを開始しました。この1月末から、SMARTの新機能として、レシートや領収書をスキャナーで読み取り、その画像データから会計(仕訳)データを生成することができるスキャンデータ取込機能を提供しています。特に紙のレシート/領収書が溜まっているという方に是非ご活用頂きたい機能です。

口座自動連携ツール(オンライン/デスクトップ)
これまでSMARTではMoneyLook, Zaim, Moneytreeといった外部サービスとの連携を通じて銀行取引やクレジットカード取引の取込と仕訳の機能を提供していました。昨年の12月からは、SMARTの標準機能として、口座自動連携ツールの提供を開始しています。つい先日(3/3)には口座自動連携ツールでの連携先の金融機関の強化も実施しています。

SMART連携先追加(オンライン/デスクトップ)
SMARTの連携先も随時強化を行っています。最近では経費精算サービスとしてStaple for 弥生やSTREAMEDとの連携を開始しています。また、オンラインのみとの連携となっていたMisocaやスマレジがやよいの青色申告 16(デスクトップ)との連携にも対応するようになっています。

スマホアプリ(オンラインのみ)
やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインの取引入力をスマホで行うことのできるアプリを提供しています。1月にiPhoneアプリを先行して提供開始しましたが、2月にはAndroidアプリの提供も開始しています。

これは毎年恒例ですが、確定申告応援プロジェクトでの情報発信も行っています。やる気さえあれば、初めての方でも必ずちゃんとした申告書を作成できます。2回目以降だけれど、なかなか手を付けられないという方は、この機会にSMARTやスマホアプリなどを是非お試しください。ツールをうまく使えば、思っている以上にすんなりと終えられるのではないかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 18:19 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月07日

久し振りの海外出張

久し振りに海外に来ています。FacebookにIn-N-Out Burgerの写真を載せたので、休暇かと思われた方もいらっしゃるかと思いますが、一応ちゃんとした仕事です(笑)。ちなみに、In-N-OutはIn & Outの略なので、「インアンドアウト」を早読みすればokです。カリフォルニアで美味いバーガーと言えば、ここ。お店の数も多くはないのですが、探してでも、クルマに乗ってでも食べに行って頂きたいバーガー屋です。

今回の出張は、弥生のさらなる進化に向けたプロジェクトの一環。まだその詳細をお話しできる段階にはありませんが、近年取り組んでいる弥生オンライン(社内的にはこれを成長の第三段ロケットと位置付けています)、2月にグループ会社となったMisocaとの取り組み(第四段ロケット)に続く新たな取り組みです。まだ社内ですらキチンと話してはいないのですが、さしずめ第五段ロケットということになるでしょうか。第四段ロケットであるMisocaとの縁組みが正式に成立し、安心してホッとしているということは全くなく、早くも次の第五段ロケットの仕込みに着手しています。

今回の訪問先の一つはこちら。

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そう、Silicon ValleyのIntuit本社です。Intuitは、米国No.1(=世界No.1)の会計ソフトベンダーであり、2003年までは弥生(当時はインテュイット株式会社)の親会社でもありました。2003年に日本から撤退して以降、資本関係はなくなったのですが、世界No.1プレーヤーとして、非常に刺激になる存在です。ただ、実は私がIntuitを訪問するのは初めて。既に人脈も途絶えているため、人ずてに紹介してもらっての訪問となりました。

Intuitもそうですし、他に訪問した会社もそうなのですが、初対面でもかなり突っ込んだ議論に応じてくれます。弥生が今考えていること、これからやろうとしていることに対し、「非常にいいポジションにいる」「いけそうだね」、とかなりの高評価。同時に、我々はこうしている、こういったことを考えた方がいい、とかなり親身にアドバイスをもらうことができました。

同行者は「初対面なのに随分と色々と話してくれるんですね」と驚いていましたが、確かに、全く知らない人間の訪問だと警戒されても不思議ではありません。それを有意義な議論にするためには二つのポイントがあるように思います。まずは、知り合いに紹介を受けていること。今回の場合、Business Schoolのアラムナイネットワークが大いに力を発揮しています。そしてもう一つはこちらからもちゃんと情報を提供すること。こちらがどんな会社で何を狙っているのかも話さずに、教えてくれだけでは、警戒されて当然ですし、先方として時間を費やす意味が見出せません。先方にとって直接的/短期的には役に立たないかもしれませんが、自社や日本市場についてちゃんと情報共有することは、当然の礼儀ですし、こちらの本気度を示すことになります。

昨日までに西海岸での予定を終え、今日は第二目的地に到着。明日の打合せ後には今度は第三目的地に向かい、そこからようやく帰国の途につきます。長いと言えば長い出張(弥生の社長になってからの最長記録です)ですが、打合せがみっちりと詰まった充実した出張です。前半戦の打合せでもいい感触が得られていますが、後半戦を通じて、「これならいける」「こうやってやろう」という確信を得て帰国したいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 14:00 | TrackBack(0) | 弥生

2016年03月03日

スキャナ保存制度対応

Misocaのグループ会社化というビッグニュースに霞んでしまいましたが、実は先週末(2/26)に待ち望まれていた機能をリリースしています。

それは、スキャナ保存制度対応。先立つ1/29にはスキャンデータ取込機能をリリースしています。本ブログでもお話ししていますが、これは、レシートや領収書をスキャナーで読み取り、その画像データから会計(仕訳)データを生成することができるという機能。画像データから、OCR(光学文字認識)処理によって、日付/店舗(会社)名/金額という取引データを読み取り、それを基に仕訳データを生成するという仕組みです。

これもお話しした通り、現在の技術では100%の正確性、100%の自動化とはいきません。特に使い始めは意外に時間がかかるのも事実。ただ、慣れてくると、手で一から入力するよりも圧倒的に効率化できます(会計事務所のプロの方にはなかなか敵いませんが)。先日、事例取材のために、実際に300枚にもなる領収書の取込を拝見させて頂いたのですが、最初の一ヶ月分はそれなりに試行錯誤。ただし、二ヶ月目に入ると一気にペースアップされていました(とは言え、最初の試行錯誤に関しては、使い勝手の改善が継続的に必要だと感じています)。

弥生のスモールビジネス応援プロジェクトブログでも、手入力とスキャンデータ取込で入力の速さを競うという企画を実施していましたが、やはりスキャンデータ取込の勝ち。経理経験者であり税理士有資格者のSさんより速いという想定外の速さでした(プロの方の名誉のために付け加えると、Sさんは経験者/有資格者と言えども、弥生社内では日頃実務をしている訳ではないので、決して速くはないということかと…)。

うまく使えば入力作業を圧倒的に効率化できるスキャンデータ取込ですが、スキャンした領収書はキチンと保管しておく必要があります。画像のデータ自体は保管されているものの、あくまでも作業用のデータ。正式な証憑としての領収書は後で参照できるように、キチンと整理して確実に保管する必要があります。

ただ、領収書の保管をしなくても済む(つまり処理後は廃棄することができる)制度があります。それがスキャナ保存制度。実はスキャナ保存制度自体は2005年から存在していました。ただ、スキャナ保存が認められるための要件が厳しかったために、ほとんど活用されてきませんでした。それが2015年の税制改正によって、一気に身近なものとなったのです。2015年の税制改正では、1) 3万円以上の契約書や領収書もスキャナ保存可能に、2) 電子署名の付与が不要に、という大きな要件緩和がなされました。

もっとも、要件が緩和されたとはいえ、それなりにハードルはあります。保存されるデータの真正性を確保するために、タイムスタンプの付与、電子化文書検索、第三者承認、操作ログの保存という機能が必要になります。

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これらの機能を正式に提供開始したのが、今回の2/26のリリースということになります。これによって、単にデータを取り込むだけなく、元となった証憑の廃棄(逆に電子的に保存)までもが実現できます。入力の自動化はもちろん、証憑の整理/保管という業務もなくす。会計業務の前工程も後工程も自動化された、会計業務 3.0の世界がさらに広がったことになります。

実は、今回リリースしたスキャナ保存制度対応はスキャンデータ取込の当初リリース時(1/29)には一応完成していました。ただし、証憑の代わりとなる電子データを最長10年の長い期間、法令に確実に基づいた形で保存することになりますから、万が一にも不具合があってはいけません。そのため、いつも以上に長い検証期間を経ることとし、ようやく2/26に正式なリリースの運びとなりました。

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スキャナ保存制度は、業務的に求められる要件(第三者承認など)もあり、誰でもがすぐに導入できるわけではありません。また、業務の流れを変えることになりますから、それなりに慎重に検討すべきものです。ただ、一度定着すれば大幅な業務効率化につながります。是非多くの方にご利用頂きたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 16:06 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月29日

ビジョンの一致

Misocaと弥生が一緒に歩むことを決めた背景には、想いの一致と実績の一致があるとお話ししました。月末(晦日)、そして、期末(3月、弥生)という繁忙期のお客さまのお手伝いをしたい、という想いの一致。また、それぞれの分野でNo.1という実績の一致。

実はもう一つ重要な「一致」があります。それはこれから実現しようとしているビジョンの一致。想いはもちろんですが、より具体的にどのように価値を提供するかというビジョンが一致していること。お話ししたように、豊吉さんと初めてお話ししたのは一昨年の夏のこと。当初はサービスをまず連携するところからのスタートで、これからのビジョンについて突っ込んだ議論をできるようになったのは、しばらく経ってからです。議論を通じ、お互いが目指しているものが一致していることがわかったことが、今回の縁組みにつながりました。つまりMisocaとして独自に続けるのではなく弥生と組むこと、弥生としてMisoca対抗のサービスを新たに開始するのではなく、Misocaと組むことこそが、お互いに実現しようとしているビジョンへの最短距離であると理解できたからこそ、それを実現すべく検討を続け、今回の結論に至ったわけです。

それでは、そのビジョンとは何か。実は今、Misocaで提供しているサービスはまだまだ入り口に過ぎません。ウェブやiPhoneで簡単に見積書や請求書を作成できる。請求書の自動郵送機能を利用すれば、郵送の為にポストに行かなくても済む。これらは既に90,000近い事業者にその価値を実感頂いています。Misocaは圧倒的に使いやすいと好評ですし、好評だからこそ、ご利用頂いている方の周りに利用者が広がっていく好循環になっています。

ただ、Misoca/弥生としては、提供できる価値はまだまだあると考えています。現状のサービスは見積書や請求書を発行する側(売り手)にとっては利便性の高い仕組みです。メールで送るのは容易ですし、自動郵送機能もご利用頂けます。でも、受け取った側(買い手)は? 現状では買い手(受け取った側)は売り手(送った側)と同等の利便性を享受できているとは言えません。

そもそも、見積〜発注/受注〜納品/検収〜請求〜支払/入金というのは、売り手と買い手をまたがった一連の流れです。ただ、中小企業においては、本来は一連の流れを一連のものとして処理することはできていませんでした。多くの場合は、その途中に多大な手作業が必要となっています。Misoca/弥生はこの流れを一気通貫で電子的に処理できるようにしたいと考えています。一気通貫で電子的に処理できるようにすることによって、圧倒的な業務の効率化を実現する。

実はこの発想は全く新しいものではありません。EDI(Electronic Data Interchange, 電子データ交換)として大企業では普及が進んでいる仕組みです。これをMisocaと弥生が力をあわせることによって、日本の中小企業や個人事業主でも当たり前のものにしたいと考えています。

EDI、実はこれがMisocaと弥生のビジョンを語る上での重要なキーワードでした。豊吉さん率いるMisocaとともに、共通のビジョンの実現に向けて着実に前進していきます。
posted by 岡本浩一郎 at 17:29 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月26日

Misoca & 弥生

本日2/26(金)に、弥生は株式会社Misocaの全株式の買収を完了しました。Misocaという素晴らしいパートナーと力をあわせ、中小企業、個人事業主、起業家の皆さんにこれまで以上の価値を提供していきたいと思います。

思い起こせば、弥生がオリックスグループの一員となったのが2014年12月22日。本件の検討は昨年の秋から進めており、本当はちょうど一年後となる2015年12月22日の完了を狙っていたのですが、さすがにそこまですんなりとはいかず、何だかんだと時間がかかってしまいました。とはいえ、本件の成立にご協力頂いた各位に改めて感謝致します。

契約の締結は2/16(火)だったのですが、この日は私が名古屋のMisocaオフィスを訪問してご挨拶。とても和やかな雰囲気の中でお話しさせて頂くことができました。改めていいチームだなと実感。全ての手続きが完了した今日は、今度は豊吉さん、松本さん、奥村さんの三人に弥生の本社に来社頂き、皆の前でご挨拶を頂きました。この三人に、弥生から参加する一名を加えた四名がこれからのMisocaの経営陣ということになります。

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これまでも、今後の事業計画についても色々と議論はしてきていますが、名実ともにグループ会社となった本日が正式な出発点。Misocaも弥生もそれぞれの事業は順調ですから、焦る必要はなく、まずは目指す方向をしっかりとすり合わせしたいと思っています。

私も本日付でMisocaの社外取締役に就任しました。私自身は一ヶ月に一度は名古屋に行こうと思っています。実は両親が名古屋出身ということもあり、名古屋に行く機会が増えることは実は大歓迎だったりします(笑)。

何気に嬉しいのは、MisocaメンバーのFacebook投稿に気兼ねなく「いいね!」できることでしょうか。これまではグッと我慢していたので…(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 17:22 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月22日

想いの一致と実績の一致

この度、弥生は、株式会社Misoca全株式を買収し、100%子会社とすることになりました。Misocaは、名古屋のベンチャーで、クラウドベースの請求管理サービスを提供している会社です。見積書や請求書の作成・送付・管理をクラウドで行うクラウド請求管理サービスは、まだ新しいマーケットですが、Misocaは、2011年11月にサービスを開始した先駆者であり、90,000社近い登録事業者(正確には先週時点で88,000事業者)を誇る、この分野でのマーケットリーダーです。今後Misocaと弥生は同じグループとして、クラウド請求管理サービスのさらなる発展を目指していきます。

Misocaの豊吉さんと初めてお会いしたのは、2014年8月の末のことでした。YAYOI SMART CONNECTでの連携に向けての打合せの場です。初めての印象は「結構地味な方だな」というもの。失礼に聞こえるかもしれませんが、これ、褒め言葉です。昨今は良くも悪くも「イケイケ」なベンチャーが多い中で、Misocaは地味といえば、地味。ただ、それがMisocaと弥生の共通点かもしれません。ビジネスとかファイナンスの話以前に、まずは、よい物を創って、お客さまに新たな価値をお届けしたい。少しお話ししただけで、豊吉さんの想いがストレートに伝わってきました。豊吉さんもエンジニアですし、私もエンジニア出身(現役引退からだいぶ経ってはいますが)だけに、お互いの理解が早かったのかもしれません。

最初の打合せで、私がした質問とその回答が、今回の縁組みをある意味運命付けていたような気がします。私の質問は結構単純で、「ミソカって、どういう意味なんですか」、というもの。「月末に請求業務が集中する事業者の方をお手伝いしたいと思ったからです。実は弥生さんの名前も結構意識しました」というのが豊吉さんの答え。そう、ミソカというのは、晦日、つまり月末の意味。名古屋だけに「味噌カツ」というのはよくある誤解です(笑)。ご存知の方も多いと思いますが、弥生は、法人の決算だったり、個人事業主の確定申告が重なる三月(旧暦の弥生)にこそお客さまのお手伝いをしたいという想いで、当初は製品名として命名され、それがその後会社名にもなりました。

つまり繁忙期のお客さまのお手伝いをしたい、という想いこそがMisocaであり、弥生の共通した原点なのです。

その後9月末には、TOKYOイノベーションリーダーズサミットのパネルディスカッションにおいて、一緒に登壇させて頂きました。競合になりうるけれども、お互いに連携することによって、つまりオープンイノベーションによって、一社ではできないことを実現したいということをそれぞれの立場でお話したのですが、私はその時点から、ひょっとすると将来的には、と思っていたのは、今だからこそお話しできること。

その後11月には、YAYOI SMART CONNECTによる連携を開始。以降、Misocaは順調に事業を伸ばし、そして弥生も順調にクラウド(弥生オンライン)を立ち上げ、そして伸ばしてきました。TOKYOイノベーションリーダーズサミットの記事を見ると、当時のMisocaは登録事業者数が15,000、月間の請求発行総額が15億円を超える状態でしたが、今では、登録事業者数が88,000、月間の請求発行総額が100億円を超えるというところまできました。一方で、弥生は、デスクトップアプリケーションで17年連続の圧倒的No.1を維持するだけではなく、初の法人向けクラウドサービスとなる弥生会計 オンラインを無事にリリースし、個人事業主向けに関しては、利用シェアで過半を超えるところまできました。つまりNo.1という実績においても一致しているのが、Misocaと弥生です。

想いの一致、実績の一致。ここに至るまでにはそれなりにドラマもありましたが、一緒になるべくして一緒になれたと感じています。それぞれが市場を牽引する存在だからこそ、一緒になることによって、さらなる先を目指すことができます。これからMisoca & 弥生で実現する新たな価値に是非ご期待頂きたいと思っています。
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2016年02月19日

弥生が起業を応援するワケ

前回お話ししたように、今シーズンは合計4回のface to faceでの青色申告セミナーを開催しましたが、参加希望の方が多く、早々に全会場とも満席になってしまいました。それだけ希望者がいらっしゃる中で、何とかできないか、ということで、実は昨日と今日の2回、弥生の東京本社で、弥生の社員(税理士の有資格者)を講師として追加開催しました。それでも日程上都合があわない等の理由で希望頂きながらも最終的に参加できなかった方も一定数残ってしまい、今後への反省材料となっています。

前回もお話しした通り、物理的にセミナーを開催するというのは、場所だったり、回数の制約があるのは事実なのですが、来シーズンに向けて、より多くの方のご希望にお応えできるようにしたいと考えています。今シーズンに関しては、動画セミナーは誰でもいつでもどこからでも見て頂けますので、是非ご活用頂ければと思います。

さて、今日もセミナーの話なのですが、テーマは、「起業」。私は、大学などからご要望を頂いて、セミナー/講演をすることが度々あります。テーマは、ご要望に応じて変わりますが、定番のテーマは「会計」と「起業」(時間があれば両方カバーすることも)。先週も「起業」をテーマにお話しする機会がありました。

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今回の会場は、母校(!)である栄光学園。実に20年以上振りの母校訪問です。栄光学園では、現在校舎の立て替え中で、授業は仮設校舎で行われています。かつての校舎は跡形もありませんが、そこここに想い出の欠片があり、懐かしい想いを胸に講義を行ってきました。事前に担当の先生とテーマのすり合わせを行ったところ、学生は起業について聞く機会がないので、是非話をしてほしいとのこと。

何で私が起業について話すのか、と思われるかもしれませんが、本ブログの右側プロフィールにもあるように、私は弥生の社長になる前は、自分で経営コンサルティング会社を起業し経営していました(その会社は現在活動休止中ですが、もう8年経ってしまいました…)。起業した際には、ユーザーとして弥生会計と弥生給与を利用していたというのは、いかにも出来過ぎた話ですが、本当の話です。

起業というと一般的には「すごいこと」「リスキーなこと」と思われがちですが、私が起業したのは、自分がやりたい経営コンサルティングに徹底的に拘りたかったから。自分としては、特段すごいことをしたとも思っていませんし、途轍もないリスクを取ったとも思っていません。大事なのは、何をやりたいか。それが既存の企業の中に存在すればその会社に入ればよいし、それが既存の企業の中で実現できなければ自分でやればよい。みんなが起業することはなくても、起業しようと思えば誰にでもできる。そういったことをお話ししました。

皆さん高校生(一年生)ということで、これまで「起業」について考えることはなかったようですが、講義を経て、「選択肢として起業もあり」とは思って頂けたようです。

弥生が起業を応援するワケ。それは私自身の経験で、起業が素晴らしい選択肢だと思っているから。また同時に、前回の青色申告セミナーにこだわるワケと同様なのですが、お客さまが本当に達成したいことのお手伝いをしたいからです。

お蔭さまで弥生はNo.1。当然、起業をされる方に使って頂く会計ソフトとしてもNo.1。私自身も、弥生を利用して起業しました。ただ、私自身もそうでしたが、ソフトは所詮手段に過ぎません。お客さまが本当に達成したいのは、事業を無事に立ち上げること、そして事業を通じて、自分がやりたいことを徹底的に追求すること。だからこそ、弥生は起業を応援します。

そういった意味で、今回のような大学や高校での講義はいわば「種まき」。講義を聞いて頂いた方が、いつか起業し、自分の夢を叶えることの後押しをできれば、と考えています。

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2016年02月17日

弥生が青色申告セミナーにこだわるワケ

先週火曜日(2/9)にクロスオフィス渋谷で青色申告セミナーを開催しました。クロスオフィス渋谷は、オリックスが運営するレンタルオフィス/シェアオフィス。つまりこれは、オリックスグループでの協業企画でもあります。今回の講師は、税理士の脇田先生。そうです、私が以前ご紹介したダンゼン得する 知りたいことがパッとわかる 青色申告と経費・仕訳・節税がよくわかる本」の著者です。実は今回のセミナーは、これから青色申告をされる方向けに、この本のエッセンスを是非ご紹介したいということで急遽企画されたものです。あまり準備の時間もなかったのですが、脇田先生、出版社であるソーテック社、そしてクロスオフィスのご理解を得て、何とか開催に漕ぎ着けることができました。

当日は満席。何とかスペースを確保して、当初予定した人数を超えて参加頂くことができました。私も参加したのですが、なんと会場で友人に会うというサプライズ。BCGの同僚で、プレゼン資料作成の神様、奥秋さん。プレゼンステーション代表として、昨年には「プレゼン資料作成のツボとコツがゼッタイにわかる本」を出版されています。実は奥秋さんは脇田先生と知り合いだったというおまけ付き。世の中は狭い。

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セミナーは脇田先生の経験に基づいた有益なtips満載で、とても好評でした。私は、様々な先生のセミナーを拝聴させて頂いており、なおかつ仕事も仕事ですから、それなりに青色申告には詳しいはずなのですが、やはり毎回新たな学びがあります。それだけ奥が深い領域とも言えますね。

この他にも2月上旬から中旬にかけて3回、全て別々のシェアオフィスで青色申告セミナーを開催しました。こちらの講師は内田先生。どの会場も満員で、とても好評でした。

弥生では、やり方は毎年少しずつ見直しながらも、毎年この時期に青色申告セミナーを開催しています。弥生といえば、やよいの青色申告 16だったり、やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインだったり、ソフトの提供が仕事でしょ、と思われがちですが、実は弥生自身としては、ソフトを提供するだけでは十分ではないと思っています。お客さまにとって、ソフトはあくまで手段でしかありません。お客さまの達成したいことは、無事に申告を済ませること、そしてできるだけ節税すること。

実際、白色申告ではなく青色申告をすることによって、大幅な節税ができるのですが、それでも「青色申告って難しいんでしょ」という先入観で最初から諦めてしまっている方もいらっしゃいますし、青色申告をしたいと思っていても、「でもどうすればいいのか、さっぱりわからない」という方も多くいらっしゃいます。

そういった現実がある以上、弥生はソフトを提供して終わりにするではなく、お客さまが本当に達成したいことのお手伝いをすべきだと考え、そして行動しています。お蔭さまで毎年地道に実施している確定申告応援プロジェクトもだいぶ定着してきました。このサイトを見ていただければ、そもそも青色申告って何から始まり、実際に何をどうすればいいのか、一通り理解して頂けるようになっています。

青色申告セミナーも、この確定申告応援プロジェクトの一部という位置付けになりますが、face to faceで知りたいであろうことをダイレクトにお伝えできるという意味で、とても意味のあるものだと感じています。どこからどこまでが経費になる、こういった場合はどうすればいい、など、やはり対面でないとなかなか伝えられない部分はありますから。一方で、物理的にセミナーを開催するというのは、場所だったり、回数の制約があるのは事実。本当は北海道から沖縄まで、毎週のように開催できればよいのですが、それは会場の手配や講師の依頼も含めてなかなか困難です。そのため、以前もご紹介したように、誰でもいつでもどこからでも見ていただける動画セミナーもご用意しています。

ただ、やはりface to faceで実施することによって、お客さまがどういったところで悩んでいるのか、躓いているのかを理解することは、今後改善を図っていく上でもとても大事なことだと思っています。地道な活動ではありますが、今後も弥生は青色申告セミナーにこだわり続けます。
posted by 岡本浩一郎 at 23:24 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月15日

弥生オンラインの確定申告機能強化

先週金曜日(2/12)に、やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインの平成27年分確定申告対応機能をリリースしました。

平成27年分の所得税の確定申告は明日2/16から開始になりますので、何とか間に合わせることができました。デスクトップアプリケーション(やよいの青色申告 16)の平成27年分確定申告モジュールは1/21に提供を開始していましたから、それと比べるとオンライン(クラウド)側での対応はだいぶ遅くなってしまいました。

デスクトップアプリケーションの確定申告機能は2011年に完全にリニューアルし、その後も第3表/第4表への対応など機能強化を行ってきました。まだ改善の余地はあるものの、6シーズン目ということで、比較的成熟の域に達しつつあります。これに対して、オンライン(クラウド)側の確定申告機能は3シーズン目。1シーズン目の2014年は白色申告のみの対応、2シーズン目の2015年は青色申告に対応。そして3シーズン目となる今回は、平成27年分の法令改正に対応するのはもちろん、不動産所得に対応、そして消費税申告に対応と一気に機能拡充を図りました。

昨年の申告期には、不動産所得のある方、消費税の課税事業者の方など、折角やよいの青色申告 オンラインに興味を持って頂いていても、まだサポートできないお客さまが一定数いらっしゃいました。しかし、今回の機能強化で、サポートできるお客さま層が格段に広がったことになります。ただ、その分、開発のボリュームも大きく、さらにソフトウェアの品質に万全を期すためにここまで時間がかかってしまいました。

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しかし、時間をかけただけにその出来栄えには自信ありです。単純に不動産所得用の青色申告決算書や(白色申告用の)収支内訳書、消費税申告書を出力できるというだけではなく、弥生ならではの当たり前に徹底的に拘っています。初めて確定申告する方でも、画面の誘導に従って頂ければ必要な項目を漏れなく間違えなく記入することができ、必要な書類を完成させることができるようになっています。

いよいよ明日から確定申告が始まります。デスクトップ(やよいの青色申告 16)も、クラウド(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)も準備万端です。是非ご活用下さい。
posted by 岡本浩一郎 at 20:32 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月10日

メガバンク最終決戦

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オフィス内でふと気が付くと、こんなポスターが貼られていました。ここは確かこの間までは、TVドラマ「37.5℃の涙」のポスターが貼られていたはず。これは…、と思ってポスターをよく見ると…、ありました。監督は本ブログに度々登場している古澤 健さん(と佐和田 惠さん)。「37.5℃の涙」も大変好評だったようで、再びTVドラマのメガホンを握ることになったようです。

メガバンク最終決戦」。今週の日曜日、14日にスタートするとのこと。今度は地上波ではなくWOWOW。WOWOWと言えば、有料放送だけど契約していないという方も多いかと思いますが、第一話は無料での放送。続きを見たければ契約して、ということなんでしょうね。

今回の原作は波多野聖さんの「メガバンク最終決戦」。最近は池井戸潤さんの「半沢直樹」シリーズもそうですが、銀行を舞台にした小説とそのTVドラマ化が多いですね。メガバンクという得体の知れない化け物のような(失礼!)組織の中で、様々な個人がそれぞれの想いを持って奮闘するというストーリーは個人的にも結構好きで、池井戸潤さんの作品は大体読んでいます。

弥生の社長として、色々な銀行の方とお付き合いがあるのですが、あの銀行のあの人は、この本/ドラマをどう思っているんだろう、とついつい想像してしまいます。

ドラマ「メガバンク最終決戦」楽しみです。が、皆で見に行きたいので、映画も期待しています! > 古澤さん。
posted by 岡本浩一郎 at 18:24 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月05日

今年も確定申告応援プロジェクト

今日は朝一番の飛行機で大阪入りして、大阪カスタマーセンター(大阪CC)で打合せ。毎月初に、前月のお問合せへの対応状況を分析し、何が課題か、何をすべきかを議論する場を持っています。今期は消費税率10%への引上げの延期の影響もあり、期初(10月)からお問合せが多く、例年に比べるとお電話がつながりにくい時期が続いてしまっています(申し訳ありません)。例年お問合せが増える年末調整期には何とか立て直しを図ることができましたが、2月中旬には今度は確定申告関連でお問合せが急増します。盛り上がる確定申告期にキチンとお問合せに対応できるよう、万全な備えを進めています。

さて、今回の大阪にはもう一つの目的があります。明日、2/6(土)の午後3時から、ヨドバシカメラ マルチメディア梅田店で確定申告応援イベントを行います。家電量販店での店頭イベントは、前回お話しした「変わらないこと」の一つです。私が弥生の社長に就任した2008年以降、毎年この時期にイベントを実施しています。

「変わらない」店頭イベントですが、中身は毎年少しずつ変えていっています。今回は、先週提供を開始したスキャンデータ取込のデモも行いますので、大阪近郊在住で、そろそろ確定申告の準備をどうしようかな、という方は是非お立ち寄り下さい。

店頭イベントだけではなく、弥生の確定申告応援プロジェクトでは、確定申告に関する様々なお役立ち情報を発信しています。この確定申告応援プロジェクトの一環として、税理士の先生を講師としたセミナーも開催しています。ですが…。今チェックしてみたところ、全て定員に達しておりました。あらら…。しかしご安心ください。そんな時のために、動画セミナーもご用意しています。動画セミナーは全7章。合計70分ですが、隙間時間に1章ずつ学習を進めて頂くことが可能です。テキストもダウンロードできますので、それをざっと見て頂くだけでも参考になるかと思います。

いよいよ今年も確定申告の時期がやってきます。弥生は今年も変わることなく、個人事業主の確定申告を全力で応援していきます!
posted by 岡本浩一郎 at 18:57 | TrackBack(0) | 弥生

2016年02月03日

変わらないこと、変わること

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先週金曜日にBCN AWARDの表彰式が行われました。お蔭さまで、弥生は業務ソフト部門と申告ソフト部門の二部門で受賞。業務ソフト部門に関しては17年連続17回目の受賞、申告ソフト部門については12年連続12回目の受賞です。業務ソフト部門に関しては、BCN AWARDが発足して以来の連続受賞。申告ソフト部門については、途中で部門が設立されたのですが、部門ができた一回目は受賞を逃したものの、二回目以降は連続での受賞です。

毎年一月に開催されるBCN AWARDは、同じく恒例となっている神田明神へのお参りとあわせ、今年一年のやる気を駆り立てるいい機会になっています。

今年のBCN AWARDでの個人的なトピックは、受賞式の後に開催された懇親会での乾杯の発声を行ったこと。弥生よりも圧倒的に大きい会社の方もいらっしゃる中で、ご指名を頂くとは少々意外でしたが、おそらくBCN AWARDの発足以来17年連続受賞を評価頂いてのことかと思い、大役を務めさせて頂くことになりました。

乾杯の挨拶では、変わらないこと、変わることをテーマにお話しさせて頂きました。ちょっと前に弥生への入社を検討頂いている方との面接で、「長年No.1を維持できている秘訣は何ですか」と聞かれたことが記憶に残っていたからです。

弥生がBCN AWARD発足以来、17年間No.1を維持できているその理由。それは「変わらなかったから」であると同時に「変わったから」だと考えています。

この17年間(その前もですが)、弥生の想いは変わることがありませんでした。日本の中小企業、個人事業主、起業家の事業の立上げと発展を支えたい。実は正確に言えば、この想いが一瞬揺らいだ時期はありました。より単価の大きいビジネスを求め、従来よりも大きい規模のお客さまを求めた時期が。その揺らぎは、やがてシェアの低下につながっていきました。幸いにしてBCN AWARDの受賞が危ぶまれるような事態になる前に、軌道修正を行うことができました。その後は、弥生のお客さまに関する想いは一ミリたりともブレていません。

一方で、想いが変わらないことは、やることが変わらないことを意味するものではありません。一貫した想いを実現するために、むしろやることはドンドンと変えていく。最近で言えば、昨今の家電量販店の店頭のあり方を反映し、パッケージを小型化したり、POSAと呼ばれる販売形態を導入したり。こういった新しい試みは、下手をすれば、売行きを低下させたり、シェアの低下につながるリスクもあります。ただ、時代が流れる中で、変わることを拒絶することは、時代から遅れていくことを意味します。そこに待っているものは、ゆっくりとした衰退しかありません。

他の例で言えば、クラウドアプリケーションである弥生オンラインの立上げ。弥生オンラインは家電量販店では販売していませんので、お客さまが弥生オンラインに一気に流れれば、相対的に家電量販店での売行きが失速する、シェアが低下する、最悪のケースでは家電量販店での販売に特化している競合にNo.1の座を奪われる可能性もあります。

それでも、お客さまのニーズがそこにあるのであれば、時代の流れがそちらを向いているのであれば、果敢にチャレンジする。変わらない想いのために、自らを駆り立て、自らの意志で変わっていく。

お蔭さまで弥生は圧倒的No.1。ちょっと前にもお話ししましたが、クラウドでも既に過半のシェアでNo.1です。今後もNo.1を守りではなく、攻めによって維持していきたいと思っています。

懇親会の乾杯の挨拶としては、上記の骨子をもう少し広げてお話ししました。ただ、結果的に結構長い挨拶になってしまい反省しております。おそらく当面は乾杯の挨拶の依頼はなくなったのではないかと(苦笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:47 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月29日

スキャンデータ取込の精度

いよいよ今日からスキャンデータ取込機能の提供を始めました。レシートや領収書をスキャナーで読み取り、その画像データから会計(仕訳)データを生成することができます。これによって、会計業務の最初から最後までを一貫して自動化する会計業務 3.0が実現します。

ただ、現時点では、100%完全な自動化とはいきません。やはり確認、そして必要に応じて修正は必要。スキャンデータ取込の場合、画像データから、OCR(光学文字認識)処理によって、日付/店舗(会社)名/金額という取引データをどれぐらいの精度で読み取れるかが、自動化の精度を左右します。
現状がどのレベルなのか、実際にサンプルで見て頂くのが早いかと思います。

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まず一枚目の画像ですが、画面の下、左手にスキャンしたレシートが表示されています。この画像から、日付、店舗名(最終的な仕訳データでは摘要として扱われます)、そして金額が正しく読み取られています。これだけの情報があれば、既存のYAYOI SMART CONNECTの推論エンジンによって、仕訳データを自動で作成することができます。この例で言えば、店舗名の中にある「書店」という単語を手がかりに、「新聞図書費」という勘定科目が選択されますし、この後の例では「エムケイ」や「MK」といった単語から「旅費交通費」が選択されます。

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次に二枚目の画像ですが、こちらも日付/店舗名/金額が正しく抽出されています。実は、今回のスキャンデータ取込では、こういったレシートから正しくデータを抽出するために一つの工夫が盛り込まれています。OCR処理では、印字された数字はかなりの確率で正しく読み取ることができますが、それに比べると、文字はやや苦手。さらに、文字と言っても、最近のレシートではかなり一般的な、ロゴ化された店舗名はかなり苦手です。この画像のレシートでも、「宮きしめん竹三郎」という店舗名はロゴ化されていますから、このままでは正しく読むことができません(なんできしめんなんだ、という突っ込みはご容赦下さい、たまたま手元にあったものを使用しています、笑)。

実は、スキャンデータ取込では、店舗名を読むのではなく、レシート/領収書には一般的に印字されている電話番号を読み取っています。読み取った電話番号と電話帳データを照合し、電話帳データから店舗名を取り込んでいるのです。今回のスキャンデータ取引を開発するにあたって、店舗名を直接OCRで読み取る方法と、電話番号をOCRで読み取って電話帳データを参照する方法とで比較した結果、後者の方が圧倒的に読み取れる確率が向上したため、この方式を採用しています。

ただ、この方法も完璧ではなく、電話帳データが更新されていないために、その電話番号で以前営業していた店舗名が出てくるということも稀に発生します。特に、同じ会社が運営している別ブランドにお店が変わった場合(あくまでもイメージですが、例えば、スカイラークからガストに変わったようなケース)に、電話番号が変わっていないが故に、前の名称で出てくることがあります。

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次の画像ですが、これは店舗(会社)名こそ読み取れているものの、日付を読み取れておらず、また金額も誤っています。これは領収書画像を見ていただければわかりますが、日付や金額が手書きになっているためです。やはり、現時点の技術では、手書きのOCRは難しい(ただし、それこそ確定申告書のように、数字が手書きされるエリアが特定されており、なおかつ、OCRで読みやすい書体で手書きされれば読み取れる確率がぐんと向上します)。このように、読み取れない情報、あるいは誤った情報がある場合には、該当項目をこの画面で入力/修正する必要があります。なお、読み取れない情報がある場合には、データの編集エリアの「確定情報」という項目が「?要確認」となっており、そのままでは「確定して次へ」をクリックできないようになっています。

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最後の画像ですが、これは日付/金額は読み取れているものの、店舗(会社)名が読み取れていないケース。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、これはホテルのA4サイズの領収書。サイズが大きく、どこにどんな情報が書いてあるかの判別が難しいために、電話番号を見つけられなかった(それゆえに店舗名も埋められなかった)ケースです。

このように、現時点でのOCR処理は完璧ではなく、そのため100%の自動化とまではいきません。ただ、100%ではなくとも、可能な範囲でデータ化されることにより、ほとんどの場合は、一から手で入力するよりは圧倒的に早く処理することができます。ほとんどの場合と書いたのは、プロである会計事務所の場合は、高速に入力することに慣れているが故に、手で入力のほうが速いケースも存在するからです。逆に言えば、プロではない一般の事業者の場合は、この機能をうまく活用することによって、大きな業務効率化を実現できます。

もっとも、現状の読み取り精度で満足しているわけではありません。今後とも改善を続けることによって、自動化の率を上げていきたいと思っています。これはOCRの精度を上げるだけではなく、POSベンダーと協力して、レシート/領収書上に2次元バーコードを印字してもらうといったやり方も考えられます。この先、軽減税率の導入とともに、レシート/領収書に法人番号のような事業者を特定する情報を印字するようになってくるかと思いますが、そのタイミングで、レシート/領収書上に日付/法人番号/(税率ごとの)金額を埋め込んだ2次元バーコードを印字することも日本全体として業務の効率化を進めていく上では有効なやり方なのではないでしょうか。もちろんその先には、そもそもレシート/領収書を紙で印刷せず、最初から電子データとして発行するという世界も目指すべきだと考えています。

将来的には、最初から全てが電子データとして自動処理されるようになる。それこそが、真の会計業務 3.0の世界です。ただ、一気にそこまでは行かなくても、まずはできるところからの自動化でも、これまでの業務から大きく効率化を実現することができます。実際に使えるかどうか。これは是非ご自身で試して頂ければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 23:50 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月27日

会計業務 3.0

いよいよ今週金曜日にYAYOI SMART CONNECTの新機能として、スキャンデータ取込をリリースします。先週の発表以来、お客さまや家電量販店の方、会計事務所の方などにご紹介すると、とても好意的な反応が返ってくるのが印象的です。「すごい」「待っていました」と。

スキャンデータ取込が実際にどのように動作するかなど、本ブログでもご紹介させて頂きますが、今日はその前に、スキャンデータ取込を実現する原動力となっている「弥生が目指す世界」についてお話しさせて頂きたいと思います。それは会計業務の第三世代、いわば「会計業務 3.0」です。

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振返ってみると(正直もはや想像することも難しいですが)、会計業務は最初すべてが手作業でした。何か取引があって、領収書などを受け取る。まずは領収書の整理。よくあるのは白紙にペタペタ貼っていくというやり方ですね。これはもちろん手作業。そして会計伝票を手で起票。次に起票された伝票を基に、必要な帳簿(総勘定元帳など)に転記。そして帳簿を手作業(当初はそろばん、その後は電卓でしょうか)で集計。ここまでの手作業を地道に積み重ねて、ようやく自分の事業の現状を表す資料である、試算表ができるわけです。ところが、ここで誰かが、「すいませんこの領収書を忘れていました」となれば、集計は全部やり直しです。これが会計業務の第一世代、会計業務 1.0。

会計ソフトの登場は、会計業務の後工程を自動化することによって、会計業務を第二世代へと進化させました。転記は全て自動で行われますし、集計もボタン一発です。上の例に挙げたような、領収書が後から出てきて青ざめるといったことはもうありません。ただし、領収書の整理は引き続き手作業ですし、伝票を手で起票することはなくなっても、手で会計ソフトに入力する必要はありますから、前工程の業務効率は会計業務 1.0の世界から大きく変わりませんでした。とはいえ、後工程が自動化されるだけでも大きな業務効率化です。弥生会計は、圧倒的No.1の会計ソフトとして、この会計業務 2.0を広く世の中で一般的なものとするために貢献してきたと自負しています。

ただ、会計業務が2.0に進化してから数十年(Windows 95で弥生会計が広く使われるようになってからでも20年)、反省も交えて言えば、そこから再び大きく進化することはできていませんでした。もちろん問題意識がなかったわけではなく、限られた範囲ではありますが、入力を自動化する仕組みを模索してきました。代表例が2007年に提供を開始したMoneyLook for 弥生。これによって、銀行の取引(インターネットバンキングの明細)を取り込んで自動で仕訳に変換することが可能になりました。会計業務の前工程を自動化する時代の幕開けです。

弥生の問題意識と技術の進化がかみ合って、会計業務をさらに進化させる動きが明確化した年が2014年。2014年7月にリリースしたYAYOI SMART CONNECTによって、それまでも実現していた銀行の取引だけではなく、クレジットカードや電子マネー取引、さらには、POSの売上や請求の情報に至るまで自動仕訳が実現しました。

そして、今回提供するスキャンデータ取込によって、既にデータ化されている情報だけではなく、ついに紙までも自動仕訳の対象とすることができるようになりました。さらに、電子帳簿保存制度(スキャナ保存制度)まで利用すれば、紙の原本を廃棄することが可能になりますから、領収書の整理も不要になります。スキャナでどんどん読み込めば、後は画像データとしていつでも参照できるようにシステムが保管してくれます。

これこそが弥生が目指してきた「会計業務 3.0」の世界です。つまり今回のスキャンデータ取込のリリースは、前工程も後工程も自動化された会計業務 3.0の世界の入り口にようやく到達したことを意味します。もっとも会計業務 3.0の世界はまだまだ始まったばかり。データとして取り込める情報をもっともっと広げたいと思っていますし、セキュリティの観点では、もっと安心してご利用頂けるようにしていかなければなりません。また、スキャンデータ取込にはOCRという文字読み取りの技術が活用されていますが、まだまだ100%の精度という訳にはいきません。

本当の意味で、証憑の整理から記帳、試算表/決算書作成までを一気通貫で自動化するためには、会計業務 3.0をもっともっと深化させる必要があります。それによって、お客さま、そして会計事務所を単純作業から解放し、より付加価値の高い業務にシフトできるようにすること。それこそが弥生の目指すものであり、弥生の原動力です。
posted by 岡本浩一郎 at 11:27 | TrackBack(0) | 弥生