2016年09月07日
KING
2016年01月15日
弥生の起業家応援プロジェクト
2014年12月15日
G型起業とL型起業
2014年06月12日
悪貨と良貨、再び
懸念が再び繰り返されようとしています。2010年に日本証券業協会で「有価証券の引受け等に関する規則」が起業家にとって望ましくない方向に改正されそうになりました。これは、続発している未公開株詐欺事件を防ぐために、ベンチャー企業が上場前に個人投資家から出資を受けた場合には、原則として上場を認めないというものでした。幸いにして、パブリックコメントに多くの反対意見が集まり、結果的にこの改正は見送りになりました。
未公開株詐欺は波紋を広げており、この影響で、新設法人の銀行口座開設の審査が厳しくなったことも本ブログで取り上げました。未公開株詐欺が起きない、広がらないように対策を行うことは当然必要なことだと思いますが、その結果、真面目に起業しようとしている人に悪影響を与えるようでは、本末転倒。悪貨が良貨を駆逐してしまうことになります。
今回、金融庁から適格機関投資家等特例業務の見直し案が公表され、議論を呼んでいます。詳細は、前回の有価証券の引受け等に関する規則改正の際にも議論を引っ張った磯崎さんのブログを見て頂きたいのですが、今回も(ファンドの形態をとったものも含め)未公開株詐欺に類する金融詐欺を防ぐことが目的とは言え、結果的にベンチャー企業の健全な発展を阻害することにつながりかねない見直し内容になっています。幸いにして、この見直し案はまだ正式に決定されたわけではなく、パブリックコメントを募集中です。
パブリックコメントは今日の17:00まで。何分時間が限られますが、パブリックコメントの中身の精度以上に、まずは声を上げることが重要だと思います。以下はご参考までに、私が提出したコメントです。希望される方がいらっしゃれば、コピー可です。私自身も、後段の見直しの方向性は磯崎さんをはじめとする有志に思いっきり乗っかってしまっていますので(笑)。
---
適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案等の一部見直しを求めます。この度公表された適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案等については、適格機関投資家等特例業務を行う者がファンドの販売等を行うことができる投資家の範囲を必要以上に狭めてしまうことにより、特にベンチャーに投資を行うファンドの組成を不当に阻害してしまう可能性があると考えています。これは、結果的にベンチャーの健全な資金調達に悪影響を与え、ひいては日本再興戦略の一つの柱である開業率の引き上げにもマイナスの影響を与える可能性があります。
このため、主としてベンチャーへの投資を行うファンドに投資をする場合については、一定の要件を満たし、適合性の原則上の問題が小さい投資家については規制の対象外とすることをご検討いただきたいと考えます。
変更案につきましては、既に複数の独立系ベンチャーキャピタリストより提案されているものと思料致しますので、当該変更案を支持したいと思います。
以上宜しくお願い致します。
---
2014年05月29日
「あきんど」研修
弥生のフェイスブックページでもちょっと前にアップされていましたが、先日、社内で「あきんど」というボードゲームを使った会計の研修がありました。対象となったのは、入社1年目から3年目の新卒社員(ただし、今年入社の開発系社員は外部研修のため不参加)。
何せ会計ソフトを開発している会社ですから、全社員に会計/簿記の知識が求められます。色々な研修も実施しているのですが、どうしても耳学問になってしまう傾向があるので、今回はゲームを通じて会計の必要性、重要性を体感しようという試みです。
このゲームの基本は、仕入れた商品を売って利益を得ること、とシンプルですが、仕入れは当然手持ちの資金の制約を受ける(ただし借り入れも可能)、一方で、売れる数は社員の数によって上限が決まってくる、など現実の世界を模した様々なルールが決まっています。最初は皆戸惑っていましたが、やがて慣れ、(研修なのに?)楽しそうにゲームを進めていました。
このゲームでは、現実の世界と同様に、いわゆる売掛になってすぐには現金が増えない売上が存在します。このため、売上はあがっているのだけど現金が増えない、むしろ事業規模が拡大するほど資金繰りが苦しくなる傾向にあり、それだけに現金の管理がとても重要になってきます。これこそがこのゲームでとても重要なポイント。
私自身は(遠慮して?)見学していたのですが、皆、借り入れには慎重なのに、社員を雇うのは積極的(社員を雇わないと売れる数が限られてしまう)なのが、なかなか興味深かったです。実際には社員を雇うことの方がよっぽど慎重になるべきかと思いますが…
以前拙著でも書いたように、会計とは「自分の事業が今どんな状況にあるかを正確に、かつタイムリーに把握する」ということ。逆に会計ソフトはそのための手段に過ぎません。そういった意味で、会計ソフト以前の話として、会計の重要性を一人でも多くの方にお伝えしたいと思っていますし、今回の「あきんど」のようにゲーム形式で学ぶこともとても意味のあることだと感じています。
2014年05月14日
新陳代謝
先日、「社長の平均年齢」という記事を書きました。日本の社長の平均年齢は58.9歳、年々平均年齢が上がっており、新陳代謝が進んでいません。この記事から、「社長の賞味期限」「社長の引き際」と続きましたが、実は本当に書きたかったのは、この新陳代謝ということ。
アベノミクスでは、開業率を10%以上にすることが日本再興戦略(pdf)の一つの柱として掲げられています。現在は5%に満たない開業率を10%以上に引き上げる。チャレンジングな目標に見えますが、起業を促進するということ自体は、例えば民主党政権時代にも、マニフェストで「100万社起業を目指す」とされてきました。ただ、民主党政権時代には、具体的なアクションがほとんどないままに、何も結果を生まなかったのはご存知の通り。ただ、民主党政権だけを責めるのは酷で、その前から起業促進というお題目は長年言われ続けながらも、結果を伴わない状態が続いてきました。
そういった意味で、アベノミクスでの起業促進も、またか、となるわけですが、実はこれまでと大きく異なる点があります。それは、日本再興戦略においては、開業率だけでなく、開業率・廃業率ともに10%以上を目指す、としていること。具体的には「我が国の起業・創業を大幅に増加させ、開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指すとともに、経営者の高齢化・後継者難が一層深刻化する中で、経営者の世代交代、親族外への事業承継等による有用な経営資源を移転促進することより、中小企業・小規模事業者の新陳代謝を促進する」とされています。
新陳代謝を促進する。起業を経験し、今は起業を応援する立場として、私自身も起業を促進するためには、廃業も促進しなければならない、すなわち新陳代謝が必要だと強く感じています。
考えてみれば当たり前で、市場規模が大きくは増えない(人口が減っている国で市場規模を大きく増やすことは難しい)中で、起業は増える一方で廃業する事業がなければ、より競争が厳しくなることになります。競争自体はいいことですが、必要以上に競争が厳しければ、誰も利益を上げることができません。そして利益が上がらなければ、起業した方も長続きはしません。どう考えても事業に先行きはないけれど、とりあえず今の売上のために利益度外視で事業を続ける会社があれば、その市場に参入した起業家は利益を上げることができませんし、生き延びることもできません。逆に、将来のない事業が市場から撤退すれば、新たに起業した事業にチャンスが生まれ、そして起業した事業が新たな雇用を生み出します。
ただ、考えてみれば当たり前と言いつつも、廃業率を上げることを戦略として掲げるのは勇気のいることです。政治は往々にして、耳障りの良いことだけを前面に出し(例えば、社会福祉を充実させます)、一方で不都合な真実を隠してしまう(誰かがその福祉を負担しなければならない)。そういった中で、開業を促進するために、廃業を促進すると宣言したことは、本当に画期的なことです。もっとも、これが政策として実際に成果を生むところまではいっていません。現実問題として、円満な形で廃業を進めるためにも、社長個人による保証の負担を軽減する(個人保証のため、事業を辞めるに辞められない状態を解消する)、事業承継を容易にする、従業員の再雇用を容易にする(必要に応じて成長産業で働くためのスキルトレーニングを行う)など、乗り越えるべきカベは多く存在します。
それでも、廃業率が低く、新陳代謝が進まないことが問題としてはっきりと認識され、その解消に向けて動き出したことは、大きな大きな一歩です。期待をもって今後の推移を見守りたいと思います。
2012年12月13日
「成長志向型起業」と「夢の実現型起業」(その2)
前回は、弥生のお客さまとしてIT系ベンチャーが多いこと、そして弥生がIT系ベンチャーを応援しているとお話ししました。お客さまが成長して、弥生を「卒業」されることを誇りに思う、とも。
ただ、「弥生のお客さま = IT系ベンチャー」かというと、決してそうではありません。また、お客さまが皆グローバル展開をしようとしているかというと、そうではありません。絶対数で言えば、IT系ベンチャーはむしろ少数です。また、とにかく早く成長してというよりも、小さくても自分がやりたいことをやりたい形で納得がいくまでやりたいという方の方が多いかと思います。もちろんIT系ベンチャーでも自分のやりたいことができればいいというケースもありますので、ここでは、「成長志向型起業」と「夢の実現型起業」と分類しましょう。
こうやって分類してみると、数が多いのはやはり、夢の実現型起業です。数が多いからというわけではないのですが、弥生としては、成長志向型起業以上に、夢の実現型起業を応援していきたい考えています。もちろん、成功志向型起業も応援しています。ただ、それ以上に、夢の実現型起業を応援しなければならないと考えています。なぜ、とちょっと不思議に思われるかもしれませんね。
もちろん弥生は成長志向型起業を応援しています。ですが、成長志向型起業は、弥生以外でも応援する人が多く存在します。まじめにやっていて、有望なベンチャーであれば、それを育てるためのエコシステムが育ってきています。資金を出したり、経営をサポートしたり。資金の出し手も多様化していますし、資金を出すだけでなく、かなりハンズオンで経営の支援を行う組織も増えてきました。弥生もそういった方々と協業し、エコシステムの「一部」として貢献したいと思っています。
これに対し、夢の実現型起業を支えるための仕組みは脆弱です。周囲や同じ業種での先輩からアドバイスを得るということはあるでしょうが、成長志向型起業を支えるエコシステムとは比較になりません(考えてみれば当たり前で、成長志向型起業は、成長すればリターンが大きいからこそそれを支援しようとする人が多く存在し、エコシステムを形成するわけです)。だからこそ、弥生が応援し、お手伝いしたいと思っています。正直、長い長い道のりですが、夢の実現型起業を支えるエコシステムを弥生のパートナーとともに実現したいと思っています。
2012年12月12日
「成長志向型起業」と「夢の実現型起業」(その1)
先週ご紹介したブログ記事でDanさんが、「誰もがグローバルに成功しようと思って起業するわけじゃない。多くの人は規模は小さいままでも、自分が望むライフスタイルを実現するためのおカネを稼げれば十分ハッピーだよ」と書いていました。
特にネットを見ていると、やはり多く見聞きするのはIT系のベンチャー。国境を軽々と越えていくネットの特性を活かして、日本だけでなく、早い段階から海外を目指すという事例も多く目にします。最近では、そもそも日本ではなく、シリコンバレー(あるいはアジア)で起業というケースもあるようです。こういったIT系のベンチャーは弥生の有力なお客さまです。やはり、ITということもあって、最初からPCを使ってちゃんと管理という意識が強いように見受けられます。IT系のベンチャーが集まる場に参加することもちょこちょこあるのですが、弥生を使っている人がとても多いですし、「もちろん弥生使ってます、それ以外に選択肢があるんですか」と言われることもあり、嬉しいばかりです(あ、ただ、さすがに海外で起業された場合は、弥生を使うというのはないでしょうね)。
こういったIT系のベンチャーを、弥生として是非応援していきたいと思っています。お客さまには、是非成功してもらいたい。折角ならばグローバルで。残念ながら、上場が視野に入ってくるようになると、弥生を使わなくなるかもしれません。でもそれでもいいと思っています。実際、現在は超有名なIT企業でも、創業時は弥生会計だったというケースも決して少なくありません。成功して大きくなり、弥生を「卒業」された。成功して、卒業頂くことは、弥生にとっては誇りです。
ただ一方で、弥生のお客さまの皆がとにかく早く成長して、できればグローバル展開したいと思っているわけではありません。Danさんが言う通り、「誰もがグローバルに成功しようと思って起業するわけじゃない」。ただ純粋に自分がやりたいことをやりたい形で納得がいくまでやりたいから起業する。むしろこういったケースの方が数としては圧倒的に多いと思います。
2012年11月05日
モード学園
ちょっと前の話になりますが、9/20に東京モード学園の生徒向けに「アントレプレナー特別講義 〜独立・起業に必要なお金の知識〜」という講義を行いました。そう、あのイケてるコマーシャルとイケてるビルで有名な東京モード学園です。同校では、将来ファッション、メイク・デザイン業界で独立や起業を目指す学生たちのためにアントレプレナー(起業家)制度を設けており、その一環としての特別講義です。
当日は、東京モード学園と同系列になるHAL東京あわせて280名弱の生徒向けの講義。これまで学校での講義は何回かやってきていますが、今回は最大規模。ちょっとは緊張するかと思いましたが、そうでもなく(笑)、楽しむことができました。
講義の内容は独立・起業に必要なお金の知識ということで、まずは起業に関してのよくある誤解と実態をお話ししました。例えば、起業は特別なことと思われがちですが、意外に普通なことだというお話をしました。年間に起業するのは20万人〜30万人と言われていますが、一方で一年に生まれる赤ちゃんの数が100万人ちょっとですから、無理やりな比較をすれば5人に1人は起業してもおかしくないことになります(より正確に言えば、いま起業されるのはやはり20歳以上が大半ですから、かつての出生数150万人前後と比較すべきですが、起業を30万人とするとやはり5人に1人という割合になります)。
後半はお金の管理について。会計と聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本はお小遣い帳と変わらないという話です。ただ、事業では売掛のように売上と現金の増加にずれが発生することもあり、最悪の場合黒字倒産することもあります、といった話をクイズ形式でできるだけ簡単にお話ししました。昨年出版した拙著「会計ソフトだけではダメ!本当の会計の話」をギュっと濃縮した内容です。
会計については、以前法政大学などでもお話ししたのですが、その際に何の気なしに「月末締めの翌月末回収」ですとか、「粗利は…」という表現を使ってしまい、後になって、うーん、十分に伝わらなかったかなという反省もありました。その反省を活かし、今回は用語も含め、とにかくシンプルに、かつ少しずつ進めるようにしました。理解して頂きたいのは、用語そのものではなく、何のために会計が必要なのかということですし。
結果的には話した本人としても手ごたえを感じる出来でした。東京モード学園というとファッションということで、興味を持ってもらえるか心配でしたが、皆さん熱心に聞いていましたし、徐々に難易度が上がるクイズにもちゃんと答えてくれました。後日受講レポートを送って頂いたのですが、「考え方が変わった」「起業は意外と身近な選択肢なんだと思った」など、お伝えしたかったメッセージがちゃんと伝わったようで、ホッとしました。
皆さん若いので、今すぐに役立つことはないかもしれません。ただ、この先どこかで起業を考えることがあった際に、そう言えば昔こんな話を聞いたな―、と思い返してもらえたら嬉しいですね。
2012年09月20日
事業計画作成サポートツール
前回ご紹介したドリームゲート×弥生のコラボ企画「開業計画NAVI」の目玉が、事業計画の作成をサポートする、その名も「事業計画作成サポートツール」です。
このツールは前回ご紹介した9業種(飲食、理美容、ネットショップ、小売業(店舗)、Web・モバイル、ITシステム関連、マッサージ・整体・リフレクソロジー、建設業、運送業)それぞれにあった事業計画の作成をサポートします。ということで、まず最初にこの9業種の中から業種を選びます。自分の考えている業種がない、というケースでは、一番近そうな業種を選んでください。例えば、私はかつて経営コンサルティング会社を起業・経営していましたが、人こそが資産で、逆に言えば人以外に投資もいらないし、ほとんど原価が発生しないという意味で、この9業種の中ではITシステム関連が比較的近いかと思います。
業種を選んだら、今度はまず必要最低限の情報を入力します。事業の名称、開業資金として自己資金/借入/その他それぞれでどれだけ見込むか、そして想定している1年目の売上。実はたったこれだけの入力で、それらしき事業計画が出来上がって来ます。人件費がどれぐらい、家賃等がどれぐらいで、月の利益はどれぐらい。入力していないのに、なぜそのような数字が出てくるかというと、これがこのツールのミソなのですが、最初に入力した最小限の情報に加え、先輩経営者のデータを加味することによって、おおよそ目安となる計画が自動的に計算されます(このために最初に業種を特定する必要があります)。
もちろん、自動計算に頼るのではなく、自分で入力することもできます。このツールでは経常的な費用だけではなく、開業時の費用も自動計算しますが、例えば、ここで業種としてITシステム関連を選んでいると、OA関連機器の金額が大きくなります。実際にはコンサルティングなので、そこまでOA関連機器は要らないといった調整もできるということです。
2012年09月18日
開業計画NAVI
前回は現在弥生が提供している「皆藤愛子 みんなの起業診断所」にあわせて、LinkedIn起業シミュレーターを紹介しました。まずは気軽に起業を考えてみましょう、という意味では両方とも同じ趣旨ですが、お遊びといえばお遊びです(しつこいですが、「皆藤愛子 みんなの起業診断所」はプレゼントキャンペーンも兼ねていますので、それを考えるとお遊び+実益?ですね)。
一方で、真面目に起業を考えるためのツールも提供しています。それが「開業計画NAVI」です。この開業計画NAVIはドリームゲートと弥生のコラボで提供しています。ドリームゲートと言えば、そう、起業家大量輩出プロジェクト「起ちあがれニッポンDREAM GATE」の運営主体です。(かつての)イメージキャラクターがボブ・サップ。そういえば、なんて思い出される方も多いのではないでしょうか。起業・会社設立ならドリームゲート、ということで、起業のためのポータルサイトを運営しています。
このポータルサイトの新しいコーナーとして今年の5月から「開業計画NAVI」をオープンしました。この開業計画NAVIの最大の特徴は、事業計画を作成するためのサポートツールを提供していること。飲食、理美容、ネットショップ、小売業(店舗)、Web・モバイル、ITシステム関連、マッサージ・整体・リフレクソロジー、建設業、運送業の9業種でそれぞれの業種にあった事業計画の作成をサポートします。
2012年09月12日
LinkedIn起業シミュレーター
先月末にLinkedIn起業シミュレーターというサービスが開始されたということで、さっそく試してみました。このLinkedIn起業シミュレーターは、LinkedInやTwitter, FacebookといったSNSでつながっている友達と会社(もちろんお遊びですが)を設立し、その会社が5年後にどうなっているかを予測してくれるというもの。
SNSとしては、LinkedInやTwitter, Facebookのいずれかで友達を選べるようですが、せっかくLinkedInのサービスなので、私はLinkedInの友達から創業メンバーをチョイス。ランダムで選ぶこともできますが、私の場合は、これはというお二人をハンドピック。イケメン(←ウソ)40代半ば3人での起業となりました。創業メンバーと、何を重視するか(アイデア/技術/人材)を選べば、結果は自動で出てきます。
結果は御覧の通り。5年後は従業員数937名で、時価総額が157.8億円。事業としては、通信事業が46%、コンサルティングが30%、航空事業(!)が24%。主な市場はメキシコ、イスラエル、日本だそうです。時価総額の下には、売上と利益のグラフも出てきますが、良く見てみると、相当儲かっていますね、これは。売上が45億円に対し、利益が30億円程度。これだけの利益体質で、成長軌道であれば、もうちょっと時価総額がいってもいいような気もします。
突っ込みどころは沿革ですね。「新卒採用の人気1位に」あたりはよい(?)ですが、「企業買収を仕掛けられる」「同業他社を買収する」といったあたりはかなりの波乱万丈を予感させます。さらに、2017年には「金鉱山を買収」しつつ「神社建立」とやや混乱しております(良く見ると、2017年の利益の伸びが鈍化していますね、ってそこまでキッチリ作り込まれているのでしょうか?)。
2012年05月28日
商号(続き)
前回、商号について、よくある商号を使うことのデメリットは検索エンジン対策、と書きましたが、独自ドメインを取れるかどうかも重要というご指摘を頂きました。確かにそうですね。今は検索エンジン経由でお目当てのウェブサイトに辿りつくことが多くなり(これはこれで前述のデメリットに直結しますが)、逆にURL(http://www.yayoi-kk.co.jp/など)を直接入力することが少なくなりました。ただ、メールに関しては、やはりドメイン名が前面に出ますし、メールアドレスが独自ドメインになっていないと、×とは言いませんが、やはり独自ドメインの方がそれらしく見えるのは事実です。どんなドメインが取得可能かどうかは、ドメイン取得サービス会社で簡単に調べますので、商号を決める前に要チェックです。
前回の記事で、この時代に「岡本商会」とか「岡本情報企画」みたいな名前をつけるのは抵抗がある、と書いてしまいましたが、他意はありません(今のところ抗議も頂いていませんが、汗)。念のために、岡本商会でググってみると約1,070,000件ありましたが、岡本情報企画はないようですので、狙い目かも。この時代に漢字の名称を付けることのメリットはうまくやれば目立つ、インパクトがあるということですね。弥生がいい例で、今時のIT企業ではカタカナ社名がほとんどだけに、弥生というのは結構インパクトがあっていい名前だね、と言って頂くことが多いです。いきなり引用して恐縮ですが、芸者東京エンターテインメント株式会社という社名はカタカナ入りではあるものの、「芸者」というのが抜群のインパクトです。
話はそれますが、前回ご紹介した東京商工リサーチの調査で、商号の地域性についてふれています。前回(2008年)の調査結果では、『北海道・東北が「高橋建設」「佐藤建設」「佐藤工務店」などが目立ち、関東・中部が「鈴木工務店」、「佐藤工務店」、「鈴木建築」などが多く、近畿以西の西日本地区では「山本工務店」「田中工務店」「田中建設」などが上位に並んだ。』とあります。以前、日本経済新聞で名字の地域別勢力分布という記事があり(元ネタは明治安田生命保険の調査)、東は「佐藤」「鈴木」が多く、西は「田中」「山本」が多いということでした。両方を重ねてみるとバッチリ合致しますね。
2012年05月25日
商号
東京商工リサーチがどんな商号(会社名)が多く利用されているかについて調査結果を発表していました。これによると東京商工リサーチの企業データベースに登録された全国261万社の中で、最も多い商号は「アシスト」だそうです。609社。続いて「ライズ」、「アドバンス」。漢字の商号では「鈴木工務店」が最高位で、14位(291社)、僅差で「佐藤工務店」(15位, 288社)が続きます。
だいたい想像ができることですが、漢字だけの商号の割合は44.2%と4年前の前回調査より4%程度減っているそうです。反対にカタカナのみの商号が0.9%増加し、27.6%になっています。以前は認められていなかった英字の商号(有名なところでは株式会社WOWOWなど)も、着実に増加しており、前回の1.7%から3.6%へと倍増しています。
私が自分の会社を立ち上げたのは2000年でしたが、今どきの会社(?)ということで、やはりカタカナ商号にしました。この時代に「岡本商会」とか「岡本情報企画」みたいな名前をつけるのは抵抗がありますよね。昔は一般的でしたが、豊田や本田のように個人名をつけること自体がかなり減ったのではないでしょうか。そういった意味では、弊社のパートナーである会計事務所は個人の名前がついていることが多い(というかほとんど)ので、珍しい業界ということになるのでしょうね。弁護士事務所もそうですが、プロフェッショナルとしての個人が前面に立つ業界では、やはり個人名入りが主流のようです。とはいえ、こういった業界でも法人化の波もあり、「税理士法人FIS」「ベンチャーサポート税理士法人」「エンデバー法律事務所」など個人名でない名前が増えてきています。
昔は会社の登記時に同一市町村で同一の商号の使用を制限するための類似商号調査をしなければならないという決まりがありました。これは、結果的に同じ商号の増加を(所詮同一市町村ですから、ある程度ではありますが)抑制する効果がありました。ただ、新会社法によって、類似商号調査は不要になり、結果として商号がかぶりやすくなってきています。
2012年05月07日
みんなの起業診断所オープン!
弥生は起業・開業を応援します! ということでこの度、25周年キャンペーンの一環として(便乗し?)、「皆藤 愛子 みんなの起業診断所」という特設サイトをオープンしました。これはお堅いイメージのある(?)弥生にしては、結構くだけた内容で、手軽に自分の起業家度を診断することができます。
前回はリスクについて書きましたが、起業といえばリスクの高いもの、ハードルの高いものと思われがちです。今回の「皆藤 愛子 みんなの起業診断所」は、弥生のイメージキャラクターである皆藤愛子さんのナビゲートのもと、ゲーム感覚で楽しみながら起業について考えてみようという企画です。このサイトはFacebookとも連動しており、Facebookの「友達」を起業力の一つである人脈の判断材料として使ったり、その人脈で会社を作った際の組織図を作ることができます(もちろんFB連動なしでも楽しんで頂けますが、コンテンツは限られます)。
早速ですが、私もやってみました。私の起業成功度は61.2%。うーん、悪くはないけど良くもない? リーダーシップとマネーセンスはバッチリですが、体力が課題のようです。あれ、意外に当たっているかも?
続いて、起業したい業種を選んで組織図を書いてもらうと、私は「株式会社夢ホテル」の総支配人になりました。料飲部長以下、FBの友達をヘッドハントしましたが、半分近くがアメリカ人の友人です。これはどうも、夢ホテルは日本ではなく、ハワイにできるようです。これは冗談抜きなのですが、私はホテルを経営するのが将来(20年後?)の夢なので、まさにA dream come trueです(笑)。
さらに、FBアカウントを利用して診断を行った場合は、「THE 社長グッズプレゼントキャンペーン」にご応募頂くことができます。これは診断された起業成功度のランキングに応じて、毎月、高級チェア、ワインセラー、バスローブとブランデーグラスなど成功した社長の部屋にありそうなグッズをプレゼントするものです。さらにさらに、このキャンペーン期間を通じて最高の成功度を達成された方には、な、ななんと、その方の銅像を作成してプレゼント致します。
2011年09月20日
創業計画書の無料相談
前回、弥生の起業家応援の一環として、「弥生の開業応援プロジェクト」についてお話ししました。その際はさらっと流してしまいましたが、「起業」応援と言いつつも「開業」応援プロジェクトとなっていることに微妙なズレを感じられた方もいるかもしれません。
これは実は意図的です。前回、起業は決して縁遠いものではない、実際に年間200,000以上の新しい事業が生まれていると書きました。起業というと、やっぱり株式会社で、ITベンチャーで、VCから出資を受けて、急成長して上場を狙ってという先入観がある一方で、実際に起業している業種は実に多岐に渡るとも。実際に、「起業」というよりも、「開業」といった方がしっくりくるような、独立して何かを始めるといったケースが多く存在します(飲食業であったり、フリーランスであったり、理美容であったり)。起業というと縁遠く感じられるかもしれませんが、開業であればもっと身近に感じて頂けるのでないかと考え、今回は飲食業/フリーランス/理美容業に特化して「開業」応援としてプロジェクト化したという次第です(ITベンチャーを含め、これ以外の業種ももちろん応援していますし、今後さらに様々な応援/支援を立ち上げていきますので、念のため)。
今回のプロジェクト・サイトは、できるところからやっていこうということで、まだ未整備な部分も多いのですが、是非一度ご覧頂ければ幸いです。特にご注目頂きたいのは、本プロジェクトがウェブサイトに閉じられたものではないこと。もちろん、ウェブでの情報提供が中心とはなりますが、リアルでのセミナーや各種企画と連動して進めていきます。
特に飲食業の方にご利用頂きたいのが、「弥生の開業応援プロジェクト」と連動してこの度立ち上げた「創業計画書作成無料相談」。これは、飲食業の開業を志している方に対し、起業支援、会計・税務支援を手掛けている弥生のパートナー会計事務所と協力し、創業計画書作成の無料相談を行うものです。この相談サービスでは、弥生ホームページ上の特設ページより、全国13都道府県の60の会計事務所の中から相談したい会計事務所を選択し、専用フォームや電話、メールで創業計画書の作成について無料で、直接相談をすることができます。
2011年09月02日
着々と
弥生の起業支援の一環としてお手伝いしているETIC.のソーシャルベンチャー・スタートアップマーケット。2年間で100名の社会起業家を支援することを目指したプロジェクトです。昨年6月の第1期の募集からもう一年以上。本ブログでは昨年8月のブラッシュアップミーティング、そして9月の第1期の最終選考について書いて以降、しばらく紹介しておりませんでしたが、プロジェクトは着々と進んでいます。
既に第3期までの選考が完了しており、3期を通じて95名の起業家(スタートアップメンバー)が自分の夢を実現するため、社会にインパクトを与えるために頑張っています。スタートアップメンバーの皆さんの一覧はこちらで見ることができます。取り組もうとしていることは皆さん様々ですが、共通しているのは熱い想いです。
今日は第2期・第3期メンバーの進捗レビューがありましたが、皆さんの進化には本当に驚かされます。正直にお話しすると、最初の選考の段階では、事業計画として「うーん、気持ちはわかるけど」ということが多いのです。熱い想いは伝わるけれど、それを事業として継続的に実施できるだけの裏付けが見えない。下手をすれば夢物語。それでも、それを実現するお手伝いをするのがこのプロジェクトですから、将来の可能性を織り込んで選考を行います。
選ばれたメンバーはETIC.のスタッフとサポーターによるサポートを受けながら、事業計画の深化とその実現を図っていきます。進化の幅が大きい人もあれば、うーん、まだもうちょっとというケースもありますが、全体としてみると本当に驚くぐらい、みるみる進化します。選考の際には少々不安もありながら選んだ方がその後着実に前に進んでいっているのを見ると、本当に嬉しいですね。もちろん本人の努力の賜物ですが、ETIC.とサポーターの力も大きく貢献していると感じます。
2011年03月24日
未来を見つめ直す時
今日は、2つの記事に触発されてこのブログを書いています。一つは、磯崎哲也さんの3/23付け読売新聞記事『「絶対確実な未来」なんて存在しない』です。楽天の三木谷さんが、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに「未来は不確定だ」と感じ、起業へと動いたという事例を引きながら、今回の大震災をきっかけに、『「いつ死んでも悔いが残らないように生きよう」と思い始めた人の中から、「自分で新しいビジネスを起こして、思う存分、暴れ回ってみたい」と考える人が何人か現れる。そしてその人たちが、未来の社会を造り出す。……そうなってくれたら』と書かれています。
以前本ブログで書いたことがありますが、私が起業を意識するようになったのは、やはり『「絶対確実な未来」なんて存在しない』と感じたからです。私の場合は、そのきっかけは天災ではなく、人災(?)。山一證券の自主廃業です。山一證券といえば、最大手ではないにせよ、四大証券の一角。就職先としても人気でしたし、絶対確実な将来が約束された勝ち組の企業と見られていました。ひょっとしたら起こることを予期していた方もいるのかもしれませんが、当時私の周り(広い意味で証券業界)であったり、マスコミの報道などを見ても、まさか、山一證券ほどの大企業が突然なくなるとは誰も予想していなかったと思います。
それがある日、あっけなく自主廃業。将来を約束してくれるはずの会社はあっという間に消滅してしまいました。あの廃業時の社長(野澤氏)の涙の会見を覚えている方も多いでしょう。「社員は悪くありませんから」。会社はもちろん、従業員を守りたいと思っています。それが会社の存在意義の大きな一つ。でも、どんなに大きな会社でも、一流と言われる会社でも、将来が確実と思われた会社であったも、なくなってしまうこともある。そう悟った時、自分の人生を会社に託すのか、あるいは自分で自分の人生を切り開くのか。私は、後者を選びました。そこから直接起業したわけではありませんが、1998年にボストン コンサルティング グループに転職。そして、2000年に自分の経営コンサルティング会社を起業しました(ここら辺の経緯は磯崎さんの言われる「たまたま」の部分が結構大きいのですが、これはまた別の機会に)。
前回の磯崎さんの記事では、磯崎さんも当時の勤務先グループ会社の長銀の経営状況が一つの引き金になったと書かれています(ご承知のように長銀はその後経営破綻しました)。ある意味、似たような判断をされたのではないかと感じています。
もう一つご紹介したい記事がCNNMoney.comのこちら(英語ですが...)。これは岩瀬大輔さんがFacebookで紹介されていたのですが、30代の商社マンが起業を決意するというエピソードが紹介されています。会社を辞めるという決断は震災前にしていたものの、震災後に"Stronger desire to take the risk to SAVE the nation"(この国を救うためにリスクをとりたいという強い想い)を抱くようになったといいます。
今回の大震災は私を含め、多くの方にとって未だかつて経験したことのない災害です。これは皆で乗り越えなければならなりません。ただ乗り越える = 3/11以前に戻る、かというとそうではないでしょう。もちろん誰も彼も起業しろという訳ではありませんが(弥生の社員はご遠慮下さい、笑)、私も含め、多くの人にとって、自分の人生を見つめ直すよいきっかけになるのではないかと感じています。
そう言えば、今日は岩瀬さんの新著「ネットで生保を売ろう!’76生まれ、ライフネット生命を立ち上げる」の発売日です。アゴラでの連載の時から拝読していましたが、起業のはらはらどきどきを疑似体験できる良書だと思います。と言っても、書籍化されてからはまだ読んでいませんので、早速注文しないと!
2010年09月27日
SVSM最終選考
第一期の総応募数は117名でしたが、最終選考に残ったのは40名。選考は4グループにわかれ、各グループごとに10名の審査を担当しました。一名につき、プレゼンと質疑応答で約20分(オーバーしがちでしたが)。応募者も真剣ですから、こちらも真剣の、真剣勝負です。事前に資料を頂いて、ある程度読みこんではいたのですが、やはり対面のプレゼンでのエネルギーも大きなポイント。事業において、絶対的な可能も不可能もありません。最後は、その人のその事業にかける想いが結果を左右します。その観点からも、その人の想いを理解することに重点をおいての審査となりました。
天気の良い週末だったということもあり、正直会場に向かうまではやや気乗り薄だったのですが(スイマセン)、会場について、応募者の皆さんの熱意に接しているとこちらも熱くなってきました(笑)。本当に素晴らしい人々と、それぞれの事業プラン。これを広く世に送り出していくためのお手伝いをしたいと想いを新たにしました。結果的には、良いエネルギーを頂いた一日となりました。
選考ということではひとまず終了となりますが、事業を生み出すという意味では、これからが本番。弥生としても、私個人としても支援を続けていきたいと考えています。なお、第一期の応募に間に合わなかったという方もご安心ください。第二期の募集は11月頃に行われるそうです。詳細は、ソーシャルベンチャー・スタートアップマーケットのウェブサイトをご参照下さい。
2010年08月20日
ライフネットと岩瀬さん
ネット専業生命保険会社、ライフネット生命の「働く人への保険」に加入しました。これは就業不能保険というもので、病気等で万が一働くことができなくなった場合に、一定の保険金を毎月受け取ることができるというもの。私は思い立ったら行動する人なので、結構リスク許容度は高い方だと思いますが、それでも取れない、取りたくないリスクがあります。
やはり家族は何があっても守るべきもの。その観点で、いわゆる普通の生命保険にも加入しています(新入社員の時代に入った、いわゆるお宝保険です)し、実は昨年には、同じライフネット生命の「かぞくへの保険」にも加入しています。これは一番シンプルな生命保険で、死亡した場合に保険金が支払われるというもの。ただ、これらの保険でカバーできないのが、病気等で長期間に渡って働けない場合。住宅ローンは疾病特約を付けているので何とかなったとしても、日々の生活費をどうするか。そういった問題意識にピタッとはまる新しい保険ということで、この度加入することにしました。
ライフネットと言えば、実は私のボストン コンサルティング時代の同僚、岩瀬さんが副社長を務めていらっしゃいます。岩瀬さんと言えば、今や日本を代表する若手起業家であり、オピニオン・リーダー。今年は世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leadersの1人に選出され、見ていて気持ちの良い活躍振りです。
その岩瀬さんがSHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSと共同で、「岩瀬大輔のアントレプレナー塾」という「大人のための夏期講習」を開催されるということで、本ブログでもご紹介しようと思っていたのですが、実はこのイベント、あっという間に満員になってしまったようです(現在は、キャンセル待ちとのこと)。このイベントの件で、岩瀬さんとやり取りしている中で、「岩瀬さん × 弥生」でも何かやりましょう、ということになりました。まだ詳細は全く決まっていませんが(笑)、とりあえず宣言しちゃいます。こんなことやって欲しい、といったリクエストもTwitterでお受けいたしますので、是非ご期待下さい。