いよいよ明日(2/16)から平成22年分の確定申告が始まります。個人事業主の方は、皆、3/15までの確定申告期間中に申告を行わなければいけません。個人事業主が申告する上で、青色申告と白色申告があり、税金上のメリットが大きいのは青色申告ということは、このブログでもご紹介していますし、弥生の「青色申告応援プロジェクト」でも解説しています。
今週は、私が色々な方とお話しする中で気が付いた「青色申告に関するよくある誤解」についてお話ししてみたいと思います。ネタとしては結構あるのですが、まずは大きなトピックとして3つを取り上げます。1. 青色申告って本当にオトク? 2. 赤字だから関係ない? 3. 手間がハンパない?
まずは、「1. 青色申告って本当にオトク?」から。青色申告は税金上のメリットがあるのはご存じだと思います。「青色申告特別控除」というのが正式名称になりますが、最大65万円の控除が認められています。すなわち、この控除の分は収入として「なかった」ことになり、税金を払わなくて済むわけです。
一方で、よく言われるのが、青色申告にかける労力が税金上のメリットに見合わないのではないか、ということ。例えば、所得税の最小の税率は5%ですから、65万円の控除では、65万円×5%で、所得税は少なくとも32,500円減るわけです。32,500円... 微妙ですかね。大きいことは大きいけど、手間に見合うかどうか。ただ、この5%というのは最小の税率で、課税対象の所得が195万円を超えると超えた分は10%に、さらに330万円を超えると超えた分が20%に、とどんどん増えていきます。税率が20%で、65万円の控除と考えると、65万円×20%で、13万円になりますね。
実際にモデルケースで考えてみると、実質的な収入(売上-経費)が300万円の人では、青色申告の場合は所得税が7.9万円。白色申告の場合には、12.1万円、その差は約4.1万円になります。この差、すなわち青色申告による節税額が、収入400万円の人では6万円、500万円で12万円、600万円でも12万円。さらに1,000万円になると差が15万円になります。10万円を超えてくると、さすがに手間に見合いそうですね。ということは、収入が400万円から500万円ぐらいが分岐点でしょうか。
いえいえ、実は、収入が300万円の人でも所得税以外への波及効果を含めると、青色申告では、トータルで15.6万円の節税になるのです。収入が300万円に対し、節税が15.6万円。一気に可処分所得が5%も上がります。先ほどは収入が300万円の人の所得税の節税額が4.1万円と書きましたが、トータルで15.6万円との差はどこで生まれるのか? 答えを先に書いてしまうと、それは住民税と国民健康保険です。