2019年10月17日

内定式 2019

10月もあっという間に後半。消費税率引上げ、軽減税率導入に伴うバタバタもあって、あっという間に時間が経ってしまいました。

そんなバタバタの中ではありますが、10月1日に来年4月に入社する新卒社員の内定式を開催しました。今回の内定者は6名。午前中はさすがにバタバタということもあり、内定式を夕方に開催し、その後オフィスを出て、懇親会を開催しました。

内定式は厳粛な雰囲気とまでは言わないまでも、やはり内定者の緊張は隠せません。それでも内定通知書の交付はしっかりとこなしていました。内定通知書は私が一人ひとりお渡しするのですが、二人目以降の「以下、同文」はなく、全文を一人ひとり読み上げました。以前もお話ししましたが、一人ひとりにちゃんと向き合いたいというちょっとした拘りです。とはいえ、6人だからこそできることで、これが50人、100人であればさすがに「以下、同文」とならざるを得ません(というよりも100人になったら、代表者に渡すという形になるかもしれませんね)。より正確に言えば、一人ひとりにしっかりと向き合いたいからこそ、採用する人数を絞り込んでいます。

厳選された(笑)6名だけに、自己紹介のプレゼンもバッチリ。毎年思うことですが、パワーポイントの使い方であり、プレゼンのレベルは年々着実に向上しています。10年ほど前はパワーポイントに馴染むのに時間がかかっていたことを考えると、今昔の感があります(個別具体的に誰、という話ではなく、またそんな彼ら/彼女らもすっかり中堅として活躍していますし、今はパワーポイントなんて朝飯前ではありますが)。最近は小学校の授業でパワーポイントを使うこともあるようなので、大学生ともなれば、もはや使えて当たり前になってきているのかと思います(と言いつつ、大事なのは中身ですけどね)。

内定式が終われば懇親会。こちらは内定式と一転、リラックスモードです。とはいえ、リラックスしているのはこちらだけで、内定者の皆さんはそれなりに緊張していたとは思いますが。それでも、食も(お酒も)進むとそれなりに本人らしさが出てきます。今年も内定者は個性豊かで今後が実に楽しみ。来年4月に、チーム弥生の一員としてお迎えできることを本当に楽しみにしています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:51 | TrackBack(0) | 弥生

2019年10月15日

社員総会 2019

先週金曜日は台風が迫る中での社員総会の開催となりました。当日はやはり雨模様。とはいえ、まだ台風の直接の影響はなく、予定通りに開催することができました。各拠点から人が集まる貴重な機会だけに残念ではありますが、安全第一を優先に各自で判断した結果、やはり各拠点からの参加者は少な目。

当日は大阪・札幌でのカスタマーセンターの運営は通常通り行っており、台風が迫る中で判断が必要になるかもということで、事前に東京入りしていたものの、金曜日の朝に急遽大阪・札幌に戻るリーダーもいました。また、参加した(Misocaメンバーを含め)名古屋・大阪組も、当日中に帰る方がほとんど。夜になって東京駅が相当混雑したとのことですが、皆無事に帰宅はできたようです。中には、延泊覚悟で最後まで参加という方もいましたが、自分で判断ですから、これはこれであり。

社員総会は、前期(FY19)の振り返りを行うと同時に、今期(FY20)の事業計画を皆で共有する場。前期は、法令改正が続いたこともあり、お蔭さまで非常に良い業績を達成することができました。これも社員一人ひとりがチーム弥生の一員として、しっかりとやるべきことを積み上げた結果だと考えています。今期に関しても、やるべきことをしっかりと積み上げれば、安定的な成長を実現できるものと考えています。

ただ、今回の社員総会のメインは、さらにその先を皆で共有すること。弥生では過去一年間2030年の弥生のありたい姿を考える"Project 2030"というプロジェクトを進めてきたのですが、この成果報告にかなりの時間を割きました。弥生はお蔭さまで多くのお客さまとパートナーに恵まれ、まだまだ、できること、やりたいこと、やらなければならないことが山積みです。2030年の弥生を考えることで、できること、やりたいことにワクワクすると同時に、これからやらなければならないことに向けて気を引き締めるいい機会になったと思います。

始まったばかりのFY20も、チーム弥生一丸となって、お客さまに「さすが弥生」と言っていただけるような価値を提供し続けたいと思います。一方で、FY20は2020年代の始まりの一歩でしかありません。その先の2030年をしっかりと見据え、弥生は着実に進化を遂げていきます。

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posted by 岡本浩一郎 at 21:26 | TrackBack(0) | 弥生

2019年10月10日

自分でしっかりと判断

大型で猛烈な台風、19号(ハギビス)が日本に近付いてきています。台風の強さは、「強い」/「非常に強い」/「猛烈な」という三段階で定義されていますが、「猛烈な」は最大風速が54m/s(時速換算すると194km/h!!!)以上を意味し、最も強いレベルの台風ということになります(ちなみに、大型というのは、風速15m/s以上の半径が500km以上800km未満を意味します)。日本に接近するにつれ、やや弱まるようですが、それでも二段階目の「非常に強い」。十分な警戒が必要です。

現時点での進路情報では、土曜日の夕方ぐらいに東海から関東にかけて直撃となる可能性が高いように見えます。週末となって良かったような、悪かったような。もちろん台風が週末といったことを考慮している訳はないのですが、社会的な混乱という意味では、週末の方がまだましでしょうね。

実は弥生では明日、金曜日が社員総会。午後にビジネスセッション、その後にはビアバストが予定されています。Face to faceで皆が集まるのが趣旨(の重要な一部)ですから、リモートで、という訳にもいきません。そもそも開催は大丈夫か、と心配していたのですが、この分だと金曜日の開催自体は大丈夫そうです。今後も状況を見極める必要はありますが、社員総会後の帰宅もまあ大丈夫そう。例年はかなり深夜(早朝?)まで、もちろん人数は減りつつですが、飲んでいるのですが、今年に関しては、下手をすれば帰れなくなる可能性もありますから、常識的な範囲でお開きになりそうです。折角皆が集まる機会なので、残念な気もしますが、私の体力(とお財布、笑)的には有難いような。

難しいのは、社員総会は北は札幌から西は福岡まで、全拠点から社員が集まるということ。金曜日は何とかなっても、土曜日が心配です。札幌であれば、土曜日の朝一番であればまだ飛べるかもしれませんが、福岡は難しいかもしれません。そもそも羽田空港まで行けるかどうか。

(そう言っている間に全日空は12日羽田/成田発着の全便欠航が発表されました…)。

こういう時にどう対応すべきか、はっきりして欲しいと言われることもありますが、弥生(というよりは私)のポリシーは、基本的な考え方をはっきりさせた上で、自分でしっかりと判断すべき、というもの。リスクをゼロにするために、金曜日は中止とするのはわかりやすいでしょう。あるいは、とにかく来ることはできるんだから、帰りのことは考えず、ひとまず全員集合、というのもわかりやすいと思います。ただ、(あくまで個人的にですが)どちらも正解だとは思えません。

何よりも、皆が自分事としてしっかりと情報を集め、自分でしっかりと判断することが大事だと思うのです。逆に、皆が自分で判断をせず、何も考えずに会社の指示に従ったら? 這ってでも来い、と会社が言えば、危険を顧みずにそれに従うのでしょうか。それはかなり恐ろしいことですよね。

もちろん、考え方ははっきりさせる必要があります。弥生では、既に昨日には以下のように全社通知を行っています。

  • 危険を回避するための行動を基本とし、以下に基づいて各自の判断にて行動してください。なお、判断に迷う場合には上長に相談して決定してください。
  • 金曜日に帰る場合は第1部(ビジネスセッション)終了後任意に帰っていただいて構いません。
  • 土曜日に帰る場合は早朝に出発するようにしてください。
  • 金曜日、土曜日とも帰るのは危険と判断した場合、または交通機関の変更ができない場合は、ホテルの延泊費および交通費の変更費用は会社負担といたします。(出張日当も併せて支給となります)
  • 総合的に判断して、社員総会を欠席するということも可能といたします。その際は上長に報告してください。

念のためですが、本音と建前ということは一切なく、上記が全てです。土曜日に子どもの運動会があるので、何が何でも帰らねば、という人もいるでしょうし(運動会の開催も難しいでしょうが)、3連休だし、結果的に東京のホテルでのんびり過ごすのも悪くないか、という人もいるでしょうから、最後は自分事として自分でしっかり判断。

ただ、一つ言えるのは、何よりも安全第一。台風15号の被害もまだ残る中で、どんなことになるのか心配です。皆さん、とにかく安全第一で。
posted by 岡本浩一郎 at 17:01 | TrackBack(0) | 弥生

2019年10月08日

導入一週間

消費税率が10%に引上げとなり、同時に軽減税率制度が導入されて一週間。最悪のシナリオとして想定した(?)ほどの混乱はないな、と感じています。標準税率が10%に引上げになること自体は、5年前にも8%への引上げを経験したこともあり、スムーズに対応されているように見受けられます(家計への影響といった話は一旦置いておき、あくまでも店舗などのオペレーションという意味で)。まだ一週間ということで、訪問できた店舗の数も限られますが、本当は10%のはずなのに、まだ8%のまま、というケースにはまだ遭遇していません。何だかんだ言いつつ、皆さんそれなりに準備を進めてきたのかな、と思います。

ただ、テイクアウトか店内飲食か、というところは、かなりグレーな運用で何とか成り立っているように見受けられます。ファストフードなどでは、もともとのオペレーションとして、店内か、テイクアウトか聞かれ、それに応じた消費税率になっていますが、イートインコーナーのあるコンビニなどでは、いまだかつて聞かれたことがありません。お客さまが自己申告すれば、ということなんでしょうね。ただでさえお昼時は行列になっている中で、毎回確認していたらオペレーションが成り立ちません。まあ、現実そうならざるを得ないように思います。

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さて、これまでに遭遇した中ではこんなレシートもありました。これは(何か影響があると困るので、かなりぼかしが入っていますが)パン屋さんで、パンを買った際のレシート。持ち帰りなので、軽減税率対象となり、8%。実際に外税で8%の消費税が課されており、これでいいようにも思えますが、実はやや問題ありなのです。この8%はあくまでも軽減の8%なので、その旨を明記しなければなりません。

これまでご紹介してきたレシートでは、品目単位で「※」や「軽」という付記がされており、なおかつレシート下部に「※/軽は軽減税率対象商品です」と記載されています。そもそも飲食料品しか扱わない、また、持ち帰りしかないというお店(パン屋さんはその典型例ですね)、結果的に軽減税率対象商品しか扱わないケースもそれなりにあると思います。この場合には、品目単位での「※」や「軽」の付記は必要ありませんが、その代わり、全体として、「全商品が軽減税率対象」といった記載をする必要があります(こちらのFAQの問112)。

ですので、このレシートの場合も、どこかに「全商品が軽減税率対象」と記載されているのが、正解となるはずです。手間を考えるとレジで印字するのが望ましいですが、「全商品が軽減税率対象」というゴム印を作って、それを押すのでもokだそうです。

想像するところ、うちは飲食料品で持ち帰りだけだから、これまでと同じ8%。だから何もしなくてもいい、と勘違いされている可能性もあるのではないかと思います。

しかし実は、同じ8%でも、2019年9月30日までの8%と、2019年10月1日以降の軽減での8%というのは、区別して管理しなければなりません。詳細の説明はここでは省きますが、一口に消費税と言っても、実態は国税としての消費税と、地方税である地方消費税に分かれています。9月までの8%の内訳は(国)消費税が6.3%に加え、地方消費税が1.7%で合計8%だったのに対し、軽減税率の8%の内訳は(国)消費税が6.24%に加え、地方消費税が1.76%で合計8%となっています。内訳が異なるだけに、9月までの8%と10月以降の軽減8%は明確に分けて管理する必要があるのです。これは意外に知られていませんが、その実非常に重要なポイントです。

レシートの表記だけでいえば、それほど大きな問題ではないとも言えます。しかし、売上の管理という意味では、これまでの8%とは違うという管理をしておかないと、後で結構困ることになってしまいますので、注意が必要です。

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逆に、外食で持ち帰りはないというパターン。このレシートでは、「内2/*印は軽減税率対象商品」と印字されていますが、そもそも軽減税率対象商品の扱いがないのであれば、この表記も不要です。つまり、これまで通りのレシートで基本的にありません(上記のFAQの問113)。

ただ、このように税込の価格表記をしている場合、価格はそのままで、レジの設定で消費税率10%としているだけのケースも多いのではないかと感じています。要は税込価格を見直していないということですね。確かに対応としてはラクなのですが、以前もお話ししたように、これは実質的に約2%の値引きをしていることになり、利益を確実に圧迫します。とりあえず10月1日はレジの消費税率設定の変更だけでしのいだ、というケースも、是非今一度価格の見直しをご検討いただきたいと思います。

いよいよ滑り出した軽減税率制度。レシートの読み込み精度が落ちるなど既に明らかな問題もあれば、キャッシュレス・ポイント還元の処理の問題、さらには、今後決算の時に利益が減った、あるいは、消費税の納税の際に、納付額がこんなに増えたという今後明らかになってくるであろう問題もあります。お客さまの事業に支障がでないよう、弥生としてしっかりと情報発信し、サポートしていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 17:39 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年10月04日

キャッシュレス・ポイント還元の悩み

昨日は、全体に対し値引きがされたレシートの扱いが難しいということをお話ししました。問題がさらに複雑になるのが、10月から始まったキャッシュレス・消費者還元事業以前お話ししましたが、2019年10月から2020年6月までの期間、本事業に登録済みの中小・小規模事業者で商品・サービスをキャッシュレスで購入すると、基本的に5%分のポイントが還元されるというものです。

そもそもポイントというのは、会計上の扱いが難しい存在です。例えば、10,000円の消耗品を買って、1,000円分相当のポイントを受け取ったという場合。色々な考え方がありますが、一般的には、(少なくとも一旦は)ポイント分を無視して計上することが多いのではないかと思います。仕訳で言えば、(借) 消耗品費 10,000 / (貸) 現金 10,000として、ポイントは一旦無視する。

この処理をする理屈付けとしては、大きく二つのポイントがあります。一つはポイントを受け取ったからといって、使うとは限らないということ。お金に失効という概念はありませんが、ポイントは失効しうるので、財産的価値が確定していない、だからこそ、少なくとも受け取った段階では会計上認識しないという考え方です。

もう一つは実務的な問題ですが、法人そのものが購入するのではなく、従業員が立替払いをすることが多いというもの。従業員が代理で購入した場合、ポイントが従業員に帰属するのか、あるいは法人に帰属するのか。法人のポイントカードを出してポイントを受け取った場合は迷うことはありませんが、一般的にこの種のポイントカードは個人のみを対象にしていることが多いため、個人のポイントカードを使うことが普通ですし、結果的に個人にポイントが帰属することが多いのではないかと思います。正直微妙なラインですが、あまり細かく言っても管理が面倒になるだけなので…というのがよくあるケースかと思います。

一方で、ポイントを利用して購入した場合は、無視するわけにもいきません。何分、無視をすると貸借がバランスしなくなるので。例えば、今度は5,000円の消耗品を買って、その際に4,000円分は現金で、1,000円分はポイントで支払ったというケース。これを(借) 消耗品費 5,000 / (貸) 現金 5,000としてしまうと、実際に支払った現金は4,000円ですから、現金のバランスがあわなくなります。この場合、(借) 消耗品費 4,000 / (貸) 現金 4,000というポイントを値引きとしてとらえて処理するケースと、(借) 消耗品費 5,000 / (貸) 現金 4,000、(貸) 雑収入 1,000として、ポイントを雑収入として処理するケースがあります(こちらのスモビバの記事もご参照ください)。あくまでも個人的に、ですが、費用としてはあくまでも5,000円発生していると考え、後者の方がベターかなと思います。

ただ、いずれにせよ処理が面倒くさいので、会社の経費にするものは、ポイントを利用しない、というのが、一番あるあるな処理方法なのではないかと思います(こちらの記事でもそういったトーンになっていますね)。結果的に、ポイントの獲得にせよ、ポイントの利用にせよ、会社の会計上は認識しないということになります。なお、念のためですが、そう処理すべき、ですとか、その処理でいい、ということではなく、おそらく実務的にはそう処理されていることが多いのではないかということです。

ここで問題となるのが、キャッシュレス・ポイント還元。キャッシュレスで購入すると、基本的に5%分(一部2%)のポイントが還元されます。これがポイントが付きますというだけであれば、これまでのクレジットカードで払った時にポイントが付与されるのと同様の処理になるかと思います。ただ、今回のキャッシュレス・ポイント還元では、主にコンビニを中心に、その場で還元されたポイント分を差し引くということも行われています。

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例えば、こちらのレシートでは、合計310円に対し、キャッシュレス還元額として6円、結果的に決済(iD決済)対象額は304円となっています。これを厳密に処理すると、(借) 消耗品費 304 / (貸) 未払金 304 (iDは最終的にクレジットカード決済なので未払金で計上)という還元は値引きとして処理するケース、もしくは、(借) 消耗品費 310 / (貸) 未払金 304、(貸) 雑収入 6という還元を雑収入として処理するケースが考えられます。

どちらにしても、(言い方は悪いですが)たかだか6円のために、余計な処理が必要となることになります。特に値引き処理の場合、なおかつ、この例のように標準10%と軽減8%が混在している場合には、前回お話ししたように、値引額6円を標準10%分と軽減8%分に按分処理する必要があります。これは実務上は成り立たないレベルの処理です。

ここで一点留意が必要なのが、販売者(この場合はファミリーマート)は還元額6円を負担はしていないということです。キャッシュレス・消費者還元事業は国の事業であり、還元額6円は最終的に国が負担することになります。ですので、販売者が認識する売上はあくまでも還元前の310円です。これは、レシートではなく、いわゆる領収書を発行してもらうとはっきりします。

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これは全く同じ取引内容で、後日買い物した際に今度は領収書として発行してもらったものなのですが、領収額は310円となっています。

また、今回のキャッシュレス・消費者還元事業でのポイントの即時充当処理は、国(キャッシュレス推進室)によると、「会計上は商品価格に変更はなく、一度ポイントが付与され、そのポイントが会計時に使用されたことになり、値引きとはなっていない」という建て付けになっていますから、この観点からも値引き処理にする必然性はないのではないでしょうか。

ということからすると、厳格に処理するとしても、雑収入アプローチ、つまり、(借) 消耗品費 310 / (貸) 未払金 304、(貸) 雑収入 6になるのではないかと思います。雑収入(還元額)を国からの補助金と捉えるのであれば、「一般的に対価として支払われるものではないから」消費税不課税とされており、この考え方に立てば、値引額の按分処理も避けられることになります。

ただ、それでも、相応に手間なのは事実です。事業者の立場からすると、手間を避けるために、あえてキャッシュレスで支払わないという、完全に本末転倒な行動すら誘引してしまうのではないかと思います。

そう考えると、本事業の目的、そして、来年6月までのわずか9ヶ月間しか実施されないという特殊性を鑑み、従業員が立替えた場合などに、還元額自体を収入とも値引きとも認識しないという取扱いを、あくまでも例外的取扱いにはなりますが、認めていただくことも検討に値するのではないかと思います。

なお、本ブログは私岡本個人の見解を記したものであり、会社としての弥生の見解とは必ずしも一致しません。また上記取扱いについて正しいことを保証するものでありません。ただ、この問題の影響の大きさを鑑み、こういった考え方もあるのではないかと問題提起するものです。いずれにせよ、どう扱うのかが不透明な状態が一番困りものです。早急に明確に、なおかつ実務上の負担を考え、無理のない形で取扱い方法が明確化されるべきだと考えます。
posted by 岡本浩一郎 at 22:29 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年10月03日

一括値引き

結果が惨敗だったレシートからの自動仕訳。改善を図るべく10月1日以降、軽減税率対象商品が入ったレシートを収集していますが、思った以上に対応が難しいケースがあることが見えてきました。特に対応が難しいのが、値引き処理の扱い。

レシート上の単品が例えば20%オフになっている、といったケースはあまり問題ないのですが、難しいのが全体に対し値引きが適用されているケース。例えば、10%対象が550円(税込)で軽減8%対象が540円(税込)、合計1,090円に対し、100円の値引きが適用され、最終的な支払額が990円となっているケース。これまでは単純に990円という金額さえ記録できればよかったのですが、今回から、税率毎の区分が必要になります。

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国税庁や商工会議所が例として示しているのが、このようなレシート。この場合には値引き後の10%対象500円、8%対象490円それぞれを記録する必要があります。つまり、これまでより確実に難易度が増します。とはいえ、必要な情報自体はレシート上に明記されているので、人での対応は(手間ではあるにせよ)可能ですし、機械での読み取りも(精度は落ちる可能性はありますが)対応できる範囲です。

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しかし稀に、合計や税率毎の対象額が計算された後に値引きが適用されているレシートが存在します。例えば、こちら(成城石井さんに対し他意はなく、むしろ気に入っているお店なのですが、例としてわかりやすいのであげさせていただきました)。

合計531円の下に、袋代引2円というのが記載されているのがお分かりいただけるでしょうか。これはいわゆるエコバッグ割引で、包装用のビニール袋を断ればお会計から2円割引になるというもの。2円割引になって、実質的に529円なのですが、これを判定することは人間にはできても、機械では容易ではありません。

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異なるパターンとしては、ドン・キホーテで税込1,001円以上購入する際に、majicaという独自の電子マネーで支払うと、円単位の端数を切り捨てる(値引きとなる)「円満快計」というドン・キホーテらしいユニークなサービスがあるのですが、これは、税額の計算がされた後に値引きが適用されるので、税抜の小計と外税で計算された消費税の金額を足しても、この値引き分だけ合計額と合わないというものがあります。

いやいやでも合計額さえわかっていればいいのでは、と思うかもしれません。でも、もはやそれではダメなのです。どこから値引きされたのかが明示されていない場合、税率毎の対象額で、値引額を按分処理し、10%分の値引き金額と軽減8%分の値引き金額に分割しなければいけないとされています。例えば、上の例では、10%対象額が税抜998円、軽減8%対象額が税抜640円なので、値引きの8円は、10%分が8円×998 / 1,638 = 5円、軽減8%分は残りの3円ということになります(端数処理もやっかいですが、ここでは省略)。

そういった意味では、上記の成城石井の袋代引2円も、10%対象額が税込248円、軽減8%対象額が税込240円なので、厳密には10%分で1円の値引き、8%分で残りの1円の値引きと按分処理しなければならないことになります。

今回の軽減税率の導入にあわせ、レシート上で税率毎の内訳が示されるようになっていくと想定していましたが、現実は残念ながらそうではなかったということです。当面、この値引きの按分問題を回避するには、なんとも残念な対応ですが、標準税率分と軽減税率分を別々の会計にするという対応をおススメするしかないのが現状です。
posted by 岡本浩一郎 at 20:08 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年10月01日

結果は惨敗

いよいよ今日から消費税率が10%に引上げとなり、同時に軽減税率が導入されました。私は朝からコンビニ三軒をはしごして、レシートを収集。

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弥生ではレシート画像を読み取り、仕訳を生成する機能を二種類提供しています。一つがスキャンデータ取込、もう一つが弥生 レシート取込アプリ。前者は、ScanSnapなどのスキャナでレシートをスキャンするもの。基本的にはデスクでの利用を想定しています。後者はスマホのカメラでレシートを撮影するもの。これはどこでも使えますし、複数人で利用することも可能です。

今回、10月1日に向けて、スキャンデータ取込/弥生 レシート取込アプリの両方で軽減税率への準備を進めてきました。軽減税率対象品のレシートに関しては、それを軽減税率として扱う必要がありますし、軽減税率対象品とそれ以外が混在したレシートに関しては、それぞれを別の明細として(一明細は軽減税率で、もう一明細は標準税率で)扱う必要があります。

ただ、準備を進める上で障壁となったのは、軽減税率を扱ったレシートの実物が存在しないということ。そのため、政府からイメージとして示されているもの(例えばこのページの中段にあるもの)をベースに疑似的に軽減税率を扱ったレシートを用意し、テストを行ってきました。とはいえ、それらはあくまで疑似的なもの。実際のレシートをどこまで正しく処理できるのかはやってみないとわかりません。

ということで、午前中に様々なお店のレシートをかき集め、ランチの時間で検証を行ってみたのですが…。結果は惨敗です。負けず嫌いとしては負けを認めるのは悔しいのですが、正直に言って、現段階では業務で利用できるレベルには達していません。

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(うまく行っているケース#1)


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(うまく行っているケース#2)

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(間違っているケース - 結果的に税抜になってしまっている)

スキャナを利用するスキャンデータ取込の方が、画像としてきれいな分、総体的にはまだ精度は高いですが、金額を間違えてしまう(本体価格と消費税額を取り違える、税抜額と税込額を取り違えるなど)ケースがあり、このままでは実用に耐えません。弥生 レシート取込アプリについては、スマホのカメラを利用することもあり、より画像が粗い分、精度はさらに落ちてしまいます。

詳細は分析中(画像分析エンジンを提供してもらっているパートナーとも協議が必要)ですが、敗因としては、金額の記載方法にかなりのバリエーションがあるということが影響しているようです。消費税対象額、消費税額などの記載方法に様々なバリエーションがあり、うまく対処できないケースがあります。

お客さまの業務を支える存在として、そのご期待に応えられていないことは、大変申し訳ないと思っています。とはいえ、前例がない中で、実際に走りながら改善をせざるを得ないというのはある程度想定されていたことです。問題はこれから。できるだけ早いタイミングで実用レベルまで改善を図りたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 15:40 | TrackBack(0) | 弥生

2019年09月30日

いよいよ明日から

いよいよ明日は10月1日。明日には消費税率が10%に引上げとなり、同時に軽減税率が導入されます。もう数時間となる深夜から10月1日となるわけですが、実際に10%が適用となるケースは、業界や会社によって運用が異なるようです。ただ、いずれにせよ明日の朝には全て切り替わっているはずです。今晩は価格マスターの切り替えなどで夜間作業となる同業の方も多いのではないかと(皆、頑張りましょう!)。

もはや残り時間が少ないですが、弥報オンラインのこちらの記事が10月1日に向けて準備すべきことという観点でしっかりまとまっていますので、是非ご一読ください。「9月30日の営業終了後にやること」もしっかりとまとめられています。

ここ数日間、色々なお店でどんな変化が表れているのか、注意して観察しているのですが、やはり大手資本(もしくはそのフランチャイズ)ほど、しっかりと対応が進んでいるようです。

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こちらは、弥生のオフィスがある秋葉原UDXのファミリーマート。この、お客さまに「商品ごとに申告していただく」というオペレーションが実際にうまく回るかどうかはわかりませんが、しっかりと検討の上、準備はされていることが伝わります。

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一方で、今日たまたま目にしたこちらのお店。ラーメン屋さんなのですが、価格改定に伴う準備のため1日半お休みするというのは結構びっくりです(笑)。ただ、ひょっとしたら、原材料をしっかりと吟味して、原価をキチンと算出し、この機会に原価に見合った値付けをしようということかもしれません。さすがに1日半お休みすることをおススメするわけではありませんが、この機会に、しっかりと価格設定を考えることはとても大事だと思います。

仮に10月1日は一旦これまで通りの税込価格で続けるにしても、このままでいいのか、必ず、しっかりと考えていただきたいと願っています。いざ納税の際に「こんなはずじゃなかった」とならないように。
posted by 岡本浩一郎 at 20:07 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月27日

消費税の負担(その2)

前回は、事業者は実際には、消費税を負担しない、ただし、資金繰りには大きな影響を与えるとお話をしました。ご質問をいただいたので、もう少し解説したいと思います。消費税を負担するのは、あくまでも最終的な消費者。例えば、下の図の左側のケースのように、課税売上が2,000万円の小売事業者がいるとして、この場合は、現状であれば消費税8%分となる160万円を消費者から受け取って(預かって)いるはずです。預かっている消費税を納付するだけですから、事業者自身が負担しているわけではありません。

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ただし、実際には、預かっている160万円を丸々納付するわけではありません。前回も少しお話ししたように、仕入の際に支払った消費税額を控除(仕入税額控除)し、その差分を納付することになります。例えば、この事業者の課税仕入が1,200万円だったとすると、その仕入に際し、消費税96万円を払っているはずですから、実際の納付額は、預かった160万円から、既に支払っている96万円を控除し、差分となる64万円を納付することになります。

10月1日から、消費税率が10%になるとどうなるか。上の図の右側のケースとなりますが、課税売上2,000万円は変わらないとして、消費者から預かる消費税は200万円になります。これに対し、課税仕入1,200万円に対し支払っている消費税が120万円になりますから、納税額はその差分の80万円となります。課税売上/課税仕入の額は変わりませんが、納税額が64万円から80万円に1.25倍に増えるということです。

繰り返しになりますが、これはあくまでも預かっている消費税を納付するだけですから、事業者の収益性には影響を与えません。ただし、資金繰りという観点では、いざ納付という際に、あれ手元資金がない、と慌てるケースが多いのが実際です。

さらに、今回は軽減税率が導入される訳ですが、食材の仕入は軽減税率になる一方で、売上は標準税率となる外食では、納税額がさらに増えることになります。

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左側はこれまで。先ほどと同様で、課税売上が2,000万円/課税仕入が1,200万円のケースで、納税額は64万円。右側は10月以降で、課税売上が2,000万円/課税仕入が1,200万円は変わらないものの、仕入のうち、600万円が食材の仕入であり軽減税率の対象であるとすると、仕入に際して支払っている消費税額が合計で108万円となるため、納税額は92万円となります。つまりこれまで(64万円)よりも1.44倍に増えることになります。

やや蛇足ですが、どんな事業者であっても(外食でなくても)、多少は軽減税率対象の経費は発生します。お客さま用にお茶やペットボトルのお水を買うことはほぼどんな事業者でもありますからね。厳密に言えば、額は小さいのですが、これも納税額に影響します。

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もう一点注意が必要なのは、移行期の納税額。消費税は、前期の確定消費税額に応じ、中間納付が求められるのですが、当期が8%、翌期が10%となる場合に、中間納付額が過少(実際には10%なのに、前期の8%基準で計算されるため)となるため、結果的に期末での納付税額が膨らむケースがあります。

なお、実際には課税売上が2,000万円の場合には、簡易課税を選んでいるケースも多いと思いますので、上の説明はあくまで一般論として理解いただきたいのですが、いずれにしても、納税額は意外に大きくなるということには注意が必要です。

三たび繰り返しますが、消費税は消費者が負担するものを事業者が変わって納付するだけなので、事業者の収益性には基本的には影響はありません。ただ、資金繰りには大きな影響が出ますので、注意が必要です。もっとも、事業者の収益性には影響がないというのは、消費税率のアップ分を、お客さまに転嫁できてこその話。価格の見直しについてお話ししましたが、税込価格だし、まあ、そのままでいいやとしてしまうと、消費税のアップ分を事業者が負担することになります。先ほどの飲食業の例で言えば、税込価格を変えないでいると、納税額の増加分28万円をお客さまから預かったおカネではなく、自らの利益から捻出することになってしまいます。つまり、収益性に大きな影響があり、なおかつ資金繰りにも大きな影響が出るということです。

納税時にこんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、10月1日以降の価格についてどうするのか、しっかりと考えなければなりません。
posted by 岡本浩一郎 at 17:59 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月25日

消費税の負担(その1)

消費税というのは様々ある税金の中でも、最も理解が難しい税金なのではないかと思います(それが軽減税率でますます難しくなるわけですが)。

消費税を納めるのは、あくまでも消費者。例えば、私がレストランで食事をして、そのお代が税抜10,000円だったとすると、10月以降は消費税が10%課され、1,000円で合計11,000円支払うことになります。あくまでも消費税を支払っているのは消費者としての私ですが、この時に支払っている先は税務署ではなく、食事をしたレストランであるというのがミソ。納税者である消費者が直接に納付するのではなく、事業者を通じて納付する。だからこそ、間接税と呼ばれます。

いやいや、事業者だって、仕入する時に消費税を支払っているよね。例えば、上記のレストランのケースで食材が3,000円かかっているとして、10月以降は消費税が軽減税率となる8%課され、消費税240円を払っていることになります。確かに支払っている。ただし、これは基本的には支払ったままとはなりません。というのは、上記の消費者から預かった消費税を納付する際に、この240円を差し引いて納付することができるからです。これを仕入税額控除といいます(もちろん店舗の家賃等でその他支払った消費税額も差し引くことができます)。つまり一旦支払っても、後でそれを取り戻すことができるということです。

ということで、事業者は実際には、消費税を負担はしていません。消費者から日々預かっているものを、最終的に納付するだけなので、あくまでも左から右に行くだけのはず。ただ、現実問題として、預かった消費税が便利な運転資金として使われてしまっていることは決して珍しくありません。結果として、いざ事業者が消費税を納付する段になると、おカネがない。そんな中で納付するだけに、重い負担感を感じるのは事実です。

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ここで注意が必要なのは、納付する時の負担感は、税率の変化以上に重くなるということ。例えば、消費税率は2014年4月に5%から8%に変わりましたが、これを機に納付する税額は1.6倍に増えました。今回は、8%から10%に変わるわけですが、納付する税額は1.25倍に増えることになります。8%から10%だと差は2%とそれほど大きくないように思えますが、納付する税額で考えると1.25倍ですから、相当大きなインパクトです。

もちろん、理論上は消費者から預かっているだけ。しかし、実際には事業者の資金繰りに大きな影響を与えます。10月の消費税率引上げに向けて、準備が必要ですが、10月1日を無事に迎えられればいい、だけではなく、その先の納税まで含めてしっかりと備えていく必要があります。
posted by 岡本浩一郎 at 17:28 | TrackBack(0) | 税金・法令