2022年03月15日

波乱の最終日

今年もこの日がやってきました。そうです、今年の確定申告期限(正確にいえば所得税の期限)は本日までです(ただし、今年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています)。先週末から追い込みをかけてなんとか終わったという方も多いかと思います。

一方で、昨日e-Tax(電子申告)をしようとしてエラーになっている方もいらっしゃるのではないかと思います。既に報道されていますし、国税庁からもアナウンスされていますが、昨日より、国税庁のe-Taxシステムで接続障害が発生しています。やよいの青色申告 オンライン(やよいの白色申告 オンライン)もしくはやよいの青色申告 22でe-Taxしようとする際には、この国税庁のe-Taxシステムに接続を行うため、「e-Tax受付システムへのログイン時に致命的なエラーが発生しました」といったようなエラーが発生する可能性があります。

ある意味厄介なのは、100%の確率でエラーになるということではなく、エラーになるケース、エラーにならないケースが存在するようです。今朝の時点でも、国税庁から「断続的につながりづらい状態が発生しており、未だ障害原因の解明には至っておりません」と発表されています。弥生側から見えるエラーログや、お客さまからのお問合せ状況を見ても、障害はまだ続いていると判断しています。

一方で今日が最終日ということで、どうするか、ですが、国税庁からはこの e-Tax の障害により期限内の申告が困難な場合には、1) 本日中に書面により提出する、もしくは2) 個別に申告期限を延長して、後日提出するという二つの選択肢が提示されています。

確実に今日中に済ませる場合には1) 書面ですが、この場合、書面で提出しても、電子申告等の優遇措置が受けられるかどうかが判然としていません。e-Taxで申告をするつもりが、障害でe-Taxが使えずに書面で提出するのですから、優遇措置を適用すべきだと思いますが、その可否は現時点で明らかになっていません。

このため、弥生としては、2) e-Taxによる後日提出を推奨します。この場合には、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨を記載した上で送信する必要があります(弥生製品での対応方法はこちらをご参照ください)。実は、これは新型コロナウイルス禍の影響で個別に申告期限の延長が認められる際と同じ方法です(こちらは、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載することになっています)。

では後日というのはいつなんだ、ということになりますが、国税庁から障害回復の一報があるまでは待った方がいいと思います。多くの方が送信できないと何回もリトライすることによって、トラフィックが通常より増え、結果的に障害回復の妨げになっているものと思われるからです。上記のように後日提出が認められた以上、一旦リトライを止めて、国税庁の障害回復を待ちたいと思います。弥生としても状況を継続的に確認し、情報を発信していきます。

なお、このような状況で、申告は済ませたはずだけれど、本当に申告が受け付けられているかどうか不安という方もいらっしゃるかと思いますが、メッセージボックスを確認すれば、申告が正常に受け付けられているかどうかの確認ができます。ただ、今回の障害でメッセージボックスの確認自体もできない状態です。こちらも障害が解消されてから、メッセージボックスを確認、万が一申告が正常に受け付けられていないようであれば、上記のように「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」と補記した上で再度申告を行うことになるかと思います。

なお、もともとe-Taxではなく、紙での申告を予定していた方は、今回の障害によらず、本日が期限となります。一番簡単なのは、本日の消印で郵送することです。ただ、新型コロナウイルス禍の影響で、郵便局の夜間窓口の営業時間が短縮されていることが多いので、本日の消印での郵送を考えている方は、この段階で提出を予定している郵便局に電話し、何時までであれば本日の消印が得られるか確認しておくことをお勧めします。
posted by 岡本浩一郎 at 15:27 | TrackBack(0) | 税金・法令

2022年03月12日

どちらがお好み?(その5)

昨日書いていた記事なのですが、うっかりアップを忘れてしまったため、珍しく週末の更新です。

さてこれまで、確定申告に向けて弥生がお客さまに提供している選択肢についてお話しをしてきました。クラウドアプリか、デスクトップアプリか入力から始めるか、設定から始めるか手入力か、自動仕訳か。(ちょっとマニアックですが)、事業主勘定を使うか、「__(個人)」という取引手段を使うか。いずれも、弥生としては、お客さまがお好みの方を活用いただければいいと思っています。一方で、帳簿付けも確定申告もはじめてもしくは自信がないという方にはおススメがありますよ、とお話してきました。

確定申告期も終盤ということで、今回の「どちらがお好み?」シリーズもこれで最終回(の予定)ですが、最終回は、確定申告書の提出方法について。つまり紙で出力して提出するか、電子申告(e-Tax)で提出するか。もちろん弥生では両方ともサポートしていますし、お客さまがお好みの方でよいと思っています。一方で、この選択肢に関してもおススメはあって、それはe-Taxです。

その理由は単純で、昨年から紙での提出か、e-Taxかで税額に差が出るようになったからです。詳細は一年前のこの記事をご参照いただきたいのですが、紙での提出ではなく、e-Taxでの提出とした場合に、10万円多く控除が得られるようになります。ここでの控除はその額がそのまま税額から引かれるわけではないので、ピンとこないかもしれませんが、仮に所得税率を10%とすると(注: 所得税率は所得額によって変動します)、所得税は1万円下がることになります。手取りが1万円増えるわけですから、これは大きいですよね。また、これは本ブログでも度々お話ししていますが、青色申告特別控除は所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料を下げる効果もありますから、これはもうやらないと損と断言できるかと思います。

ただ、紙は印刷して送るだけに対し、e-Taxは面倒くさいよ、と思われるかもしれません。確かにかつてのe-Taxは簡単とは言い難いものでした。それを簡単にするために、一昨年、弥生では「確定申告e-Taxモジュール」を新規に開発し、提供を開始しました。これであれば、どなたでも確実にe-Taxを簡単に完了できるという自信作です。実際、このモジュールを提供以降、Twitter等でも弥生でe-Taxがめちゃめちゃ簡単になったといった感想を多くいただき、とても嬉しく思っています。

一方、この「確定申告e-Taxモジュール」はMacには対応できていませんでした。技術的には対応は不可能ではないものの、様々な優先順位の中で対応を見送らざるを得ませんでした。当然、そのままでいいとは思っていません。そこで、今年、弥生では「確定申告e-Taxオンライン」を提供開始し、Macでも弥生内でe-Taxを完結させることができるようになりました。あれ、「確定申告e-Taxモジュール」と「確定申告e-Taxオンライン」では名前に違いがあると気が付いた方。するどいですね。そうです、これらは別物です。もともとは「確定申告e-Taxモジュール」のMac対応ということで準備を進めていたのですが、技術面での検証を進める中で、もっとお客さまにとって利便性の高い方式が可能になったため、これまた新しい機能として「確定申告e-Taxオンライン」を開発することになりました。

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確定申告e-Taxオンライン」の特徴は、マイナンバーカード(ICカード)を読み取るためのICカードリーダーが不要になったということです。ICカードリーダーの代わりに、皆さんがお使いのスマホを利用します。スマホに弥生が提供する「弥生 電子署名」アプリをインストールし、そのアプリからマイナンバーカードの情報を読み込むことによって、電子申告のデータに必要な電子署名を付与することが可能になっています。

「確定申告e-Taxモジュール」もそうでしたが、「確定申告e-Taxオンライン」も使っていただければ、「うわ、こんなに簡単なの」と実感いただけるものと思います。是非ご活用いただければと思います。なお、今年に関しては、Windows向けは「確定申告e-Taxモジュール」、Mac向けには「確定申告e-Taxオンライン」という二つの方式をプラットフォームごとに提供していますが、今後は、「確定申告e-Taxオンライン」に集約していきたいと思っています。

ということで、紙で提出 or e-Taxという選択肢については、弥生であればe-Taxもかんたん、ということで、e-Taxをおススメします。

さて、確定申告期間の週末は今週末が最後になります。まだ申告が終わっていないという方は、頑張りましょう。弥生をお使いであれば、いざ始めてしまえば、あれ、思ったよりサクサクできるな、と感じていただけるものと思います。頑張ってください、応援しています!
posted by 岡本浩一郎 at 21:03 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月09日

どちらがお好み?(その4)

3/15(火)の確定申告期限まで一週間を切りました。これまでお話ししているように今年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。とはいえ、できれば早く終えてすっきりしたいものです。

あと一週間ないからもう間に合わない(泣)、と諦める必要はありません。今から一念発起して着手しても、まだまだ充分間に合います。余裕とは言いませんが、焦る必要はありません(今週日曜日の夜になったらさすがに焦りましょう、笑)。

さてこれまで、確定申告に向けて弥生がお客さまに提供している選択肢についてお話しをしてきました。お客さまに可能な限り選択肢を提供するのが弥生のポリシー。クラウドアプリでも、デスクトップアプリでも、お客さまの好きな方を使っていただきたいと考えています。もっとも、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がない方については、やよいの青色申告 オンラインの方がおススメとお話ししました。

やよいの青色申告 オンラインは、まず入力してみることも、まずは設定を済ませることも可能であるとお話ししました。また、入力については、手入力もあれば、自動仕訳もあるとお話ししました。これもお好きな方を、ではあるのですが、少なくともメインの銀行口座は自動仕訳した上でカバーしきれない部分を手入力でという組み合わせがおススメとお話ししました。

今回お話しする選択肢は、ちょっとマニアックな(?)選択肢です。それは事業主勘定を使うかどうか。個人事業主の帳簿付けで一般的に必要となるのが、事業主勘定。事業をする上で、事業専用の現金、銀行口座、クレジットカードなどで完結すれば必要はないのですが、例えば、書籍を普段使っている(事業用ではなく個人用の)クレジットカードで支払った場合には、事業が個人(事業主)からお金を借りたということになり、事業主借という勘定科目を使う必要があります。

新聞図書費 10,000 / 事業主借 10,000

また、個人事業主は基本的に事業で稼いだお金で生計を賄うわけですから、どこかでは事業で稼いだお金を家計に入れる必要があります。例えば、事業用の銀行口座から生活費として200,000円を引き出した場合には、今度は事業が個人にお金を貸したということになり、事業主貸という勘定科目を使う必要があります。

事業主貸 200,000 / 普通預金 200,000

これは個人事業主が確定申告を終えるためには通らなければならない関門なのですが(事業主勘定をより詳しく知りたいという方は、こちらのスモビバ!の記事をどうぞ)、ありがちな躓きポイントでもあります。特に事業主「貸」か、事業主「借」かはどっちがどっちか混乱しがちです。

実は、やよいの青色申告 オンラインでは、この事業主勘定を使わないで済ませる方法があります。それは、現金(個人)、普通預金(個人)、クレジットカード(個人)という取引手段を使うことです。例えば、書籍を普段使っているクレジットカードで支払った場合にはこうなります。

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新聞図書費 10,000 / クレジットカード(個人) 10,000

また、事業用の銀行口座から生活費として200,000円を引き出した場合にはこうなります。

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現金(個人) 200,000 / 普通預金 200,000

これだとすんなり理解できますよね。実は、(個人)という取引手段は、内部的には、事業主借/事業主貸の補助科目として機能しているのです。これは、残高試算表を表示していただくと、貸借対照表上の事業主貸/事業主借という勘定科目の下に現金/普通預金/クレジットカードという補助科目があることがわかります(表示オプションとして、補助科目を表示、残高0を表示とした場合)。

個人事業主として帳簿付けは慣れたものだよ、という方はもちろん事業主勘定を使っていただければ何の問題もありません。一方で、帳簿付けも確定申告もはじめてもしくは自信がないという方は、この(個人)という取引手段をうまく活用いただければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:53 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月07日

どちらがお好み?(その3)

前回は、やよいの青色申告 オンライン(やよいの白色申告 オンライン)を使い始めた際には、設定をスキップし、まず入力から始めることができるとお話ししました。まず入力してみれば、使い勝手も確認できますからね。一方で、もちろんのことながら、最初に設定を済ませてしまうことも可能ですし、必要とされる設定は最小限、かつ、わかりやすくなっているので、迷うことはありません、ともお話ししました。入力から始めるか、設定から始めるか、お客さまの好きなように進めていただければと思います。

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ところで、ここで入力というと、手入力でポチポチと打ち込むということを想像されるかもしれません。やよいの青色申告 オンラインには、かんたん取引入力という機能があり、これがメインの(手)入力機能です。借方/貸方や勘定科目といういわゆる仕訳の知識がなくても、実際に行った取引を入力すれば、その情報に基づいて適切な仕訳が生成されるようになっています。これ以外の(手)入力機能としては、仕訳の入力機能もあり、仕訳が得意だという方は、直接仕訳を入力することも可能です。とはいえ、特にこの種のソフトを初めて使う方が多いやよいの青色申告 オンラインでは、仕訳の入力を使う方はさほど多くありません(上級者向け機能と考えていただいて結構です)。

一方で、やよいの青色申告 オンラインではもう一つの入力機能として、スマート取引取込という機能があります。これは、インターネットバンキング等とやよいの青色申告 オンラインをSMARTという仕組みで連携させることにより、例えば銀行の明細を自動で取込み、その情報に基づいてAIが自動で仕訳を生成する機能です。手で一件一件入力するのではない、いわゆる自動仕訳機能/AI仕訳機能です。

これまでにもお話ししてきた通り、お客さまに選択肢を提供するのが弥生のポリシー。その観点では、かんたん取引入力(手入力)でも、スマート取引取込(自動仕訳)でもどちらでも好きな方をということになります。ただ、せっかくこれから始められるのであれば、やはり自動仕訳をご活用いただきたいと思います。

少なくともメインで利用されている銀行口座の明細を自動で取込むだけで、圧倒的な業務効率化につながります。法人の場合は、インターネットバンキングに手数料が必要となるケースも多いため、インターネットバンキング自体を利用していないという法人も珍しくないのですが、個人の場合は、一般的にインターネットバンキングは無料で利用できますから使わない手はありません。そしてインターネットバンキングを利用しているのであれば、それをやよいの青色申告 オンラインに是非連携していただければと思います(ただし、個人でも事業性の口座については、法人に準ずる口座を利用することを求める、また、その際にインターネットバンキングに手数料が必要となる金融機関も一部存在します)。

ただし、自動仕訳といっても、最初から完全に自動という訳ではありません。銀行口座の明細であれば、明細に付随する振替先などの情報をもとに勘定科目を推論します(わかりやすい例で言えば、XX電力だったら水道光熱費、など)。この推論は、最初は多くのユーザーが実際に利用している勘定科目が選ばれますが、特定のお客さまにとって正解とは限りません。そのため、特に当初(例えば最初の一ヶ月分)はしっかりチェックして、必要に応じて修正が必要です。そうやって学習が進めば修正量が徐々に減り、逆に自動で処理できる割合が高まっていきます。

このため、慣れた人ほど、今年分であれば期限も迫っているし、自分で手入力した方が早いと思われるかもしれません。ただ、今回学習が進めば、今年の申告だけでなく、今後の記帳であり、次回の申告も圧倒的に楽になります。今回いかに終えるかだけではなく、今後も効率的にしようと思えば、やはり自動仕訳を活用していただきたいところです。

ということで、手入力か自動仕訳か。基本はお好きな方をということになりますが、おススメとしては、少なくともメインの銀行口座は自動仕訳した上でカバーしきれない部分を手入力でという組み合わせです。
posted by 岡本浩一郎 at 21:41 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月04日

どちらがお好み?(その2)

前回は、青色申告ソフトとして、クラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)とデスクトップアプリ(やよいの青色申告 22)があるとお話ししました。白色申告の場合には、やよいの白色申告 オンライン一択(しかも永年無料!)ですが、青色申告に関しては、どちらでもお客様の好きな方を使っていただければいいと考えています。ただ、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がない方については、やよいの青色申告 オンラインの方がおススメとお話ししました。

ということで、やよいの青色申告 オンラインを選んだとします。やよいの青色申告 オンラインでは、ホーム画面でまず「今すぐ「やよいの青色申告 オンライン」を始めます」と表示されます。

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実はここで、再び選択肢があります。「まず入力する」か、「先に設定する」か。青色申告ソフトもそうですが、業務ソフトというと、一般的には使い始めるためにはまず、設定が必要です。ただ、この設定のプロセスで疲れてしまい、せっかくソフトを活用してと意気込んでいたものの、設定だけで挫折してしまったという方もゼロではありません。

そのため、やよいの青色申告 オンライン(やよいの白色申告 オンライン)では、面倒くさい設定の手順を後回しにして、まず入力するということも可能になっています。設定だけだとまったく進んだ感はありませんが、入力を始めて、例えば1月分だけでも入力が終われば、もう12分の1は終わったと実感できますからね。

また、お試しという意味でも、まず入力を試してみることには意味があります。苦労して設定を乗り越えて、いざ入力しようとしてみたら、使いにくくて即断念という可能性も否定できないからです。設定を済ませる前に入力できるということは、本格的に使い始める前に使い勝手を確認できるということです。もっとも、弥生の場合には、使いやすさには定評がありますから、入力で断念するという心配はご無用ではありますが(笑)。

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ということで、設定を一旦後回しにしていただくことが可能ですが、とはいえ申告を終えるまでには設定が必要になります。やよいの青色申告 オンラインの設定は、とにかく最小限、かつ、はっきりわかりやすくということにこだわっています。必要な設定はたった4種類。しかも消費税申告義務がない、あるいは、固定資産がないという場合には、それらの設定は不要です。ということで、弥生の場合には、設定で断念することもないはずです。ですので実は、設定から始めていただいても全く問題はありません。
posted by 岡本浩一郎 at 18:53 | TrackBack(0) | 弥生

2022年03月01日

新たな旅立ち

本日2022年3月1日(火)に弥生の株主はこれまでのオリックス株式会社からグローバルな投資ファンドであるKKRに変わりました。このタイミングで、オリックスからの役員は皆さん退任となります。2014年12月にオリックスグループ入りをしてから早7年ちょっと。2014年には、まだまだヨチヨチ歩きだった弥生オンライン(クラウドアプリ)は、弥生としての確かな事業の柱になりました。その弥生オンラインのラインアップ強化のために、Misocaをグループの一員として迎えることもできました。2017年にはオリックスの金融ノウハウを活かし、アルトアを立ち上げることもできました。またこの間には、東京の移転大阪の移転名古屋の移転広島の新設福岡の移転仙台の新設札幌の移転/営業所新設と、弥生の職場環境もすべて変わりました。弥生の成長をしっかりと、かつ温かく見守ってくれたオリックスの皆さんに心から感謝したいと思います。

一方で、株主は変わっても、事業としての弥生はこれまで通りです。弥生株式会社の新たな役員構成は、株主からの役員以外は、従前通りです。2020年にジョインしていただいた社外取締役の太田さん、林さん、社外監査役の鈴木さん、塚田さんも引き続き社外役員としてお力添えいただきます。オリックスからの役員とは入れ替わりで、新たな株主であるKKRから2名の社外取締役(谷田川さん、原田さん)、そして社外監査役(キャシーさん)が本日就任されました。今後、KKRの皆さんにも、弥生のさらなる成長をしっかりと、かつ温かく見守ってほしいと思っています。

ただ、弥生としては、温かく見守ってほしいと思っているわけですが、それは双方向の想いなのでしょうか。KKRとして、弥生には大いに問題あり、という認識であれば、そうも行かないでしょう。

以前お話ししましたが、新聞等で報道された譲渡価格を考えれば、KKRとして弥生を高く評価していることは間違いありません。もっとも、弥生が完璧だと思っているということでもありません。弥生にはもっとできること/やれることがある。主体はあくまでも弥生ですが、それを株主としてバックアップすることによって、今後の成長をより確実なものにしようと考えているはずです。それが株主としての投資ファンドの存在意義です。

これは弥生自身の認識ともずれはありません。私たち自身は、弥生のことをどう評価しているのか。これはあくまでも主観であり、絶対的なものではありませんが、私自身が今の弥生に点数を付けるとすると、65点から70点ぐらいではないかと考えています。落第点ではない、一方でとても高く評価できる状況ではないと思っています。

私たちがお客さまの業務を支えるために、やるべきことは確かにできています。一方で、もっとやるべきこと、やりたいことは山積みであり、それらを十分に実現できていません。足元での法令改正対応であり、今できる範囲での業務効率化も重要。一方で、将来に向けた、デジタルを前提としたあるべき姿の実現も重要。しかし、リソースの制約を踏まえると、私たちがやりたいことの全てを、やりたいと思うペースで進めることはできていません。

こう考えると、弥生もKKRも基本的には同じ理解であり、同じ方向を向いていることがわかります。弥生はしっかりとした結果を出している。しかし、もっとできることがあるはずだ。弥生がKKRというパートナーを得て、弥生の進化を加速させるために、何ができるのか、何をすべきなのか、をしっかりと議論していきたいと思っています。

今日は、弥生にとって、新しい旅立ちの日です。これから起こること、これからできることに、ワクワクしています。 
posted by 岡本浩一郎 at 19:29 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月28日

どちらがお好み?

いよいよ2月も終わり。3/15(火)の確定申告期限まで2週間ちょっととなりました。これまでお話ししているように今年は新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。とはいえ、問題を先送りするよりは、本来の期限である3/15(火)までに終えてすっきりとしたいものです。

本ブログを読んでいただいている方は、もうしばらく弥生を使っていただいている方が多いのではないかと思います(もしくは、弥生のパートナーの方や関係者なども多いかと思います)。既に弥生をお使いであれば、時期的には帳簿付けもある程度終わっており、確定申告書作成の目途も立っている方が多い…、と願っています(笑)。

一方、昨年に開業されたなど、今年が初めての確定申告という方、あるいは、これまでは手書きで何とかしていたけれど、今年こそはソフトを使ってラクをしたいという方もいらっしゃるかと思います。そういった方が最初に悩むのが、どのソフトを使うのかということ。これは悩むまでもなく、弥生で間違いありません。デスクトップでもクラウドでもNo.1ですからね。

もっとも弥生をご利用いただくとなると、少し悩むかもしれないのが、デスクトップアプリ(やよいの青色申告 22)を使うのか、あるいはクラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)を使うのか。お客さまに選択肢を提供するのが、弥生のポリシー。どちらでもお客さまがいいと思う方を使っていただければ。ただし、申告が青色申告ではなく、白色申告であれば、選択は自ずとクラウドアプリであるやよいの白色申告 オンラインになります。正確には、デスクトップのやよいの青色申告 22でも白色申告には対応しているのですが、やよいの青色申告 22にはお金がかかるのに対し、やよいの白色申告 オンラインは永年無料ですから、コスト的に比較になりません。ということで、白色申告であればクラウドアプリの一択。

青色申告の場合は、どちらでも、というのが弥生のスタンスになるのですが、おススメはどちらか。これはそれぞれの画面を見ていただくとわかりやすいと思います。

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まず、こちらはデスクトップアプリ、やよいの青色申告 22の確定申告書作成の画面です。画面上に確定申告書が見たままに再現されているのがわかりますね。このため、これまで手書きで確定申告書は書いてきた、どこに何を記入するかは大体わかっているという方に特におススメです。もちろん、ソフトが誘導します(そのためのナビゲーションが左手に表示されています)ので、確定申告は初めてという方も全く問題はありません。ただ、ある程度確定申告書はわかっているよという人ほど効率的に申告書作成を終えられるようになっています。

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これに対し、こちらはクラウドアプリ、やよいの青色申告 オンラインの確定申告書作成の画面です。デスクトップとは異なり、確定申告書のイメージは表示されていません。やよいの青色申告 オンラインは、最初から最後まで画面の誘導に従って申告書作成を進めます。

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上の画面(見えていませんが、画面下部)で、Step 3の「確定申告書の作成」の画面に進んでも、やはり確定申告書のイメージは表示されません。上部に1. 基本情報 > 2. 源泉徴収税 > 3. 所得…という流れが表示され、各画面で表示される質問に答えていけば、自動的に申告書が作成されます(ちなみに、右上には「プレビュー表示」というボタンがあり、このボタンで随時申告書のイメージを確認することは可能です)。

弥生がやよいの青色申告 オンラインのターゲットとして想定しているのは、確定申告が初めてという方、あるいは、初めてではないけれど自信がないという方です。基本はソフトにお任せしたいという方にはやよいの青色申告 オンラインがおススメということです。一方、申告書は書き慣れているという方からすると、やよいの青色申告 オンラインはややまどろっこしいと感じられるかもしれません。その場合には、胸を張ってやよいの青色申告 22をおススメします。

いずれにしても、もう明日から3月。クラウドでもデスクトップでも、お客さまがこれと思う方を選択いただき、確定申告書作成を進めましょう。
posted by 岡本浩一郎 at 21:39 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月24日

確定申告の準備状況

確定申告期間が始まってから一週間。今年も新型コロナウイルス禍の影響を受け、簡易な手続きで申告期限の延長が認められています。ただ、逆に言えば手続きをしない限りは期限は本来の3/15(火)のままです。これは、手続きなしに延長となった昨年や一昨年とは異なります。 

これがお客さまの確定申告の準備状況にどのような影響を与えるか。ソフトの販売状況、ご利用状況、そしてお客さまからのお問合せ状況を見る限り、多くのお客さまは本来の申告期限である3/15(火)に向けて準備を進めているようです。

事実としては最小限の手続きでの延長が発表になった2/3を境に一旦お問合せが減少しましたが、その後着実にお問合せが増えてきています。これまでの波形で見る限り、今年は無条件で延長となった2020年/2021年とは異なり、全体としては新型コロナウイルス禍以前の2019年に近いように見受けられます。

全体的に言えば、平常時の年に近い推移だけれども若干のアンダーといったところでしょう。例年は期限が終わるとお問合せがガクッと減少するのですが、今年はこれまでアンダーした分が3/15以降にシフトする分、本来の期限以降も例年よりは高めの状況が、延長時の期限である4/15まで続いていくと見ています。

会計事務所で申告業務を請け負っている場合には、4月以降は法人の決算業務が盛り上がってくることもあり、昨年/一昨年も延長にはなったものの、延長前の元々の期限で終わらすことを目指すという事務所がほとんどだった印象です。

今年は原則は通常通りの期限ということで、昨年にもまして本来の期限で終わらせるという意向の会計事務所が多いようです。ただ一方で、例年とは異なる事情として、1月末に事業復活支援金の申請が始まり、ここしばらくはそちらに集中せざるを得ないという状況もあるようです。

いずれにせよ、やはり基本は本来の期限を目指しつつ、心の安心として延長もありと考えるのがよいのではないかと思います。

そう言っている私も、ある程度の準備は済ませつつも、まだ申告書本体には取り掛かれていません。遅くとも今週末にはある程度目処を付けたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 23:13 | TrackBack(0) | 弥生

2022年02月22日

禍福は糾える縄の如し

この二年間は、とにかく我慢が続いています。皆に会えない。たまにはお酒を交えてワイワイと息抜きをすることもできない。仕事自体はリモートで続いても、やはり皆さんと同じ場で、同じ空気を共有したいなあと思います。でも同じ空気を共有することこそが避けるべきこととされている訳ですから、新型コロナウイルスというのは本当に厄介なものです。そんな中で今日は2022/2/2、2が続くということで、「スーパー猫の日」だそうです(ちなみに本記事の投稿時間にも注目)。ということで、今日は猫に関する話を。

我慢が続いていると書きましたが、実際には悪いことばかりではありません。実は昨年頭から猫を飼い始めました。名前は「ペロ」です。よく舌をしまい忘れて(?)、舌をペロリとしているので、ペロ。ペロとは近所の公園で出会いました。

私はこれまでペットを飼ったことはなかったのですが、いつかは飼ってみたいと思っていました。犬派か猫派か、というと断然猫(犬派の皆さん、失礼)。娘が大きくなり、娘がペットを飼いたいと言い出すと、話はだいぶ具体的になってきました。保護猫/犬のサイトでこの子はどうだろうと見てみたり。やはり子猫だよなあ、と成猫は眼中にありませんでした。気になる子がいて、今度の週末に見に行こうかという話はたまに出ましたが、結果的には行動に移すことはありませんでした。選択肢が多すぎて選べなかったということもありますが、振り返ってみれば、機が熟してなかったんでしょうね。

さて、一昨年の春、緊急事態宣言が発出され、私もずっと自宅にこもることになりました。ただ、こもってばかりではストレスが溜まりますし、何よりも運動不足。ということで、一日に一時間程度、家族で近所の公園に散歩に行って、私は縄跳びをすることが日課になりました。近所の公園は、速足で徒歩10分ぐらい。往復+縄跳びでちょうどいい運動になります。

通うようになって初めて気が付いたのですが、この公園には猫が住み着いているようでした。しかも何匹も。どうも毎日餌をあげる人もおり、いわば地域猫として面倒を見られているようです。そのせいもあってか、結構人懐こい。性格もあるので、人懐こくすぐによしよしさせてくれる子もいれば、警戒心が強い子もいますが、どの子も人には慣れているようです。

猫と会えるということもあって、この公園通いが家族の欠かせない日課になりました。なかでもいちばん人懐こかったのが今我が家にいるペロです。猫のいるエリアに近付いて「ペロ〜」と呼ぶと、尻尾をピンとさせてトテトテと歩いてきてくれる。子猫でなくても、可愛いものだな、というのは発見でした。


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公園時代のペロ

緊急事態宣言が明けてからは毎日とはいきませんが、暇を見つけて公園通いは続きました。家族全員で行くことは減りましたが、毎日家族の誰かは行っているという感じでしょうか。その後時間が経ち、春の間は気持ちよさそうにしていた猫たちでしたが、夏も盛りになると、暑さに辛そうにしています。この頃から、我が家で保護できないだろうか、という話になりました。

ほぼ毎日餌をあげているおじいさんに相談すると、いいんじゃないの、と。ペロはこの公園で生まれたとのことですが、おそらくもう6歳は過ぎています。齢をとってくると外は辛いから、保護してあげられるのであればいいのではないかと。

その後熟慮を重ねて夏の終わりに保護を試みたのですが、うまく行きませんでした。だてに6年以上生きておらず、簡単には捕まえられてくれません。人懐こい一方で、とても警戒心が強いということがわかりました。困ったことに、我が家が保護しようとしたことが引き金になり、公園のいつもの場所に寄り付かなくなってしまいました。たまに公園に来ても、私の姿を見るとすたこらと逃げていってしまいます。

それから数ヶ月間は暇を見つけて公園に通い、関係性の修復に努めました。猫によっては、すぐに忘れるようなのですが、ペロの場合は、記憶力がよく(?)、再び撫でられるようになるのに3ヶ月近くかかりました。保護したいという想いはありつつも、また公園に来なくなったら困るし、保護は無理なのかなあという諦めもありました。

そして年が明け、昨年のお正月。お正月早々、久し振りに家族で公園に行ってみると、別の人がペロを保護しようとしているよと周りが教えてくれました。もうずっと公園に通っているので、周りは皆顔馴染ですし、我が家がペロを保護しようとしていたことを覚えています。急遽、保護しようとしていた方とお話しし、昨年保護しようとしたがうまくいかなかったこと、いつかは保護したいと思っていることをお話しすると、そういったことであれば是非保護してあげてください、と。

再度保護に失敗するのではないかという恐怖心はありましたが、これもご縁だろうと考え、よく公園に来ている方に協力を要請。翌日に保護を実行することにしました。翌日、もうドキドキですし、これで保護できなかったらやはりご縁がなかったということなんだろうと思いつつ、保護にチャレンジ。やはり警戒心が強く、苦戦はしましたが、今回はようやく保護に成功しました。すぐに動物病院に。なにぶんお正月(1/2)ということで、診ていただける動物病院を探すのに苦労しました。

家に連れて帰ってしばらくはずっと怯えており、ケージにこもって心ここにあらず、という感じでしたが、数日間で少しだけ慣れたのかケージの外に出てきました。それでも最初は風呂釜の裏に隠れてしまったりと、ペロもこちらも慣れないが故の苦労はありました。


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家に来たばかり、まだ怯えています

今はすっかり我が家に慣れ、マイペースで暮らすようになりました。もう大人の猫なので、おとなしいものです。家の中がぐちゃぐちゃになったらどうしようという懸念は全くの杞憂でした。もう一年が経って、完全に家族の一員となっていますし、かなりの甘えんぼさんです。


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すっかり馴染んでのびのび

「禍福(かふく)は糾える(あざなえる)縄の如し」という故事成語があります。もとは史記にあった言葉のようですが、幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくるという意味です。新型コロナウイルス禍はまさに「禍」(わざわい)。ですが、よく見てみれば決して禍だけではなく、その裏には福もまた存在しているのだと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:22 | TrackBack(0) | パーソナル

2022年02月18日

透ける狙い

今週は今回(令和3年分)の確定申告書の様式についてお話ししています。押印欄がなくなったというわかりやすい変化はありつつも、全体としては変更点は少なめ。ただ少ない中でも、目立つのが区分欄の増加ということを前回お話ししました。近年区分が増えている背景には、税制の複雑化があるとも。

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もっとも今回追加された区分欄は全て申告書左上の「収入金額等」のエリアなのですが、このエリアでの追加には税制の複雑化という以上に、国税庁として何を注視しているかが表れているように思います。

わかりやすいのが、「雑」「その他」という行の区分欄ですね。雑所得がこれまで「公的年金等」と「その他」の2行だったものが、昨年の申告書から「公的年金等」「業務」「その他」の3行に分かれたのには、ここでいう業務に該当する「副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)」を今後はしっかりと見ていきますよという国税庁の意志の表れではないかということを昨年お話ししました

今回は「その他」の行に区分欄が新設された訳ですが、それではこの区分欄に何を記入するのかと手引き(pdf)を確認してみると、「個人年金保険に係る収入がある場合は「1」を、暗号資産取引に係る収入がある場合は「2」を、個人年金保険に係る収入及び暗号資産取引に係る収入の両方がある場合は「3」を記入します」とあります。暗号資産(仮想通貨)取引というと、国税庁が申告漏れや不正確な申告に目を光らせているのは周知の事実。これまでの申告書では、雑所得があることはわかっても、その内訳がどうなっているかは曖昧だった(厳密に言えば、第二表で所得の内訳を記入することは求められてはいましたが、この欄はややアバウトなので)のですが、今後はこの区分欄でビシッと特定されることになります。結果的に、暗号資産取引による雑所得がある場合には、通常より丁寧に見られることになるのでしょう。

不動産所得の収入で新設された区分欄のうち「区分1」は、手引きによれば「国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例(措法41の4の3)の適用がある場合は、「1」を記入します」とありますので、これも国外中古建物が注視されていることの表れですね。

では、事業所得の「営業等」収入の区分、「農業」収入の区分、そして不動産所得の収入の「区分2」は何を注視しているのかというと、実は、帳簿の付け方なのです。これらの区分には「1」から「5」までの区分を記入するのですが、これは手引きで以下のように解説されています。

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電子帳簿保存法というと耳馴染みはないかもしれませんが、実は全事業者に影響が及びうるということを昨年お話ししました(結果的には2年間の猶予期間が設けられたということも昨年末にお話ししました)。

今回、こういった区分が設けられたということは、国税庁がどのように帳簿を付け、保存するのかということに関心を持っているということの表れです。もちろん弥生を使っていれば、少なくとも「2」(会計ソフト等の電子計算機を使用して記帳している場合)に該当しますので、国税庁から見ても、「ああちゃんとした帳簿付けをしていますね。よろしい。」ということになるものと思いますが(笑)。

申告書全体から見ればほんのわずかな変更点ですが、毎年確定申告書を睨んでくると、こんなことが浮かび上がってくるのです。職業病だと思いますが、なかなかマニアックなことは自覚しております(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 20:37 | TrackBack(0) | 税金・法令