2019年02月14日

まずはこちらの申告

いよいよ来週2/18(月)から今年の確定申告が始まります。弥生も約1ヶ月間の確定申告期に向けて臨戦態勢です。

確定申告が始まる前に終えておきたいということで、先週末に頑張ったのが、自分の会社の申告準備。私は弥生の社長に就任する前は、自分で起業した経営コンサルティング会社を経営していました。起業したのは2000年ですが、その時から弥生会計と弥生給与のユーザーだったというのは嘘のような本当の話。

弥生の社長に就任するにあたり、自分の会社は事実上の休眠状態に。ただ、法律的にはまだ存在し続けており、年一回の決算・申告も会計事務所の力を借りて行っています。会社の決算期が12月ということで、申告の期限は2月末。会社として営業はしていませんので、日ごろの帳簿付けは行っておらず、年を越してから、あーそろそろやらないととなり、実際に着手するのは2月に入ってからというのが毎年のパターンになっています。

期限は2月末といえども、会計事務所で申告書を用意していただくための時間もありますから、帳簿はある程度前もってまとめる必要があります。その(私の心の中での)期限が先週末。実際には週末は家族と楽しく過ごし、渋々着手したのが週末最終日(祝日の11日)の22時(笑)。

ただ、実は着手してしまえば、それほど時間はかかりません。そもそも営業していませんので、帳簿に付ける取引自体がごく僅か。その記帳自体もネット銀行分はスマート取引取込を活用すれば、ボタン一発です。他にはメガ二行の口座があるのですが、こちらは手数料がかかるインターネットバンキングを利用しておらず、手で入力する必要があります。とはいえ、量が少ないこと、また、発生する仕訳がパターン化していること(同じ仕訳が毎月出るだけ)から、それほど時間はかかりませんでした。

結果的には一時間半ほどで一年分の記帳と確認が終了。データはクラウド上の弥生ドライブにあるため、顧問の税理士の先生に入力が終わったことを伝えれば、先生がすぐに確認することができます。

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弥生ドライブの隠れた長所は、データの更新履歴が確認できる(&必要であれば遡ることができる)こと。弥生ドライブで更新履歴を見れば、私がいつ作業に着手したのか(2/11 21:59)も、税理士の先生がいつチェックしてくれた(2/13 9:24 & 2/13 18:35)のかも一目瞭然です。

私の会社の場合はそもそも営業していないので、短時間で帳簿付けは終わりますが、一般的には、せめて一ヶ月に一度は帳簿付けをしておきたいところです。一年に一度というところは、真似していただきたくはありません(苦笑)が、帳簿付けを圧倒的にラクにするためのスマート取引取込の活用、会計事務所とのデータのやり取りをクラウド化する弥生ドライブの活用は、是非真似をしていただきたいところです。使ってみると、その利便性に驚かれるはずです。

懸念だった会社の申告も目処が立ち、これで確定申告期に万全の態勢で臨む準備ができました…、と思いきや、自分の個人の申告も残っています。これはお客さまの皆さまに想いをはせながら、これから頑張ります(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 19:03 | TrackBack(0) | パーソナル

2019年02月12日

グループでの協業

前回お話しした不要パソコン無償回収サービスですが、実はこのサービスを担っているのは、オリックスグループのオリックス環境という会社です。ご承知のように弥生もオリックスグループの一員ですから、グループ内で協業し、実現しているサービスということになります。

私自身もオリックスグループ入りしてから知ったことですが、オリックスグループは実に多様なビジネスを展開しています。祖業こそリースですが、隣接分野に次々と進出をしてきた結果、日本でも珍しい複合事業体になっています。2016年からは関西エアポートを通じて関西・伊丹・神戸の3空港の運営を行っていますし、つい先日「ORIX HOTELS & RESORTS」という新ブランドを発表しましたが、ホテル/リゾートの運営も行っています。さらに変わったところでは、すみだ水族館京都水族館の運営も行っています。

もともとはリース業として、船舶のリースを行っていたものが、海運不況という危機に直面し、自ら船舶を所有し、自社で運行・管理するように。オリックスグループの歴史は、このような隣接分野への進出の連続ですが、その一環がオリックス環境です。オリックスグループでは、PCのレンタル/リースも数多く手がけていますが、レンタル/リースが終了したPCの終着地点であるリサイクル事業までグループで手掛けるようになったのだそうです。

ところで、オリックス環境と共に提供している不要パソコン無償回収サービスは、グループ内協業の隠れた成功例です。弥生がオリックスグループ傘下に入る際に、弥生のお客さまにオリックスから売り込みがあるのではないか、という憶測が流れたことがありますが、実態として、お客さまのニーズ不在の売り込みは一切行っていません(ニーズがなければそもそもどうやっても収益化しようがないですし)。

そういった中での隠れたグループ内協業の成功例が、不要パソコン無償回収サービス。正直地味なサービスですし、弥生としてもこれで売上増が図れる訳ではありませんが、やはりニーズがあれば活用されるという好例かと思います。さらなるグループ内協業としては、やはりアルトアに期待したいところです。これもあくまでもニーズありきではありますが、弥生のIT/会計に関する知見とオリックスの金融に関する知見を組み合わせることで新たな価値を生み出すことのできるまたとない機会だと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:11 | TrackBack(0) | オリックスグループ

2019年02月08日

こんなサービスも

前回弥報Onlineは弥生ユーザーを応援する「いちばん身近なビジネス情報メディア」とお話ししました。広くスモールビジネスの方を対象としたスモビバに対し、弥報Onlineは弥生ユーザーを対象としています。

その違いがわかりやすいのは、こちらの記事。この「不要パソコン無償回収サービス」は弥生のあんしん保守サポートに加入している方向けのサービスです。不要になったパソコンを無償で引き取り、安全に廃棄してくれるサービス。

10年ぐらい前まではPCもそれなりに高かったので、買い替えた際には、データをキチンと抹消した上で(これ重要です)買取店に売却することも多かったのですが、最近はPCも安くなり(=中古価格も安くなり)、買取に出す手間を考えると、そのまま廃棄してしまった方が合理的というケースも増えてきました。

PCの廃棄に際しては、2003年から資源有効利用促進法により、メーカーによる回収・リサイクルが義務づけられています。家庭用として購入する(=一般に家電量販店で販売されている)PCにはリサイクルシールが貼られており、これがあればメーカーが無償で回収、廃棄してくれるという仕組みです。小規模事業者の場合、家電量販店で家庭用PCを購入していることも多いと思いますが、実は、事業者が利用しているPCの場合は、PCリサイクルマークの有無にかかわらず、原則として回収再資源化料金がかかります。

不要パソコン無償回収サービスは弥生ユーザーである事業者の方向けに無償で不要となったPCを回収するサービスです。本来はおカネを払って処分しなければならないものを、無償で引き取ってもらえる訳ですから、知っているとおトクなサービスです。なおかつ利用も簡単。お申込みいただくと、佐川急便が引き取りにお伺いします(もちろん、引き取り時の送料もかかりません)。

実は私もこのサービスを利用したことがあります。私が約20年前に起業した経営コンサルティング会社は、私が弥生の社長に就任して以来、事実上の休眠状態なのですが、法的には存続しており、毎年の申告はしています。もちろん、弥生会計を利用し、あんしん保守サポートにも加入しています。だいぶ前に使わなくなったPCが放置されていたのですが、一念発起して処分する際に、このサービスを利用しました。実際ほとんど手間いらずで、助かった記憶があります。

日々使うようなサービスではありませんが、必要な時にあると有難いサービス。弥報Onlineでは、この不要パソコン無償回収サービスをはじめ、知っていると嬉しい様々な情報を提供しています。是非チェックしてみてください。
posted by 岡本浩一郎 at 19:06 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月06日

弥報Online

昨年の12月に弥生が提供するオンラインメディア、「弥報Online」がスタートしました。「弥報」で「やっほー」と読みます。スタートとお話ししましたが、実は弥報Onlineは従前から運営してきた弥生ユーザー向け情報メディア「弥生マルシェ」をリニューアルしたものです。

既にピンと来ている方もいらっしゃるかと思いますが、弥生は長年「弥報」というユーザー向け会報誌を提供しています。これは、あんしん保守サポートのベーシックプラン/トータルプランご加入ユーザーに定期的に送付している会報誌で、日本で一番多く読まれているビジネス情報誌とも言われているとか、いないとか(笑、純粋に部数だけの話で、質に関してはまだまだだと思います)。

一方、弥生会計 オンラインなど、クラウドアプリをご利用のお客さまも増える中で、紙面だけの情報提供では量・タイムリーさという意味でも十分ではないという反省から、「弥生マルシェ」を発展的にリニューアルし、「弥報Online」とすることになりました。

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弥報Onlineは「弥生ユーザーを応援する『いちばん身近なビジネス情報メディア』」。これまでと同様に、中小企業の経営者や個人事業主、経理・総務を中心としたバックオフィス担当者など、弥生ユーザーの皆さまに役に立つ情報を、これまで以上に「今、本当に必要な情報」を「かんたん」に「わかりやすく」発信していきます。

弥生通の方は、あれ、スモビバとどう違うの、と思われるかもしれません。弥生では、「スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場」としてスモビバというサイトも運営しています。

一つの大きな違いは、弥報Onlineが弥生を既にお使いの弥生ユーザーを対象としているのに対し、スモビバは、弥生をお使いとお使いでないとにかかわらず、広くスモールビジネスの方を対象としています。このため、弥報Onlineはhttps://media.yayoi-kk.co.jp/と弥生のドメインの中にあるのに対し、スモビバはhttps://www.sumoviva.jp/と独立したサイトとして運営されています。

今お話ししたような立ち位置の違いはありますが、弥報Online/スモビバともに、なるほど、これは役に立つ、という情報を多く発信しています。是非一度ご覧になっていただければ幸いです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 弥生

2019年02月04日

本人確認手続きが簡便に(まずは第一弾)

アルトアの売りは、お申込みからご契約まで、オンラインで完結する利便性。ただし、正確に言えば、「基本的に」オンラインで完結する、としなければなりません。というのは、実際に融資を実行する前には避けて通れない手続きがあり、それがオンラインで完結しないため。それは本人確認の手続き。これは、犯罪者によるマネー・ローンダリング(資金洗浄)を防止するための、犯罪による収益の移転防止に関する法律という厳めしい名前の法律(業界では省略して犯収法と呼ばれています)によって求められている手続きです。

具体的には、最初にお取引(融資)を行う前に、お申込みいただいた方が本人である(他者を詐称していない)ことを本人確認書類をご提示いただくなどの方法によって確認することが必要です。店舗でお申込みの場合には、運転免許証などの本人確認書類をご提示いただき、その場で本人確認の手続きを終えることが可能ですが、アルトアの場合は、オンラインで完結する仕組み。わざわざご足労いただいて、という訳にはいきません。

この場合、オンラインで本人確認書類の画像をアップロードいただき、同時に、本人宛の転送不要の郵便を送ることによって、本人確認とするという手続きが認められており、アルトアもこの方法を採用しています。ただ、残念なのは、融資のお申込み、そして契約までオンラインで完結する仕組みでありながら、その間に本人確認のために書類の郵送という手続きが必要となってしまうこと。郵送ですから、当然即日とはいかず、この手続きのために2-3日程度の時間が必要になってしまいます。

一方で、オンラインで提供される金融サービスが増える中で、より利便性の高い本人確認手続きを求める声も高まっており、昨年11月末に犯収法の施行規則が見直しとなりました。これによって、本人確認をオンラインで完結させることが可能になりました。

これを受けて2月1日より、アルトアではまず法人の本人確認の手続きを見直し、お客さまによる本人確認書類(具体的には登記事項証明書、いわゆる登記簿謄本)のアップロードを不要としました。これまでは、登記簿謄本を法務局で取得していただき、それを画像としてアップロード、さらにアルトアからの郵送を待つ、という手続きが必要でしたが、新方式ではアルトアが法定のオンラインサービス(一般財団法人民事法務協会が運営している登記情報提供サービス)によって登記情報の送信を受けることにより、お客さまによる手続きが一切不要となりました。

これまでも折角のオンライン・レンディングなのに法務局に行くのは…、郵送を待つの…という声をいただいていましたので、大きな改善です。ただ、個人(法人の代表者、もしくは、個人事業主)の本人確認はまだ従来通り郵送手続きが必要な状態です。こちらについては、2019年春を目処に、株式会社TRUSTDOCKの開発する専用アプリによって、オンラインで完結する方式の提供を行う予定です

法人代表者の本人確認までオンライン完結できるようになれば、平日朝にお申込みをいただき、当日中に融資を実行することも可能になってきます。本当の意味でオンライン完結と胸を張れるよう、着実に改善を進めていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:36 | TrackBack(0) | アルトア

2019年01月31日

復帰二周年

前回お話しした通り私はCOBOL世代。もっとも、新卒で入社した野村総合研究所で開発に従事していたのは最初の2年ほど。プライベートでも、社会人になってからは学生時代とは打って変わり、コードを書くという機会はめっきり減ってしまいました(公私ともに充実していたということで、笑)。ということで、私の源流はエンジニアと言いつつも、コーディングは長年ご無沙汰になっていました。

そこから一念発起して開発を再開したのが、二年前。さすがにCOBOLという選択肢はなく、Rubyでの開発復帰となりました。その後紆余曲折があり、言語をPythonに変えて開発を続けてきました。一年前には「当面はこつこつと、できる範囲でコードを書き」たいとお話ししましたが、実態としては、残念ながらあまり実践できていません。

ポジティブな理由としては、アルトアの開発体制が充実してきているから。現時点ではアルトアの開発チームは8名にまでなりました(もちろん新メンバーは引き続き&絶賛募集中です)。メンバーが増え、私の出る幕がなくなったということです(笑)。ネガティブな理由はなかなかまとまった時間を取れないというありがちなもの。もちろん、これは言い訳です。

ただ、何か新しい機能を開発する際に、私の方でプロトタイプを作るということは細々と続けています。アルトアでは今晩新しい機能をリリースするのですが、これは私が開発したプロトタイプが出発点になっています。もっとも、私が作るのは、こんな感じでできるのでは、と粗々に開発したあくまでもQuick & Dirtyな「プロトタイプ」。実際に本番にリリースするためには、(私と違って)プロのエンジニアが書き直しをし、入念なテストも行っていますので、ご安心ください。

早いもので、復帰して丸二年になります。残念なのは、たまにしかコードを書いていないので、レベルがさっぱり上がらないこと。実際、ここしばらく何も書いていません。幸いにして、ちょっと試してみたい新機能があるので、2月前半ぐらいでプロトタイプを作ってみたいと思っています。はい、そうです、今日の記事は完全に自分を追い込むためのものです(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 20:14 | TrackBack(0) | アルトア

2019年01月29日

COBOL世代が物申す

最近メディアを賑わせている毎月勤労統計調査の問題ですが、意外なものがその一因とされているようです。それが何かというと…、COBOL。この報告書(pdf)によると、「毎月勤労統計調査に係るシステムのプログラム言語はCOBOLであり、一般的にシステム担当係でCOBOLを扱える者は1人又は2人に過ぎなかった。このため、一般的にシステム改修を行う場合はダブルチェックを行うが、ダブルチェックができない場合も多かった」ことが問題の一因とされています。

ITを生業とする者とすれば、おいおい、という感じですが、これに評論家の方が「これはCOBOLで書かれた特殊なプログラムなので高齢者しか読めず」という解説を加えたことが、話題になっています。ますます、おいおい、という感じです。

確かに、プログラミング言語としてCOBOLがもはや主流でないのは事実かと思います。もともとはメインフレーム上で事務処理を行うための言語として生まれ、広く利用されていました。しかし、時代と共にオープン系のシステムが増えてC(C++/C#)が、さらにウェブ系のシステムではJavaやJavaScriptが利用されるようになり、今では新規の開発でCOBOLが利用されることは滅多にありません。とはいえ、これまでに開発されたコード資産が膨大にありますから、「特殊なプログラム」と言うのはさすがに妥当ではないかと思います。また、COBOLはもともと可読性の高い言語ですから(そのために冗長になりがちなのも事実ですが)、他の言語の習得者であれば、読むこと自体はそれほど難しくありません。

私事ですが、私が野村総合研究所に新卒で入社したのが1991年。この年、新入社員研修はCOBOLで行われました。ちなみに、翌年からはCになったので、私は最後のCOBOL世代と言えるかと思います(苦笑)。それだけに、「高齢者しか読めず」に反応してしまったわけです(笑)。

ところで、あまりにタイミングが絶妙なので驚きますが、実は先週、情報処理技術者試験で選択できる言語としてCOBOLを廃止することが発表されました。その代わりに新たに採用されるのは、私も使うようになったPythonです。実際に使うようになって実感しますが、開発生産性としてPythonの方が圧倒的に高いですし、まあ、これも時代の流れだと思います(ちなみに私が当時情報処理技術者試験を受けた際は、CASLでした。懐かしい)。

こういった状況ですから、今どきCOBOLは、という意見を否定するつもりもありません。ただ、「特殊」ですとか、「高齢者しか」という意見にはさすがに首を傾げます。件の報告書をもう少しちゃんと読めばわかりますが、「抽出替え等によりシステム改修の必要性が生じた場合には、……その際にはすべての仕様をペーパーで依頼する訳ではなく、口頭ベースで依頼することもあった」というのは、開発プロセスの問題であり、どんな言語を利用しようが同じ話です。

また、「一般的にシステム担当係でCOBOLを扱える者は1人又は2人に過ぎなかった。このため、一般的にシステム改修を行う場合はダブルチェックを行うが、ダブルチェックができない場合も多かった」というのは、一見COBOLのせいにも見えますが、この文のCOBOLをJavaやPythonに置き換えても成立しうる話です。つまり開発体制の問題。そもそもやるべき仕事に対して、システムを内製するという判断が正しかったのか。内製にするのであれば、それに必要な体制が整備されていたのかどうか。

COBOL世代だからといって、COBOLを擁護するつもりはありません。ただ、今回の報告書についていえば、明らかになっているのは、COBOLの問題ではなく、システム開発体制の問題、もっといえばITガバナンスの問題ではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 14:51 | TrackBack(0) | テクノロジー

2019年01月25日

右脳思考

私がBCG(ボストン コンサルティング グループ)時代にお世話になった内田さん(現在は早稲田大学ビジネススクール教授)が出された新著が「右脳思考」。タイトルでピンと来た方もいらっしゃるかと思いますが、「仮説思考」、「論点思考」に続く、「思考シリーズ」の新作ということになります。

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ただ、前作2作に関しては、「BCG流 問題発見・解決の発想法」そして「BCG流 問題設定の技術」と「BCG流」の看板がありましたが、今回はBCG流は封印(?)。それもそのはずで「ロジカルシンキングの限界を超える観・感・勘のススメ」「優れたビジネスマンは勘で仕事する」と優秀を自認する経営コンサルタントであれば目を剥きそうなコピーです。

私は、理系出身(僭越ながら内田さんの後輩) & ビジネススクール修了 & 経営コンサルタント出身なので、ロジックの塊と思われがちです。本書で言えば、「左脳型」ということになります。ただ、私は実際にはかなり「右脳型」。もちろんロジックは大事ですが、それ以上に、想いやストーリーを重視しています。もっともこれがはっきりしてきたのは、やはり弥生の社長になってからでしょうか。ロジックは大事だけれども、それだけでは人は動きません。自分自身はもちろん、社員みなを動かすのは想いやストーリーだと思っています。

ロジックは成功させるための必要条件だけれども、十分条件ではありません。社内で提案があり、それがロジカルだとしても、そこに提案者の想いがなければ答えはノーです。どんなにロジックを積み上げても、100%の成功を保証することはできません(仮に100%の成功が保証されているのであれば既に誰かがやっているはず)。学生時代の試験と違って、100%の正解はない。むしろ大事なのは、自らの行動によって、いかに正解とするか、成功させるか。その時に必要なのはやり抜こうとする想いです(以前も「正解なんてない」という記事でもお話ししました)。そういった意味でロジックが弱い/想いは強い提案と、ロジックは強い/想いは弱い提案とどちらがいいかと言えば、前者です。ロジックは補強できますが、想いはなかなか補強できません。

もう一つ、ロジックとしては成り立っているけれど、答えがノーになりがちなパターンは、大きな流れを見失っているケースでしょうか。ある一定の範囲内においては、ロジック的に正しいけれど、大きな視野で見ると最適ではない、というケース。むろんリソースが無限大であれば、ありとあらゆることに手を出すこともありでしょうが、実際にはリソースが限られますから、できるだけ大きな成果を出せる領域に絞り込んでいく必要があります。その時に必要なのは時代の流れを読み、ストーリーとして組み立てる力です。

流れの裏には必ずそれを動かす要因があるので、実はロジカルではあるのですが、必ずしもわかりやすい調査データがある訳ではないので、パッと見、感覚や勘に見えてしまう。私が弥生の社長に就任した際に、弥生はクラウドに取り組むと宣言しました(当時はSaaSという言い方しかありませんでしたが)。周りからは、流行りにのっている、ですとか、ノリで言っていると見られていても全く不思議ではありませんが、テクノロジーの流れを踏まえれば、私としては当然の判断でした。BCG的に言えば、メガトレンドとなるでしょうか。

最終的にアウトプットを生むためには必要なのは、やり抜く力。そしてそのやり抜く力を生むためには、左脳(ロジック)だけではなく、右脳(観・感・勘)も必要です。左脳と右脳のキャッチボールで実効性のあるビジネスプランを構築し、それを自らの意志で(自らを腹落ちさせ)やり抜く。本書は、ロジックに自信のない方はもちろん、ロジックに自信のある方にとっても、ブレークスルーのきっかけになりうるのではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 19:06 | TrackBack(0) | ビジネス

2019年01月23日

20年連続のその先

先週金曜日BCN AWARD 2019の表彰式があり、BCN AWARDが始まって以来の20年連続No.1ということで表彰いただいたとお話ししました

20年連続No.1の表彰を受けたのは弥生を含めて7社。弥生以外は、日本マイクロソフト、ジャストシステム、筆まめ、バッファロー、ワコム、クリエイティブメディアという錚錚たる皆さんです。余談ですが、10年前のBCN AWARD 2009では、10年連続No.1の表彰があったのですが、この際も同じ7社でした。

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今回の表彰式では20年連続No.1については特別な枠があり、BCN代表の奥田さんより直接トロフィーを授与いただき、また、BCNの名物アナリスト、道越さんのインタビューを受けました。そこで質問を受けたのは、今後どうしたいか、特にどういった製品を提供していきたいか、というもの。

今後どうしたいかといえば、やはり20年連続に満足するのではなく、これを30年連続、40年連続と続けていきたい思っています。ただ、そのためにどういった製品を提供するか、となると…、まだわかりません(笑)。もちろん、弥生会計の次のバージョンは、というとはっきりした計画がありますし、5年後もある程度想像はつきます。実際、社内ではこの先5年近くの製品ロードマップが既に存在しています。では、10年となると…。まあさすがに、わからないというのは言い過ぎですが、あまりイメージを固め過ぎない方がいいと思っています。

話は飛びますが、こちらで弥生のMission/Vision/Valueを公開しています。ご覧いただければわかりますが、弥生のMission(使命/理念)にもVision(弥生のありたい姿)にも、「業務ソフトウェア」という単語は入っていません。お客さまが達成したいのは、お客さまの業務を成立させたい/効率化したい、事業を継続したい/成長させたい、ということ。業務ソフトウェアは、そのための手段であって、決して目的ではありません。だからこそ、弥生は業務ソフトウェアを提供する自体を目的としませんし、業務ソフトウェアだけを提供すればよしとする気はありません。

もちろん弥生はテクノロジーカンパニーですし、ソフトウェアが弥生の提供するコアであることは揺るぎません。ただ、弥生が提供するものをソフトウェアに限定する必要はありませんし、ソフトウェアを提供して終わりでもありません。今後は、大きな法令改正が続き、事業者の業務が大きく変わっていくことが予想されます。大事なのは、お客さまを取り巻く環境が大きく変化する中で、弥生としても提供する価値を進化させ、お客さまをしっかり支えていくこと。その先には、結果的に30年連続No.1であり、40年連続No.1があると考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:25 | TrackBack(0) | 弥生

2019年01月21日

20年連続No.1

先週金曜日に、BCNによるBCN AWARD 2019の表彰式がありました。BCNでは、全国の家電量販店とPC専門店2,654店舗のPOSデータを収集、集計しています。そのデータをもとに年間(1月1日〜12月31日)販売台数累計第1位のメーカーを表彰する制度がBCN AWARD。今回のBCN AWARD 2019では、2018年のNo.1メーカーが表彰されます。

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お蔭さまで、弥生は業務ソフト部門と申告ソフト部門の2部門でNo.1として受賞することができました。有難いことに、毎年のこと、ではあるのですが、やはり毎年No.1を受賞し続けることは、弥生がお客さまに提供している価値を、データに基づいて認めていただき、表彰いただくということであり、特別な意味があると考えています。

なかでも今年は特別。というのは、2000年から始まったBCN AWARDは、今回がちょうど20回目になるのですが、弥生は業務ソフト部門において20年連続の受賞となったからです(申告ソフト部門は途中で部門が増設されたこともあり、15年連続の受賞です)。表彰対象となる部門は毎年少しずつ増え、BCN AWARD 2019においてはハードウェアで85部門、ソフトウェアが32部門で計117部門(受賞社は61社)でしたが、このうち20連続の受賞となったのはわずかに12部門/7社。弥生はこの栄えある7社のうちの1社となることができました。

以前、USJ立て直しの立役者となったグレン・ガンペル前社長と話した際に、日本人は5周年・10周年というキリのいい年が大好き、だからテーマパークもここぞとばかりに盛り上げる、と言われていたことが印象に残っていますが、実際、このキリのいい何周年とか、何年連続って特別ですよね。

私が初めてBCN AWARDの表彰式に参加したのがちょうど10年前となる2009年1月。この時点でBCN AWARDは10回目で、弥生は10年連続No.1を獲得しました。この時は先達が成し遂げてきたバトンを受け取ったからこその10年連続No.1、このバトンをしっかりと受け継がなければ、と強く思ったことを鮮明に覚えています。そこから10年が経って、20年連続No.1までしっかりとNo.1を維持できたこと、もっと言えばNo.1の地位をさらに強固にできていることを嬉しく思っています。

とはいえ、20年連続も通過点でしかありません。大事なのはこれからどうするのか。20年連続で満足することなく、さらなる将来に向かって、これからも一歩一歩歩み続けなければいけないと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 弥生